蓮ノ空ヴィクロ✕キャプ翼サンシャイン! 〜 FUSION PARALLEL 〜   作:松兄

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第74話:恋する財閥令嬢(コムト)

 

 

 吟子の無揚力シュートが韓国ゴールに突き刺さり再び2点差。

 

 

ピィイイイーーーッ!!!

RESTART!!!

 

 

 再び突き放された韓国代表のキックオフから、試合は再開される。

 失点に絡んでしまい、晴也の前で大恥をかかされた(と思分い込んでいる)コムトの心は、完全に限界突破の恋の怒りでオーバーヒートしていた。

 

 

コムト「もう容赦しないわ! 全員まとめて吹き飛ばすっ!!」

 

 韓国の選手たちも、ギアが入りまくって手が付けられないコムトに迷わずボールを戻す。

 ボランチの位置を完全に飛び越え、凄まじい推進力で突進してくるコムト。

 

 

翼「とめるぞ!」

 

晴也「俺が行きます!」

 

 

MATCH UP!!

晴也 vs コムト

 

 

 すぐに止めに行く晴也。相手の動きを観察する。

 

晴也「おいおい、頭に血が上りすぎだぞ!」

 

 晴也がコースを塞ぐように間合いを詰めると、コムトは……

 

コムト「そこを退いて王子様(※勝手に脳内変換)ーーーっ!!」

 

 

 と、自慢の圧倒的フィジカルを全開にして、力任せに晴也を吹き飛ばそうと強烈なボディチャージを仕掛けてきた。

 

 だが、晴也は小学・中学時代に欧州の、アジアよりもレベルの高い巨漢どもと渡り合ってきた自負がある。

 

晴也「っ!!」

 

 晴也はまともにその突進を受け止めるのではなく、あえて一瞬早く重心を極限まで低く落とす。

 

 コムトの凄まじい突進のパワーを、自分の体幹を軸にして「逆に利用する」。

 衝突の瞬間、コムトの重心よりも低い位置に潜り込み、コムとの身体を引っかけるように捉え、腕を使わずに連動させた腰の動きだけで柔道の要領で彼女の勢いを前方へと受け流しながら、その身体をを遠心力でグルンと一回転させる。

 

コムト(えっ………!?)

 

晴也「重心…回転破壊(じゅうしんフルバースト)!!!

 

 

 

ドシャアッ!!

 

コムト「きゃあっ!?」

 

 重力と勢いを制御できなくなったコムトの身体が宙を舞い、そのままピッチの芝生へ、背中から派手に叩きつけられた。

 

 

実況『あーーーっと! 笛は無い!!』

 

解説『ファールギリギリ!!』

 

 

晴也「ていうか、王子様ってなんだよ……、マイボー――」

 

 晴也がボールを回収して前を向こうとした、まさにその瞬間だった。

 

キム「そこだっ!」ズザァアアッ!!

 

晴也「!?」

 

 すぐにフォローに入った"キム・ヘドン"のスライディング。奪い返されてしまう。

 

インチョン「ナイスカバー!!」

 

 晴也が一瞬、コムトを制したことに安堵したその隙を完璧に突かれ、鋭いタックルでボールを綺麗に奪い返されてしまう。

 

 

梢(王子様…………)

 

 

 ―――ベンチでも、

 

さやか「あとで晴也くんはお仕置きですね」

 

 

 ―――観客席でも、

 

ヤノサ「晴也くん、お仕置きですね♡」

 

 

ゾクッ!

 

晴也「っ!!」

 

 瞬間、悪寒が走り身震いした晴也。そうしている間にも、奪い返されたボールは、倒れた状態から即座に跳ね起きたコムトの足元へ、絶妙なリターンパスとして転がっていく。

 

晴也「やべっ!?」

 

 我に返り慌てる晴也。

 

コムト「ふ、吹き飛ばされるなんて、私がなんて無様な……っ!」

 

 

 王子様(※勝手に思ってる)に鮮やかに転がされた屈辱に、顔を真っ赤にして「ぐぬぬ」と悔しがるコムト。

 

 しかし、自分の足元にあるボールと、日本のディフェンスラインが乱れている状況を見るや否や、コムトの"恋する乙女"のポジティブシンキングが火を吹いた。

 

 

コムト「――でも、ボールがここにあるということは、結果オーライよーーーっ!!!」

 

 転んでもただでは起きない財閥精神!

 

 ふっ飛ばされた悔しさを一瞬で「前進するエネルギー」へと変換したコムトは、再び凄まじいプレッシャーを撒き散らしながら、日本のゴール目指して猛然とドリブルで突き進み始めた。

 

 

晴也「やべぇ!?」

 

翼「っ! ディフェンス!」

 

 急いで止めに行く全日本ユース。松山、梨子、瑠璃乃が完全に包囲する。

 

コムト「小賢しい!」

 

松山「パワーを発揮するための距離を与えるな! 間合いを詰めろ!」

 

梨子「分かってます!」

 

瑠璃乃「ラジャー!」

 

 パワーを発揮するにもダッシュである程度十分な距離を走る必要がある。

 よって、距離を詰められすぎれば十分なパワーを出せないのだ。

 

 ――だが、

 

コムト「そこっ!」ドッ!

 

松山「なにィっ!?」

 

 コムトの低弾道のパス。包囲を抜けて日本ディフェンスラインの前へ。

 そこにインチョンとヨンウンが走り込む。

 

ヨンウン「よし! ナイス、コムト!」

 

インチョン「決めるぞ!」

 

 攻め上がってくる2人。すぐに果南が止めに入る。

 

果南「行かせるかっ!」ダッ!

 

ヨンウン「俺たちのコンビネーションについてこれるか!?」パス

 

インチョン「行けっ!」ドッ!

 

 インチョンの力強いドリブル&パス。ヨンウンの柔らかいドリブル&パスによるワン・ツー。

 

 ディフェンスラインを突破される。

 

インチョン&ヨンウン「「[剛の虎 柔の虎・GX]!!」」

 

果南「あっ!?」

 

 突破される果南。インチョンはシュートの体勢だ。

 

 

インチョン「決める!!」

 

 右足を思い切り振りかぶるインチョン。

 

 

インチョン「[バーストインパクトショット]だあっ!!」ドゴォオォオォオオォオオオッ!!!

 

 [重戦車シュート]や、[レッドデビルツインシュート]を上回る威力の必殺シュート。

 梢先輩に襲い掛かる。

 

 そこへ、

 

次藤「させんタイ!」バギィイイイッ!!

 

 次藤の捨て身のパワーブロック。シュートの威力を削りにかかる。

 

 

次藤「ぐうぅううおおおおっ??!!!」

 

インチョン「ムダだ!」

 

バギィイイイッ!!

 

次藤「うおあああっ!!??」

 

 ふっ飛ばされる次藤。――が、このブロックであと一歩のところで慈が間に合う。

 

慈「ナイス次藤! 間に合った!」

 

 慈がオーラを練り上げると、背後に鋼鉄の壁が迫り出し、シュートをブロック。

 

慈「[絶・アイアンウォール]!!」ガキィイイイッ!!

 

 慈のブロック。次藤のブロックと合わせて止めきった。

 

インチョン「なにィっ!?」

 

慈(なんてパワーだよ……)

 

慈「行って!」ドッ!!

 

 今度は日本のカウンター。ボールは瑠璃乃へ。

 

瑠璃乃「ナイス、めぐちゃん!」

 

 ボールを受け取った瑠璃乃先輩。ドリブルで攻め上がる。

 

 ――が、

 

コムト「行かせないわっ!!」

 

 再びコムトが立ちはだかる。さっきはスライディングを空中に逃げられて躱されたため、今度はある程度の距離を取る。

 

 だが、それは瑠璃乃先輩の術中。

 

 

瑠璃乃「それはルリの得意な間合いだよ!」

 

 瑠璃乃先輩はボールに半玉乗り状態になって回転突破(ルーレット)。鮮やかに抜き去る。

 

コムト「なっ!?」

 

瑠璃乃「"空中突進回転(エアラッシュターン)"!!」

 

 

 抜き去った瑠璃乃先輩。ゴール前へと走る。

 

瑠璃乃「決める!!」

 

 瑠璃乃先輩は天高くボールを蹴り上げる。するとボールに何万ボルトという高圧電流が帯電し、瑠璃乃は背面腕組みでジャンプ。そしてオーバヘッドウィンドミルボレーで蹴り落とした。

 

瑠璃乃「「極・天空サンダー」!!」ドゴォオォオォオオォオッ!!

 

 

 瑠璃乃先輩の必殺シュート。韓国ゴールに迫る。

 

イム「させるかっ!」

 

 ここで韓国ディフェンダー、"イム・ヒョンシム"がブロックに入る。身体を投げ出してヘディングブロック!!

 

イム「っ!!」

 

瑠璃乃「行けぇえええっ!!」

 

バゴォオオッ!!

 

イム「アーーーっ!!」

 

 ふっ飛ばされるイム。キーパー、"ホン・ギルタン"が止めに入る。

 

ホン「止める!!」バチぃっ!

 

 ホンの横っ飛びパンチング。拳はしっかりとボールを捉えた。

 

ホン「止まれえぇえええっ!!」

 

バチぃっ!

 

瑠璃乃「っ! ウソ!?」

 

 

 ボールは、ラインを割って外に出た。

 

 日本のコーナーキックだ!!

 

 

 

後半:26分

 

日本 3 ー 1 韓国

 

― つづく ―




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