ハイスクール 鬼と竜   作:謎の旅人

17 / 39
第14話

泣き叫ぶレイナーレさん。もはやどこを見ているのか分かりません。私は這いながらアーシアさんのもとへ行きます。近くに来るとかすかですが、まだ生きています。私はこの子を助けたい。

 

私はアーシアさんの体を影のある場所へ引きずります。レイナーレさんはそれに気付いていません。レイナーレさんも悪い人ではないようです。だから、この子を救います。影まで行くと少ない魔力を使い、転移魔法を使います。

 

体が影へ沈んでいきます。影へ沈んでしばらくして、別の場所の影から出ます。場所がオカルト研究部の部室。きれいだった床は私たちの血で赤く染まります。

 

 

「はあ……はあ……はあ……兄さん、小猫ちゃん、気付いて……。『魔法の射手!光の3矢!』」

 

 

私は最後の力を振り絞り、魔法を窓に向かって放ちます。放たれた光の矢3本は、窓を突き破ります。きっとこれで気付くはずです。小猫ちゃんの仲間の方も気付くでしょうが、来て欲しいのは小猫ちゃんと兄さんです。

 

アーシアさんと私の血が混じる床。互いの服が赤くなっています。アーシアさんの体を触るとその体から体温が低くなっているのが分かります。誰か!早く来て!そう思います。

 

 

「ごふっ、げほっ。はあ……はあ……はあ……、誰、ですか?」

「私は兵藤 絢乃です。あなたに……助けたもらった……少女、で……す」

「よかった……。生きているん……です、ね。私はもうダメ……です。でも……最後に……人を救えて……よかった」

 

 

その目に涙が溜まり、流れていきます。顔がどんどん血の気が失せて青白くなっていきます。私はどうすればいいんでしょうか?この子を救うために吸血鬼にすればいいのでしょうか?それともこの子に私の血を飲ませればいいのでしょうか?

 

いえ、無理です。吸血鬼にするにしても、今の私は色々と不安定です。もしかしら、失敗してアンデッドになるかもしれません。その確率が高いです。次に血液を飲ませることですが、今の体では無理です。

 

飲ませようにも怪我のせいで体が震えています。それでは1滴以上を飲ませてしまいます。だから今は何もできません。魔法だってこれだけ大きな傷には効果ありません。誰か早く来てください。

 

じゃないとアーシアさんが死んでしまいます。この子を救いたい。私を救った子を救いたい。そう思っています。

 

 

「絢乃さん……私も天に帰るときが……来た……よう、です」

「待ってください!もう少しで、ごほっ、助けが来るはずです!」

「もう……無理です。あなた、となら……と……もだ……ち、に………なれ………そ…………」

 

 

それから言葉は続きませんでした。瞳の光は消えゆっくりと瞼が閉じられました。触れているアーシアさんの肌から体温が消えていくのが、感じられます。アーシアさんが死んだ。消えていく体温がその事実を伝えます。

 

 

「う、そです……よね? ごほっごほっ、そんな……!」

 

 

血を何度も吐きだします。私は……助けられなかった……。私が力不足なせいで……。私を助けてくれた人なのに。助けたかったのに。なのになのになのに! 助けられなかった! 血を飲ませれば助けられたのに、できなかった。吸血鬼にすれば助かったのに、できなかった。

 

全部、私が悪い。私が未熟だから。そもそも私が内緒で学校へ向かったから。向かわなかったらアーシアさんは死ななかった。私のせいだ。

 

バンッ

 

ドアが勢いよく開けられます。入ってきたのはリアス先輩、生徒会長、木場先輩、朱乃先輩、小猫ちゃん、他は私が神父と戦ったときとこの前の戦いで、生徒会長と共に現れた人たちです。

 

やっぱり兄さんは来ませんでしたか。まあ、兄さんは一般人に近いですからね。でも、小猫ちゃんが来てくれてよかったです。来なかったら目に見て分かるほどに、落ち込んでいたでしょう。

 

 

「これは!? 朱乃はそのシスターを!! けど気をつけなさい。その子は聖職者よ」

「分かっていますわ」

「祐斗は周りを警戒してちょうだい!! 小猫は私と絢乃を!!」

 

 

リアス先輩が指示します。生徒会長はすでに指示を出していました。生徒会長たちは主に木場先輩と同じように、警戒をしているようです。きっと、さっきの魔法で戦闘があり、その相手がいると思ったんでしょう。

 

私のほうにリアス先輩と小猫ちゃんが来ます。小猫ちゃんは少し顔が青ざめていた。やっぱり私のこの血まみれの姿を見たからですね。だって、お腹には穴が開いて、左腕を除いた手足にも穴が開いているんです。

 

 

「あはは、ごめんね。ごほっ、約束……破っちゃった」

 

 

血と苦痛にゆがんだ顔で小猫ちゃんに言います。

 

 

「今はいいです!! それより傷をどうにかしないと!!」

「そうだね。なら、兄さんを呼んで。兄さんがいれば治るから」

「……分かりました。部長、今から絢乃さんのお兄さんを呼びに行きます」

「分かったわ。さあ、早く行きなさい」

 

 

小猫ちゃんがここから出て行き、兄さんのもとへ行きます。小猫ちゃんが出て行った後、リアス先輩が私へ近づきます。

 

 

「あのシスターはどうしたの?」

「私を助けてくれたんです。けど、そのせいで傷を……」

 

 

私は今や動かなくなってしまった少女に目を向けます。朱乃先輩はその子の生死を確認し、リアス先輩に首を振っていました。それは死を表していました。やっぱり、私の勘違いじゃなかったんですか。

 

 

「あなたは助けたかったの?」

「……はい。私を救ってくれたんです。なんとしても助けたかったです。でも、私が未熟だったから……」

「そう。ならもし彼女が助かるならどうする?」

 

 

リアス先輩からの言葉に思わず目を見開きます。助かる?アーシアさんが?もう死んでいるアーシアさんが?生き返ればまさに奇跡のようなことです。ですが、それはありえないことです。

 

 

「そう……ですね。私ができることはなんでもします」

 

 

私がそう言ったとき、リアス先輩の口の端がつり上がったように見えました。ですが、私が瞬くをし、目を開けたときにはいつもの表情でした。気のせい?とにかく、私は痛みに耐えながらリアス先輩を見ます。

 

 

「ふふ、いいわ。この子を助けてあげる」

「えっ?」

「でも、この子には傷があるから、あなたの血をすぐに飲ませてちょうだい。あなたの血ならできるでしょ?」

「はい、でも私はこの傷です。手が震えています」

 

 

私は血にまみれた腕を持ち上げます。その手は震えています。私の傷はまだ塞がりません。もう血は止まっているので、失血はしません。でも、そのせいで体の感覚がほとんどありません。今腕を動かしていますが、細かい感覚は分かりません。

 

 

「ですので、誰かの手を借りたいです」

「もちろん分かっているわ。その手伝いは……そうね。朱乃に手伝ってもらうわ。朱乃!」

「はい、部長」

 

 

リアス部長に呼ばれ、朱乃先輩がアーシアさんのもとから私のもとへ来ます。

 

 

「絢乃に手を貸してあげて。今からあのシスターを転生されるわ」

「いいんですか? 天使側と問題になるのでは?」

「私はこの子を助けてほしいと言われて、転生させるの。それにこの子だってまだ死にたくなかったはずよ。そう考えたらこの程度なら問題ないわ。神だって悪魔の善意くらいは許してくれるしょう」

「分かりましたわ」

 

 

2人の間でなにやらよく分からない話が聞こえます。血を大量に失った私は思考能力が低下しており、そこまで深く考えることはできませんでした。朱乃先輩が血にまみれた私の手を持ち、慎重にアーシアさんの口元へ持っていかれます。

 

そして、私の指先に溜まった血が揺れ動きます。その血の雫は今にも落ちそうです。しばらくそのままにしていると、ついに血の雫はアーシアさんの口の中へ入っていきました。しかし、アーシアさんの身体の傷は治りません。

 

生きているときならまだしも、死んでしまった身体では効果がないみたいです。ですがそれに関係なく、リアス先輩はいつの間にか持っていた駒をアーシアさんの胸元へ置きます。リアス先輩の体に紅い魔力が覆います。

 

 

「我、リアス・グレモリーの名において命ず。いま再び我の下僕となるため、この地へ魂を帰還させ、悪魔となれ。汝、我が僧侶として、新たな生に歓喜せよ!」

 

 

詠唱のようなものが唱えらます。駒は紅く光を発して、アーシアさんの胸へ沈んでいきます。しばらくすると、アーシアさんの身体の傷が治ってきます。それが表すことはアーシアさんが生き返ったということです。

 

 

「生き返った……? げほっごほっ、……嘘」

「嘘じゃないわ。けど、生き返ったはちょっと違うわ。正確には転生した、ね」

「転生?」

「そう、転生。この子は悪魔に転生したのよ」

「悪魔?」

「あら? 言わなかったかしら? 私たちは悪魔よ」

 

 

バッ!

 

そう言ったリアス先輩の背中から翼が生えます。それはコウモリのような翼です。あれが悪魔の翼。私は思わず見惚れます。

 

 

「私がさっきあなたにどうするって言ったわよね? それは代価を聞いたのよ。私たちは悪魔。願いを聞く代わりに代価を要求する」

「私は悪魔と契約……したわけですね」

「そうよ。けど安心してちょうだい。たしかに悪魔と契約したけど、魂とかを要求するわけじゃないし、何か難しいものを要求するわけでもないわ。代価は今度要求するから今は気にしないで」

 

 

リアス先輩に頭を撫でられます。思わず寝てしまいそうになりますが、何とか堪えます。

 

バンッ

 

勢いよく扉が開かれました。現れたのは小猫ちゃんと兄さん。兄さんの顔が見られるなんて久しぶりのような気がします。もう1ヶ月も会ってない様な気がしてしまいます。いえ、精神的に1ヶ月でしたね。兄さんは私の血まみれの姿を見て、呆然としています。しかし、小猫ちゃんに脇をつつかれ、私に駆け寄ってきます。

 

 

「絢乃!! どうしたんだ!! 何があったんだ!!」

「……あとで言います。ごほっ……それより顔を近づけてください。急いでください」

「こうか?」

「そうです」

 

 

兄さんの顔が近づき、もう少しで唇が重なりそうになります。しかし、私の唇は重ならず、兄さんの首筋へ行きます。

 

 

「……何をするんだ?」

「心配しないでください。痛いのは最初だけです。だから我慢してください」

 

 

兄さんの顔は見えませんが、きっと困惑しているでしょう。私は口を開けその鋭い八重歯を首筋に突き刺します。兄さんの体が震えたのが分かります。けど私が兄さんの肩を掴んでいるので、兄さんが私から離れることはできません。

 

 

「ちゅう……んん……ごくごく……」

「あや、の?」

「心配しないで……。ちょっと血を―――――っ!!」

 

 

私の体がびくんっと痙攣します。兄さんの血が熱く感じます。なに、これ? 嘘っ! 私の体に何かが入り込んできます。大きくて力強い何かです。私は思わず兄さんを突き飛ばしました。

 

突き飛ばされた兄さんは壁にぶつかります。でも、私はそれを確認しません。私はゆっくりと立ち上がります。体の傷はすべて治っています。大きな何かは未だに私の体の中で変化します。

 

いえ、私のなにかを本来のもとへ変えようとしているんです。私の体からは魔力が溢れます。溢れた魔力は周りの物を吹き飛ばします。

 

 

「何事ですか!?」

「分からないわ。絢乃のお兄さんの血を飲んだらこんな風に」

 

 

生徒会長の問いにリアス先輩が答えます。私の中で大きな力が私と同化していきます。体に力が溢れます。なんだろう? 昔にこの力を感じたことがある。そっか、これが完全な覚醒なんだ。

 

だからこんなに体がすっきりするんだ。体から溢れる魔力を収めます。それを実感し思わず高揚します。

 

 

「ふふふ、あはははははははは!! これがこれが!! 私の力!! すごい!! 今までの力と比べられないほどの力!!」

 

 

思わず声上げ笑います。周りの人たちは私を見て、警戒します。けど、小猫ちゃんはいつも通り無表情になっています。

 

 

「ははははははははは!! ははははははは……はははは…………はは……はあぁぁ。あ~、久しぶりにこんなに笑った」

「……絢乃?」

「ん? なんですか? リアス先輩」

「あなた、絢乃よね?」

「そうですよ」

 

 

当たり前のことを何聞いているんですか? どう見たって私です。私は首を傾げ、リアス先輩を見ます。

 

 

「ごめんなさい。あなたがあんなに笑ったから、またあの時みたいになったのかと思って」

「あの時?」

「祐斗と戦ったときのことよ」

 

 

木場先輩と? あ~、絢音が暴走したときのですか。私は周りを見ます。まだあのときの傷がある人が数人いました。私はその人たちのもとへ行きます。私がその人達の前に来ると、その人たちが後ろに下がろうとします。

 

 

「あ、あの時はどうもすみませんでした!」

 

 

私は頭を下げました。しかし、いつまで経ってもなにも反応がありません。私はゆっりと顔を上げます。上げると呆然としていました。

 

 

「あ、あの~?」

「あっ、すみません。いえ、大丈夫です。私たちもほとんど怪我は治りましたし、傷もかすり傷だけです」

「私たちもです。だから、気にしないでね」

 

 

みんなそう言ってくれます。その心の広さに思わず、泣いてしまいそうでした。そこに一人が手を挙げます。

 

 

「あの、あなたのお兄さんは大丈夫ですか? さっき突き飛ばしてそのままだったような気が」

「!!」

 

 

私は兄さんを突き飛ばしたことを思い出します。兄さんを突き飛ばしたところを見ると、木場先輩が体を支えていました。私はすぐに駆け寄ります。

 

 

「兄さん!! ごめんなさい!!」

「いや、大丈夫だよ。怪我はしてないから」

 

 

そう言う兄さんの服にはほこりは付いていますが、どこにも怪我はありませんでした。やっぱり兄さんが吸血鬼だからですか。でもよかったです。もし人間なら大きな怪我をしていたはずです。

 

 

「それよりさっきのは……」

「……今日の夜、話します」

「分かった。待ってるよ」

 

 

私はそう言います。つまり、小猫ちゃんの家ではなく、自分の家に帰るんです。私の体の負担は兄さんの血を飲み、完全に覚醒したためなくなりました。私も驚きです。絢音の話では人間6人分の血が必要なはずなのに、たった1回、それも吸血したのは少量です。

 

なのに、完全に覚醒しました。原因は分かりません。兄さんも吸血鬼だから? それくらいしか思いつきません。

 

 

「んん? あれ? なんで私は?」

「アーシアさん!!」

 

 

聞こえたのはアーシアさんの声。レイナーレさんに殺され、死んでしまったシスター。そして、リアス先輩によって悪魔になって生き返ったシスターさんです。私は喜んで、アーシアさんのもとまで行き、抱きつきます。

 

 

「へっ? きゃっ!」

「よかった、本当によかった! うぅ……ひぐ……よかった」

「絢乃さん、でしたよね? なんで泣いているんですか?」

「だって、だって!! 死んじゃったんですよ!」

「うう、やっぱりあれは現実だったんですね。でも、なんで私は?」

 

 

私がアーシアさんの胸元で泣いていると、リアス先輩がアーシアさんの前に出てきます。

 

 

「それは私が説明するわ」

「あなたは?」

「私はリアス・グレモリー。悪魔で貴女の主よ」

 

 

そこからリアス先輩が説明します。アーシアさんがどういう状態なのか、下僕悪魔の特性について、etc...と説明をされました。

 

 

「私、悪魔になっちゃったんですね」

「嫌だったかしら?」

「い、いえ! これでよかったと思っています。私にはまだやることがありましたし、絢乃さんとお友達になりたかったですから。でも、聖職者である私が悪魔になったんです。一応、主に謝らないと。主よ。こんな私をお許しください」

 

 

アーシアさんが手を合わせお祈りします。しかし、「あうっ!」という声と共に、頭を抑えます。

 

 

「アーシア、貴女はもう悪魔よ。お祈りをしたら、ダメージを受けるわよ」

「はうう、そうでした。主よ。もうお祈りできない私をお許しください」

 

 

再び手を合わせお祈りをし、「あうっ!」という声がしました。リアス先輩はやれやれという顔でアーシアさんを見ていました。私はちょっと面白くてクスクスと笑っています。

 

 

「もう終わりましたか?」

 

 

そこに生徒会長の声が入ります。

 

 

「ええ、終わったわ」

「そうですか。一応、警戒はしておいたのですが、お2人を襲ったらいき人物は現れませんでした」

 

 

それを聞いたアーシアさんが少し悲しそうな顔をします。私が見ていた限り、アーシアさんとレイナーレさんは親しい関係のように見えました。なので、アーシアさんがそんな顔をするのは理解できます。

 

 

「もう何もないようでしたら、一部は戻らせましょう。あらから結構な時間が経っています。さすがに生徒たちから怪しまれます」

「そうね。そうしましょう。祐斗、朱乃。ここはもういいわ。あなたたちは先に戻っていてちょうだい。小猫はここにいて」

 

 

リアス先輩が指示を出します。小猫ちゃん以外のリアス先輩の下僕は出て行きます。生徒会長のほうも、副会長を残し他は戻っていきます。結果、残ったのは私、兄さん、小猫ちゃん、アーシアさん、リアス先輩、生徒会長、副会長の7人です。

 

そういえば、小猫ちゃんは妖怪であり、悪魔だったんですね。そして、話の流れからしても、人間以外の学校にいるのはほとんどが悪魔のようです。つまり、妖怪ではなく悪魔が中心のようです。

 

まさか、妖怪ではなく悪魔だったなんて。というか、悪魔って本当にいたんですね、といまさらながら思いました。まあ、堕天使がいるんです。悪魔もいるに決まってますよね。

 

 

「アーシア、あなたはしばらく小猫と同じ部屋に住みなさい」

「あの、小猫さんとはどなたでしょうか?」

「ああ、ごめんなさい。この子が小猫よ」

 

 

アーシアさんの問いに答えるために、小猫ちゃんが前に出されます。その表情は無表情です。アーシアさんはちょっと苦笑いです。私は兄さんの腕を組んでそれを見ていました。

 

 

「あの~、よろしくお願いします。アーシア・アルジェントです」

「……塔城 小猫です」

 

 

アーシアさんはおずおずと手を差し出します。小猫ちゃんはそれに答え、同じように手を出し握手をしました。

 

 

「紹介は終わったわね。アーシアの荷物はどこかの教会よね? ならそれはあきらめてちょうだい。悪魔は教会には行けないわ」

「はい、分かりました。別に大切なものはありませんでしたし、問題ないです」

「それはよかったわ。休日に小猫と一緒に買い物に行きなさい。お金は私が出すわ」

「そ、そんな! そこまでしてもらわなくても……」

「アーシア、あなたは私の下僕よ。そして家族よ。家族でもある下僕のために主が何もしないなんて、私にとってはありえないことよ。だから、遠慮はしないで」

「か、家族!」

「ええ、そうよ。あなたはもう私の、いえ、私たちの家族よ!」

 

 

2人はなぜか手を繋ぎきらきらな目で見つめ合っていました。なんですか? この茶番みたいな展開は。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。