ハイスクール 鬼と竜   作:謎の旅人

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第3話

私は目を覚ましました。ここは・・・・家のベッドですね。

なんでここに?確か男たちに囲まれていたはずです。

横には傷だらけの兄さんがいました。

 

 

「に、兄さん!!」

 

 

私は兄さんの体を揺さぶります。

 

 

「ゆ、揺らすな。傷が痛む」

「兄さん、起きていたんですか?」

「揺さぶられて起きたんだよ。ところでどうして俺は、ここにいるんだ?」

「私にも分かりません。私も兄さんを探していたら、男たちに囲まれてそこから記憶が

ないんです」

「・・・・・何かされた跡はなかったか?」

「心配しなくても、何もなかったです」

「そうか。よかったよ」

「ひゃう!?」

 

 

いきなり兄さんが私を抱きしめます。い、いきなりでびっくりしました。

なんで抱きしめられたんでしょうか?ま、まあ、嫌ではないんですけどね。

 

 

「ど、どうしたんですか?」

「俺を殴った奴らがお前に、いろんなことをするって言っていたからな」

「でも、私は大丈夫ですよ」

「ああ、だから本当によかった」

 

 

しばらくそのままでいました。その夜も抱きしめられながら寝ました。

 

 

 

 

ふう、やっと寝ましたか。全くのこの子とその兄は仲がいいですね。

それにこの子たちは本当に面白い。互いに同じ気持ちを持っていながら、互いに

気づいていないふりをしている。さて、その気持ちが今後どうなるやら。

 

そろそろ仕事をしますか。私がいる限り、この子たちは私が守ってあげる。

だから、危険は排除しないと、ね?私は蝙蝠のマントを羽織り、空を飛びます。

もう()の場所は知っています。

 

目的地に着きます。その場所は大きな家です。まさに金持ちの家です。

この子とその兄を襲うように命令したのはこの家の主人の息子です。私はその息子の

部屋の窓から入ります。窓の鍵?そんなものは破壊します。

 

 

「起きなさい」

「うるさいな!僕はまだ眠いんだ!使用人が言うことを聞けないのか!」

 

 

私を使用人だと勘違いしているみたいですね。

 

 

「私は君の使用人ではない。よく見ろ!」

「き、君は兵藤絢乃!なんで僕の部屋に?」

「君は私たちを襲うように金で高校生を雇ったね?」

「この僕が?君たちを?なんでそんなこと」

「理由は簡単。君は兵藤一誠に喧嘩で負けた。その報復。君は金持ちだからプライドが

高いからね。そのぐらいはするよ。他には私も襲うようにしたことから、デートのお誘

いを断ったことからの八つ当たり」

「証拠は?確かに金を持っている僕ができるし、あの出来事があったから君は僕を

疑うよね。でも僕がやったという証拠がない」

 

 

犯人らしい返し方です。私が探偵で、相手が犯人。面白い。

 

 

「襲ってきた奴らに、私が聞いたら教えてくれたよ。私が見せた顔写真を指差しながらね」

 

 

はい、ハッタリです。私が貰った情報は、雇ったのが金持ちの小学生だけです。

裁判でも通用する証拠?私は犯人が分かればいいので、関係ありません。

 

 

「くそ!あいつらめ!あれだけの金をやったのに!で、どうするんだ?この僕を!」

 

 

決まっています。もうこれ以上この子たちに手出しはさせません。

 

 

「私の目を見ろ!」

 

 

私と視線が合ったとたん相手が固まります。意識を幻想空間へ送りました。空間の中

には恐怖が待っているはずです。人生最大のトラウマになるほどのものです。

人の人生をめちゃくちゃにした?こっちだって私が出てこなかったら、この子には心

と体に傷がついて、この子の兄には体に障害、もしくは死が待っていました。

それに比べれば、軽いものですよ。おっとそろそろ終わる頃ですね。

 

 

「う、うわあああああああ!!やめてくれ!!来るな!!たくさんの虫が!!手が!!

顔がああああ!!」

 

 

ふふふ、成功したようですね。この騒ぎで周りが起きましたね。

私はここから退散しますか。私は影を利用し、部屋から自分の部屋に転移します。

あ~あ、微量の魔力が転移魔法ですべてなくなりました。

それに眠くなりました。私はこの子の兄に抱きついて眠りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は卒業式です。あの襲われた日から何事もなく無事に過ぎていきました。

兄さんの話では私をデートに誘い、兄さんに殴られた方は私たちが襲われた日の翌日から精神的

に不安定になり、それ以来学校を休んでいるそうです。

 

私は在校生なので、卒業式に参加しました。兄さんは泣いていませんが、周りの人達は

泣いている人が見えました。私も泣いています。だって兄さんがいなくなるんです!

1年間一緒に登校したり、下校できないんです!泣きますよ!

 

兄さんの名前が呼ばれ、校長から卒業証書を貰っています。思わず声を上げ泣いてしま

いそうでしたよ。卒業式が終わりました。私は急いで兄さんのもとへ急ぎました。

 

 

「兄さんもついにいなくなるんですね」

「家で会えるだろう」

「私は学校で会えないのが嫌なんです!」

「でも、そろそろ兄離れするにはいい機会じゃないのか?」

「!!に、兄さんは私が嫌いなんですか!?」

「そんなわけないじゃないか。でも、絢乃だっていつまでも俺の傍にいられるわけじゃ

ないだろう?なら、そのための練習だって思えば―――――」

「に、兄さんのバカ!!」

 

 

私はその場から走り出しました。

兄さんのバカ!私はずっと兄さんと一緒にいたいのに!なんでそんなことを言うの!?

私は兄さんがいないと何もできないのに!兄さんが心の支えなのに!

なんでなんで!!

 

家に帰り着きます。部屋のベッドに倒れこみ枕に顔を押し付け泣きました。

兄さんが私を拒否したように感じた。兄さんが私を邪魔に思ったのかと感じた。

兄さんが表面では嫌ってなくても、心では嫌っているかのように感じた。

 

私はそんなことを考え続けていました。

 

 

 

 

 

「絢乃、顔を上げてくれ」

「なんですか?」

「ごめんな」

「なんで謝るんですか?」

「だって泣いているじゃないか。それは俺が言った言葉のせいだろう」

「なら私が泣いた理由が分かるんですか?」

「・・・・ごめん、分からない」

「なら謝らないでください!!」

 

 

今の私は嫌な女です。つい兄さんに当たっています。

本当は私が悪いんです。兄さんの言ったことは正しい。でも、私が兄さんに依存しすぎ

ている。兄さんだってそれが私のためだって思って言ってるのに。

 

 

「怒鳴って、ごめんなさい。しばらく一人にしてください」

「分かった」

 

 

ごめんなさい、兄さん。本当は謝りたかったです。でも、なんで私は兄さんに依存して

いるんでしょうか?確かに家族だからというのもありますが、私は兄さんにずっと

一緒にいたいと思います。それは誰よりもずっといたいと思うほどに。

 

この心は前からあった心。それは一度は隠した心。それは前よりも大きくなっていまし

た。この心はもう抑えることはできません。もう認めるしかないです。私は・・・・

私は兄さんが好きです!

 

それを認めた瞬間、私の鼓動は早くなります。やっぱりそうです。

兄さんがずっと好きだったんです。だから私は離れたくないんです。で、でも、しばら

くはいつも通りでいたいです。

 

これは絶対に揺るがないものです。一時的なものではないです。確かめる必要はありま

せん。だったらまずやることは、早く兄さんに謝らないと!

 

 

「に、兄さん!へ、部屋に来てください!」

「お、おう。分かった」

 

 

兄さんを部屋に呼んだあと、私と兄さんは向き合います。

窓からは赤くなった空が見えます。それはまるで告白するにはいいシチュエーションで

す。兄さんはそれに気づいたみたいです。

 

 

「兄さんに大切な話があります」

「な、なんだ?」

 

 

互いの瞳が合います。

 

 

「兄さん、ごめんなさい!!」

「へっ!?」

「私が悪いんです!兄さんだって私のことを考えて言っていたのに、それを考えずに

・・・・」

「あ、ああ、なるほどな!いや別にいいんだ。謝るな」

「でも、私は兄さんの傍に居たいんです。それは分かってください」

「分かった。もうあんなことは言わないよ」

 

 

私たちはこうして仲直りしたのでした。

 

 

 

 

 

 

私が小学6年生、兄さんが中学1年生になりました。

兄さんが最近、友達と遊ぶようになりました。ちょっと嫌ですけど、わがままは言えま

せん。私の卒業が迫ってます。

 

この数ヶ月。私はずっと我慢してきました。兄さんのいない学校。それは寂しいもので

した。でもそれもあと少しの辛抱です。もうすぐでまた再び学校で会えます。

 

だから、待っててください、兄さん。もうすぐですよ。

 

 

 

 

 

 

私は卒業しました。そして、ついに兄さんと同じ中学に入学しました。

ああ、ついに兄さんと登校、下校できます。

 

 

「兄さん!やっとこれから一緒に登下校できますね!」

「やけに喜んでいるな。そんなにうれしいのか?」

「もちろんです!確か中学は弁当でしたよね?」

「弁当だよ」

「私が作ります!本当は兄さんが1年生のときから作ってあげたかったんですが、そのと

きは兄さんにふさわしい料理が作れませんでした。でも安心してください。

作れるようになりましたから」

「じゃあ、楽しみにしているよ」

「はい!期待していてください!」

 

 

兄さんから期待されました!これは思いっきりすごいのを作らないと!

 

 

「ふふ、絢乃の料理はすごいわよ。イッセーも存分に期待しなさい」

「父さんも見てみたが、本当にすごかったぞ。ただ味を知っているのは母さんと絢乃

だけだけどな。食べたら父さんにどんな味か教えてくれ」

 

 

私の料理は両親公認です。学校で兄さんと食べられないのは、残念ですけどきっと

美味しいと言ってくれるはずです!

 

 

 

 

そしてついにこの日が来ました。今日は弁当がある日です。私は朝早くから起き、弁当

を作ります。内容はまだ秘密です。昨日の夜から下ごしらえしているので、そんなに

時間はかかりません。

作り終わった頃には兄さんが起きてきます。

 

 

「兄さん、おはようございます」

「おはよう、絢乃。隣にいないと思ったら、ここにいたのか」

「兄さんはやっぱり私が隣にいたほうがよかったですか?」

「な、内緒だ」

「今度から私が起こしますね」

「な、なんでだ!?」

「別にいいじゃないですか。ただ起こしたいから起こすんです」

 

「こら二人とも。いちゃついてないで、さっさと支度しなさい」

 

 

お母さんに言われ、早く準備をします。ついうれしくてはしゃぎすぎました。

 

 

「兄さん、これは弁当です」

「けっこう大きいな」

「兄さんはこれくらい食べるでしょう?」

「そうだな。ありがとう、絢乃」

「それは食べてから言ってください」

「じゃあ、帰りに言うよ」

「あ、でも、美味しくなかったら正直に言ってくださいね。遠慮しなくていいです。

言ってくれればそれだけ美味しくしますから」

「分かった。ちゃんと言うよ」

 

 

不味い料理を美味しいと言って、気を使ってくれるのはうれしいですが、私たちは長い

付き合いのある家族です。クラスメイトや友達などの関係じゃありません。

気を使わなくてもいいんです。

 

 

「じゃあ、行きましょう、兄さん」

「ああ、行こう」

 

 

 

 

 

放課後、私は校門で待ちます。早く兄さんに会いたいです。学校がある時間で会えるの

はほとんどないです。だから、一日中この放課後を待っていました。

あ!兄さんが出てきました。

 

 

「兄さん、帰りましょう」

「ああ、帰ろう。だけどなんでここで?前みたいに教室に来ればいいのに」

「ま、まだ、慣れてないんです。しばらくはこういう形で待ちたいんです」

「分かったよ。弁当だが、あれはちょっと恥ずかしくないか?教室で目立ったんだが」

「それより味です!どうでしたか?」

「味はよかったよ。本当に美味しかったよ。また作ってくれ」

「はい!」

 

 

兄さんから直接また作ってくれ、と言ってくれました。これはうれしいです。

 

 

「それで中身なんだが、どうにかできないか?ちょっと恥ずかしいんだが・・・・」

「ダメです。あれは私の愛情の表れです」

「愛情、か。分かった。負けだ。あれでいい。けどもう少し目立たないようにして

くれ」

 

 

私が作った弁当はハートマーク入りのご飯がありました。それを見られたら目立ちますね。

私は兄さんを取られるわけにはいけません。私の方が気持ちが大きいです。

でも、兄さんに好きな人ができたら・・・・・。それは嫌です。

 

私だって兄さんの気持ちを尊重したいです。そして、幸せになってもらいたいと思いま

すけど、私は・・・・・。

 

 

「兄さん、兄さんに好きな人ができたら言ってください」

「なんで?」

「べ、別に深い意味はありません。でも私に言ってください。お願いします」

「分かったよ」

 

 

本当は嫌ですけど、せめて何も知らずにではなく、知っていたいです。

何も知らずに兄さんにアプローチして、ふられたくはないです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が中学2年になりました。兄さんは中学3年です。

兄さんから何も報告はありませんでした。そして、再び兄さんと離れ離れするときが

近づいてきました。

 

 

「兄さんはどこへ行くんですか?」

「なにがだ?」

「志望校です」

「えーと、そのー、駒王学園だ」

「・・・・・なるほど」

 

 

駒王学園は共学ですが、数年前は女子校でした。なので男子より女子のほうが人数が

多いです。兄さんだって男です。女子の多い学校に行くのは仕方ないです。

ええ、仕方ないです。

 

 

「でも、兄さんの成績でいけるんですか?」

「ギリギリ」

「はあ~、正直に言います。今の兄さんでは絶対に行けません」

「だから、絢乃。しばらく勉強を教えてくれ!」

「・・・・・分かりました。でも、きついからと言って逃げないでください」

「分かった」

 

 

私はそれから兄さんに勉強を教えました。どこまで教えれば分からなかったんで、全部

教えました。私は重要なところだけなので、2ヶ月ですべて教えました。

その時点で兄さんの入試まであと2ヶ月になっていました。

 

残りの時間は私がテストを作り、兄さんが解きます。初めてでしたが、難易度の高い学

校をお手本にして作りました。それを何回もしました。

そのおかげか、学校でのテストは非常によくなっていました。

 

もう確実に受かります。ですが、最後まで勉強させます。いくら受かるからといって

そこで止めたら終わりですから。

 

 

「イッセー、最近成績いいわね」

「志望校はこれで受かるな」

「全部、絢乃のおかげだよ」

「綾乃は優秀だな。イッセー、絶対に受かるんだぞ」

「ああ、絶対に受かるよ」

 

 

まあ、これは兄さんのためですから。私は兄さんのためならこれくらいします。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、兄さんの入試が終わり、ついに合否の発表です。

発表はそれぞれの学校で行われます。

 

 

「兄さん、私も一緒に行きます」

「ああ、来てくれ」

 

 

私は兄さんとともに向かいます。

 

 

「兄さん、緊張していますか?」

「そりゃあな。緊張するさ。これでいろいろ決まるんだからな」

「なら、私と手を繋ぎましょう。少しは治まりますよ」

「じゃあ、お願いするよ」

 

 

やりました!自然と手を繋ぐことができました!やっぱり兄さんの手は大きいです。

私とは違います。それに温かいです。

 

 

「兄さん、そろそろ着きます」

「分かっている。じゃあ、そろそろ手を離すか」

「なにを言っているんです?このままでいいじゃないですか」

「いや!でも!さすがにこれは恥ずかしいぞ!」

「今さらですよ。それとも兄さんは無理やり離しますか?」

「・・・離さないよ。分かった。俺の負けだ」

 

 

兄さんと手を繋いだまま、私たちは向かいます。やっぱり人だかりができてます。

その中には泣いている者、喜んでいる者。多くの方たちがいました。

泣いている方たちには二通りいます。喜んで泣いている方、悔しくてないている者の

二通りです。

 

 

「兄さん、見てきてください。私はここで待ってます」

「分かった」

 

 

兄さんが見にいきます。その間私は一人になります。こうしてみると、やっぱり

女子のほうが多いですね。このままだと、兄さんが取られます。

もう動かないと・・・・。

 

 

「あなたは新入生?」

「いえ、私は付き添いです」

「そう。なら時間がかかるから、しばらく私と話さない?」

「いいですよ。ここの学園の生徒ですよね?先輩の名前はなんですか?私は兵藤絢乃です」

「私はリアス・グレモリーよ」

「外国の方なんですね」

「ええ、そうよ。父の仕事の都合で日本に来たの。あなたはこの学園に来るのかしら?」

「兄が受かったらですけど」

「そう。あなたはお兄さんと同じ学校に行きたいのかしら?」

「はい、そうです」

 

 

だって、私は兄さんのことが好きですから、とは言えない。言ったらどういう目で見ら

れるか、が気になるわけじゃありません。単に恥ずかしいだけです。

 

 

「あなたはお兄さん思いなのね」

「はい。兄はいい人です。兄は気づいていないみたいですけど、私は兄がエッチだと

知っています」

「そ、そう。ちょっと複雑ね」

「いえ、別に気にしてませんから。それにエッチじゃなかったら、女の子に興味が

ないんじゃないかと不安になります」

「確かにそうね。男の子だからそっちのほうが健全よね」

「ええ、先輩もそう思いますよね。先輩とは仲良くなれそうですね」

「ちょっと複雑だわ」

 

 

しばらく先輩を話をしていました。そこに兄さんがきました。

 

 

「おーい、絢乃」

「兄さん、どうでしたか?」

「もちろん合格だ。全部絢乃のおかげだ。ありがとう」

「どういたしまして。兄さん、こちらはリアス・グレモリー先輩です」

「どうも、兄の兵藤 一誠です」

「よろしくね、兵藤 一誠くん」

「先輩、そろそろ帰ります。兄さんが合格したので私は来年入学します」

「待っているわよ、絢乃」

「はい、リアス先輩」

 

 

私はリアス先輩と別れました。

 

 

「兄さん、さっきの先輩きれいでしたね」

「そうだな。でも絢乃だってきれいだぞ」

「・・・・・あ、ありがとうございます」

 

 

兄さんにきれいって言われました!ち、ちょっと顔が熱いです。

そして、いつの間にか手がつながれてました。

 

 

 

 

 

 

家に帰り着きます。玄関でお父さんたちが待っていました。

 

 

「イッセー、どうだったの?」

「母さん、ちゃんと受かっていたよ」

「よくやったわね、イッセー!」

「今日は祝いだな!」

 

 

お父さんたちが兄さんの合格を喜んでいます。今日は豪華な夕食になりますね。

私が主役じゃないけど、ちょっと楽しみです。

 

 

「絢乃、今日の夕食は手伝ってね。今日は量が多いから」

「はい」

 

 

 

 

 

今日の料理は少し豪華なものにしました。やっぱり祝いの料理ですからね。

 

 

「さあ、イッセー。今日は絢乃がほとんど作ったのよ。絢乃に手伝ってもらうつもりが、

私が手伝いになったわ」

「ほう、絢乃がほとんど作ったのか。絢乃はいいお嫁さんになるな」

 

 

そうお父さんが言ったとき、一瞬兄さんの顔が暗くなったように見えました。

でも、次の瞬間にはいつも通りでした。さっきの顔は気のせいだったんでしょうか?

 

 

「う~ん、本当に美味しいわ。ほら、イッセーもお父さんも食べなさい」

「本当に美味しいな。イッセーはいつもこんなに美味しい弁当を食べていたのか。

羨ましいな」

「言っておきますけど、兄さんにしか作りませんから」

「これが兄妹の絆か・・・・」

 

 

そう言うことを話しながら夕食をしてました。

 

 

 

 

 

「なあ、絢乃。後で話がある」

「分かりました、兄さん」

 

 

話ですか。なんでしょうか?心当たりはありません。

嫌なことでなければいいのですが・・・・。私は皿を洗い終わると部屋に戻ります。

そこにはドアに背を向けている兄さんがいました。つまりドアから入って来た私に

背を向けている状態です。

 

 

「兄さん、話とは何ですか?」

「俺は絢乃に言わないといけないことがある」

「それは・・・・なんですか?」

「俺には好きな人がいるんだ」

「・・・・・そう、ですか」

 

 

・・・・・人生で一番聞きたくない言葉でした。私は目の前と足元が不安定になる感じが

しました。なんで今それを?

 

 

「ずっと好きだった。けど、ふられるのが怖くてこの気持ちを隠していた。駒王学園に

入学したのも、別の人を探すためだった」

「・・・・兄さん、もういいです。分かりました。もう言わなくていいです。

私は風呂に入ってきます」

「待ってくれ。最後まで聞いてくれ!」

「嫌です!いるという報告だけでいいです!・・・・私は応援していますから」

 

 

聞きたくない!だって聞いてしまえば、その人に何かしてしまいそうですから。

してしまえばそれは、兄さんを傷つけることになります。それは嫌です。

兄さんの幸せが一番ですから。

 

 

「俺が好きな人は・・・・・・」

 

 

嫌なのに。聞きたくないのに。兄さんそれ以上言わないで欲しい。

私が壊れるから。私が私でいられなくなるから。だから止めて―――――。

 

 

「絢乃。お前だ」

「ひゃう!?」

 

 

 

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