ハイスクール 鬼と竜   作:謎の旅人

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第4話

「俺が好きな人は………絢乃。お前だ」

「ひゃう!?」

 

 

ううううう、嘘ですよね!?これは幻聴です!!そうに決まっています!!

だだだだだだだ、だって、兄さんが私を、ですよ!?ああああ、ありえません!!

私よ、早く起きてください!!

 

 

「絢乃、好きだ。もちろん、異性としてだ」

「ほん、とう、ですか?」

「ああ、本当だ。兄妹だということは分かっている。でも、それでもお前が好きなんだ。

だから、俺と付き合ってくれ」

「……はい!」

 

 

私は兄さんに抱きつきました。兄さんの温かさがこれが夢ではないと教えてくれます。

こんなに幸せになったことがあったでしょうか?いえ、ありませんでした。

 

 

「これからよろしくお願いします、兄さん、いえ、一誠さん」

「ああ、よろしく、絢乃」

 

 

私と兄さんの唇が重なりました。その時間は長いようで短い時間のようでした。

 

 

 

 

 

 

 

私たちは向かい合って寝ています。いつも通りです。でも、やっぱり恥ずかしいです。

やっぱり兄妹としてこうやって寝ていると何も感じませんでしたけど、恋人になると

恥ずかしくなります。

 

 

「兄さん」

「名前で呼ばないのか?」

「あ、あれはちょっと恥ずかしくて……。しばらくはこのままでお願いします」

「分かった。それで?」

「兄さんはなんで今日告白したんですか?」

「そうだな。父さんが絢乃をいいお嫁さんになると言ったから。俺は絢乃が誰かのお嫁

になることが嫌だったんだ。絢乃だって好きな人が別の人とくっつくのは嫌だろう?

だから、俺がぐずぐずしているうちに、取られないように!と思っていたら告白していたんだ」

「でも、私が兄さんをふっていたらどうしたんですか?」

「…………」

「考えてなかったんですね」

「ああ、考えてなかった。でも、なんとなくだけど、ふられないと思ってた」

 

 

な、なんかはっきに言われると、逆にこっちが恥ずかしくなります。

 

 

「兄さん、お父さんたちに報告しますか?」

「するよ。もし、ダメだと言われてもあきらめない。説得するよ」

「私も説得します。これは私たちの問題ですから」

「分かったよ。報告は早いほうがいいと思う。だから、明日報告しよう」

「そうですね。明日は休日ですし、時間がたくさんあります」

「そのためにも、もう寝よう。おやすみ」

「おやすみ、兄さん」

 

 

私たちは眠りにつきました。

 

 

 

 

 

私は夢を見ていました。それは遠い昔の記憶。

私のいる時代よりも昔の風景。中世くらいでしょうか?そこには漫画やアニメの世界に

しかない魔法がありました。

 

人間、怪物、妖怪。私の見ている夢はその三種族がいました。

妖怪、怪物のほうは異形でしたが、私は別に怖いと思いませんでした。

 

この夢はなに?本当にあったことなの?

 

 

「そう。これは本当にあったこと。そして、あなたが体験した記憶。今は消えた記憶。

そして、あなたは世界のバランスをとる者」

「あなたは誰?」

「私はあなた。あなたは私。私はあなたを守るために作り出された存在」

「あなたは誰が作ったの?」

「あなた自身が作った」

「私が?なぜ?」

「あなたが攻撃を受けたから。あなたの体にとってその攻撃は、全く意味はないものだった。

けど、あなたの心が耐えられなかった。だから作られた」

 

 

もう一人の私は空中に記憶を映し出します。それは腹に傷を負った私。

本当に私にとって全くの意味のない傷なんでしょうか?どう見ても死にそうなんですけど。そして、もう一人の私が生まれ、周りの敵を殲滅している。

 

 

「ここまでする必要があったの!?」

「私はあなたを守るために生まれた。だから、敵は殲滅する」

「でも!!」

「なら、強くなって。私が出てこないくらいに。今のあなたでは力を扱えない。

記憶を失う前は完璧に扱っていた。敵を殺すことなく倒すくらい。それがあなたに

とっての目指す強さ」

「どうすればいいの?」

「まずはあなたが本当の意味で目覚めないといけない。あとは目覚めてから。

ほら、もう朝。ここでの記憶は覚えてないけど、大丈夫だよね?」

「大丈夫じゃないって!!さっきの説明の意味は!?」

「さあ?」

「無責任!?」

 

 

私の目の前に光が溢れ出てきました。これが夢から目覚める合図ですか。

 

 

 

 

 

 

う~ん、なんか変な夢を見ていたような気がします。

でも、思い出せません。まあいいでしょう。すぐに忘れる程度の夢ですから、大した

ことのない夢でしょう。

 

 

「兄さん、起きてください。朝ですよ」

「あと……5分……」

 

 

起きませんね。あれ?起きないって事は恋人でやる、めめめめめ、目覚めの、ききき、

キスなんてやってもいいとことでしょうか!?

 

 

「兄さん、お、起きないといたずらしますよ?」

 

 

起きないみたいだし、やるしかないですね!兄さんだってやってもらったほうが

うれしいはずです!では!

私は兄さんの唇に私のを近づけます。そして――――――

 

 

「なにをやっているんだ?」

「お、起きてたんですか!?」

「ついさっき起きたところだ。それでなにをしようとしてたんだ?」

「え~と、兄さんが全く起きなかったんで、私のキスで起こそうかなと思って……」

「なるほどな。でももう必要ないぞ」

「そうみたいですね。でも……ん……」

 

 

私は兄さんにキスをします。

 

 

「おはようのキスです。うれしいですか?」

「あ、ああ、うれしいよ」

「では、改めておはようございます」

「おはよう」

「では1階に向かいましょう」

 

 

1階ではお母さんたちが朝食を食べていました。うう、いつ報告しましょうか?

 

 

「どうした、絢乃?食べないのか?今日は元気がないな」

「ええ、ちょっと……」

「なにかあるのなら、ちゃんと言えよ。父さんたちは二人の味方だからな」

 

 

兄さんが私に合図します。おそらく報告についてでしょう。私も合図します。

 

 

「父さん、母さん、実は言いたい事があるんだ」

「何かしら?」

「俺と絢乃は付き合うことになったんだ」

 

 

その瞬間、お父さんとお母さんは驚きつつ、目が鋭くなりました。

今まで見たことのない目でした。

 

 

「それは冗談か?本気か?」

「俺たちは本気だ」

「イッセー、絢乃。二人の気持ちは本物?ただ身近にいる異性だからそう勘違いした

だけかもしれないわよ」

「これは本物だ。勘違いじゃない。勘違いなら俺はとっくの昔に別の子を好きになって

いる」

「それはイッセーの好みの子がいなかったからじゃないのか?」

「違うよ」

「そう。なら二人に質問するわ。あなたたちは将来、誰と夫婦になるの?」

「兄さんです!」

「絢乃だ」

 

 

私は反射的に答えました。しかも力強く。は、恥ずかしいです。

でも、これは私の本音です。

 

 

「ならいいわ。お父さんはどうかしら?」

「それが本当なら何も言わない。だが、二人とも。これだけは覚えておきなさい。

もし、どちらかが裏切ったら、父さんたちは家族の縁を切る」

「「はい」」

「真面目な話はここまでにしよう。父さんたちはある意味二人の関係がこうなればいい

と思っていた」

「どこの誰だか知れない人と夫婦となるよりはいいからね」

 

 

こうして私たちはお母さんたちに兄さんとの関係を認められました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

兄さんと恋人になって数ヶ月。兄さんは無事に入学しました。そして、私は受験の

準備をしています。といっても、1日2時間だけしか勉強していませんけど。

 

 

「絢乃、手伝わなくていいか?」

「兄さんに受験の手伝いをしたのは誰ですか?」

「絢乃だな」

「勉強面で兄さんが手伝えることはありません」

「そうだったな。なら、何か勉強以外に手伝えることがあったら言ってくれ」

「そうですね。なら、デートしてください。心のリフレッシュです」

「いいぞ。なら明日はどうだ?明日は日曜だしな」

 

 

付き合ってからずっとデートをしていません。これが初デートです。

いつもの買い物とは違います。

 

 

 

 

ついにデートの日!といっても次の日になっただけですけどね。

今日の服装はちょっと気合いをいれました。服はこの前買ったものです。

これで出かけるのは初めてです。変じゃないといいんですけど。

 

 

「兄さん、そろそろ行きますよ。早く降りてきてください」

「今行くよ」

 

 

兄さんがやっと降りてきました。兄さんの服はいつも通りです。

兄さんはいつも通りでいいです。兄さんも私のように気合いを入れられると、私が緊張

します。

 

 

「!!」

「どうしたんですか?ま、まさか、私の姿、変ですか!?」

「い、いや、そうじゃない。逆だ。き、きれいだな」

「あ、ありがとうございます。兄さんもかっこいいです」

「ありがとう」

 

 

私たちはしばらく顔を赤くしたまま、その場に立ったままでした。

まさか、褒められるとは思いませんでした。

 

 

「絢乃、そろそろ行こうか」

「はい」

 

 

ところで、デートってなにをすればいいのでしょうか?漫画などではよく映画などを見たり、

買い物をします。でも、それなら付き合う前からやっています。

 

 

「なあ、絢乃。デートってなにをすればいいんだ?」

「私もそう思っていたところです。とりあえず、いつも通りやればいいんじゃないので

しょうか?」

「絢乃はそれでいいのか?」

「はい。もし他に何か必要があるなら、それは・・・・・えい!」

 

 

私は兄さんの腕に抱きつきます。恋人同士ならこれくらいしていいでしょう。

兄さんは驚いていますけど、嫌ではなさそうです。

 

 

「どうです?これでいつも通りのではなく、デートらしくなったでしょ?」

「そうだな。これはどこから見たってデートだな」

「じゃあ、兄さん。早速デートはじめましょう!」

 

 

私は兄さんの腕を引っ張ります。う~ん、どこへ行きましょうか?やっぱりいつも通り

のほうがいいでしょう。だったら映画でいいでしょうか?何がいいのか迷います。

 

 

「絢乃、適当に店を見て回ろう」

「そうですね。それがいいです」

 

 

適当に回る。他の方から見れば、あまりいいものではないのでしょう。でも、私にとっては

兄さんと買い物をしたり、映画を見るだけで十分満足です。それ以外に求めるものは

ありません。

 

最初は服を見ました。

 

 

「なあ、俺外に出たほうがよくないか?」

「なぜです?」

「だってここ女性用の店だぜ?」

「そうですね。でも、兄さんが服を買ってくれると言ったじゃないですか。どうせなら

兄さんに選んでもらいたいです。ダメですか?」

 

 

私は兄さんに上目遣いで頼みます。こういうときのためにこっそり練習していました。

兄さんの反応を見る限り、きっとうまくいったはずです。

 

 

「……分かったよ。俺の負けだ。ちゃんと選ぶよ」

「ありがとうございます」

 

 

私はこういう行為は滅多にしません。けど、これだけは譲れません。

恋人の関係なら服を選んでもらいたいですよね。私はいろんな服を着ます。

地味な服、派手な服、露出度の高い服、露出度の低い服、etc...。着るだけで、3時間使いました。

 

 

「兄さんどれがいいですか?正直に言ってください」

「さっきの露出度の高い服はよかったんじゃないか?」

「やっぱり兄さんも男ですね」

「えっ!? い、いや、下心があったわけじゃないんだ!」

「兄さん、大丈夫です。私は兄さんがエッチだって知ってますから」

「どこで知ったんだ!?」

 

 

兄さんが驚いてます。まあそうですね。だって兄さんはそれを隠していたんですから。

それを知っているとなれば驚きますよ。でも、兄さんが隠すのが下手なだけです。

兄さんのあっち系の本、DVDの隠し場所が単純すぎるんです。

 

例えば、王道のベッドの下、プラモデルの箱の中、表紙を変えて他の本の紛れ込ませる

などというような隠し場所です。私だって一緒の部屋にいるんですよ。気づきます。

 

 

「そっか知ってたのか。絢乃だけにはばれたくなかったんだけどな。失望したか?」

「いえ、しません。逆に兄さんにもちゃんとそういう欲求があるんだなと安心しました」

「そうか。でも、恋人がこれでいいのか?」

「いいです。それに私が知ったのは兄さんが中学生のときです。嫌なら付き合ってません」

「そ、そんなに昔から知っていたのか」

「はい。だから安心してください。嫌いになりません」

「そっか、よかった」

 

 

兄さんが安心したところで再び兄さんに選んでもらいました。

結局買ったのは、露出度のちょっと高い服とちょっと可愛らしい服です。

 

 

「絢乃、あそこでクレープでも食べようぜ」

「そうですね。休みをするにもいいでしょう」

 

 

兄さんとともにクレープを買います。買った後は近くのテーブルで食べます。

やっぱり周りから見れば恋人同士に見えるでしょうか?見えますよね。

 

 

「兄さん、私もそっちの味も食べてみたいです。変わりにこっちもあげます」

「いいぜ」

 

 

互いに一口ずつ交換しました。これって間接キスですね。でも、小さいときにもこういう

ことはありましたので、いまさら顔を赤くしません。

 

 

「兄さんのも美味しいです」

「絢乃もだよ。おいしいよ」

 

 

しばらくここでゆっくりしていました。周りから視線があるような気がするんですけど、

気にしないようにしています。これはいつものことですから。

なぜか外を歩くと視線を感じるんです。ときどき声もかけられます。ナンパです。

 

毎回こうなので、外に出るときは兄さんかお母さんたちと一緒です。そのときは声はかけられません。

 

 

「あら?絢乃じゃない」

「リアス先輩、久しぶりです」

 

 

そのときリアス先輩とその隣に一人の女性がいました。

 

 

「先輩、そちらの方は?」

「こっちは姫島 朱乃。私の親友よ」

「うふふ、よろしくお願いしますわ」

「兵藤 絢乃です。こちらこそよろしくお願いします」

「あ、兄の兵藤 一誠です!駒王学園の1年です」

 

 

兄さんの視線が2人の胸のほうを向いているような気がします。確かに大きいですが、私だって大きいです!とりあえず、兄さんの足を踏んでおきます。兄さんが涙目になって

ますが、知らないふりをします。

 

 

「2人は買い物かしら?」

「いえ、デートです」

「デート?2人は兄妹じゃなかったの?」

「恋人になりました」

「そう。つまりあなたが好きな人はあなたのお兄さんだったのね」

「はい。ずっと好きでした」

「世間じゃ色々言われるかも知れないけど、私は喜ばしく思うわ。幸せになりなさい。

そして、兵藤一誠くん。この子を幸せにしなさい」

「リアス先輩、ありがとうございます」

「幸せにします!」

「リアス、そろそろ行きましょう。2人のデートを邪魔してはいけませんわよ」

「そうね。2人とも私たちはこれで失礼するわ」

 

 

朱乃先輩とリアス先輩が私たちから離れました。

 

 

「絢乃、なんで足を踏んだんだ?」

「そのとき、兄さんは2人のどこを見てました?」

「・・・・・」

「それが理由です。か、彼女がいるんですから、他の女性を見ていたら誰だって怒ります」

「す、すまない」

「これからは気をつけてください」

「気をつけます」

 

 

 

 

 

 

リアスside

 

 

「さっきの2人がリアスの言っていた2人ですか?」

「ええ、そうよ」

「兵藤 一誠くんのほうからは何か感じましたけど、絢乃ちゃんからは何も感じませんでしたわよ?」

「今は、ね。でも、あの子には何かあるわ。うまく言えないけど最初に会ったときに

何かあったわ」

「何かですか。あるようには見えませんでしたけど」

 

 

朱乃がそう思う理由は分かる。どう見たって絢乃は普通の子にしか見えない。

でも、人間ではないものが潜んでいるような感じがした。それが何か分からない。

もしかしたら神器(セイクリッド・ギア)かも知れない。それも少し特別な。

だから、あの子の兄と同じように感じなかった。

 

 

「どうするんですか?」

「今は様子見よ。私としてはあの子とは仲良くしたいわ」

「ふふ、リアスがそこまで言うなんて、私も興味を持ちましたわ」

「あの子は来年、私たちの駒王学園に入学するわ」

「決定事項ですか?」

「あの子なら簡単に受かるわ」

「でも、駒王学園は難関ですわよ?それを簡単にと言うなんて」

「あの子の学力は高いわよ。中学のテストではいつも95点以上なんていつでも取るわ。

全国模試では100位以内。そんな子が受けるのよ」

「それはすごいですわね。来年が楽しみですわ」

 

 

あの子が駒王学園に来ることはもう決定しているも同然。それは学力が高いからではない。

あの子の兄がいるから。あの子の学力が低くても、それだけの理由で学力を上げ受かってくるだろう。それが絢乃。まだよく知らないけど、そんな気がする。

 

 

「あの子には小猫を付けましょう。あの子も来年からだからいいでしょう。兵藤 一誠

くんには祐斗を付けるわ」

「そこまでする必要があります?」

「ええ、特に絢乃の兄の何かを狙ってくるでしょうから。絢乃は念のためよ」

「分かりましたわ」

 

 

絢乃には特に守ってあげたいと思う。本当は念のためじゃない。これは私情。だから

適当な理由で小猫を付けた。

 

 

 

 

 

 

絢乃side

 

 

あれから適当にぶらぶらと回りました。できれば2週間に1回はこうしていたいです。

 

 

「そろそろ帰るか」

「そうですね。家ではもう夕食の準備ができているはずですから」

「ほら、手」

 

 

兄さんが手を差し出します。私はその手を握ります。

 

 

「に、兄さんのエスコートもうまくなりましたね」

「そうか?」

「ええ、うまくなりました」

 

 

だって自然に手を握るようにしたんですから。これからもこういうことが増えてほしいです。

こうして、私たちの恋人としての初デートは無事に終わりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

その数ヵ月後。私は無事に駒王学園に合格しました。

 

 

 

 

 

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