身体能力が凄いというチートだけで能力バトル世界に転生させられた   作:三幹七枝

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閑話

 

「案の定ハズレだったねー、今回の」

 

「っスねー。まあ音沙汰ないのが一番平和なんですけど、そうもいかないもんですねぇ」

 

D地区の三番地。通達があった場所に行って調査も行ったが、ただの寂れた廃工場だった。雰囲気こそあったが、くまなく調べても何もなかった…とんだ無駄足だあ。

これだったら、お姉ちゃんと訓練しときたかったなあ。まあ、これでほんとに灰被りの煤塵(スカベンジャー)がいて取り返しのつかないことにならないようわたしたちがいるのだから、口には出さないでおこっと。

 

「いやあ、わざわざ武装までしてきたのに…まあ、使うことないのが一番、か」

 

腰に下げている両手持ち用の大きめの真鍮の銃を指でクルクルと回しながらひとりごちる。

 

「1日ヒマんなりましたねぇ。集合場所だったカフェでも寄ります?」

 

「おっイイじゃん。奢ってくれるのかな?」

 

「そこは上官として良い所見せて欲しいんですがね…」

 

「じょーだんじょーだん。行こっか!」

 

「うっス。今金どんだけ持ってたかな…」

 

ロックウッドにカフェに誘われちゃった。別にいいけど、この人チャラチャラしてるというか…いやちがうな…ヒモ?ヒモっぽい?のかな。あんまり詳しくないからわかんないや。とにかくそんな感じの女性慣れしてそうな感じがする…別に良いけど。

頭のハンチング帽もオシャレだし、胸から下げてる懐中時計もなんかカッコいい。ああいうのがサマになるタイプの男性あんまいないよね。

 

そんな変なこと考えてたら、すぐカフェに着いてしまった。カフェの中はそこそこに広く、カウンター席とテーブル席があったのでテーブル席に座った。

 

「ロックウッド、なに頼む?わたしお腹空いてないから…パフェ2杯とぉ…ケーキ…あっ、ベーコンエッグトースト美味しそう!」

 

「ボクの名前呼びにくいでしょう、ロックとかウッドとかロッちゃんとかで良いって毎度言ってるのに…ボクブラックコーヒーとアップルパイ」

 

「ロックウッドで良いよ?呼びにくいとかあんま思ったことないなあ」

 

「それは失敬、注文とりますね」

 

世辞とかじゃなくてほんとに呼びにくいとか思ったことないなあ…それにしてもロッちゃんはないけど。あとこういうところで自分から注文とってくれるのアマネポイント高いよ。もちろん今の一位はダントツでお姉ちゃんだけど。

 

「アマネサン、いつもいつも良く食べますよねえ、よくその体型を維持できるもんだ」

 

「毎日運動してるからね。てか、女性に体重の話するのデリカシーなくなーい?」

 

「褒めてるんスよ。前のツレが体型にうるさかったんで、単純に凄いと思ってます」

 

「ふーん…」

 

?今なんかモヤってしたな…胸焼けかな。今から甘いものいっぱい食べるのに。ロックウッド、変なところで常識ないんだよね。まあ、その空気感がわたしはそれなりに心地よくて好きなんだけど。

 

「ご注文の、カリカリベーコンエッグトースト、ストロベリーカフェとマンゴーパフェ…チョコケーキになります」

 

「あ、ありがとうございまーす!」

 

美味しそう!パフェも冷たくて美味しそうだし、トーストもカリカリに焼かれてる!見てるとお腹すいてきちゃうな。

 

トーストとデザート、分けないんですか?

 

「んー?わたしは分けない派かな。トーストには冷たい甘いものも合うし、すぐに食べちゃうし」

 

「こちら、ブラックコーヒーとアップルパイです」

 

「へぇ〜、ボクは…あっ、ありがとうございます」

 

ロックウッドの注文した料理も届いた。あのアップルパイ、網目がまでカリカリに焼き上げられててこっちまでリンゴの良い匂いが届いてくる。

 

「おっ、美味しそうな匂いですね。当たりかも」

 

「いや、本当に美味しそうだね…」

 

「アマネサン、涎垂れてますよ…?上官なんですからそんな…」

 

「あっ…!ご、ごめんごめん無意識に…」

 

「…一口要ります?」

 

「いる!」

 

はっ、少し大きい声を出してしまった。恥ずかしや…それはそれとしてアップルパイは欲しい。ロックウッドはアップルパイを丁寧に切り分けてくれて、少し大きい一つを手でもってわたしに差し出した。

 

「ハイ、どうぞ」

 

「…!美味しい!サクサクで、甘くて、カリカリで…!」

 

「そーですか。良かったです……ほんとだ、うま」

 

わたしが食べたやつ、そこそこ大きかったのに、わたしがガブっと食べたからすごい小さくなってる…なんか恥ずかしいな。ロックウッドでも一口でパクッと食べれちゃうくらいだもん。

 

「じゃあ、お返しにわたしのチョコケーキも一口あげようか?」

 

「おっ、じゃあ喜んで」

 

「はい、あーん」

 

「あーん…あっ、しっとり系スねこれ」

 

フォークでチョコのショートケーキの先っぽの細い部分を切り分けてロックウッドに食べさせる。確かにこのチョコケーキはしっとり系だね。甘すぎず苦すぎずの中間ぐらい。わたしは甘々も苦々のチョコケーキも好きだけどね。

 

「お口には合いました?」

 

「そりゃもう。しかもアマネサンからのあーんっていうオマケつきなんで」

 

「上官を揶揄わないの」

 

「あ、バレました?」

 

「ったくもう…」

 

ロックウッドは調子に乗るとすぐこうやってカッコつけるんだから。わたしより年上なんだから、もっとカッコつけじゃなくて本当に頼れるところ見せて欲しいよねまったく。

 

 

「ロックウッド今何歳だっけ?」

 

「ボクですか?今は…22、今年で23ですけど」

 

「ふーん、わたしと四歳差だね」

 

「早くボクも役職で追い越して年上のプライド見せなきゃかな?」

 

「ふっ、有言実行するの待ってるよ」

 

「もー、軽いんですから」

 

トーストとチョコケーキは話してるうちに食べ終わっちゃったからパクパクとパフェを食べ進める。ロックウッドはまだアップルパイを食べ終わってない。わたし食べるの早いのかなあ。

 

「わたしってそんなに大食いかな?」

 

「んー?まあそうだと思いますよ。まあそこもチャーミングなんで、気にしなくていいと思いますよ」

 

「ハイハイ、ありがと」

 

「どしたんスか急に。誰かに貶されました?ボクの胸で泣きます?」

 

「ナメんな」

 

テーブルの下で思いっきりロックウッドの脛を蹴り飛ばした。




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