彼女を知る使い魔ルドガーと彼を知らない主ミラ
そんな二人のFirst Kissから始まる物語
※単発です
色々無茶な設定とかあります
ゼロ使に関してはにわか知識
ミラやルドガー、他キャラの口調とか性格とかおかしくても原則スルーでオナシャス
こまけぇこたぁいいんだよ!っていう精神をお持ちの方以外はそっ閉じでお願いします
───これでいいんだ
長いようで短く、短いようで長くも感じた旅路の果て
呪いを受け継いだ彼が選んだのは、自身にとって他の何にも代えられない大切な少女の未来
過酷な運命の下に生まれ、それに翻弄されてきた少女
少女の目の前で、自分の手で、彼女にとって唯一の肉親───最愛の父親を、目の前で殺した
そして、少女が懐いていた、自分にとっても大切な仲間だった女性を、見殺しにもしてしまった
少女が選んだ悲壮な決意にも気付けず、危うく彼女を世界のための犠牲にするところだった
後悔ばかりの旅だった
悩んでばかりの冒険だった
辛いことが続いた、悲しい選択を迫られ続けた時間だった
けれど、この最期の選択に後悔は無い
泣き笑い───そんな表情で自分を見つめる少女と、苦楽を共にしてきた仲間達
「───」
そんな彼らに、自分は唄う
自分が、自分達がいたという証の唄
これから先、彼らが世界をより良い方向へ導いていくという、誓いの証
一つだけだった唄声に、一つ、二つと、唄の輪が広がり、旋律となっていく
やがて薄れていく身体の感覚
仲間達の声が遠くなり、視界も少しずつ白に飲み込まれていく
───あぁ、大丈夫だ
───大丈夫だよ、エル
───ジュードやみんななら、きっと素敵な世界を、みんなの世界を創っていける
───だから………
「───」
最期の言葉
少女だけに送った、誓いの言葉
届いたかどうかはわからない、それは既に音を為していなかった
───ユリウス
───これが、俺が選んだ選択だよ
───俺の世界は、あのエルが………俺の大切な、あのエルが生きていく世界なんだ
───認めて、くれるよな?
───あぁ、でも
───ユリウスが認めても、君はまた呆れて、怒るだろうな
───エルをお願い、って頼まれてたのに、結局こうなっちゃったし
───それでも、これが俺の選択だよ
───なぁ………ミラ
そして、一切の音が消え、彼───ルドガー・ウィル・クルスニクもまた、審判の結果に従い、その存在は完全に消失する
が、ここで起こり得るはずのない異常が起きた
彼が完全に消滅する直前の、一瞬にも満たない刹那の間
ルドガーの身体を包んだのは暖かな浮遊感と四肢の感覚
次いで、開くはずのない瞼と見えるはずのない眼
驚きも冷めやらぬ間にその視界に映ったのは、見知った顔
ふわふわとした金色の髪に、強い意志の宿る鮮やかな朱色の瞳
白い服に黒いマントを羽織った、見慣れぬ服装ではあったが
その顔は、自分の消せない罪の象徴の一人───自分の知る、女性だった
◇◆◇
───私は姉さんみたいにはなれない
───けれど、故に私は私でいられる。私でいていい
「この宇宙のどこかにいる私の僕よ。強く、気高く、挫けぬ魂を持つ使い魔よ」
生まれた時から優秀すぎる程に優秀な姉と比べられてきた自分
太古の時代、精霊と契約を交わした祖先と同じ名を受け継いだ自分
貴族でありながら、平民との共生を是としてきた異端の一族に生まれた自分
他の貴族からは恥知らず、貴族の面汚しとまで称されるようと、そんなことは些事にすぎない
自分は、厳しく優しい、そんな両親と姉に育てられた、我が家の跡取りなのだ
国のため、姫殿下のため、そして最愛の家族のために、「ゼロ」と罵られる友人と共に今まで積み上げてきた努力を、そんなことで無駄にはしない
「私は、心から求め、訴える」
学院は首席で卒業、海の向こうの小国の王に嫁ぐ姉に比べれば確かに自分は平々凡々なメイジだろう
───だけど、それが何だ、それが私だ!
「我が呼びかけに、召喚に応えなさい!」
───我が名はミラ=マクスウェル!誇り高きマクスウェル家の後継者!
そして現れたのは、いくらか年上な一人の男
驚愕に固まった表情でこちらを見つめるその男に、不思議な気持ちが胸の中に生まれた
───この日、彼女の運命は大きな唸りと共に動き出した
◇◆◇
起こるはずのなかった出逢い
「ミ、ラ………?」
「貴方………何で私の名前………まぁいいわ」
「えっ、何を………っ!?」
「………ぷ、はぁっ。これで、契約完了ね」
「は、ひ………?」
「平民とか貴族とかあるけど、私に対しては最低限のマナーさえ守ってくれればいいわ。主と使い魔、の辺りだけ弁えてちょうだい」
「は、話がまったく見えない………!」
「ミラ………」
「お願い、やめてルイズ。お願いだからそんな優しい眼で私を見ないで!」
「君も、使い魔?ってやつか?」
「一応、そうらしいです。あ、平賀才人っていいます」
「俺はルドガー。ルドガー・ウィル・クルスニク」
消滅しなかった自分に戸惑い、守れなかった彼女と同じ顔、同じ声の少女の使い魔となった状況に戸惑うルドガー
「訳がわからない………何で俺は消えてない………オリジンの審判は?分子世界は?」
「何をぶつぶつ言ってるのよ、ルドガー」
「あ、ミラ………」
「………貴方、私と話す時必ずどもるわね。何、私に似た知り合いでもいるの?」
「い、いや、別に………」
「『ゼロ』のルイズはともかく、君まで平民を召喚してしまうとはねぇ、
「放っておきなさいよゴーシュ。私の使い魔をただの平民と思わないで」
「何か俺に課せられたハードルがどんどん倍加してってる気がする………!」
次々と起こる幾つもの事件
その度に、ルドガーは再び武器を取る
「あれは………ゴーレム、か?」
「土くれのフーケ………本当に来るなんて!」
「っ………君は下がってろミラ!俺が片付ける!」
「ルドガー!?」
「………その口を閉じろ、ワルド」
「なに?」
「聞こえなかったか?お前の戯言は聞き飽きたからその口を閉じろ、と言ったんだ」
「………強気だな、平民風情が」
「お前こそ。『ちょっとぐらい』優秀だからって俺より強い気でいる。………はっきり言うぞ。お前には負ける方が難しい」
乗り越える度、彼女との絆は深まっていく
だが、同時に消えぬ罪過がルドガーを少しずつ追い詰めてもいく
「いいかげんにしなさいよ………!」
「ミラ?」
「ルドガー!貴方は誰を見てるの!?」
「え………」
「貴方は誰も見てない!私じゃなくて、私を通した別の誰かを見てる!その人しか、貴方は見てないじゃない!」
「っ、そんな、こと!」
「あるわよ!無いって言うなら、もっと笑って見せて!いつもみたいな押し殺したような、泣きそうな笑顔じゃない、貴方の本当の笑顔を見せなさいよ!」
「ぁ………あぁ………!」
「眼を逸らさないで!ねぇ、見てよ私を!貴方の目の前にいる私を!ルドガー!!」
───やがて訪れた、選択の時
「ルドガー、さん?」
「才人。ルイズ。………もしもの時は、ミラを頼む」
「あんた、何言ってんのよ!?」
「………守ってみせる。今度こそ、絶対に!」
握り締めた銀色の時計
自らの手で殺した、兄の形見
「うぅおおおおおおおおおッ!!!」
守るべきもののため
使わずと決めていた呪いを、もう一度
「………ばか」
「うん。でも、これが俺の選んだことだから」
「ルドガー………」
「………ミラ」
TOX2×ゼロの使い魔
SERVANT of MAXWELL
ルドミラおいしいです
ルドラルも好きです
でもルドミラエルが一番好きです
↑にラルも加われば最高なんだけどね