ドーモ。ヴィランスレイヤーです。これはニンジャが来てヴィランを討つ物語。 作:白白明け
Kindleでニンジャスレイヤーを読んで勢いで書いてしまった何番煎じかもわからないヒロアカにニンジャスレイヤー要素をいれた物語です。
せっかくなので1年B組を舞台に書きたいと思い挑戦しています。作中での描写がA組と違い少ないので、オリジナル展開やキャラ崩壊が有るかも知れません。ご容赦ください。
皆様の暇つぶしになれれば幸いです。m(_ _)m
冷たい雨を全身で浴びながら、メキシコカルテルのボスでもある
彼が生まれ育った
カルテルの構成員だったジンゲードの父親はテキーラの海に沈み、サボテンの苗床になった。母親も後を追うように姿を消した。残されたジンゲード達弟妹は、身を寄せ合う様にネズミとゴキブリが這い回る其処で暮らしていたが、それが長くは続かないこともわかっていた。
「何れここにも、カルテルの連中がやってくる」
そうなった時にどうなるのか、ジンゲードは少年ながらに理解していた。このスラム街で身寄りのない子供は、カルテルによって使い捨てにされる。ジンゲードは、それでも良かった。個性により強い身体を持つ自分は、使い捨てとされるような劣悪な環境にも耐えられるという自負があったからだ。しかし、幼い弟妹はそうではない。弟妹は、今の時代には珍しくなってきた個性を持たない人間、無個性だった。
この街では無個性の子供など、使い捨てにすらされない。
弟妹のあどけない寝顔を見ながら、ジンゲードは神に誓った。
「成り上がってやる。たとえ常人が見たら嘔吐や失禁、失神を引き起こすような悪行に手を染めようとも、必ず
そして
ジンゲードは三十年をかけて神への誓いを果たしていたのだ!
では何故、冷たい雨に打たれる必要がなくなった彼が屋上で雨に打たれているのか。何故最上階に構えたオフィスにおかれたクロコダイル皮のソファに居ないのか。この物語に読者がいるのなら、疑問に思うことだろう。その理由は簡単だ。
奴が来たからだ!巨大竜巻や巨大地震。巨大な津波と同じように来てはならないものが突然訪ねて来たので、ジンゲードはここまで逃げて来ていたのだ!
ジンゲードは雨に濡れた顔を拭う。
そして、次の瞬間だった。彼の目の前には赤黒いニンジャ装束に身を包んだニンジャがいた!
「アイエエエエ!ニンジャ!ニンジャナンデ!アイエエエエ!」
巨大犯罪組織、メキシコカルテルのボスであるジンゲードが叫び声を上げる。彼は此所まで成り上がるまでに児童売買以外のあらゆる凶悪犯罪に手を染めてきた。そのジンゲードにして、この
赤黒い装束のニンジャはジンゲードの様子を意に介さず両手を合せて
「ドーモ。ジンゲード=サン。ニンジャスレイヤーです」
此所は通常、挨拶をする場面ではない。しかし、赤黒い装束のニンジャ、ニンジャスレイヤーは決して
「ど、どうも、ニンジャスレイヤーさん。ジンゲード、です」
ジンゲードが振るえる声で挨拶を返せたのは、彼が実際強かったからだ。もし
「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」
「グワーッ!グワーッ!グワーッ!」
ジンゲードの巨体が吹き飛ばされて屋上に倒れる。
倒れたジンゲードの元にニンジャスレイヤーが奥ゆかしくもゆっくりと歩み寄る。
「カイシャクをしてやろう。ハイクを詠むがいい」
子供の頃のように、冷たい雨に打たれながら身を震わせることしか出来ずにいた。
「ナンデ!ドウシテ!」
その思いが頭の中をグルグルと回る。アメリカのヒーロー界に突如現れた出自不明のニンジャヒーロー、ニンジャスレイヤー。ペンタゴンによって作られた人型決戦兵器だとさえ噂される彼はその卓越した戦闘能力とニンジャ人気によってアメリカのヒーローチャートを駆け上がり、現在では誰もが認めるアメリカ№2ヒーローだ。
既にボスとして現役を退いていた
ニンジャスレイヤーは、
凶悪な
彼の口元を覆う
それはどの国よりも自己責任論が根強いアメリカにおいても異様なヒーローの在り方。
しかし、それが許されるだけの強さと人気をニンジャスレイヤーは有しているのだ!実際コワイ!
「イヤー!」
「ヤラレター!・・・あ、ああ?」
ジンゲードは死ななかった。
ジンゲードは腰を抜かした
ニンジャスレイヤーの腕を掴んで放さないのは、アメリカNo.1ヒーロー、スターアンドストライプだ!
「どうも。ニンジャスレイヤー。スターアンドストライプだ」
「・・・ドーモ。スターアンドストライプ=サン。ニンジャスレイヤーです」
「その手を離せ」
「駄目だね。こいつは完全に戦意を喪失している。殺す必要はないさ」
「
「私はあんたの事が嫌いじゃない。その考えもね。けどね、私はたとえ
アメリカNo.1ヒーローと№2ヒーローのにらみ合いに巻き込まれたジンゲードは遂に失禁。そして、失神。実に
「アンタは私に、大きな借りがあるだろう」
スターアンドストライプの言葉にニンジャスレイヤーの殺気が僅かに消える。
「それに弟子の門出を血で染める気かい?」
その言葉でニンジャスレイヤーの殺気を完全に納めた。戦いは終わった。その
「そうか。もうそんな時期か」
気が付けば雨が止んでいる。雲間に姿を現した赤い月を見上げながら、ニンジャスレイヤーは何を思うのか。それは遠い異国の地に送り出した少年。己を未熟者と称するニンジャスレイヤーが、何の因果か
そう!今日という日はその少年の高校受験日だったのだ!
「心配なら着いていってやればよかったのに」
「コジュウタ=サンのカラテなら、問題はない」
「でも、心配だって顔に書いてあるよ」
「・・・問題はない。が、彼は俺に拾われるほど、運が悪い。それだけが、心配だ。何もなければいいのだが」
そう言い残してニンジャスレイヤーはビルの屋上から飛び降りて夜の闇へと消えていった。
「おい!待ちなよ!・・・って、聞いちゃいないか。ハァ、
腕を組んでそういうスターアンドストライプの顔には、奥ゆかしい笑みが浮かんでいた。
雄英高校ヒーロー科。そこはプロヒーローに必須な資格取得を目的とする養成校。日本全国同科中、最も人気で最も難しい難関校。その一般入試会場に一人の少年の姿があった。
灰色髪の少年-コジュウタ・フジキド。彼こそがアメリカ№2ヒーロー、ニンジャスレイヤーから必ず雄英高校ヒーロー科に合格できると太鼓判を押された弟子である!
「ここがゴッホ、ユウエイ、ゴッホゴッホ」
・・・“何もなければ”、必ず合格できると太鼓判を押されたコジュウタは風邪を患っていた。
「ブッタシット。なんでこんな大切な日に、オレは風邪を。ゴッホゴッホ、ちゃんとヨロシサン製薬の栄養ドリンクを飲んでいたのに・・・」
雄英高校の正門を潜り、試験会場である講堂に向かう間、コジュウタは周りの受験生から明らかに距離を取られていた。当然である。この大切な日にマスクを付けた明らかに体調不良な奴に近づく奴はない。加えて他の受験生にとってコジュウタは合格を奪い合うライバルである。雄英高校ヒーロー科の倍率は例年300倍を超える。中にはライバルが一人減ったと喜ぶものもいたことだろう。
「これは実際ヤバい。落ちましたなんて、マスターに顔向けできない。ゴッホゴッホ」
そんな
「オー、ダイジョブですか? 」
コジュウタが声のした方に視線を向けると其処にはブロンドのロングヘアーで青い目をした少女がいた。頭には二本の角が生えていて、顔立ちはカトゥーンめいている。そして、そのバストは豊満であった。
「カゼですか?ツライ?クルシ?ヤバいね」
「ゴッホ、ドーモ。コジュウタ・フジキドです。ドーモ」
「え、どーもデース。角取ポニーです。突然の自己紹介?頭やられてマス?ヤバいね」
「大丈夫。ビョーキは気分の問題だから、ゴッホゴッホ、何の問題もない。ガンバルゾー」
「おお、ダイジョブじゃなさそうデース。でも、がんばりたいよね。私会場まで着いていってあげます。着いてきて」
「ドーモ。ドーモ」
コジュウタはポニーに手を引かれて講堂に到着することができた。
「では、私あっち、アナタそっち。受験番号順の座席ですから、ここまでデース。がんばって。でも、ムリはダメですよ」
「ありがとう。オタッシャデー」
「ワオ、日本式挨拶。ハイ。おたっしゃでー」
ポニーと分かれて座席に着いて直ぐに試験の説明が始まった。雄英ヒーロー科教師-プレゼント・マイクにより試験内容が叫ばれる。
「今日は俺のライヴにようこそー‼エヴィバディセイヘイ‼受験生のリスナー!実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ‼」
プレゼント・マイクの個性を用いた大声は千人では足りない受験生全員に声を届けるには最高のものだったが、頭痛が痛い現在のコジュウタにとっては脳天を直撃する攻撃だ。
「アイエエエ・・・」
隣の受験生に怪訝な目で見られるも、コジュウタは