ドーモ。ヴィランスレイヤーです。これはニンジャが来てヴィランを討つ物語。 作:白白明け
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\(^o^)/
雄英体育祭会場のスタジアム内に作られたリカバリーガール出張保健所。
ベッドで眠る友人を見ている灰色髪の少年が居た。コジュウタである。
清潔なベッドやシーツ。薬品の香り。怪我人が傷を癒やすのに最適な環境。しかし、なにかが欠如していると感じる。コジュウタは気が付いた。「センコだ」おもむろに懐から
この
この保健所の
「アイエエエ⁉センコが消えた⁉センコナンデ⁉」コジュウタは床に這いつくばりながら砕けた
リカバリーガールがそんなコジュウタの背中を杖でバシバシと叩く。絶望にむち打つ鬼畜の所業である。「馬鹿なことをやってないで、さっさとお行き」「アイエエエ・・・」「次の試合、棄権する気かい!」「・・・バカナー」
コジュウタが立ち上がる。リカバリーガールに尋ねた。「リカバリーガール=サン。旋=サンは大丈夫ですか」
リカバリーガールは気休めを言わない。事実を伝える。「全身に熱傷。身体にもかなりの負担をかけたね。両足首の骨折。もう少しで粉砕骨折しているところさ。そうなっていたら、キレイに元には戻らなかったよ」
リカバリーガールは溜息を吐く。「今年の子たちはどうしてこうもやりすぎるんだろうね。身を滅ぼす子が多くて、嫌だよ、あたしゃあ・・・。ごめんね。あんたに言っても仕方のことだね」
コジュウタは言う。「旋=サンがこうなった原因は、オレにある」
リカバリーガールが返す。「どういうことだい」
回原旋の両足首の怪我。原因は明らかだ。
「オレのインストラクションが未熟だった。チャドー奥義、タツマキ・ケン。旋=サンのセンカイ・ジツで実際できた。スゴい。でも、身体が追いつかず骨が折れた。オレが原因の怪我だ」
リカバリーガールは落ち込むコジュウタの頭を杖で小突く。「あんた、それをこの子の前で言っちゃいけないよ」「何故?」「この子が何のために無理をしたのか、考えてやりなさい」「・・・なんのために」
『決勝で待つ』コジュウタが回原旋に言った言葉だ。
「・・・リカバリーガール=サンの言うとおりだ。旋=サンは、オレに謝られる為にガンバッタのではない。約束を守るために、ガンバッタ」
コジュウタはリカバリーガールに
そして、眠る回原旋にも
準決勝第1試合
「やっと来たか。棄権するのかとヒヤヒヤしたぞ」エンデヴァーはコジュウタを待っていた。
コジュウタがまずは
エンデヴァーから
エンデヴァーが
似ていない親子だなとコジュウタは思った。「ドーモ。エンデヴァー=サン。それでオレになんの用事ですか?」「激励だよ」
エンデヴァーが笑った。獰猛な笑みだ。「前の試合でようやく子供じみた駄々を捨て、ウチの焦凍は一皮むけた。君との試合は先ほどより有益なテストベッドになる。できる限り焦凍の力が引き出せる様に頑張ってくれたまえ」
不躾なお願い。
コジュウタは言った。「“地震、雷、火事、ニンジャ”」「なんだって?」
コジュウタがエンデヴァーの横を通り過ぎながら続ける。「命知らずのパンクスだって恐れるのだから、エンデヴァー=サンも実際恐れるべきだ。自慢の息子さんが、オレに為す術もなく敗れるという可能性を」
エンデヴァーは眉をひそめる。「なんだと?おい、待て」
コジュウタは振り返らない。「オタッシャデー」
遂に来たぜ準決勝。知らぬリスナーにサプライズ!
実は互いにヒーロー家、エリート同士の対決だ!
ヒーロー科A組。轟焦凍。
VS
ヒーロー科B組。コジュウタ・フジキド。
試合開始直後、コジュウタが両手を合せて奥ゆかしく
轟焦凍が応じる。「どうも、フジキド。轟焦凍です」
コジュウタは
舌打ちをしたい気分だった。どいつもこいつも「・・・ザッケンナコラー」
コジュウタは言う。「先ほど、轟=サンのオトーサンに会いました」「・・・アイツめ。親父になにか言われたかも知れねぇけど、気にしないでくれ」「気にしません。けど、気にくいません」
コジュウタがカラテを構えたる。轟焦凍もコジュウタの態度を気にしながらに戦闘態勢。
「どういう意・・・」言葉は続かなかった。
「イヤーッ!」コジュウタが
轟焦凍は決断的に
反対の脚でカラテ踏み込み。「イヤーッ!」氷ごと地面を割る。
地面の氷結を意に介さないで進む。
「ならこれだ」轟焦凍の手が地面に触れる。凪ぐように範囲を拡大。出力を上げて個性『
「・・・ッ!」叫びもなく周囲を凍らせるッ!
周囲の空気が冷やされ霜が降りる。白煙が晴れた時、ステージ上には氷山が出来上がっていた。氷山の中にはコジュウタの姿がある。
轟焦凍が左手に火を灯す。「すまねえ。やりすぎた」
審判のミッドナイトは試合終了を宣言しようとしたその時、「・・・ザッケンナコラー」地獄めいた声を聞いて鳥肌が立つ。
轟焦凍が異変に気づいて左手の火を消す。氷山が鳴いていた。
「どいつもこいつも、ザッケンナコラー」氷山の中にいるコジュウタの眼がギョロリと動いて轟焦凍を見る。オバケ!コワイッ!
氷山が震える。そして、悲鳴めいた音を立ててひび割れて倒壊ッ!爆発四散ッ‼
中から出てきたコジュウタがしめやかに着地。
轟焦凍は息を呑む。「アイエエエ・・・どうやって・・・出てきたんだ・・・」
コジュウタは答えない。ただゆっくりと轟焦凍に向かって歩いていく。
おおッ、見よ。コジュウタの腕と背中に浮かび上がる縄めいた筋肉を!よもやこの筋力で氷山を割ったとでも言うのか⁉
観客席で試合を見ていたエンデヴァーは思わず立ち上がる。
その目に映るコジュウタの後ろ姿が、かつて己を絶望させた漢の背中と重なって、思わず叫んでいた。「ショートォオオ‼」
轟焦凍の動かない身体を動かしたのは、憎むべき父親の声だった。その事に屈辱を覚える暇はない。判断ッ。決断的に
それは
「イヤーッ‼」先ほどよりも巨大な氷塊がステージの半分を埋め尽くす。
試合を見ていた爆豪勝己は轟焦凍を認めていた。
だが、爆豪勝己は言う。「強え“個性”故に攻め方が、大雑把だ」
既に爆豪勝己は轟焦凍を見ていない。その視線は常に強者へと向かう。視界には目障りな青黒い
「ハァ・・・ハァ・・・」轟焦凍は肩で息をする。その耳に銅鑼めいた「ドラ!」音が聞こえた。「ゴンッ」音は続く。「ドラ!」氷山が鳴く。「ゴンッ」それは最早、「ドラ!」悲鳴ではない「ゴンッ」。断末魔である!「ドラ!」氷山は再び「ゴンッ‼」爆発四散ッ‼
氷山を拳で砕き進む勇姿は、まるで大地を掘り進む怪物
コジュウタが再び轟焦凍の前に姿を現す。コジュウタが発するアトモスフィアが青白い光となって立ち上っている。
オバケは言う。「ようやくカラテ・シャウトを解禁したか。それでいい。オレは決断的に覚悟した。“軍師は死してなお走った”。旋=サンの
轟焦凍には意味のわからない言葉の羅列だ。コワイッ!
オバケが来る。轟焦凍は
オバケの眼に鬼火めいた青色の光が宿っている!コワイッ!
轟焦凍は後退り!・・・足を踏み外す。ストンとステージから、落ちた。
轟焦凍は自分の信じられない
信じられないことが起きていた。既にステージの土俵際だったことにも気づかず、轟焦凍は後退り、ステージから落ちたのだ。
観客は静まり返っている。轟焦凍は呆然と観客席を見渡した。観客席で立ち上がっている一際大きな男の姿が目に映る。エンデヴァーだ。エンデヴァーもまた轟焦凍と同じように呆然としていた。数秒の後、ようやく状況が理解出来た轟焦凍がステージ上に視線を戻す。
そこにオバケはいなかった。そこに居るのは驚いた様子で轟焦凍を見下ろすコジュウタだけだ。
轟焦凍の顔が羞恥で赤く染まる。
ステージ上のコジュウタは轟焦凍に
何も言わなかった。クラスの違う
その目は目の前にいるコジュウタではなく、別の場所を見ていた。エンデヴァーと同じだった。だから、コジュウタは苛立っていた。
それは回原旋の
「ハゲミナサイヨッ」と一言、言ってやりたかった。だが、
轟焦凍の羞恥に歪む表情を見て、自らを
代わりに片腕を
静まり返っていた観客席の観衆の声が
「「「「オタッシャデーッ‼」」」」
その声はベッドで眠る回原旋の耳にも届いていた。
準決勝、第1試合。勝者はコジュウタ・フジキド。