ドーモ。ヴィランスレイヤーです。これはニンジャが来てヴィランを討つ物語。 作:白白明け
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今後も皆様の暇つぶしになれば幸いです‼
『穴熊』での初戦を快勝し、ヒーローインタビューを終えた灰色髪の少年がいた。コジュウタである。コジュウタの側にはマスクをした美少女、被我トミコもいた。彼女はニコニコと笑いながら、コジュウタの手を握っている。指を絡ませる恋人繋ぎ。コジュウタが明確に拒否しないため、やりたい放題だ。「コタローくん。コタローくん」「ナンですか?」「エヘヘー、呼んだだけー」
被我トミコに
そんな2人の元に『穴熊』のオーナー、グリズリー・大五郎が現われた。「モリタさん!」
コジュウタは奥ゆかしく
大五郎は挨拶を返しながら、コジュウタの肩を力強く叩いた。「どーも!いやあ、やってくれると思っていました。大盛り上がりだ!」
コジュウタが倒した相手はアングラファイトのベテラン選手だったのだ。
「あの広島の伝説、ウサ耳ウサ子とも試合したことがある奴だ。オッズは大荒れ!客は負け分を取り返そうと更に銭を投げる!ガッポガッポですぜ!ガハハ!」実際
大笑いを終えた大五郎の視線が被我トミコに向いた。「ファイトクラブには夢がある。結局、チカラのある奴が金も名誉も女も手に入れる。それが自然の摂理ってモンさ」
被我トミコのことをコジュウタがさっそく引っかけた女だとでも思ったのだろう。未成年にも見えたが、大五郎はなにも言わなかった。勝者は優遇される。それがファイトクラブのルールだからだ。
「これからも頼みますぜ」大五郎が挿しだした手をコジュウタは握った。「こちらこそ。ヨロシクオネガイシマス」
大五郎は満足げに頷いて去って行った。
次に現われたのは[カラテ十八段][殺しのライセンス][日本語を理解する]のTシャツを着たメキシコ系黒人の店員だ。「ドーモ。モリタサン。ワタシはゴメス。今度のアナタのセコンドです」「ドーモ。ゴメス=サン。コタロー・モリタです」
コジュウタは
ゴメスが答える。「アナタ、此所でワカラナイこと、ゴメスに聞く。ワカッタ?」「ワカッタ」「イマ、ワカラナイことアル?」「次の試合は
ゴメスは大きくジェスチャーしながら言う。「ダメ。試合はハヤクテモ明日。此所は実際ゴウホウ。ロウドウキジュンホー。ワカル?」
コジュウタは力強く頷く。「ワカル!」
ゴメスはコジュウタと握手をして満足げに頷いて去って行った。
コジュウタは溜息を吐いた。「ナニもワカラナカッタ」
試合ができないのなら、今日はこれ以上の進展は望めない。どうしようかと悩むコジュウタの手を被我トミコが引いた。「今日はもう帰りましょう。楽しみは明日に取っておくのです」「・・・一緒に帰る?」「ハイ!途中まで!」
コジュウタは時計を見る。19時だ。昼間でも
コジュウタは小さく頷き、被我トミコに手を引かれるまま『穴熊』を後にする。
帰り道。駅に着く前に被我トミコはコジュウタの手を離した。「此所でいいのです」「暗い。アブナイ。駅まで送りマス」「大丈夫です。コタローくん。また明日ね」
被我トミコは手を振りながら、路地裏の闇へと消えていった。果たして彼女は何者であるのか、謎は深まるばかりだ。
「今日はよくやった」コジュウタが振り返るとエッジショットが立っていた。声をかけられるまで気配を感じなかった。実際スゴい。これは
「明日も励むことだ」「ハイヨロコンデー!」
こうして職場体験の血のように濃い一日が終わった。
職場体験2日目。『穴熊』。試合前に控え室で2人の選手が対峙していた。1人は灰色髪の少年、コジュウタである。もう1人の選手の身長はコジュウタの二回りは大きい。
大きい選手、リングネーム、ビッグウッド・大野木は言う。「お前がガトリング・銃造を倒した奴か。思っていたより小さいな」
コジュウタは両手を合せて奥ゆかしく
大野木がコジュウタを見下ろしながら言う。「俺は一度も負けたことがねえ。全て一本勝ちだ!空手27段だ!」
大野木は個性なしの世界大会の金メダリストである。「そんな俺が個性ありでファイトをする!それがどういうことか、お前にわかるか?ツヨイにスゴいをかけて百倍だ!分かるか⁉この算数が、エエッ⁉」
大野木は威圧的
しかし、コジュウタは動じない。「“身体が元気でも首を刎ねれば死ぬ”。ビッグウッド=サンがどれだけ強くても、オレが勝てない理由にはならない」
大野木は嘲笑する。「ハハハ、粋がっていればいい。試合が始まれば、後悔することになるだろう!」
大野木は控え室から出て行った。コジュウタは次の試合が
「イィヤアァアア!」「グワーッ⁉」コジュウタのクロスカウンターが大野木の顔面に叩きこまれる!相手の突進力プラス交差した腕がニンジャテコの原理で爆発的チカラを生む!そのカラテの算数は・・・・っ!実際大きい!
大野木が千鳥足で後ろに下がる。「ハハ、ハハハ、ぬるい。ハハハッ、ぬるいパンチだ!いいか教えてやる!格闘において体格差ってのは絶対の・・・」
大野木が白目を剥いて倒れた。「そこまで!」レフリーが高らかにコジュウタの勝利を宣言する!
「「「ワアアアア‼」」」会場が沸いた!大穴を当てた
コジュウタは対戦相手に
コジュウタは土俵を下りながら、飯田天哉や爆豪勝己といった強敵の顔を想起する。アングラファイトで戦った2人は、確かに手強い相手ではあったが、体育祭で鎬を削り合った2人ほど追い詰められることはなかった。やはり雄英は最高峰。ヒーロー科に所属する生徒はアングラファイトに参加している
『穴熊』で連勝し、ヒーローインタビューを終えた灰色髪の少年がいた。コジュウタである。コジュウタの側にはマスクをした美少女、被我トミコもいた。彼女はニコニコと笑いながら、コジュウタの手を握っている。そんな2人の元に『穴熊』のオーナー、グリズリー・大五郎が現われた。「モリタさん!」
コジュウタは奥ゆかしく
大五郎は挨拶を返しながら、コジュウタの肩を力強く叩いた。「どーも!いやあ、またやってくれましたね。大盛り上がりだ!」
コジュウタが倒した相手はアングラファイトのベテラン選手だったのだ。
「ビッグウッド・大野木はチャンピオンへの挑戦権を持っているファイターだった。挑戦権は勝ったモリタさんに移った!どうしますか?」「勿論、ヤリマス」「ガハハ!ガハハ!」
大五郎は力強くコジュウタの肩を叩いた。「そうでなくちゃな!」大変嬉しそうだ。
「大野木は何だかんだと理由をつけてチャンピオンへの挑戦を先延ばしにしてやがった。奴は強かったが、ファイターじゃなかった。金玉の小せぇ奴だった」
大五郎にはファイトクラブに対する美学がある。大野木は美学に反していたのだと吐き捨てた。「その点、モリタさんなら安心だ。金玉も大きいに違いねぇ!なあ、嬢ちゃん!」下ネタだ!
大五郎の下ネタを受けて、被我トミコが両手の指で×印を作った。「ヤ!セクハラはNGなのです」「ガハハ!すまねぇすまねぇ。姫様の機嫌を損ねちゃダメだわな」大五郎は上機嫌のまま満足そうに去って行った。
次に現われたのはゴメスだ。「ドーモ。モリタさん」「ドーモ。ゴメス=サン」2人は
コジュウタは握り返す。「アリガトウございます」
ゴメスは言う。「チャンピオンと戦う。明日。ワカッタ」聞きながらも返事は分かっている。そんな自信満々な表情をしていた。“魚と水は仲良し”。平安時代の哲学者にして剣豪、ミヤモトマサシの
コジュウタの返事は勿論、「ワカル!」ゴメスは上機嫌のまま満足そうに去って行った。
明日、コジュウタはチャンピオンに挑戦する。〈捜査は進展している〉と小型無線機越しにエッジショットの声が聞こえた。〈今日はここまでだ。よくやった〉
コジュウタは隣に居る被我トミコにエッジショットとの秘密通信がバレないように返事をする。「センエツシゴク」〈俺は此所に残り少し調べモノをする。お前はその子を駅まで送り届けてやれ〉「ハイヨロコンデー」
コジュウタは被我トミコの手を引いた。「帰りましょう」「うん!」
その日の帰り道は、小雨が降っていた。1つの傘を使い歩く少年少女。少年の肩は少し濡れていた。それに気が付いた少女の心はじんわりと温かくなる。青春の1ページ。微笑ましい
昨日までは我慢ができた。でも、今日は我慢ができなかった。少女は少年のことが、昨日よりも好きになっていた。そして、明日はもっと好きになる。
少女が足を止めた。歩幅を合せて歩いていた少年の足も止まる。
少女は自分の顔が赤くなっているのを自覚しながら、少年を見上げた。
「コタローくん。大好きだよ」
少女はキスをするように、少年にナイフを突き立てた。
「アイエエ・・・」少年は腹部を刺されながらも倒れない。ただ目を白黒させていた。
少女は熱に浮かされたような表情でナイフを捻った。
「スゴいねぇ。強いねぇ。倒れないんだねぇ。コタローくん。コタローくん。コタローくん!」
まるで愛撫でもするかのようにグリグリと少年の腹部に突き刺したナイフを捻る。内蔵がかき混ぜられ、胃部を破壊。胃部不快。食道を血が迫り上がり、少年は溺れるような窒息感の中、手を・・・少女の喉元へ・・・・・・。
「こふっ」少年は吐血した。着けていたマスクが血で染まる。少年の視界が曇る。このままでは実際死ぬだろう。
「コタローくんの、キレイな手。コタローくんの、キレイな血ィ。エヘヘ、エヘヘ」
少女は喉元まで伸びていた少年の手を取ると、自分の頬に当てて嬉しそうに笑っている。
少年は「
少年は薄れ行く意識の中で思う。「それに被我=サンに名前を呼ばれる度に・・・「コタローくん」・・・オレの胸は
少年の意識が薄らいでゆく・・・・・・。
少年は少女に寄りかかるようによろめき、少女は優しく少年を地面に横たえた。
「コタローくん。大好きだよ」耳元で囁きながら、少女はナイフを引き抜く。
「ゴぽ、ゴぽぽ」栓が抜かれたワインのように傷口から真っ赤な血が溢れ出す。
「コタローくんの血ィ。キレイだねぇ」少女が目を輝かせながら、懐から取り出したのは、ストローだ。
少女は胸の傷口にストローを刺し、愛する少年の血を
“何たる邪悪儀式ッ!アンタイブティズムも裸足で逃げ出す悪魔的所業ッ‼”
少女の告白を聞きながら、少年・・・―――コジュウタは、そう思えなかった。
好きに理由をつけられるほど賢くない。向けられる愛に疑問を持てるほど擦れてもいない。少年はまだ恋愛方面に幼く、純粋だった。だから己の痛みではなく、少女が流す涙を悲しんでいた。
「ゴぽ・・・ゴぽ・・・」恨み言ではない。「ゴぽ・・・ゴぽ・・・」咎める言葉でもない。
正しさなんてどこにもない。ただ優しいだけの言葉だった。
「ますくの・・・したも・・・やっぱり・・・カワイイ・・・ヤッター・・・」
「あ」少女はストローから口を離し、少年を見た。触れる血が次第に熱を失っていく。
「コタローくん。死んじゃうの?」
「ねえ。コタローくん。ねえ、ヤだよ」
「ヤだ」少女は少年に唇に重ねる。人工呼吸・・・ではない。「ちぅちぅ」その血を啜る。
血塗れのキス。この日、少女は少年を喪った。
コタロー。少女の愛に死ス。
作者の次回作が皆様の暇つぶしになれば幸いです。
『ドーモ。ヴィランスレイヤーです』完。
また会いましょう。
バイバイ(^O^)/