ドーモ。ヴィランスレイヤーです。これはニンジャが来てヴィランを討つ物語。   作:白白明け

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Kindleでニンジャスレイヤーを読んで勢いで書いてしまった何番煎じかもわからないヒロアカにニンジャスレイヤー要素をいれた物語です。
せっかくなので1年B組を舞台に書きたいと思い挑戦しています。作中での描写がA組と違い少ないので、オリジナル展開やキャラ崩壊が有るかも知れません。ご容赦ください。


皆様の暇つぶしになれれば幸いです。m(_ _)m




入学試験②

 

10分間の模擬市街地演習での“仮想(ヴィラン)”ロボットを相手にした戦闘。それが雄英高校ヒーロー科の実技試験の内容だった。千人以上の受験生たちは7ブロックの会場にそれぞれ振り分けられ、その中に多数配置された三種の“仮想(ヴィラン)”ロボットを行動不能にする事でポイントを稼がねばならない。そのポイントの高さによって合否が決定するのだ。

 

「つまりはポイントの奪い合いだ」と、受験生-心繰(しんそう)人使(ひとし)は呟いた。限られた時間と広大な敷地のなかで、情報を把握し仮想(ヴィラン)ロボットを発見、いかに早く行動不能にするか。その判断能力が問われている。

 

「それはわかる。けどっ」

 

心繰の前に現れた1P(ポイント)ロボット。〈標的補足‼ブッ殺ス‼〉機動力が高い代わりに脆い1Pロボットが心繰に襲い掛かる。心繰は手にした鉄パイプで殴りかかるが、その攻撃は1Pロボットの装甲を僅かに凹ませるに留まる。

 

「ちっ、やっぱ狙うは関節部!」

 

1Pロボットが振るうアームをなんとか避けて、関節部に鉄パイプを突き立て捻じ切る!〈ヤラレター〉1Pロボットは行動不能。心繰に1ポイントが加算される。が、しかし!既に此所までで五分が経過!現在の心繰の獲得ポイントは合計3ポイント!試験時間が半分経過した時点でまだ1Pロボット三体しか倒せていない。

 

「ハァ、ハァ、ハァ、くっそ」

 

心繰の息は既に上がっている。情報収集能力が大事だ。機動力が大事だ。判断力が大事だ。そして何より、ヒーローに必要な純然たる戦闘能力を試されている。それはわかる。理解している。だが、しかし、心繰の個性はそれに向いていなかった。

 

「19ポイント!」「15ポイントめだ」「よっしゃ20!」「32!」「17!」「22!」「45!」

 

心繰が3ポイントを獲得する間に、既に周囲には他の受験生が破壊したロボットの残骸が広がっている。ツキジめいた光景。他の受験生と自分との間に有る明らかな差を前に心繰は屈辱的に歯を食いしばる。ヒーローに成りたい。こんな個性でもヒーローに成れることを証明したい!「まだだ!」その一心で屈辱から顔を上げた。

 

「まだ諦めな―――

 

「おい!そっちに3Pロボットが行ったぞ!」

「狩れ!3ポイントいただきだ!」

「馬鹿!俺のだ!どけよ!」

「邪魔すんじゃねぇぇえ‼」

 

―――え?」

 

1Pロボットの十倍以上もあるサイズの3Pロボットが、心繰に向かって吹き飛んできた。〈ヤラレナイドスエ!ヤラレナイドスエ!〉3Pロボット未だに健在!受験生達は攻撃の手を緩めない!3Pロボットの巨大の所為で、彼らの目にはその後ろにいる心繰の姿が目に入っていなかった!実際危険(アブナイ)

 

「う、うわー⁉」

 

心繰は目の前に迫る3Pロボットの巨体と他の受験生による個性攻撃を前に、目を瞑って恐怖した。南無阿弥陀仏(ナムアミダブツ)!次の瞬間、心繰の身体がネギトロとなる凄惨なる光景が‼

 

広がることはなかった。

 

「ゴッホ、大丈夫か?」

「あ、え?」

 

間一髪!心繰はマスクをした顔色の悪い灰色髪の少年に抱えられて、戦線を離脱していたのだ。心繰を助け出したのはそう、コジュウタだった。コジュウタはお姫様抱っこで抱えていた心繰を降ろすと手を合せて奥ゆかしい挨拶(アイサツ)

 

「ドーモ。コジュウタ・フジキドです」

「あ。え?」

 

未だに混乱にしている心繰に向けて、コジュウタの目に鬼火(オニビ)めいた青い眼光が揺らめく。

 

「アイサツをされたら、アイサツを返さねばならない。古事記にもそう書いてある。実際大事」

「あ、悪い。心繰、人使、です」

「怪我は?」

「ない。うん、ない」

「ヨカッタネ。では、オタッシャデー」

「あ、おい!待てよ!いや、待ってくれ!」

「・・・なにか?」

 

心繰は試験終了が迫るこの時に相手を引き留める失礼(シツレイ)を自覚していた。しかし、それでも彼には聞かなければ成らないことがあった。

 

「どうして、助けてくれたんだ」

「どうしてとは?」

「この試験は、ポイントの奪い合いだろ!他の奴を助けても良いことなんてない。いや、ライバルが減るならその方が良いはずだろう!それなのにどうして、俺を助けて、お前は3ポイントを得る機会を失ったんだぞ!」

「“困っている人を助けないのは腰抜け”」

「っ⁉」

 

心繰は身体に電流が奔ったかのような衝撃を受けた。そうだ。どうして、ではない。ヒーローとは、情報収集能力が高いものでも、足が早いものでも、冷静な判断が下せるものでも、強いものでもない。

ヒーローとは、人を助けるものなのだ。そう言われた気がした。

 

「平安時代の哲学者にして剣豪、ミヤモト・マサシの言葉である」

「・・・平安時代?・・・宮本武蔵じゃなくて?」

「日本人なのに知らないのか?古事記はちゃんと読んだ方がいいぞ。では、次こそオタッシャデー」

 

コジュウタは常人の三倍を誇る脚力でその場を去って行く。心繰はそれを追う事ができない。しかし、その背をしっかりと目に焼き付けたのだった。

 

「おたっしゃで、か。ああ、諦めないでがんばるよ」

 

 

 

 

 

 

コジュウタは驚いていた。「まさか試験がポイント制だったなんて・・・」プレゼント・マイクの説明をキチンと聞いていなかった故の当然の驚きだった。コジュウタは試験開始から今まで仮想(ヴィラン)ロボットを積極的に倒していない。襲い掛かってきた仮想(ヴィラン)ロボットを倒す事はあったが、他の受験生達が戦っている仮想敵ロボットを横取りすることはしなかった。寧ろアブナイ場面で助けに入り、「オタッシャデー!」と応援してはその場を去ることを繰り返していた。

なので、コジュウタはあまり多くの仮想敵ロボットを倒していない。

 

「オレ、今、なんポイント?」

 

それも把握していない。実際プレゼント・マイクの説明を聞いていなかったコジュウタが悪い。因果応報(インガオホー)!実際ヤバい。咳をしている暇もない!

 

「とりあえずガンバルゾー!実際ヤバい!マスターに顔向けできない!ブッタも怒る⁉」

 

試験終了まであと僅か!やぶれかぶれ(ヤバレカバレ)になりかけたコジュウタの元に、ブッタが秘密めいた(幸運の神が)アルカイック・スマイル(満面の笑顔)を投げかけた!〈危険ドスエ!!危険ドスエ!!圧倒的脅威ドスエ!!圧倒的脅威!ドスエ!〉・・・様な気がしたが、気のせいである。

 

「お、おおお!実際デカい‼」

 

試験時間終了間近に動き出すお邪魔ギミック。“0P(ポイント)超巨大ロボット”がコジュウタの目の前で所狭しと大暴れ!戦闘不能にしても0ポイントなので、受験生達は0P超巨大ロボットから逃げだした!戦っても実際無意味!

 

しかし、それ(0ポイント)を、コジュウタは知らない。

 

「カンガルーがコーベインを袋に入れてきた!」

(カンガルーが小判を袋に入れてやって来た※鴨が葱を背負ってくるの意)

 

コジュウタは逃げていく他の受験生とは逆方向に走り出す。戦っても何の意味もない0P超巨大ロボットに向かって走って行くコジュウタに、他の受験生達は驚きの視線を送る。だが、止めない。止める理由がない。トルネードをわざわざ家の外に出て、様子を見にいくがごとき愚行に巻き込まれてはたまらない!自分に利がない!それでも!死に急ぐおバカ止めてくれるお人好しはいた!

 

Sto it,you idiot.What are you doing(バカ、止まりなさい。何しているの)!」

 

コジュウタを止めたのはポニーだ。ポニーは先ほど知り合ったコジュウタが0P超巨大ロボットに向かって行くのをみて慌てて飛んできた。慌てすぎて思わず母国語の英語が飛び出していた。対するコジュウタはしめやかに挨拶(アイサツ)

 

「ドーモ。ポニー=サン。さっきはドーモ」

「どーも!コジュウタ!なにしているデスか!」

 

ポニーはとても怒っている。その理由がコジュウタにはわからない。

 

「なに、とは?実際デカいアレを倒すんだ」

Why(どうして)⁉」

「(たぶんポイントが)実際デカいから」

「・・・ワーオ、バカデース」

 

ポニーはとても呆れている。その理由がコジュウタにはわからない。

 

「止めないでくれ。アレを倒さなければオレはマスターに顔向けできない!アレを倒せばきっと(合格できて)マスターも喜んでくれるはずなんだ!」

 

そのマスターとやらも「バカなのデスね」とポニーは思ったが、口には出さなかった。ヨカッタネ!もし口に出していた場合、それはコジュウタの師匠(マスター)であるニンジャスレイヤーへの失礼(シツレイ)にあたり喧嘩になっていたことだろう!

 

「もういいデース。止めません。でも、大きい。倒せる?ヤバいね?」

「オレのカラテを見せてやる」

 

コジュウタが前に出る。そして、腕がゆっくりと円を描きニンジャスレイヤーから教育的指導(インストラクション)を受けたジュー・ジツを構えたる。

迫り来る0P超巨大ロボット。〈圧倒的脅威ドスエ!!圧倒的脅威!ドスエ!〉ポニーは周囲のビル群を破壊しながら向かってくる0P超巨大ロボットが不思議と怖くなかった。それは0P超巨大ロボットよりも、目の前のコジュウタの背中が大きく見えたからだ!

 

「イヤアアーッ!」

〈ヤラレターッ!〉

 

コジュウタの掌底(カラテ)があたった瞬間、0P超巨大ロボットの装甲が波打ち、衝撃波が内部へと浸透。装甲によって守られていたはずの内部に直接ダメージを与えた!

南無三(ナムサン)!これぞ暗黒カラテ、ダーガイ掌底‼0P超巨大ロボットは爆発四散‼ワザマエ‼そして、コジュウタは残心(ザンシン)を忘れない‼

 

「ゴウランガッ‼」

lie()Amazing(すごい)Too amazing(すごすぎる)!」

 

ポニーは興奮のあまりコジュウタに抱きついた。ポニーは帰国子女なのでボディタッチに抵抗がなかった。ヨカッタネ!コジュウタにポニーの胸が押しつけられる。そのバストは豊満であった。実際スゴイ

 

「コジュウタの個性はすごいデスね!」

「アーイイ・・・遙かに良い・・・」

「どしたのデスか?」

「いや、なんでもない」

 

コジュウタは紳士的にポニーを遠ざける。本当はもう少し豊満を感じたかったが、奥ゆかしくもこれを辞退。あれ以上は欲張り(ヨクバリ)村八分(ムラハチ)だ。

 

 

〈終ッ!了ッ~~~‼‼〉

 

 

そして、試験は終了した。

 

 

 

 

 

 

 

 

雄英高校の最寄り駅から電車を乗り継ぎ約1時間。閑静な住宅街の中にあるオレゴンハウスの前にコジュウタはいた。ここは受験の為に渡米してきたコジュウタを受け入れてくれるホストファミリーの家だ。果たしてホストファミリーはどんな人々なのだろう。コジュウタは緊張していたが、ホストファミリーの家が見慣れたアメリカ式オレゴンハウスだったことで緊張は少し和らいだ。コジュウタの手には手土産が握られている。手土産はおはぎ(オハギ)。勿論、オーガニックの高級品だ。

コジュウタはチャイムを鳴らす。扉は直ぐに開いた。

 

「ドーモ。はじめまして。コジュウタ・フジキドです」

「どーも!角取ポニーデース!・・・って、アイエエエエ!コジュウタ⁉コジュウタナンデ⁉」

 

なんたる偶然か(ブッタシット)!コジュウタを受け入れてくれるホストファミリーの家は、ポニーの実家だったのだ!まさかの偶然に玄関で硬直する二人。家の中にはそんな二人の様子を不思議そうに見ているポニーの両親がいた。それを認識したコジュウタは再起動。直ぐに深々とお辞儀(オジギ)!奥ゆかしく挨拶(アイサツ)

 

「ドーモ。ドーモ。コジュウタ・フジキドです。ヨロシクオネガイシマス」

I`m Pony Papa.Nice to meet you(ポニーパパだ。よろしく)

「ポニーママよ。よろしくね」

Do you knon my daughter?(娘と知り合いなのか?)

Yes.He helped me with the exams at U.A.(はい。雄英の試験で助けてもらいました)

 

コジュウタはアメリカ育ちなので英語ができる。当たり前の事だが、実際スゴい。コジュウタがポニーパパとポニーママとの挨拶(アイサツ)を終えると、ポニーが彼の手を握ってブンブンと振る。とても興奮したようすだ。

 

What a coincidence.Mom and Dad,he`s so amazing(運命ね!パパ、ママ、彼はすごくスゴいのよ)!」

「まあ、思わず英語が出ちゃうくらいスゴいのね」

I`d like to hear more about that over dinner,okay(それは夕飯の時に詳しく聞きたいな。いいか)?」

「ハイヨロコンデー!」

 

なんとラブコメ漫画(カトゥーン)めいた展開だろうか!実際羨ましい!ヨカッタネ!

 

 

 

 

 

 

 

日本全国同科中、最も人気である雄英高校ヒーロー科の入学試験の“答え合わせ”は、当然ながら膨大な労力を要する。気が付けば既に丑三つ時(ウシミツアワー)。ようやく雄英高校ヒーロー科教師達の仕事が終わろうとしていた。

 

「実技総合成績出ました」

 

暗い室内の中で教師達はモニターに映し出される受験生たちの映像を見る。受験生たちの結果を見ながら、それぞれが各々に感嘆の声を上げていた。

 

救助(レスキュー)P(ポイント)0で、2位とはやるなあ‼」

「この子は(ヴィラン)P(ポイント)0で、8位。アレに立ち向かったのは過去にもいたけど・・・、ぶっ飛ばすのは久しく見てなかった」

 

余談だが、実は入試の実技試験で見られていたのは仮想(ヴィラン)ロボットを倒した際に与えられる(ヴィラン)P(ポイント)だけではなかった!人助け(正しいこと)をした人間に与えられる審査制の救助活動(レスキュー)P(ポイント)があったのだ!これを知った時、コジュウタは古典的に驚いた(アナヤ)

 

「でも、やっぱり入試1位通過は彼か」

 

教師たちがモニターに大きく映し出された受験生に注目する。マスクで口元を隠したニンジャ的雰囲気(アトモスフィア)な彼は勿論、コジュウタだ。(ヴィラン)P(ポイント)25。救助(レスキュー)P(ポイント)55。合計80ポイント。コジュウタは2位に3ポイント差を付けて1位の座を獲得していた!大金星だ(キンボシ・オオキイ)

 

「体調が悪い様にも見えたけど、そつなく熟したわね。他の受験生を油断させる為の作戦だったのかしら?」

「いや、本当に体調は悪かったのかも知れないよ。あの子は露骨に仮想(ヴィラン)ロボットとの戦闘を避けているように見えたねえ。他の子を助ける時に、ポイントを取ることも出来たろうに」

YESH(イヤー)!確かに会場の其処らかしこで聞こえていたもんなあ!オタッシャデー!が」

「だが、最後のアレとの戦闘は合理的じゃない。8位の奴の時とは違い、放っておいても被害はなかったはずだ」

「細けえことはいんだよ!おれはあいつ気に入ったよ‼」

「流石は本場アメリカから来たヒーロー志望。格の違いを見せつけたね」

 

盛り上がる空気の中で一人の教師が配られていた受験生の資料に目を向ける。今年度、1年生を担当する事になる教員、(かん)赤慈郎(せきじろう)。ヒーローネーム、ブラドキングは疑問を覚える。コジュウタ・フジキドと書かれた資料。其処に記載されている個性は『無重(むじゅう)』。重力を無視した動きが可能であり、触れたモノの重さを無視できるという個性だった。

 

「4位の子の個性『無重力(ゼログラビティ)』と良く似た個性だ。コジュウタの場合は手が離れた時点で個性が解除され、浮かせ続けることはできないようだが、代わりに重量制限(キャパシティ)がデカいとみた」

 

実際強力な個性だ。使い方次第で超巨大ロボットを投げ飛ばすことは可能だろう。

 

「だが、ロボットは爆発四散した。個性『無重』で、どうすればそうなるんだ?」

 

雄英で教鞭を執るブラドキングの知能指数は実際高い。そんな彼でも答えが見つからない。

「教え子になったら、聞いてみるか」と考えたブラドキングにその後、機会が訪れることになるのだが、「カラテ」「ジュー・ジツ」「チョップ」「チャドー」「フーリンカザン」「・・・そしてチャドー」「ニンジャソウル」と至極真面目な顔で捲し立てられ、別の意味で頭を抱えることになるのだが、それは少し先の話だ。

 

ともかくとしてコジュウタ・フジキド!入試1位通過で合格決定!

 

ゴウランガッ‼

 

 

 

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