ドーモ。ヴィランスレイヤーです。これはニンジャが来てヴィランを討つ物語。 作:白白明け
感想・評価をくれた方々、ありがとうございます!\(^_^)/
投稿が遅くなってしまい、申し訳ありませんm(_ _)m
今後も皆様の暇つぶしになれば幸いです!
期末テスト編ッ、完結ッ‼
「グワーッ!」「小大少女はもうダメかな」「グワーッ!グワーッ!」殴られながら、聞こえた言葉。コジュウタは許せなかった。
「小大=サンは、ダメじゃないグワーッ!」「HAHAHAッ!」「グワーッ!オレの態度は、実際悪かったグワーッ!でも、小大=サンは舌打ちの1つもしなかったグワーッ!それはカノジョが優しいからだグワーッ!」「HAHAHAッ!小大少女の評価点は、それだけかい?」「優しさ以外になにがいるグワーッ!」
「グッ、イヤーッ!」コジュウタがかわす!頭が地面すれすれの前傾姿勢だ。恐怖の象徴と化したオールマイトを前に、ついにコジュウタも臆したのか⁉
否ッ、繰り出されるのは中世に海を越えて南米に伝来し、カポエラの原型となった伝説の暗黒カラテ蹴りッ‼
メイアルーアジコンパッソッ‼
突如の反撃ッ!オールマイトの側頭部にコジュウタの足先が迫る!ついに反撃が決まるのか⁉
いや、受けるッ‼オールマイトは前腕でガードッ‼周囲の瓦礫が弾け飛ぶ程の衝撃ッ‼しかし、オールマイトの口元には笑みが浮かんでいる‼「いいキックだ」
圧倒的
メイアルーアジコンパッソを防がれたコジュウタはピンチだ。足を掴まれれば待っているのは地面への連続叩きつけ!コジュウタは即座に足を引く!足を掴みかかったオールマイトの手が空を切る。メイアルーアジコンパッソを受けたオールマイトの腕は流石に僅かに痺れており、それ故にコジュウタの足を取り逃がした。
コジュウタはバック転で距離を取り、小大唯の前に着地。パニック状態である小大唯はそれに気が付いていない。その様子を横目で見つつ、コジュウタはチャドーの呼吸で体力を回復する。
「サツバツたるイクサだ・・・」コジュウタの身体は疲弊しきっている。小大唯の心も疲弊しきっている。
だが、唯一、何一つ疲弊していないオールマイトは笑う。「HAHAHAッ、バラバラだね。君たちは」
「わかるかい。コジュウタ少年。事前に動きを決めていても、恐怖に足は竦むのさ。誰もが君のように強くない。そして、君も私を相手に戦って勝てるほど
コジュウタは
「成長の過程だ。君はいくらでも強く成長できる。いつか私にだって勝てるさ。だが、それは今じゃない・・・。だから、今の君ができることは1つだよ。わかるだろう」
「小大少女をおいて、君が逃げるんだ」
オールマイトは笑みを消した真剣な表情だ。
「授業で見せた君の動きなら、万が一、私から逃げ切れる可能性がある。それが唯一、君たちが試験に合格できる可能性さ」
そして、それがもし実践で同じ状況になった時、するべき非常な判断だと言外に語る。
「・・・」コジュウタは背後の小大唯の気配を感じながら、目を閉じて開いた。
撤退を決断的に判断。それが現実的な状況判断だろうと思う。
そして、同時に、ニンジャスレイヤーならば絶対に取らない決断的判断だと思った。
『ニンジャ・・・殺すべし』
かつて、アメリカの摩天楼シティにてニンジャソウルを宿し、息を吹き返したコジュウタにニンジャスレイヤーはそう言った。詳しいことはわからないが、ニンジャスレイヤーにとってコジュウタは殺すべき相手だったのだろうと思う。唯一の肉親だった母と死に別れたコジュウタは、それでもいいと思った。
母と共にサンズリバーに逝けるなら、それでもいいと思った。
しかし、ニンジャスレイヤーはコジュウタを殺さなかった。殺さなかったのだ。
彼は・・・優しかった。小大唯と同じく・・・優しかったのだ。
だから、コジュウタは思うのだ。人を助けるヒーローに、優しさ以外になにがいるのだと。
「・・・ダッテ」腕は円を描きジュー・ジツを構える。怖くない?怖いさ。小大唯と同じように、コジュウタだって怖いさ。それでも、コジュウタは面頬の下の口を無理矢理笑顔に変えた。
「ダイジョブダッテ!」
コジュウタの声を聞いて小大唯は顔を上げた。
そこにはピンチを前に笑うヒーローがいた。
オールマイトは言葉を失う。ピンチを前に笑うヒーロー。コジュウタの姿が、自分のお師匠と重なって見えたからだ。
『どんなに恐くても、自分は大丈夫だって笑うんだ。世の中、笑ってるやつが一番強いからな!』
先代ワン・フォー・オール継承者。
彼女の言葉もその姿も、オールマイトの魂に深く刻み込まれている。
目の前の少年と志村奈々の類似点。「HAHAHA、素晴らしいね」
しかし、オールマイトは気づけなかった。祖母譲りの口元の艶ぼくろは残念ながら
顔を上げた小大唯が見たものはボロボロの背中だった。不安を忘れてしまうほどの大きな背中。沈んでしまった心を引き上げる力強い言葉。
「ん」眼をゴシゴシと袖で擦ってみても、そこには変わらず“ヒーロー”がいた。
「ダイジョブダッテ」言われる度にもう大丈夫だと思えた。「ん!」怖いけれど、恐ろしいけれど、
小大唯は恐怖心を乗り越えて、1歩踏み出す。それは小さな1歩だったが、彼女にとっては大きな1歩だった‼
「素晴らしいよ少年少女!ようやく足並みが揃ったね。ただ!2人とも!それは今試験の前提だからねって話だぞ」
衝撃から我に返ったオールマイトは大股で1歩、2人に近づく。
状況はなんら変わらない。
コジュウタが仕掛けるッ‼「イヤーッ!」
「ヌゥッ⁉」オールマイトの視界が遮られた。直ぐに拳をたたき込み、全ての車を彼方に飛ばす!
しかし、開けた視界に2人の姿はない!「逃げたか・・・?」
否ッ、「イヤーッ!」「グワーッ!」
コジュウタは投擲した車のサイズが元に戻り、オールマイトの視界が塞がったと同時に低姿勢で接近し奇襲を仕掛けたのだ!
暗黒カラテ蹴り、メイアルーアジコンパッソがオールマイトの
コジュウタが知る由もないが、オールマイトの
オールマイトの口元から、僅かに血が流れる。「いいキックだ!チクショウめ!狙いもいいねッ!」「イヤーッ!」「HAHAHAッ!」2打目は避けられる!
最小限の動きで避けたオールマイトは起きあがりざまのコジュウタを狙い裏拳ッ!コジュウタはそれをブリッジ回避ッ!からの勢いをつけてのサマーソルトキックッ!「イヤーッ!」「HAHAHAッ!」オールマイトはそれも最小限の動きで避ける!圧倒的タフネスがあろうともう無駄に攻撃を受けてはやらない!
サマーソルトキックを避けられたコジュウタは両手で着地ッ、そのまま前腕屈伸運動で上空へと跳躍ッ‼
「イヤーッ!」上空で、個性『サイズ』により縮んだモノをばら撒く!
「逃げたんじゃないのか・・・?」オールマイトは周囲を警戒するが、小大唯の姿はない。
「イヤーッ!」コジュウタは、ばら撒いたモノをオールマイトに向けて殴りつけるッ!
殴られた
車、道路標識、車、瓦礫、車が
「HAHAHAッ!」オールマイトは笑いながら、拳を引いて溜めを作る。
「
上空でそれを目撃したコジュウタは面頬の下で悔しげな表情を・・・浮かべないッ‼
「流石はオールマイトッ‼キャシー=サンの
意外な言葉にオールマイトは驚きの表情を浮かべる‼
「えっ、君、キャシーを知っているの?」
オールマイトはコジュウタとニンジャスレイヤーの関係は知っていた。しかし、ニンジャスレイヤーとアメリカNo.1ヒーロー、スターアンドストライプ(本名、キャスリーン・ベイト)の関係をしらなかったのだ‼
キャシーは親しい者だけが呼べる彼女の愛称ッ‼オールマイトが驚くのも無理はないッ!
意図せず生まれた隙をコジュウタが見逃す筈もなく、懐から古の殺人武器“ボー”を取り出したッ‼
“ボー”とは宗教戒律上、刃物が使えないバトル
その答えは―――これがボーではないからだッ‼
「イヤーッ!」コジュウタのカラテ・シャウトと共にボーめいた物体が本来のサイズを取り戻すッ‼トラックだ‼ボーめいた物体は小大唯の個性により縮んだ4トントラックだった‼
本来、オールマイトほどの怪力を持たないコジュウタは4トントラックを振り回すことなど出来ない。
しかし、読者諸君には思い出して頂きたいッ‼
コジュウタが
「イヤーッ!」コジュウタは4トントラックを両手で持ったまま空中で縦回転ッ‼これも個性を用いた重力を無視した動きであるッ‼
「なんたる好相性ッ‼ブラドキング、組み合わせが良すぎるよ‼」オールマイトは暴走ハムスターが回す地獄の回転車めいて回るコジュウタを見上げながら愚痴る。
実際その通りであり、小大唯の個性『サイズ』とコジュウタの個性『無重』との相性は最高だった‼
「イィィヤァアアアッ‼」地獄の回転車と化したコジュウタがオールマイトめがけて落下ッ‼
オールマイトは腕を交差させたクロスチョップの構えで迎え撃つッ‼
「
ぶつかり合い4トントラックは爆発四散ッ‼周囲は黒煙に包まれるッ‼再びオールマイトは視界を塞がれるが、気にせず黒煙のただ中に直立不動の姿勢で立つ。コジュウタからのアンブッシュを警戒しているのだ。しかし、黒煙が晴れるまでアンブッシュは無かった。
「次こそ逃げたかな・・・」しかし、黒煙が晴れたその時、オールマイトが見たモノはッ、直線上にいる2人の姿だった‼
「あくまで私を倒す気かい」オールマイトは笑う。その選択は1年A組の演習試験の際、オールマイトが対戦相手を務めた爆豪勝己と緑谷出久ができなかった選択だ。戦闘を望んだ爆豪勝己と脱出を望んだ緑谷出久がぶつかり合いながらも出した折衷案は戦いながら逃げるというモノ。結果、彼ら2人は脱出するという形で演習試験をクリアしている。
格上の
「しかし、あくまで私を倒すというのなら、受けて立つよ」
オールマイトとの距離は百メートル以上離れている。それでも感じる肌を刺す様な威圧的
それを感じ取ったコジュウタは言う。「小大=サン。オレの肩に手を置いてクダサイ」「ん」
コジュウタは今、片膝立ちの姿勢であった。小大唯は後ろから、コジュウタの両肩に両手を乗せる。
大きな背中だと改めて思った。そして、燃える様に熱を帯びている。コジュウタの体温を感じていると、小大唯の身体の震えは止まった。
「ダイジョブダッテ」「ん」
コジュウタから伝わる体温が安心感に変わるのと同時に、小大唯は自分の顔が赤くなっているのを自覚した。コジュウタが後ろ向きで良かったと、心の底から思った。
コジュウタが言う。「イキます」小大唯は彼の肩を力強く握る。「ん!一緒に・・・ね!」
「スゥゥ。ハァァ」コジュウタはチャドーの呼吸で精神統一。そして、片膝立ちのままスリケンを構えた。上半身に縄のような筋肉が浮かび上がる。
これは暗黒チャドーの奥義、ツヨイ・スリケンの準備動作だ!
しかし、おお、見よ!コジュウタが構えている
小大唯の個性によって
伝説のビッグ・
「イィィヤァアーッ!」渾身のカラテ・シャウトと共に投擲された物体にオールマイトは顔を引きつらせた。
反動風圧によりアスファルトの地面が
「アイエエエ⁉」オールマイトが叫ぶ。ウカツ!ただの
”大きい方が大概イイ”。古事記にもそう書いてある‼備えよう。オールマイトは両腕をクロス!
そして、飛んで来たビッグ・手裏剣とぶつかった。「アバーッ‼」
「ヤッたか」「やったね」コジュウタが立ち上がり、小大唯とハイタッチを交わした。
しかし、ハイタッチの後、コジュウタはエッジショットから受けた
相手はあのアメリカNo.1ヒーローが
小大唯は言う。「アレで無事なら、人間じゃない」
それはそうだとコジュウタは納得した。「ソーですね」
安堵した様子のコジュウタを見て、小大唯はポーカーフェイスを崩していた。
「ん」小大唯がコジュウタに頭を突き出す。「ナンですか?」「私、頑張ったよ。プルスウルトラしたと、思う」「ですね。アリガトウございました」
小大唯は上目遣いでコジュウタを見上げながら、顔を赤く染めて言う。
「だから。ご褒美に、頭、撫でて、欲しい」カワイイ!
「はあ、イイですが」コジュウタは言われるまま小大唯の頭を撫でた。「ん」ナデポ!
「もうイイですか?」「んーん。もっと」「はあ」「ん!」ナデポ!
ラブコメ
「HA・・・HA・・・HA・・・」
その時だッ!ラブコメ
コジュウタは庇うように小大唯の前に立ち、ジュー・ジツを構えたッ‼
次の瞬間、瓦礫の山が吹き飛び、直立する2本の触覚ッ‼もといオールマイト‼
瓦礫の上に立つ彼は、腰に手を当てた状態で笑いながら2人を見る!
「私を倒したと思ったかい?残念。平和の象徴は、簡単には倒れんさ」
コジュウタは戦慄する!彼にとってのNo.1ヒーローはニンジャスレイヤー!
No.1の『個性』を持つヒーローはスターアンドストライプ!
しかし、理解する!目の前に立つオールマイトこそが、シンプルに一番強いNo.1ヒーローだッ‼
「さて・・・反撃開始だ‼」
2人は身構える!しかし、オールマイトは動かなかった。
警戒を解かない2人にオールマイトが言う。
「・・・と、言いたいところなんだけどね、時間切れだよ」
〈タイムアップ‼期末試験これにて終了だよ‼〉
無情なる宣告が響く。2人は制限時間のことを実際忘れていた。