ドーモ。ヴィランスレイヤーです。これはニンジャが来てヴィランを討つ物語。   作:白白明け

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Kindleでニンジャスレイヤーを読んで勢いで書いてしまった何番煎じかもわからないヒロアカにニンジャスレイヤー要素をいれた物語です。
せっかくなので1年B組を舞台に書きたいと思い挑戦しています。作中での描写がA組と違い少ないので、オリジナル展開やキャラ崩壊が有るかも知れません。ご容赦ください。


皆様の暇つぶしになれれば幸いです。m(_ _)m

評価・感想を頂けるとモチベーションが上がり、とても嬉しいです。\(^_^)/



戦闘訓練①

未来のヒーローを目指す有精卵(学生)たちが集う場所。雄英高校。その昼休み。併設されている大食堂に灰色頭の学生がいた。コジュウタだ。彼は何を食べているのか。なんと、寿司(スシ)だ!寿司(スシ)を食べている!それもただの寿司(スシ)ではない!大食堂で働くクックヒーロー-ランチラッシュが作った本物のオーガニック・寿司(スシ)を食べている!コジュウタは口元を覆っていたマスクを下げて、高級なオーガニック・とびっこ(トビッコ)寿司(スシ)を口に運ぶ。実際美味い!

コジュウタが寿司(スシ)を堪能していると一人の生徒に声をかけられた。

 

「隣の席、座っても良いか?」

 

コジュウタが顔を上げると、其処に居たのはクラスメイトの回原(かいばら)(せん)だ。

 

「ドーモ。回原=サン。どーぞ」

「あれ?俺の名前、覚えてくれてたんだ」

 

回原は意外そうな顔でコジュウタを見た。名前を忘れたり間違えることは最上級(スゴク)失礼(シツレイ)にあたる。だから、コジュウタは一度聞いた名前を忘れない努力をしていた。コジュウタは1年B組の最初のホームルームで行われた自己紹介にて、クラスメイト全員の顔と名前を覚えていた。実際スゴい。

 

「でも、こうして直接話すのは初めてだし、もっかい自己紹介。回原旋だ。よろしくな」

「ドーモ。回原旋=サン。コジュウタ・フジキドです」

「えっと、フジキドが苗字で、コジュウタが名前で良いんだよな?でも、アメリカ人なんだっけか?なんて呼べばいいんだ?」

「コジュウタと、向こうではファーストネームで呼び合うのが自然だった」

「そっか。俺は回原でも旋でも好きに呼んでくれ」

「では、旋=サン。ヨロシクオネガイシマス」

「かたくるしー。よろしくな。コジュウタ」

 

コジュウタは奥ゆかしく挨拶(アイサツ)。回原旋はハッハッと闊達に笑う。そのフェイスは美男子だった。

 

「コジュウタは寿司が好きなの?やっぱアメリカでも寿司は人気かあ」

「スシは完全食。実際スゴい」

「なあ、ちょこちょこ日本語がおかしいけど、誰に習ったんだ?一応、生まれは日本なんだよな?」

「古事記を全編読破した。だから、ナニモ、オカシクナイ。イイネ?」

「アッハイ。まあアメリカ育ちで其処まで喋れれば実際すげえよ。同じ留学生の角取なんかはまだ時々、英語が出てるし」

「旋=サンは、食事はしないのか?」

「あー、俺は教室で弁当食べてきたから」

「では、何故大食堂に?」

 

コジュウタの質問に回原旋は言葉を詰まらせる。回原旋は指で頬を掻いた後、僅かに頬を羞恥の赤に染めて言う。

 

「実はお前と話がしたくて追いかけてきたんだ。ほら、お前って入学してから角取と一緒に昼飯食べてたろ?でも、今日は角取が他の女子と教室で食べてるの見て、今なら二人で話ができると思ったわけ」

「なぜオレと二人で話を?」

「いや、クラスメイト同士、仲良くしたかっただけだけど。あー、恥ずかしいから言わせんなよ」

 

回原旋はコミュニケーション強者に属する。最難関校である雄英高校ヒーロー科には、基本的にコミュ強しかいないのだが、その中でも回原旋はカースト上位に食い込むコミュ強。つまりはイケメンだ。

 

「それにコジュウタとは()()()()()()()()()だからさ、仲良くしようぜ」

 

気楽に付き合えそうとは、どういう意味だろうか。コジュウタは少しだけ考えたが、わからない。だが、回原旋から悪意めいた雰囲気(アトモスフィア)は感じられない。

コジュウタは差し出された回原旋の手を握った。

 

「ユウジョウ!」

「え?ゆう、なに?」

 

なんということだ!“ユウジョウ!”はお互いに呼びかけあうことにより、友情(ユウジョウ)を確認する行為。このやり取りを行わないことは、最上級(スゴク)失礼(シツレイ)だというに!コジュウタの顔が僅かに険しくなった。

 

「な、なんで怒ってんだ?」

 

回原旋は何故、コジュウタが怒っているのかわからない様子だ。コジュウタは彼には少し教養が足りていないなと呆れると、今回は大目に見ることとした。実際優しい。

 

「ブッダも怒る」

「なんか・・・ごめんな」

 

昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午後の授業はヒーロー基礎学。そこに「わーたーしーがー‼」大声で挨拶しながらオールマイトがやって来た。

ヒーロー基礎学とはヒーローの素地をつくる為の様々な訓練を行う科目だ。ヒーロー科では、最も単位数の多い授業でもある。今回のヒーロー基礎学を担当するのは、日本No.1ヒーロー-オールマイト。今年度より雄英教師となった彼は、言うまでもなく学生たちにとってスーパースターである!

 

「マジもんのオールマイトだ」「すげぇ!」「アイエエエエ!」「やっぱりオーラが違うノコ」「つーか、画風が違わないか?」「ドン!というよりドドン!だ」「アイエエエエ!」「コジュウタ!quietly(静かに)!」

 

コジュウタはオールマイトが纏う雰囲気(アトモスフィア)に驚きを隠せなかった。なんたる存在感!コジュウタが知るアメリカNo.1ヒーロー、スターアンドストライプにも引けを取らないアメコミ漫画(カトゥーン)じみたアトモスフィアだ!彼ならば七つのニンジャソウルを同時に憑依させることも可能だろう。実際スゴくスゴい!

 

「HAHAHA!元気でよろしい!じゃッ、勢いのままに行こうじゃないか!初めての戦闘訓練‼」

 

オールマイトが指をパチンと鳴らす。するとまるでニンジャ屋敷のカラクリの如く、教室の壁から棚が現れる。そこに入っているのは各生徒が入学前に雄英に送った『個性届』と『要望書』を元に作られたそれぞれの戦闘服(コスチューム)!全員の目が白いLEDライトの如くに輝いた!

 

「格好から入るって言うのも大切な事だぜ少年少女!自覚するのだ‼‼今日から自分は・・・ヒーローなんだと‼」

 

 

 

 

 

 

 

 

屋内対人戦闘訓練はヒーロー組2名、(ヴィラン)組2名の4名で行われる。参加しない生徒は地下のモニタールームで見学だ。状況設定は以下の通り。

市街地のビルになんと(ヴィラン)が核兵器を設置した!危険(アブナイ)!ヒーローは核兵器が爆発するまでに(ヴィラン)を捕まえるか、核兵器を回収しなければ、街は末法(マッポー)と化すだろう!(ヴィラン)は核兵器が爆発するまでの時間まで核兵器を守りきるか、ヒーローを捕まえることで黙示録(マッポーカリプス)を目指すのだ!どっちもガンバルゾー!

 

 

 

回原旋はビルの中の狭い通路を歩きながら、建物の見取り図に目を向けた。このビルの何処かに核爆弾が隠されている。アメリカンな設定に気が緩みかけるが、定点カメラによって行動が衆目の目にさらされている以上、気を敷き締めねばならない。「かっこ悪い姿を見せれば、舐められる」そんな思いが回原旋の中にはあった。今までの人生を、勝ち組(カチグミ)として過ごしてきた。恵まれた容姿。強い個性。知能指数も高い。

勝ち組(カチグミ)として、遂に雄英高校ヒーロー科まで来た。だが、どうだ。"竹林のタイガー、暁をしらず"(今回は井の中の蛙、大海を知らずの意)。

回原旋は此所で、大海()を知った。

 

「俺が目指すヒーローはァ「私。昔、あるヒーローに「ヒーローに成って僕は

―――だから、ヒーローになる」なりたい」なるんだ」「ヒーローに」」「ヒーローは」

 

教室で耳に入ってきたクラスメイト達の会話。回原旋は疑問を抱いた

 

「ヒーローって、なんだよ」

 

社会におけるヒーローとは勝ち組(カチグミ)だ。皆が憧れ、皆に憧れる存在。ヒーローにさえなれば、毎日、女の子たち(マイコロイド)を侍らせて、オーガニック・寿司(スシ)だって食べられる。だから、回原旋はヒーローになりたかった。しかし、雄英で過ごした僅か数日で「それは間違っていたんじゃないか?」と思った。クラスメイトと雑談する笑顔の裏で、背中に冷や汗が吹き出した。「バレちゃいけない」そんな思いが、こみ上げた。「バレちゃいけない。俺みたいな奴がヒーロー科にいることを」「俺がそんな奴だってことがバレちゃいけない」だって、バレたらきっと、村八分(ムラハチ)だ。

 

小型無線機を通じてチームメイトの鉄哲(てつてつ)徹鐵(てつてつ)から、連絡が来た。

 

《回原!こっちが当りだ!(ヴィラン)と交戦中!来られるかァ!》

「・・・ああ、わかった!直ぐに行く!持ちこたえてくれ!直ぐに()()()()()()!」

 

ヒーローのようにそう叫んで、回原旋は駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒーローチーム、鉄哲徹鐵は核兵器を探して全力で走っていた。1階クリア。2階クリア。3階クリア。「やっぱ最上階か」と4階に向かう。その時、「痛てぇ⁉」足の裏に痛みが走る。恐る恐る確認するとなんと!非人道兵器マキビシが足の裏に突き刺さっていた!これは痛い!常人(モータル)であれば、まともに立つことすら敵わなくなっていただろう!

こんなことをするのは誰か決まっている。階段の踊り場に青黒いニンジャ装束に身を包んだ少年が立っていた!コジュウタだ!

 

「ドーモ。鉄哲徹鐵=サン。コジュウタ・フジキドです」

「おう。鉄哲徹鐵だ。呼びにくいだろ。徹鐵でいいぜェ」

「じゃあ、オレもコジュウタでドーゾ」

「なら、コジュウタ。てめえ、どういうつもりだァ」

「どう、とは?」

「てめえ、忍者だろォ」

「オレはニンジャだ」

「なら、なんでトラップを仕掛けておいて、不意打ちしてこなかったかって聞いてんだ!(ヴィラン)だろ!役でも、ちゃんとやれよ!俺ァ、舐めてんのかァ!」

 

鉄哲徹鐵は怒っている!舐められたと感じた瞬間、彼の中で戦いのゴングが鳴っていた!

鉄哲徹鐵の言う事は正しい。戦闘前の挨拶(アイサツ)忍者(ニンジャ)同士の戦い(イクサ)における絶対の礼儀だが、例外として挨拶(アイサツ)前の不意打ち(アンブッシュ)は一度だけ認められている。何故、コジュウタは不意打ち(アンブッシュ)をしなかったのか!鉄哲徹鐵を侮っているのか!否、チガウ!その理由はチームメイトの塩崎(しおざき)(いばら)に止められたからだ!

 

塩崎茨の髪はトゲのある緑のツル。白い肌と端正な顔立ちも相まって、ギリシャ彫刻のような美しさを持つ少女である。その胸は平坦だった。

彼女は言った。

「奇襲を禁じます。正々堂々と戦いましょう。あたゆる(はかりごと)(けが)れに通じるのです」

コジュウタは言った。

「アイサツ前のアンブッシュは一度までなら、許される。アンブッシュで倒れるのは、イクサという舞台に上がる実力もなかった、敬意を払うに値せぬ未熟者だからだ」

彼女は言った。

「謀ってはなりません」

コジュウタは言った。

「敵前のスモトリ、ドヒョー前に犬死に(アンブッシュで倒れるならそれまでだの意)」

彼女は言った。

「なりません」

コジュウタは言った。

「敵前のスモトリ、ドヒョー前に

彼女は言った。

「なりません」

コジュウタは言った。

「敵前の

彼女は言った。

「なりません」

コジュウタは言っ「磔刑に処しますよ」えなかった。塩崎茨がコジュウタに詰め寄る。彼女のヒーローコスチュームはキトン。一枚の布を折って留めるだけで作られる古代ギリシャ風の衣装だ。彼女の胸は平坦だが、詰め寄られてしまえば身長差から見下ろす形となり、隙間から谷間が覗く。

コジュウタは赤面したが、ニンジャ装束のお陰でバレていない。ヨカッタネ!彼女はコジュウタの様子に首を傾げながらも言った。

「わたくしは個性(ツル)で核兵器を守ります。闇深き者は敵を正面から打ち破りなさい」

コジュウタは頷くしかなかった。

「アッハイ」

 

そんなやり取りがあったのだが、それを鉄哲徹鐵に伝えることは憚られる。塩崎茨のような可愛い女子に詰め寄られ、平坦な胸の所為で良い様に扱われてしまったことが知られれば、コジュウタの権威は地に落ちる。それは切腹(セプク)に等しい。

答えられない。問答不要。

コジュウタはジュー・ジツを構えたる。

 

「オレのカラテは実際スゴい」

「ハッ、いいぜェ。なら、俺ァその驕りを正面からブチ破ってやるぜエ‼」

 

コジュウタが手裏剣(スリケン)を投げる。「イヤーッ!」手裏剣(スリケン)虻蜂(アブハチ)めいた不規則な騎動で鉄哲徹鐵に直撃する!ナムアミダブツ!だが、カキィン!と金属音が鳴り響いた。「効かねェ、テツテツだからァ!」鉄哲徹鐵の皮膚が鈍色に変わっている!否、チガウ!皮膚だけではない。よく観察すれば頭髪や眼球もまた金属特有の冷たい鈍色の光を帯びていた!

それは全身を鋼鉄化する「コウテツ・ジツか!」「個性『スティール』だァ!」「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」コジュウタは手裏剣(スリケン)を連続投擲。手裏剣(スリケン)と鋼鉄化した身体がぶつかり合い、火花が散った。

 

「効かねェ!効かねェ!効かねェ!」

「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」

「効かねェ!効かねェ!効かねェってんだろうがァ!」

 

尚もコジュウタは手裏剣(スリケン)を投げ続ける!おお!コジュウタはどうしてしまったというのか!スリケン・ジツが通用せず、やぶれかぶれ(ヤバレカバレ)になってしまったとでも言うのか!不様(ブザマ)か⁉否、チガウ!「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」コジュウタは手裏剣(スリケン)を投げ続ける手を止めぬまま、師匠(マスター)・ニンジャスレイヤーからの教育的指導(インストラクション)を思い出していた。

 

修業時代、精神の平衡を促す強いお香(インセンス)がアトモスフィアを満たす道場(ドージョー)でニンジャスレイヤーは言った。

「よいか、コジュウタ=サン。今から教えるのは俺がセンセイから教わったインストラクション・ワンだ。俺と同じ動きをせよ」

ニンジャスレイヤーは正座から立ち上がるとロケットランチャーも耐える鋼鉄製(タタミ)で作られた的に手裏剣(スリケン)を投げる。

「イヤーッ!」手裏剣(スリケン)は鋼鉄製(タタミ)に弾かれた!

「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーが再び手裏剣(スリケン)を投げる。手裏剣(スリケン)は再び鋼鉄製(タタミ)に弾かれた!

「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーが再び手裏剣(スリケン)を投げる。手裏剣(スリケン)は再び鋼鉄製(タタミ)に弾かれた!

「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは手裏剣(スリケン)を投げ続ける!遂に手裏剣(スリケン)が鋼鉄製(タタミ)を破壊した!

「これぞ、インストラクション・ワンの極意。百発のスリケンで倒せぬ相手だからといって、一発の力に頼ってはならない。一千発のスリケンを投げるのだ!」ニンジャスレイヤーの禅問答のように奥深いカラテの真理に、あの日のコジュウタは目を輝かせた。

 

「イヤーッ!」「効かねェ!」「イヤーッ!」「効か、ねェ!」「イヤーッ!」「効、かッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」南無三(ナムサン)!遂に鉄哲徹鐵が階段から転げ落ちる。度重な手裏剣(スリケン)とのぶつかり合いにより、鋼鉄化した身体が金属疲労を引き起こし個性『スティール』が解けたのだ!「スティール・ジツ!破れたり!」「まだだァ!」だが、鉄哲徹鐵の瞳に宿る鋼の意志は砕かれていない!鉄哲徹鐵は再び身体を鋼鉄化させようとする!しかし、それを許すほどにコジュウタは甘くなかった!

コジュウタは鉄哲徹鐵が階段から転げ落ちるのと同時に踊り場から飛んでいた。そして、落下の速度を乗せたカラテパンチを炸裂させる。「イヤーッ!」「グワーッ!」身体を鋼鉄化させる前にカラテパンチを受けた鉄哲徹鐵は吹き飛び壁に衝突。

衝撃によって壁には蜘蛛の巣状の亀裂が広がる。「・・・クソがァ」鉄哲徹鐵は気を失った。コジュウタは残心(ザンシン)を忘れない。

 

「ゴウランガッ!」。

 

そして、鬼火(オニビ)めいた青い眼光が次なる敵に向けられるのだった。

 

 

 

 

 

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