ドーモ。ヴィランスレイヤーです。これはニンジャが来てヴィランを討つ物語。 作:白白明け
久しぶりの投稿です。
皆様の暇つぶしになれば幸いですm(_ _)m
今後も不定期更新になりますが、頑張っていきたいと思います。
コジュウタがニンジャ装束を纏うちょい前―――
回原旋はMr.コンプレスと対峙していた。回原旋は両腕を回転させ、既に油断のない螺旋カラテを構えている。しかし、Mr.コンプレスは構えない。そして、動かない。
「どうした?掛かって来いよ」回原旋は言った。
「ごめんねえ。できないんだな、これが」Mr.コンプレスは静かに言った。
「おじさんにはあいにくと時間がないんだ」
実のところ、
「来ないならこっちから行くだけだ」
「そのドリルでおじさんを殴るの?・・・意味ないよ」
「意味?禅問答でも始める気かよ」
回原旋は表情を動かさない。
「戦う理由が必要なら、ある。お前は俺のクラスメイトを害する気だ。だから、倒す。それだけの意味。それだけの理由で、俺は命をかけて戦う。それがヒーローだからだ」
Mr.コンプレスは指で仮面の頬を掻く。元気な若者は嫌いじゃない。それが優秀なら、尚のこと。だから、
それが裏目に出た結果。
(時間がないんだよなぁ)Mr.コンプレスは思った。
「よし。逃げよっと」Mr.コンプレスはなんでも無い事の様に言った。
そして、回原旋に背を向けて逃走を開始する。
「スタコラサッサー」日本に古来より伝わる伝統的逃走
回原旋はポカンとその姿を見送って・・・「ま、待て!」慌てて追いかけるが・・・直ぐに姿を見失ってしまうのだった。
( -_-)ノ ---===≡≡≡ 卍 シュッ!
一方、コジュウタと別れた緑谷出久はA組クラスメイト達と合流を果たしていた。合流したメンバーは轟焦凍、常闇踏影、
緑谷出久はコジュウタと別れた後、まずは障子目蔵と合流。障子目蔵は暴走状態にあった常闇踏影の個性『
障子目蔵は常闇踏影と2人で居たところを
常闇踏影の個性『
それを緑谷出久の機転により、“
合流したA組5人は
「コジュウタの奴はもう避難してんのか?」
自分と同じ狙われる立場である最近できた友人を、彼は柄にもなく心配していた。
「・・・ううん、コジュウタくんはブラドキングの指示で他の生徒の救助に当たっている。少し前まで一緒だったけど、別行動になっちゃって・・・」
「はあっ⁉」
爆豪勝己が足を止めた。当然、全体の動きも止まる。
「おい、爆豪」轟焦凍が言う。
しかし、爆豪勝己は聞いちゃいない。
「アイツは戦ってんのに、なんで俺だけが逃げなきゃなんねぇんだ‼戻んぞ‼」
「駄目だよ、かっちゃん!君を見つけてマタタビ荘に連れて行く!これはラグドールの指示でもあるんだ‼」
「知るかッ!俺がアイツに・・・、アイツがヤれて俺ができねぇ事なんて、なんもねぇんだよ‼」
踵を返そうとする爆豪勝己の肩を轟焦凍が強く掴んだ。
「止めろ、爆豪。プロヒーローの指示だ。大人しく従え」
「うるせぇ!アイツにビビって腰抜かした奴が俺に指図すんじゃねぇ‼」
手を乱暴に払いのけられた轟焦凍の表情が歪む。言い返したいが、雄英体育祭で轟焦凍がコジュウタを前に晒してしまった
「止せ。仲間内で争っている場合じゃないだろう」障子目蔵の冷静な声。
「・・・俺が言うのもなんだが、冷静であるべきだ」常闇踏影も続く。
爆豪勝己とて、これは駄々だと解っている。だが、口に出さずにはいられなかった。不満を口にせず、むざむざと黙って生きるような腑抜けた生き方を彼は選ばない。
「糞がッ、マタタビ荘についたら直談判してやる‼」
とりあえずの納得。彼らは再び移動を開始した。
その後、彼らは更にA組生徒、麗日お茶子と蛙吹梅雨の両名との合流を果たす。
障子目蔵に背負われた緑谷出久が言う。「とりあえず無事でよかった。一緒に来て!僕らは今、かっちゃんを護衛しつつマタタビ荘に向かっているんだ」
麗日お茶子と蛙吹梅雨の2人は首を傾げた。
「・・・・・・・・・ん?」
「爆豪ちゃんを護衛?その爆豪ちゃんは、どこにいるの?」
「・・・え?」
彼らは振り返る。其処には後ろにいる筈の、爆豪勝己の姿がなかった。この殺伐たる状況下、誰1人として油断している
隊列の背後2名を音もなく消し去った
「どーも。2人なら、俺のマジックで貰っちゃったよ」
仮面を着けた
「返せよ‼」緑谷出久が叫ぶ。
「返せ?妙な話だぜ」Mr.コンプレスのとぼけた
「彼らは誰のモノでもねえ。彼らは彼ら自身のものだぞ‼エゴイストめ‼」
Mr.コンプレスに取り合う気はなし。回原旋のと邂逅によって、彼は既に自身のサービス精神に伴う面倒事に懲りていた。
しかし、将来有望な若者へのサービスはそれまで!Mr.コンプレスは高く跳躍する!
「イヤーッ!」その直ぐ下、Mr.コンプレスが飛び上がった木々を轟焦凍の個性が氷結させる。
「危ない危ない。悪いね!俺は逃げ足と欺くことだけが取り柄でよ!ヒーロー候補生なんかと戦ってたまるか」
Mr.コンプレスは逃走を開始する!そして、逃げながら通信機で
「《開闢行動隊!目標1名回収達成だ!十分だろ。短い間だったが、これにて幕引き‼予定通り、この通信後5分以内に“回収地点”へ向かえ!》」
それを聞いていた轟焦凍が呟く。「幕引き・・・だと⁉させねぇ‼絶対に逃がすな‼」
逃げる側から、追いかける側へ。状況はめまぐるしく、変わっていた。
( -_-)ノ ---===≡≡≡ 卍 シュッ!
少し後―――敵連合開闢行動隊“回収地点”。
トゥワイスが言う。「テンション上がるぜ!Mr.コンプレスがやってくれやな!遅えっつんだよなあ⁉眠くなってきちゃったよ」
荼毘が言う。「そう言うな。よくやってくれてる。後は此所に戻ってくるのを待つだけだが・・・まだ誰も来ねえか。予定通りにはいかねえもんだな・・・」
2人はこの事前に決めていた“回収地点”を守るのが役目だった。トゥワイスの個性『二倍』でヒーロー側の避難地点、マタタビ荘への嫌がらせめいた襲撃もしたが、あくまで彼らの役割は防衛。この回収地点も、本来なら荼毘の個性『蒼炎』による炎とマスタードの個性『ガス』によって見つかりにくくなっているはずだったのが、マスタードがやられたことでガスが晴れてしまっていた。
「遅れた奴が置いて行く。可哀想だが、それでいいんだよな!いい気味だぜ!」
「ああ、こっちも遊びでやってんじゃねぇからな。最悪、
その直後、上空から聞こえて来たMr.コンプレスの声!
「ただいま!」
Mr.コンプレスは見事な着地を披露。2人の目の前に降り立った。荼毘が、今回の最大の功労者であるMr.コンプレスを労う。
「お疲れ。1人か?」
「いや、すまん。連れが大勢いる」
「イヤーッ!」
「イヤーッ!」
「イヤーッ!」
直後、Mr.コンプレスを追い飛んで来た緑谷出久、轟焦凍、障子目蔵の3名が敵連合の面々の前に着地!はたして彼らが、どうやって逃げ足
「2人を返せよ‼」障子目蔵に背負われる緑谷出久が叫ぶ!敵連合とA組生徒はその声を皮切りに交戦を開始する!
「イヤーッ!」荼毘が個性『蒼炎』による炎撃ッ!蒼い炎が緑谷出久達3人を襲う!「イヤーッ!」轟焦凍が前に出てインターセプト!個性『半冷半燃』によって作り出される氷塊でこれを相殺ッ!2人の視線が交錯する。
トゥワイスが轟焦凍に向かって走る。「イヤーッ!死柄木の殺せリストにあった顔だ!イヤーッ!」
トゥワイスは腕に装着したメジャーめいた武器を引っ張りだして轟焦凍を攻撃!
「チッ」轟焦凍は左手から炎を出してこれを迎撃ッ!「グワーッ!冷たっ」トゥワイスは思わず後退!
スゴい!轟焦凍は2人の
対してMr.コンプレスと対峙する障子目蔵は背負っていた緑谷出久を地面に降ろした。
「緑谷、すまん」
「気にしないで」
両腕が使えない緑谷も戦う気だ。Mr.コンプレスを前に瞳には炎めいた闘志が揺れている。
Mr.コンプレスはシルクハットを被り直すと肩を回しながら言った。
「OK。3対3だ。正々堂々やろう」
“大勢で一人を攻撃すれば楽に倒せる”!ミヤモトマサシの
「お待たせしました‼」
おお、
3対3の拮抗状況は破られ・・・これで4対3だ!
トガヒミコがナイフを手に走る!「イヤーッ!」狙いは・・・両腕を負傷している緑谷出久だ!溺れている犬を棒で叩く!
「緑谷!」障子目蔵が叫ぶ!「だい、しょうぶ!」辛くもトガヒミコのナイフを避けた緑谷出久が叫ぶが、大丈夫ではない!両腕の負傷。反撃の術はなく・・・逃げ回るしかない!
「血塗れだねぇ。かっくいいねぇ!」
「緑谷!下がれ!」
障子目蔵は緑谷出久の援護に入る。その隙をつき、Mr.コンプレスの右手が障子目蔵に迫る!アブナイ!Mr.コンプレスに触れられれば、爆豪勝己や常闇踏影と同じく、障子目蔵もマジックめいて消されてしまう!
Mr.コンプレスの個性『圧縮』は、自分や対象の周囲の空間を球状に切り取り、ビー玉めいたサイズにまで一瞬で収縮することが出来るのだ!つまり触れれば勝利が確定する!なんたる強個性か!
アブナイ右手が障子目蔵の眼前に迫る!「もう1名様ご案内!」Mr.コンプレスは勝利を確信。その刹那、「イヤーッ!」カラテ・シャウトと共にエントリーするものあり!
Mr.コンプレスに向けてドリルめいたケリ・キック!「グワーッ!」Mr.コンプレス回転しながら、吹き飛ばされる!
「無事か⁉無事だよな‼」Mr.コンプレスを追いかけてやってきた回原旋のエントリーだ!
吹き飛ばされたMr.コンプレスをトゥワイスが受け止める!「軽っ!」「悪いね!」「いいさ!ふざけんじゃねぇ!」
動きを止めた2人に向かって轟焦凍の氷塊が迫る!「イヤーッ!」
荼毘の蒼炎がそれを迎撃!「イヤーッ!」インターセプト!ワザマエ!
氷と炎がぶつかり合い、当りを水蒸気が包み込む。その煙が晴れた時、敵連合と雄英ヒーロー科は二手に別れ対峙していた・・・。
にらみ合い。流れる殺伐たる
だが、緑谷出久が手負いである以上、戦いが続けば雄英ヒーロー科がジリープアー。徐々に不利だろう。
「イカレ女。脳無はどうした」荼毘が問う。
「知りません。そのへんにいるのでは?」トガヒミコが答えた。
雄英ヒーロー科に緊張が奔る。4対4だと思われた状況下。
しかし、実際は森の中に脳無が潜んでいるのだ。USJ襲撃事件にて、脳無の恐ろしさをしるA組生徒たちの動揺は大きい。
その動揺を見た荼毘が嗤う。
「時間まであと少し、ついでに1人は殺せそうだな」
「おじさんは未来ある若者の芽を無闇に摘みたくないからさ、
「OK!地味ボロ君か半分君だな!
「お別れだねぇ。緑谷くん!」
おお、
雄英ヒーロー科の面々は緑谷出久を庇うように動き出す!「イヤーッ!」「イヤーッ!「イヤーッ!」イヤーッ!」
荼毘の蒼炎と轟焦凍の炎がぶつかり合う!「イヤーッ!」「イヤーッ!」
トゥワイスのメジャーめいた武器が伸びる!障子目蔵がそれを掴んで止める!「イヤーッ!」「イヤーッ!」
トガヒミコがナイフ緑谷出久に投げられる!回原旋が螺旋カラテでナイフを弾いた!「イヤーッ!」「イヤーッ!」
Mr.コンプレスがビー玉めいた圧縮玉を緑谷出久に投げる!そして、指パッチンを鳴らし、個性を解除!おお、圧縮されていた瓦礫が緑谷出久に降り注ぐ!緑谷出久は僅かに動く左腕を無理矢理駆動し、瓦礫を弾く!「イヤーッ!」「イヤーッ!」
この一撃を以て、緑谷出久の両腕は完全に機能を停止した。続くMr.コンプレスの攻撃を止める術はない!
「ごめんね」
Mr.コンプレスは残していた圧縮玉を緑谷出久の頭上に投げる。
緑谷出久の頭上で、致命的重さを持つ瓦礫が圧縮玉から解放され、降り注ぐ!
雄英ヒーロー科の面々は誰もが最悪を想像した。それは緑谷出久も例外ではなく、異常緊張状態により相対時間が鈍化する。そう
「そのカイシャク待った!イヤーッ!」
刹那、青黒い疾風が緑谷出久の頭上を通過。瓦礫の全てを吹き飛ばす。「イヤーッ!」更にその一瞬後、4枚の
声と
「知ってるぜ!誰だよ!」トゥワイスが叫ぶ。
月は直ぐに雲間に隠れ、その青黒いシルエットと、『敵』『討』の
しかし、その
「コジュウタ!」
「コタローくん!」
叫ばれた名前は2つ。果たして
降り立った
「ドーモ。ヴィランスレイヤーです」
名乗ったのはどちらの名前でもなかった。だが、滲み出す
「イヤーッ!」ヴィランスレイヤーは回転跳躍!両腕が鞭のようにしなり、8枚の
だが、これは伏線!ヴィランスレイヤーは既に
「何者だ。イカレ女。知ってんのか」
荼毘は汗をかかない。涙腺も汗腺も焼けているからだ。もし汗を流せたのなら、荼毘は滝のような冷や汗を流していたことだろう。2発の裏拳は荼毘に死を予感させていた。
「コタローくんです!」トガヒミコは嬉しそうに笑った。「ねえ、顔を見せてよ!」
その笑顔にヴィランスレイヤー・・・否、コタローことコジュウタは弱かった。
「被我=サン。・・・どうして」
コジュウタは苦しむような声を出した。それを聞いていた回原旋はコジュウタへと近づき、声をかけた。
「あの子と知り合いなのか?」
「・・・ハイ。職場体験で出会いました」
「そっか。なら、罪は償わせてやらないとな」
「・・・ハイ」
「大丈夫か?」
「ダイジョブ、ダッテ」
「大丈夫じゃなさそうだ。無理はするなよ」
「イタタ、おじさんにはキツいって」
「強え!弱えけどな!」
Mr.コンプレスとトゥワイスの2人もトガヒミコの側へと近づいた。何故、荼毘を含めた彼ら3人がトガヒミコの側に寄ったのか。その理由はコジュウタが放った
「どういう関係だ?」荼毘が問う。
「元彼だろ!そんな訳ねえ!」トゥワイスが囃し立てる。
「お友達かな」Mr.コンプレスが仮面の下で微笑む。
トガヒミコが答えた。「私の好きな人です」
その顔が正しく恋する乙女そのもので、林檎めいて赤く染まっている。
「マジかよ⁉」
「イカレてんな」
「甘酸っぱいねえ」
焼け爛れたケロイド質の皮膚を指で掻きながら、荼毘は鋭い視線をトガヒミコに向けた。
「まさか裏切る気はねぇよな」
刹那、トゥワイスとMr.コンプレスに電流走る。思い人との思いもよらぬ再開。それも敵同士。乙女心に火を付けて、暴走しても無理はない。
「ありえねぇだろ。あるかもな!」
「そんなまさか、アハハ」
トゥワイスとMr.コンプレスの乾いた笑い声。荼毘の指摘。ありえなくはない。トガヒミコとは、そんな
「そんなことはしないのです」
トガヒミコは首を振った。
「私はコタローくんを好きで居続けるために、
「なるほどな。意味わかんねぇ!」
「乙女心は複雑怪奇だねぇ」
「まあ、いいさ。今は信じてやるよ」
(この感情はなんだ・・・?)
解りきった自問自答。答えを出すことを恐れている自分がいた。だが、しかし、
「ヤンナルネ」
目を閉じ、開く。瞬間的
それを見たトガヒミコは喜びで身体を震わせた!
「やっぱりコタローくんが一番カッコイイよ!大好きだよ!コタローくん‼」
トガヒミコは彼の前では自分を偽らずに済む。何を知っても変わらぬ態度で接してくれる。
好きを好きなまま、好きでいさせてくれる!
これを"大好き"と呼ぶ意外の表現を、彼女は知らなかった!
「大好きッ!イヤーッ!」
「…イヤーッ!」
憎からず思う相手と殺し合う。まさに
おお、ブッダよ。寝ておられるのですか?