ドーモ。ヴィランスレイヤーです。これはニンジャが来てヴィランを討つ物語。 作:白白明け
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オールマイトが雄英の教師になって以降、連日雄英高校正門前には人だかりができていた。
TV局のカメラが祭りの
「オールマイトの授業はどんな感じですか?」インタビュアーの一人が地味目の緑髪の少年にインタビューをしていた。マスコミに詰め寄られる学生は、彼だけではない。
「“平和の象徴”が教壇に立っているということで様子などを聞かせて!」「教師オールマイトについてどう思ってます?」「オールマイト・・・あれ?君「ヘドロ」の時の‼」丸顔の可愛い少女。眼鏡の真面目そうな少年。爆発頭のヤンキーなど、多くの学生たちにマイクが向けられる。「ザッケンナコラー!オールマイトにインタビューさせろオラー!」アブナイ!マスコミの中には
コジュウタは一緒に登校していたポニーの手を握って言った。「ポニー=サン。オレに着いてきてください」
ポニーはニコニコと笑いながら、頷く。「ハーイ!」
コジュウタはポニーの手をしっかりと握りしめたまま正門に向かって行く。
マスコミでごった返す正門前であったが、コジュウタは避けるそぶりすら見せず、なおかつ誰とぶつかることなく、スムーズに前進する。ワザマエ!
コジュウタはマイクの一つも向けられることなく正門をくぐり抜けたところでポニーの手を離した。しかし、離した手は直ぐに握り返された。「
コジュウタは平衡を装う。「これがカラテだ」「カラテ、ヤバいね!」コジュウタは紳士的にポニーを遠ざけようとする。しかし、ポニーはコジュウタの腕を放さない!実際ウレシイ!
だが、これ以上ポニーの豊満を堪能することは
コジュウタはスルリと腕を抜いた。ポニーはコジュウタがマスクの下で顔を赤らめているのを確認する。「恥ずかしい?カワイイデスね」それを口に出さずに、ポニーはコジュウタの隣をニコニコ笑顔で歩くのだった。
午前の授業が終わり昼休み。賑わう教室の片隅に緊張した面持ちの灰色髪の少年がいた。コジュウタである。コジュウタの机の上には昼食がある。それはナニか。勿論、
これはポニーが作ったナチョ・
「コジュウタの為に作りました!沢山食べてくだサーイ」出がけにそう言って渡されたのだ。
異色の
女子生徒数名で集まり昼食を食べながら、コジュウタの様子を伺っていたポニーが小さくガッツポーズをしていた。
コジュウタが日本とメキシコのフロマージュに感動していると声をかけられた。
「どーも、コジュウタ。一緒していいか?」
回原旋が弁当を手にやってきて、空いている席の椅子を借りて座る。
「ドーモ。旋=サン。どーぞ」
「美味そうなの食べてるな?」
「実際ウマイ。・・・悪いが、あげられない」
「とらねーよ」
闊達に笑う回原旋にもう影はない。彼の胸に燻っていた陰鬱な思いは、コジュウタによって既に晴らされていた。
二人は昼食をとりながら談笑する。
「
話題は、午前中の
学級委員長はクラスの纏め役だ。普通科なら、雑務と思われ人気がないが、ヒーロー科では集団を導くというトップヒーローになるための素地を鍛えられるために人気がある。その為、自薦が多くB組学級委員長は投票によって決められることになったのだ。
結果、B組学級委員長になったのは4票を獲得した拳藤一佳だった。
「コジュウタは3票だったろ。残念だよ」
「オレは自分に投票していない」
「え、なんで?」
「リーダーは実際大変。オトコギの徹鐵を推した」
「なら、俺の他にもお前に入れた奴が2人もいるのかよ。やっぱスゲえなコジュウタは」回原旋は自身を救ってくれたコジュウタを高く評価している。
「入れたのは誰だろうな」
その疑問に答える声があった。
「入れたのは僕だよ」
クラスメートの
コジュウタが両手を合せて
「ドーモ。物間=サン。コジュウタ・フジキドです」
コジュウタの
「どーも。物間寧人です。君、ファミリーネームで呼ばれるの嫌いなんだろ?名前で呼ぶから、僕の事も好きに呼んでくれていいよ」
「では、寧人=サン。ヨロシクオネガイシマス」
「はいはい、よろしく」
「君、入試1位だろ?B組の顔に丁度良いと思ったけど、本人にやる気がないなら見込み違いだったかな」口調はどこか喧嘩ごしだ。その
「その言い方はなんだよ」
「彼が舐められればB組全体が舐められるんだ。当然の期待だろ?」
物間寧人はニヒルに笑う。
「ここはヒーロー科だよ。やる気がないのがトップならなくて、本当によかったよ」
「言葉がすぎるぞ」
露骨な挑発に回原旋が椅子を倒して立ち上がる。
その時、コジュウタは回原旋の口に素早くナチョ・
物間寧人は突飛な行動で回原旋を鎮めたコジュウタに驚きながらも余裕な態度は崩さない。
「君も何か言いたい事があるなら、遠慮しなくていいんだよ。僕らはクラスメイトなんだから」
コジュウタの目がキラリと光る。そして、言った。
「“武士は食事をしないとヨウジの値段が高騰しなくてよくない”」
「・・・は?」
「忠告、ありがとう。イタミイリマス」
コジュウタは一礼してから席に着く。物間寧人は突如、意味のわからない言葉の羅列を聞かされてポカン顔だ。コジュウタとしては“個人(自分)にとっては、委員長をやりたくなかったので、自分に票を入れなかったのは正しい行動だったが、全体を見れば確かに悪影響を及ぼす(今年の入試1位はやる気がないと思われる)怖れがあったかもしれないと反省した”ことを
その
コジュウタは自信満々にドヤ顔を決める。
「平安時代の哲学者にして剣豪、ミヤモトマサシの言葉である」
物間寧人は復活した回原旋に問いかける。
「ねえ、江戸時代の宮本武蔵ならまだしも、平安時代のミヤモトマサシなんて僕は寡聞にして知らないんだけど、これは僕の教養不足かい?」
回原旋は物間寧人の肩を優しく叩いた。
「諦めろ。コジュウタはこういう奴だ」
先ほどまで敵対していた二人の心が、少しだけ通じ合っていた。ユウジョウ!
そして、その時、教室内に警報が鳴り響く。「ウウー!」雄英に侵入者があったことを告げるセキュリティ3の警報アラートだ!
〈セキュリティ3が突破されました〉
〈生徒の皆さんはすみやかに屋外に避難してください〉
電子アナウンスが流れ、ざわめく教室。
先ほど学級委員長に選ばれた拳藤一佳が立ち上がり、クラスを纏める。「皆、指示に従って避難するよ!」「いったいなんだァ」「詮索は後にするノコ。いそご」「慌てず騒がずですぞ」ざわめきながらもパニックを起こす生徒は居なかった。流石は雄英ヒーロー科!実際流石!
コジュウタはクラスメイト達が避難を開始する中で、窓の外に視線を向けていた。
外でナニが起きているのか、此所から伺い知ることはできない。だが、コジュウタは己の首筋にチリチリとする熱を感じた。
「・・・マイコ」コジュウタは呟く。唯一の肉親であった母の名だ。何故、いまその名が出てきたのか。コジュウタ自身にもわからない。わからない事に答える声に、応えてはならない。
「ブザマでごぜぇやす」しゃがれた声が答えた。コジュウタは目の前の窓ガラスに映る青黒い
これはコジュウタの
コジュウタは幼少期に死にかけた時、このニンジャソウル助けられて
コジュウタの魂がニンジャソウルの闇に呑まれた時、それは彼がニンジャスレイヤーに殺される時だ。「『忍』『殺』のレリーフに偽りなし。マスターはオレを殺すだろう」それはコジュウタにとって、そして、ニンジャスレイヤーにとってもきっと悲劇だ。「コロセー!」「ダマラッシャー!」コジュウタはボウハチを黙らせる。
「なにしてんだ?拳藤が先導してる。早く避難するぞ」「ハイヨロコンデー」コジュウタは窓ガラスに映ったボウハチから視線を外し、教室から出て行く。「いつまでも目を逸らせるもんじゃねぇ」ボウハチは
避難指示はその後、直ぐに解除された。侵入者は取材のためなら不法侵入も辞さない厄介なマスゴミだった。警察の到着後、彼らは厳重注意の上、追い出されるのだった。
数時間後、コジュウタは家にいた。ホームステイ先であるポニーファミリーが彼の為に用意してくれた部屋だ。壁には「