ドーモ。ヴィランスレイヤーです。これはニンジャが来てヴィランを討つ物語。   作:白白明け

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ストックが切れ、毎日投稿が難しくなりました。
出来る限りの投稿頻度となってしまいます。

皆様の暇つぶしになれれば幸いです。\(^_^)/

感想・評価をくださる方々。本当にありがとうございます!




障害物走②

 

プレゼント・マイクの実況が響く。

〈他の選手の援護をするものまで現われたァ⁉オイオイ第一関門はチョロいってよ!んじゃ第二はどうさ⁉落ちればアウト‼それが嫌なら這いずりな!ザ・フォール‼〉

 

「アイエエエエ!」コジュウタは目の前の光景に驚いた。其処の見えない大穴。いくつもの円柱状の足場。そこに張り巡らされたロープ。落ちればアウトの大袈裟な()綱渡り(フォール)‼コジュウタはどうしたというのか。目の前の光景に足が震えてしまったのか!高所恐怖症なのか⁉否、チガウ!

コジュウタを驚かせたのは大袈裟な()綱渡り(フォール)ではなく、それを行く少女の()()だ。

 

全身をハイテックで包んだピンク髪の少女が言う。「ウフフフ。私のサポートアイテムが脚光を浴びる時!見よ全国のサポート会社!ザ・ワイヤーアロウ&ホバーソール‼」

少女はサポート科の生徒だ。サポート科の生徒たちは自分で開発したアイテム・コスチュームに限り装備が許可されている。サポート科(彼女たち)にとって、体育祭は己の発想、開発技術を企業にアピールする場なのだ!

ピンク髪の少女は縄を無視!アイテムを駆使して飛んだ!「さあ見てできるだけデカい企業ー‼私のドッ可愛いぃ・・・ベイビーを‼」

コジュウタは感心していた。「実際スゴい」ニンジャは古来より、時代の最先端技術を取り入れて(イクサ)をしてきた。ハイテック・アイテムはカラテやジツを高める重要なものなのだ!足を止めてしまうのも無理はない。しかし、迂闊(ウカツ)!こうしている間にも先頭集団との差は開いている!

「イヤーッ!」コジュウタはロープに向かって駆け出した!そのまま前宙を繰り返しながらロープを渡っていった!ワザマエ!ニンジャのバランス感覚の成せる技である!

 

 

スタジアムでプレゼント・マイクのシャウトが響いた。〈アイエエエエ!雑技団かよ!〉灰色髪の少年のワザマエに叫ばずにはいられない。会場でもどよめきが起きていた。「一位の奴が圧倒的だけど、あいつは何だ?」「宣誓をしていたから入試の首席よね。誰か他に情報持っている人はいない?」「無名だよ。フジキドなんて苗字のトップヒーローいないし、まさかオールマイトの関係じゃないだろう?」「一位の子はほら、フレイムヒーロー、エンデヴァーの息子さんだろ」「ああ・・・道理で!オールマイトに次ぐトップ2の()か」「ん?待って。何か思い出しそう・・・2、確か、どこかの国の№2ヒーローの名前が・・・まさかッ!」

 

「「「わあアアアアアアアアアア‼」」」

 

あるヒーローが出した答えを掻き消す大歓声!早くも先頭集団が、最終関門に到着していた。

 

 

 

 

 

プレゼント・マイクの実況が響く。

〈最終関門‼かくしてその実態―――・・・一面地雷原‼怒りのアフガンだ‼〉

 

コジュウタは地面に目をこらす。ニンジャの視力を持ってすれば、地雷の位置は直ぐにわかった。「避けることはベイビー・サブミッション(注釈:容易に実行しうる)」

コジュウタは視線を前に向ける。「・・・しかし、先頭は既に地雷原を抜けようとしている」ニンジャの視力が、競い合いながら走る爆豪勝己ともう一人の生徒を捕らえる。「このまま走っても、オレは上位に入れる。だが、それでいいのか?コジュウタ・フジキド。トップを得ずして、マスターに顔向けできるのか?コジュウタ・フジキド!」

いいわけがない!あの日ッ、摩天楼シティ・スゴク・タカイビルでニンジャスレイヤーに命を救われて以降、コジュウタは常に彼に恥じない生き方をすると命に誓っている!

 

「稲妻の如く速く、冬のように冷たく!(注釈:これは寿司(スシ)の極意。スシの旨さは握りの速さと冷たさによって決まるという意味。誤用である)

 

コジュウタは周囲を観察する。風林火山(フーリンカザン)だ!ニンジャは常に地水火風の精霊とコネクトし、操る存在!それ即ち、あらゆる環境を利用して(イクサ)をすること!ニンジャスレイヤーがコジュウタに与えた教育的指導(インストラクション)である!

コジュウタはコース端で地雷をかき集める緑髪の地味目の少年を見つけた。決断的に状況判断!コジュウタは地味目の少年のやろうとしている事を察し、便乗する。

「かりるぞかっちゃん」「オジャマシマス」「え?アイエエエ!」集めた地雷を爆発させようとしていた地味目の少年は、突然隣に現われたコジュウタに驚いたが、もう爆発は止まらない。二人一緒に大爆発!キヨミズ!先頭に向けて吹き飛ぶ大-・・・爆速ターボだ‼

 

プレゼント・マイクの実況が響く!

〈後方で大爆発⁉何だあの威力⁉〉先頭を行く轟焦凍と爆豪勝己が思わず振り返る!

〈偶然か故意か―――A組緑谷、爆風で猛追―⁉〉地味目の少年、緑谷出久は身体が隠れるサイズの盾(拾った敵ロボットの装甲)で爆風を受けて吹き飛び、一気に先頭2人を追い抜いた!

では、コジュウタはどうなった?南無阿弥陀仏(ナムアミダブツコジュウタ)!コジュウタは盾を持っていない!南無三(ナムサン)か?否、チガウ!

 

爆豪勝己が叫ぶ。「デクぁ‼俺の前を行くんじゃねぇ‼」個性『爆破』でラストスパートをかけた爆豪勝己を追い、轟焦凍も地面を凍らせラストスパート!「後続に道を作っちまうが、後ろ気にしてる場合じゃねぇ・・・!」2人のラストスパートに爆発の勢いから失速した緑谷出久が抜かれそうになる。「ダメだ!2人の前に出られた一瞬のチャンス!掴んで放すな‼」それでも諦めず、落ちる瞬間に再度の地面に埋まる地雷を見極めて盾を振り下ろす!「追い越し無理なら、抜かれちゃダメだ‼」轟焦凍と爆豪勝己を巻き込んで地雷が爆発!

緑谷出久が僅かにリードした!

 

プレゼント・マイクの実況が響く!

〈緑谷、間髪入れず後続妨害!なんと地雷原即クリア!イレイザーヘッド、おまえのクラスすげえな‼どういう教育してんだ!〉

 

争っていた3人は気がつけなかった。3人に注目して実況していたプレゼント・マイクも気づかなかった。

 

しかし、実況席でプレゼント・マイクの横に座る1年A組担任教師、イレイザーヘッドは気が付いていた。

〈・・・俺はなにもしてねえよ。奴らが勝手に火ィ付け合ってんだろ。それと、実況するならちゃんとしろ。褒めるにしても俺じゃなく、ブラドキングだろ〉

 

後方に居た生徒たちは見ていた。緑谷出久と共に吹き飛んだ彼が、より高く高く飛ぶ様を。

その動きは重力を無視していた。新体操選手のように後方2回宙返り1回ひねり(ムーンサルト)で飛んでいた。

 

スタジアムの観客たちはトップで還ってきた筈の緑谷出久ではなく、空を見上げていた。

緑谷出久も釣られて空を見上げる。「アイエエ⁉」落ちてくる。否、チガウ。落下姿勢を制御し、着地してくる人影があった。

 

プレゼント・マイクはようやく気が付いた。実況がシャウトした。

 

〈アイエエエエ!A組の三つ巴を制して今一番にスタジアムに還ってきたその男、A組緑谷出久!―――その頭上を飛び越えてッ、B組からの刺客ッ!―――コジュウタ・フジキドのエントリーだ‼

 

ゴールをくぐり抜けた緑谷出久が足を止める。息が荒い。緑谷出久は最後の最後で追い抜かれたことを理解して、悔しさで涙を滲ませた。しかし、拭い去る。

視線の先には新体操めいた着地を決めて大歓声に包まれる灰色髪の少年、コジュウタがいた。

僅かながらに力及ばず。だが、彼は俯かない。確かな意志を感じさせる瞳で観客席にいるオールマイトを見る。次こそはと、頷いた。

 

 

コジュウタ・フジキド!第1種目障害物競走。1位通過!

ワザマエ!

 

 

 

 

 

 

予選となる第1種目障害物競走が終わった。予選通過者は42名。そのほぼ全員がA組B組(ヒーロー科)だ。僅かなその他(他の科)、普通科の心繰人使は予選を1位通過した灰色髪の少年を見る。コジュウタである。コジュウタはクラスメイトたちからもみくちゃにされていた。「コジュウタがNo.1デース!」「流石だな!」「君って奴はさあ、僕の話聞いてたのかなあ⁉」「いいじゃねェかァ、熱かったぜェ」「傲慢は罪です。悔い改めて」

もしヒーロー科に合格できていたなら、彼処に混ざることができたのだろうか。そんなことを考えて(かぶり)を振る。心繰人使は「ここからだ」と自分に言い聞かせる。「おれは此所から、いつかあそこまで追いつく」スタートは遅れてしまっている。

それでも()は、自分のことを覚えてくれていたから、諦めることはきっと、許されていないのだ。

 

司会のミッドナイトが言う。「第二種目は騎馬戦!参加者は2~4人のチームを自由に組んでもらうわ!基本は普通の騎馬戦と同じルールだけど、一つ違うのが・・・先ほどの結果にしたがい各自にP(ポイント)が振り当てられること!」

実技試験の時のようなP(ポイント)制。誰と組むかによってP(ポイント)が変わってくる。

「そして、与えられるP(ポイント)は下から5ずつ!42位が5P(ポイント)。41位が10P(ポイント)・・・といった具合よ」

心繰人使のP(ポイント)は80P(ポイント)。中間以下。良いとは言えない。「差は大きいよな」地面を見つめた心繰人使を咎めるようにミッドナイトの声が会場に響いた。

 

「そして、1位に与えられるP(ポイント)は1000万‼‼」

 

心繰人使は思わず顔を上げて、コジュウタを見た。「アイエエエエ!1000万ポイント?1000万ポイントナンデ⁉」「ワーオ・・・やりすぎデースね」「流石だな!」「だからさあ、僕は言ったよねえ⁉」「雄英、やるじゃねェかァ」「裁きは下りました」

1000万ポイントは確実に全員から狙われる。コジュウタの周りから波が引くように人がいなくなる。それでも数名残っていたのは、コジュウタに人望があるからだろう。

それを見て心繰人使は両手で頬を打つ。バチンッ。「()()()じゃない。場違いだと思われてもいい。()()()()頑張るんだ」気合いを入れて、一歩を踏み出す。

 

「コジュウタさん。おれと組んでくれないか」

 

 

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