神祖ガイアに花束を   作:そら@カンピオーネ続編希望

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 ユニバース492の古代ギリシャで起きた物語
 最後の王がミスラ王だった世界
 神も神殺しも存在を許さない世界


追憶と約束

 

 おはようございます師匠。今日もいい天気ですね。こんな日には日向ぼっこでもしてのんびりしたいですね。ええ、こんな日には外で遊ぶのが一番です。それとも、何か他に面白いことを師匠が教えてくれますか?そんなことがあるならば家族の手伝いをしろ?いやぁ師匠がひとりぼっちで可哀想だから会いにきてあげたんですよ。喜んでください。痛い、そんな殴ることないじゃないですか、しかもなんですかその目は、まるで本物の馬鹿を見るような目じゃないですか、えっ、馬鹿を見るような目ではなく馬鹿を見る目ですってそんなこと言わないでくださいよ。そりゃー師匠と比べられれば私は馬鹿かもしれないですけど、これでも同年代では賢い方なんですよ。信じてくださいよ。

 

 

 すいません師匠。今回の講義の内容がよく頭に入ってこなくっていくつか質問をしてもいいですか?特にここの薬草の調合の分量についてなんですけど

 

「はぁ……あなたがあまり頭が回っていないのはわかっていたけれどもここまで愚かだとは思っていなかったわ」

 

 仕方ないじゃないですか師匠に言われたように母の手伝いをしていて寝不足なんですよ。そのくらい考えて行動しなさいと言われても神様じゃないんですから時間を延ばすことなんて不可能です。私は自分でできる最大限の努力はしていると思いますよ。ええきっと。

 

 

 これで免許皆伝ですか、ありがとうございます。師匠が流れの薬師としてきてもう十年にもなりましたからね。弟子入りしたのは五年も前のことです。いやぁ懐かしいですねぇ、昔の師匠はものぐさで自分のことは必要最低限しか行わない人でしたからね。いや、それは今でもそうですか。

 

 

 師匠聞きましたか、なんでもかのマケドニアのアレクサンドロス大王が大遠征を計画しているそうですよ。しかも師匠に教わった薬学の知識を見込まれて一緒に遠征に来ないかって誘われているんです。痛い、なんですか

 

 「そんなことのために薬学を教えたんじゃない。あなたが優しくて他者のことを慈しめる人間だと思って薬学を教えた」

 

 ですか。でも仕方ないじゃないですか。このままじゃいつポリスから収集がかかるかわかったもんじゃありません。それだったら先に遠征に参加するって言った方がいいですよ。

 

 「いや、いやぁ、いかないで、ずっと一緒にいて」

 

 と言われても行くしかないんですよ。その上で師匠には2つお願いがあります。一つは自分がいない間の子供達の面倒をお願いします。もう一つは師匠のその綺麗な白銀の髪を少しだけ分けてください。その髪があればどこでも師匠と一緒にいられますから、笑わないでください。帰ってきたら旅先の土産話をいっぱい持って帰ってきますから。ええ、死んでも果たす契約です。

 

 

 師匠戻りましたよ。十年経って私はかなり歳を取りましたけれども師匠は相変わらずですね。それが神祖に共通する特徴の一つなんでしたか?師匠離れてください。その紫の瞳で見られると心が囚われそうなので

 

 「お帰りもうどこにもいかないで」

 

 ですか約束は出来ませんけど善処します。それと師匠との約束であった。旅先の土産話をいっぱい持って帰ってきましたよ。今回行われた東方遠征で私たちはインドと呼ばれる地域までたどり着きました。そこで私は私たちとはかなり容姿の違う人たちと出会いました。そこで食べられているのは米という作物でして、師匠は米を知っていますか?小麦と違って面白い味のする作物でしたよ。そうそう、それとエジプトの方にも行ったんです。エジプトで見たものはピラミッドってわかります?今から二千年くらい前に作られた王様のお墓なんだそうですけど、あっやっぱり知ってましたか。

 

 「ここに来る前に見に行ったことがある」

 

 やっぱり長生きしていると経験が違うんですね。痛い、そんな殴るほどのことじゃないでしょう。あっ、ごめんなさい。もう勘弁してください。

 

 

 

 

 

 

 師匠………師匠どこですか、いるんだったら返事をしてください。師匠、よかったです無事でしたか、何か、いきなり雷が降ってきて空から太陽が落ちてきたりして大変なんですよ師匠、今も私以外の人は雷に打たれて死ぬか、気が触れて狂った人たちばっかなんです。私も雷に打たれて死ぬかと思ったんですけど、師匠からもらったアミュレットが光輝いて私を守ってくれたので無事でした。師匠は今回のこと何かご存知ないでしょうか、お分かりでしたら是非教えていただけるとありがたいのですが

 

 「あれは、まつろわぬ神の仕業だ。このようなことができるとすれば神以外あり得ない。その神達の名はゼウスとミスラだろう」

 

 ですかちょっと待ってください。まつろわぬ神が現れることなど数少ないと言ったのは師匠でしたよね。ゼウスといえば私たちが崇める神ですよ。そのような神が私たちを何故傷つけるのですか?それにミスラとはペルシアで聞いた太陽神の名です。そんな神様がなんでこんな場所に現れたのですか?

 

 「この世は神と神殺しの存在を許さない世界だからだ」 

 

 ですか神は分かりますが神殺しって何ですか?あんなのを殺せる存在がいるとでも? 

 

 「そうだ。神を殺す者がいるからこそ神殺しは生誕する。ならば神すらも降臨した時点でこの世にとっては好ましくないこと、それを裁くために最後の王たるミスラがいる。すまないな今回この都市が襲われたのは神祖である私がいたからだろう」 

 

 そんなことありません師匠には、いっぱい助けてもらいました。他の誰が何と言おうと私は師匠の味方です。だから逃げましょう師匠。

 

 「本当に?あいつらを許さないとは報復したいとは思わないのか?」

 

 思いますよ。でも人は天災には敵わない。人類には決して届かない。私は神殺しではないのだから。だから一緒に逃げましょう師匠。

 

 

 

 えっ、何ですか、これは視界が赤い。頭痛が酷い。師匠逃げて、お願いします。わがままだとわかっていますけど生きているのは師匠しかいません。お願いします私が憧れた人ならばきっとこの場を切り抜けられる。  

  

 「君の目から血が流れている。神の姿を見続けたからだ、神話にもあるだろう神とは等身大の天災なのだから、太陽を見つめれば失明するように神の姿を見続ければ人はいずれ死ぬ。だがそんなのこの私が許さない。たとえ竜蛇の封印を解いてでも君を助ける。聞けゼウスよ貴様が追いかけた神祖はここにいるぞ。見よミスラよ、貴様がかつて殺した女神は竜蛇の封印を解くぞ、さあ私の最愛よ私の命を持ってこの地獄から生き延びて見せなさい」 

 

 ははっ……師匠何を言っているんですか?私馬鹿だからよく分かりませんよ?その封印を解いたら師匠死んじゃうんじゃないですか?そんなの嫌です。私を見捨てて逃げてくださいよ。 

 

 「それは出来ない。私はあなたのことを愛しているのだから」

 

 私だって師匠のこと大好きですよ。だから生きて欲しいんです。

 

 「前を見なさい敵が来るわ、私の力を貸してあげる一緒に生きたければ、今ここで神を殺しなさい」

 

 そんなのできるわけがない。

 

 「それでもやるしかないわ。覚悟を決めなさい」

 

 雷が頬を伝う。太陽が空から落ちてくる。神を殺す覚悟はない。でも彼女と生きたいという意欲はある。ならば神すらも殺害してこの地獄から生き延びる。それこそが第一義だ。

 

 

 

 

 「いい!!!時が来たら私の名を呼んで、そうすれば私の力で敵を打ち倒すことができるわ。今ここで命を賭けなさい。それが出来なければ死ぬだけよ」

 

 わかったよ師匠この剣をあなたに預ける。一緒にこの地獄から生き延びよう。

 

 

 

 

 時は来た。ゼウスが逃走しミスラも油断している。今こそが千載一遇の機会である。

 

 「「私たちは今ここに予言する。この剣を持って最後の王ミスラの命を簒奪することを誓う。大地母神ガイアの名と命を持って死の予言を宣告する」」  

 

 かくして剣はミスラの命を簒奪した。一瞬の油断を一人の神祖と一人の愚者に突かれたミスラの敗北である。

 

 

 

 

 

 

 

 ああ、体が熱いこのまま死んでいくのだろうか。だが最後に見れたのが師匠の顔でよかった。ふと、師匠を、見つめる。師匠の体が石へと変わっていく。ありえない、ありえない、ありえない、そんなことはあってはならない。それでは私たちは何のために神を殺害したのだろうか?私たちの命は無為に失われていくのだろうか?それはなんて

 

 「いい…よく聞きなさい」

 

 師匠…師匠何ですか?

 

 「私たち神祖は転生者として輪廻の果てに生まれ変わるわ。何十年何百年経ってももう一度この世界へと帰ってくる。だからそれまで生きて、生きて、生き抜きなさい。そしてまた出会いましょう。はるか先の時代で」

 

 分かりました、師匠契約ですよ。今の私は何でもできる気がするんです。たとえ何千年かかったとしても、師匠が私を覚えていなくても私はもう一度師匠に会いにいく。あなたの輪廻の旅路に花束を

 

 

 

 

 私の人生(じごく)希望(かみのけ)

 師匠(ガイア)旅路(てんごく)花束(キキョウ)

 何千年(いくせいそう)かかってももう一度あなたに

 

 

 

 




 ミスラから簒奪した権能

 テスタメント《testament》

 万物を繋ぐそれは魂であっても例外なく


  ところでこれは原作が神域のカンピオーネスの方がいいのだろうか?

 もっと長く書きたかった
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