ゴジュウアーカイブ   作:盈月さん

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第10話 マスクド・ネゴシエーター《後編》

 昼過ぎ、一般的な銀行と似たような造りとなっている闇銀行内には、これから犯罪を行うための資金を貰おうとしている者、正式な銀行で金を借りることができなくなり闇金に頼るしかない者、生活が苦しく身売りをするために来た者など様々な目的を持った数人の客と、量産型のアサルトライフルを持ち、常に周囲を見渡している数体の黒いオートマタが警備兵として立っており、重苦しい空気が内部を支配していた。

 そんな中、ピンク髪色の1人の生徒が、両腕を組んだ状態で窓口の椅子に座って担当者が来るのを今か今かと待っていた。

 

「大変お待たせ致しました。お客様」

 

 奥の方から銀行員のロボが書類を片手に持ってやってきて、席に座った。

 

「ええ、待ちに待ったわ! それでどうなの? 今すぐにまとまったお金が欲しいのだけど」

 

 数時間待たされた生徒、陸八魔アルは銀行員に顔を近づけながら融資の依頼について聞く。

 今、陸八魔アル率いる便利屋68は、大金をはたいて仕掛けたアビドスへの襲撃を失敗してしまったことで、一文無しの状態になっており、依頼遂行のためにもまとまった資金を欲しているのだが、ゲヘナから指名手配されて以降口座を凍結され、銀行のブラックリストに入ってしまっているため、正式な銀行から融資を受けることができない状態になっていた。そのため、苦肉の策として闇銀行に融資を依頼することにしたのだが、

 

「申し訳ありませんが、融資の承認は下りませんでした。本日は、ご縁がなかったということで…」

 

 銀行員はあっさりとした口調で、融資ができないことをアルに告げた。

 

「え、ええっ! ちゃんと事務所も構えているのに、どういうことなの!?」

 

 銀行員の言葉を信じられないアルは、目を見開いて驚き、両手で机を叩きながら理由を訊ねた。

 

「そう言われましても…事務所は賃貸、資産と言えるのは重火器類のみ…そして、我々は貴女に信用することはできない。これでは融資のしようがありません」

「ええっ!?」

 

 書類を見ながら銀行員は少し呆れた様子で、出来ない理由を述べて行く。

 

「まずは、便利屋という収入が不安定な仕事より、堅実な仕事に就いて見るのはどうでしょう? 日雇いや期間工などこちらから紹介できる仕事もありますよ」

「は? はあぁ!?」

 

 頭部のモニターに笑顔の表情を映しながら、銀行員はアルの前に闇銀行側が勧める仕事の内容が記載された何枚かの書類を出すが、アルは声を荒げながら怒りで身を震わせていた。

 

(む、ムカつく…! もういっそのこと大暴れして、銀行のお金持って行こうかしら…!)

 

 自分達を内心で馬鹿にしている銀行員に対して強い怒りを感じるが、すぐに部が悪いことを察して心を落ち着かせる。

 

(……融資だのなんだので振り回されて……私が望んでいる姿はこれじゃない………何事にも恐れず、何事にも縛られないハードボイルドなアウトローに……そうなりたかったのに……)

 

 冷静さを取り戻したアルは、今の自分の姿と目指している姿を見比べて落ち込む。

 アルが落ち込んでいたその時だった。突如、銀行内のすべてのシャッターが閉まり、銀行内の全ての照明、仕事や取引等で必要となる機材などの全ての電気が落ちた。

 

「何っ!?」

「な、何事ですか!? 停電!?」

「い、一体誰が!? パソコンの電源も落ちているじゃないか!?」

 

 客や銀行員は、異常事態に騒然とする。

 

ドオォーーンッ!!

 

「ぬおっ!」

「ぐおっ!!」

 

 出入口でいきなり爆発が起き、その爆風で出入口に立っていたオートマタ達は地面に倒れ込む。

 真っ暗な中、爆発が起きたことで、騒然としていた客や銀行員達は一気にパニックへと陥る。そして、爆発で出来た大きな穴から、ヒフミ率いる覆面水着団が入ってくる。

 

「…」

 

 未だ状況を上手く飲み込むことができず、何故こうなったのかを考えているヒフミ以外の3人が武器を構える中、覆面をつけたシロコは天井に向けて銃を撃ち、威嚇射撃を行った。

 電源が非常用の物に変わったことにより、照明が点く。

 

「全員武器を捨てて、その場に伏せて!!」

 

 灯りが点くと共に、シロコは銀行内に居る者達に向けてそう叫ぶ。

 パニック状態に陥っている客や銀行員達は、悲鳴を上げながらその場に伏せ、ソファや机で身体を隠して怯える。

 

「言う事を聞かないと、痛い目に遭いますよ~☆」

「えっ、えっと~……皆さん、怪我しないように、大人しく伏せてくださいね~…!」

 

 ノリノリで皆にミニガンを見せながら脅すノノミに対し、ヒフミは銀行強盗が言うには矛盾している言葉を客や銀行員にかける。

 

「き、緊急事態発生! 緊急事態発生!!」

 

 1体の銀行員が外部への援護を求めるために非常時用の通信機に向けてそう叫ぶが、通信機から反応は無かった。

 

「うへ~無駄無駄~。外部に通報される警備システムの電源は破壊しちゃったからね~」

「ひ、ひいぃ…!」

 

 ホシノは動いていた銀行員に、ショットガンの銃口を向けながら応答がない理由を告げ、銀行員は銃口を向けられたことで腰を抜いてその場に座り込む。

 

「…っ!」

 

 隙を見てオートマトは手放してしまった銃を取ろうと手を伸ばすが、

 

「武器は捨ててって聞こえなかった?」

 

 威圧的な態度のセリカに睨まれながら銃を突き付けられ、地面に伏せながら両手を上げることしかできなくなった。

 

「変なことしないでよ!」

 

 セリカはオートマトが拾おうとしていた銃を人が居ない所へ蹴り飛ばして一息つく。

 

『…やって良いとは言ったが、一般市民には手を出すなよ?』

 

 闇銀行が見える裏路地にて、覆面を被りながらシッテムの箱で指揮を執っている哮は、改めて通信で皆に注意を行い、実行犯の4人はそれぞれ返事を返す。

 

『はあ…まともな武器があれば…俺も実行犯に混ざりながら指揮ができたと思うんだけどな…』

 

 哮はそう愚痴を零す。

 元々哮は、生徒達だけに実行させるつもりではなかったのだが、身バレを防ぐために変身(エンゲージ)ができない上に、まともな武器が調達できない中、実弾を食らえば致命傷になってしまうということで、周囲の監視兼指揮官となった。

 

「うへ~、先せ…グレーSはグレーSの仕事があるんだから、こっちは任せてよ~。それじゃあ、次のステップに進もうかね!」

 

 哮を慰めたホシノは、ヒフミの方へと顔を向ける。

 

「それじゃあ、リーダーのファウストさん! 指示をよろしく~!」

「……えっ!? ええっ!? わ、私がリーダーですか!?」

 

 ヒフミはホシノが顔を向けている方に目線を向けるが、自分以外誰も居ないことを知ると、そこでリーダーにさせられているということに気付き、驚きながらホシノの方を向く。

 

「そうです! リーダーです! ボスです! ちなみに私は…クリスティーナだお♧」

 

 ホシノの悪ノリに乗ったノノミは、決めポーズをしながら偽名を名乗る。

 覆面水着団がコントをしている様子を、アルと共に来た便利屋の3人は、柱に身を隠しつつ見ていた。

 

「あれ…? あの子達って…」

「アビドスの…」

「だよね~…知らない子も居るけど……なんでこんなところに?」

 

 ムツキとカヨコは、制服から覆面水着団の正体に気付く。

 

「ね、狙いは私達でしょうか!? それなら、返り討ちにしちゃいますか!?」

「いや、ターゲットは私達じゃなくて、この銀行みたい…ここは一旦様子を見よう」

 

 カヨコは、血気盛んなハルカを宥めつつ、対策委員会の皆の出方を様子見ることにした。

 

「この銀行の警備システムは全て知っている。全員、無駄な抵抗はしないこと…!」

「ひっ! ひいぃ!!」

 

 便利屋68に気付くことなく、シロコは窓口の銀行員の元へと行き、銃口を向けながら机に大きなバックを置く。

 

「このバックに、少し前に到着した銀行輸送車の――」

「な、何でも差し上げます! 現金でも、債券でも、金塊でも!!」

 

 銀行員は恐怖のあまりシロコの言葉を遮りながら喋り、頭を何度も下げる。

 

「いや…集金記録が欲しいんだけど……」

「は、はい! 今すぐに!!」

 

 恐怖に震えながら銀行員はバックを持って金庫の方へと走っていった。

 そして、その様子を近くで見ていたアルは、

 

(や、ヤバーイ! この人達何なの!? ブラックマーケットの銀行を襲うなんて!! 無茶苦茶手際が良いし、超プロフェッショナル! か、カッコイイ! 痺れる!! これこそ、真のアウトロー!! うわっ、涙出そう)

 

 その場に居る多くの者達が畏怖している覆面水着団に、目を輝かせて涙が出かける程に感激している。

 無論、覆面水着団の正体が、前に一戦交えたアビドスの者達とは気づかずに。

 

「で、出来ました!! これでどうか! 命だけは!!」

 

 集金記録を入れたにしては、パンパンになっているカバンを抱えて戻って来た銀行員は、シロコの前の机にそれを置いた。

 

『こちらブルー2号…ブツは確保したんだけど……』

 

 目の前にパンパンになったカバンに困惑しながら、シロコは皆にブツを確保したこと報告し、言葉を続けようとしたが、

 

「それじゃあ逃げるよ~! 全員撤収っ!!」

「アディオ~ス☆」

 

 ホシノが撤退の合図を出して全員が銀行から撤退を始めたため、シロコはカバンを持って皆の後を追った。

 

「……や、奴らを捕らえろ! 道路封鎖!! マーケットガードに通報だァ!!」

「はぁあ~! ナイスなアウトロー!!」

 

 安全になったことで銀行員が周りに怒号のように指示を出す中、アルは独り目を輝かせながら去っていく覆面水着団に心を打たれていた。

 

――◇――

 

 ブラックマーケットで、道路封鎖やマーケットガートによる強行調査が行われる中、哮達は事前にシロコが組んでいた逃亡プランに従って走り、包囲網の外に出て覆面を外していた。

 

「やったー! 大成功~!」

 

 最初乗り気ではなかったとは言えない程、機嫌がよくなっているセリカは笑みを浮かべて作戦が上手く行ったことを喜ぶ。

 

「シロコちゃん、集金記録の書類はちゃんと持ってるよね?」

「う、うん……バッグの中に……」

 

 ホシノの確認に、シロコは歯切れが悪い返事をする。

 

「だけど…その……こんな物が…」

 

 皆が見やすいようにバックを地面に置いたシロコは、そう言いながらバックを開けた。

 中身を見た皆は、それぞれ変な声を出して驚く。

 

「なんじゃこりゃ~!!?」

 

 叫びながらホシノはカバンにパンパンに詰まっている札束を見つめる。 

 あくまでも集金記録のみが目的の銀行強盗が、本当に少なくとも数千万円分はあるであろう現ナマを取って来たことに、全員の顔が青く染まっていく。

 

「シロコ先輩、現金盗んじゃったの!?」

「違う。目当ての書類はちゃんとここにある。このお金は銀行の人が勘違いして入れただけ…」

 

 シロコは本来の目的のブツである集金記録を札束の中から取り出し、皆に見せる。

 

「う~ん、これは…軽く1億はあるね~。本当に5分で1億稼いじゃったよ」

 

 パンパンに札束が詰め込まれたバックを軽く漁って、量を見たホシノは、推定金額を呟き、新たに悩みの種が出来てしまったことに頭を抱える。

 

「やったあ! 早く持って帰ろ!」

 

 哮やホシノ、アヤネなどがどうするべきか考えている中、セリカは嬉しい誤算と言わんばかりに、バックのファスナーをしっかり閉め、持ち上げようとする。

 

「セリカ、ストップ」

 

 バックを持ち上げようとしたセリカの肩にポンっと手を置きながら、哮はセリカを止めた。

 

「何ぃ? これがあれば借金が――」

『そんなことした本当に犯罪だよ! セリカちゃん!!』

 

 銀行から奪った金を借金返済に充てようとするセリカに、アヤネは通信機越しに止めようと叱責するが…

 

「だ、だから何!? このお金はそもそも、私たちが汗水流して稼いだお金じゃん! それがあの闇銀行に流れてったんだよ! それに、そのままにしておいたら、犯罪者の武器や兵器に変えられてたかもしれない! 悪人のお金を盗んで、何が悪いの!?」

「私はセリカちゃんの意見に賛成です。犯罪者の資金ですし、私たちが正しい使い方をした方がいいと思います…」

 

 セリカは意見を変えず、更にその意見にノノミが賛成した。

 

「それに、1億もあれば、学校の借金をかなり減らせるんだよ!」

 

 他にも賛成してくれる人を増やすために、セリカは哮の方を見ながら言うが、哮は普段あまり見せない鋭い目つきでセリカを見ながら、

 

「…それをしたら、戻れなくなるぞ」

 

 と、一言言った。

 

「…う~ん、シロコちゃんはどう思う?」

 

 険悪な空気に包まれる中、ホシノは苦い顔をしていたシロコに意見を聞いた。

 

「…答えるまでもない、ホシノ先輩が反対するだろうから」

「「「へ…?」」」

「さすがはシロコちゃん。私の事、分かってるねー」

 

 驚いた表情を浮かべるセリカやノノミに、ホシノは真っすぐとした瞳で彼女達を見つめながら、話始める。

 

「私達に必要なのは書類だけ。お金じゃない…! 今回のは悪人の犯罪資金だからいいとしたら、次はどうする? その次は? これになれちゃうと、ピンチだから仕方ないよね~と、自分に言い聞かせて…やっちゃいけないことにまで手を出すと思うよ」

 

 そして最後に、いつものように笑みを浮かべて、

 

「おじさんとしては、可愛い後輩がそうなっちゃうのはイヤだな~」

 

 といつもの雰囲気を出しながら締めくくった。

 ホシノの言葉に、哮は嬉しそうに笑みを浮かべ、皆は黙ったまま顔を見合わせる。

 

「こんな方法を使うくらいなら、最初からノノミちゃんが持ってる燥然と輝くゴールドカードに頼っていたはず…!」

「ですが、それはホシノ先輩に反対されて……っ!」

 

 そこでノノミは、ホシノが言いたいことに気付き、暗かった表情を明るくする。

 

「そうでした。きちんとした方法で返済しないかぎり、アビドスはアビドスじゃなくなってしまう……」

「うへ、そういうこと」

 

 ノノミはホシノが何故ゴールドカードや銀行強盗の金で返済しようとしないのか、その意図に気付き皆に話す。

 

「それじゃあ、貰うのは必要な書類だけ…それでいいね?」

はい!!

 

 パンっと両手を叩いた哮は、皆の顔を見ながら確認を取り、それに納得した皆は元気よく返事を返す。

 その時、

 

『…っ! 待ってください、何者かがそちらに向かってます!!』

 

 話を通信で聞きながら、周囲の監視をしていたアヤネがそう叫ぶ。

 

「もしかして、追手のマーケットガード!?」

『いえ、これは……べ、便利屋のアルさん!?』

 

 銃をセーフティを外し、いつでも戦闘できるようにシロコが銃を構える中、アヤネはやって来た人物がアルだということを皆に告げる。

 

「ちょっと待って~~!!」

 

 そして、アルの声が近くで聞こえて来たため、皆は慌て覆面を被り直し、声が聞こえて来た方へと顔を向ける。

 

「はぁ、ふぅ…はぁ、ふぅ…あ、あぁ心配しないで! 私は敵じゃないから!」 

 

 息を切らしながら走って来たアルは、息を少し整えた後、アビドスの皆が武器を持っていることに気付き、両手を上げながら敵意がないことを説明した。

 

「なんであいつが!?」

「撃退する…?」

「敵じゃないって言っている相手を叩くのもね~…」

「お知り合いですか…?」

「まあ、そんなところです☆」

 

 いきなりアルが来たことに対策委員会の皆は、困惑しながら耳打ちでどうするべきか話し合い、アビドスと便利屋の因縁を知らないヒフミからの質問に、ノノミが答える。

 

「あ、あの…さっきの銀行の襲撃見せて貰ったわ、ブラックマーケットの銀行をものの数分で攻略して見事に撤収…稀に見るアウトローっぷりだったわ! 正直、凄く衝撃的だったというか…あんな大胆な事が出来るなんて、感動的と言うか…!わ、私も頑張るわ! 法律や規律に縛られない、本当の意味での自由な魂! そんなアウトローになりたいから!」

 

 目を輝かせ高揚しているアルは声高らかに熱烈的な感想を述べるが、対策委員会の皆は訳が分からず、互いの顔を合わせながら唖然としていた。

 

「そ、そういうことだから…名前を…! 貴女達の名前を教えて!」

「名前…?」

「そ、その…組織というか、チーム名というか…!」

 

 アルが哮達にチーム名を尋ねたその時、今まで黙って話を聞いていた哮がふざけだした。

 

「ふはははっ! よくぞ聞いた! 我々は覆面水着団! そして私は、浪漫を求める果てしなき探求者、グレーS!! 追加戦士のような者だ!!」

「そして、私は…! クリスティーナだお♧」

「ふ、覆面水着団!? 超クールだわ!! しかもキャラも立っている!!」

 

 適当に考えた決めポーズをしながら、仮称で使っていた覆面水着団という名を使いつつ、哮はアルに名乗り、それに続いてノノミも名乗る。

 

「ちょっと、先生!? ノノミ先輩!?」

「ふふふのふっ! 目には目を、歯には歯を……無慈悲に、孤高に、我が道の如く魔境を往く!! これが私らのモットーだよ!」

 

 唐突な哮とノノミの悪ふざけにセリカが驚く中、哮の悪乗りにホシノが決め顔を作りながら乗り始める。

 

「かっ、カッコイイ~~!!」

 

 始めて特撮を見た男の子のように目を輝かせながら、アルはホシノの決め台詞に歓喜のあまり身体を震わせる。

 

「もういいでしょ! さっさと行くわよ!!」

「それじゃあ、アディオ~ス!!」

「行こう! 夕日に向かって!!」

「まだ昼なんですけど~!」

 

 この場に今すぐ逃げたいという気持ちになったセリカに言われ、覆面水着団はホシノの捨て台詞にヒフミがツッコミを入れながら、その場から走り去って行った。

 

「我が道の如く魔境を往く……その言葉、魂に刻むわ! 私も頑張るっ!」

 

 去っていく覆面水着団の背中を見ながら、アルはホシノの決め台詞に感激を覚えながら、背中が見なくなるまで見届けた。

 そんなアルの元に、彼女に置いて行かれた便利屋のメンバーが合流した。

 

「……事実を言うべきなんだろうけど……いつ言う?」

「面白いけど、ここでバラしちゃおうか!」

 

 アルの姿に少し呆れているカヨコの質問に、小悪魔的な笑みを浮かべてムツキは応える。

 

「あ、あの……このバック、忘れ物でしょうか…?」

 

 覆面水着団が置いて行ったバックを見つけたハルカは、それを持ち上げて他の者達に見せる。

 

「も、もしかして…! 覆面水着団が、私のために…!」

「いや、普通に落とし物でしょ…」

 

 カヨコが冷静なツッコミを入れる中、アルは笑みを浮かべながらバックのファスナーを開けて固まった。

 バックには例の1億円が入っていたのだ。

 

「っ! そうそうアルちゃん! 覆面水着団のことなんだけど~」

「あれ、アビドス高校とシャーレの先生だよ…」

 

 札束がパンパンに入っているカバンにアルが驚いている中、更に驚かせようと思ってムツキはカヨコの顔をチラッと見合わせた後、覆面水着団の正体を話した。

 

「……なっ…な…ななな、なんですてえぇぇぇぇ!!?」

 

 一瞬理解が追い付かずアルはフリーズしたのち、白目を向きながら大声を出して驚いた。例のBGMが流れてきそうである。




 リンちゃんイチャイチャSSが書きたいのですが、書きたい物があり過ぎて、どれを最初に書こうかと思い、アンケートを取ることにしました。これを最初に見てみたい! というのがあれば、アンケートのご協力お願いします!! あ、勿論全部書く予定なので、1位ではなかったとしてもご安心を…!!

リンちゃんSS

  • 哮とリンちゃんの慰安旅行
  • 豊夜哮の配信(リンちゃん視点)
  • 床のトマトジュースを血だと思って焦るリン
  • 幼児退行リンちゃん
  • 哮とリンちゃんラジオ~脳破壊を添えて~
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