ゴジュウアーカイブ   作:盈月さん

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第12話 戦慄!ゲヘナ風紀委員会①

 ゲヘナ学園中央区風紀委員会本部。

 自由と混沌を体現している三大校の1つ、ゲヘナ学園の秩序を守り、多くのゲヘナ生から恐怖の対象とされている風紀委員会では、最強と謳われている風紀委員長空崎ヒナと行政官天雨アコが対面で話し合って居た。

 

「その情報は本当なの? アコ…?」

 

 一般風紀委員の子が入れた珈琲を飲みながら、ヒナはアコに再確認をする。

 

「はい。情報部が手に入れた情報なので、確定と見てよろしいかと!」

 

 満面の笑みを浮かべ、胸を張り自信気にアコは語る。

 風紀委員会の情報部が手に入れた情報というのは、アビドスに便利屋68、温泉開発部、美食研究会といったゲヘナの問題児達が集まり、悪さをしているという物だった。

 その対処をするため、風紀委員会は現在、幹部の銀鏡イオリと火宮チナツ率いる制圧部隊をアビドスへ送っている。

 

「それで、イオリやチナツも向かわせたのね……」

 

 アコの反応を見たヒナは少し考えたのち、マグカップに入っている残りの珈琲を飲み切ると、椅子から立ち上がった。

 

「アコ、現時刻を持って風紀委員会の全指揮権を貴女に譲る」

「えっ? それはどういう…?」

 

 いきなり風紀員会の指揮を任されたアコが困惑する中、ヒナは壁に立てかけていた自身の愛銃を手に取り、武装する。

 

「私もアビドスに行く。問題児達がアビドスに相当な被害を出して、迷惑をかける前に鎮圧する必要があるから」

「わ、分かりました! こちらはお任せください!!」

 

 後のことをアコに任せ、ヒナは部屋から出て行く。

 こうして、最強と名高い風紀委員長空崎ヒナは、アビドスへと赴いた。

 

 

――〇――

 

 

 お昼時、アル達便利屋68は、紫関ラーメンにやって来ていた。

 

「はい。お待ち!」

「来たァ~! いっただきまーす!」

 

 大将が運んできたラーメンに、ムツキは目を輝かせながら割り箸を手に取って、美味しそうに麺を啜り始める。

 

「ひ、ひとりにつき1杯…こんなに贅沢してもいいんですか…?」

「セリカちゃんのお友達だろう? 替え玉もサービスするから、欲しかったら言いな」

 

 ハルカの問いに、大将は笑いながら答え、厨房の方へと戻っていった。

 しかし、それを聞いたアルはまるで雷にでも打たれたかのように硬直し、箸を止めた。

 

「こんなに美味しいのに、お客さん居ないね…」

「ばひょが悪いんじゃない? 砂漠化が進んで、人が減ってるしさ~」

 

 口に入れてしっかりと噛んだ麺を吞み込んだカヨコは、店内を見渡しながら呟き、その呟きに麺を口に入れたままムツキが答える。

 

「……じゃない」

「「ん…?」」

 

 唐突なアルの呟きに、店内の見渡していた2人は顔をアルの方へと向ける。

 

「友達なんかじゃないわよーーーー!!」

 

 アルは白目を向き、箸を聞き手で握りしめて叫びながら席から立つ。

 

「ちょっと、お店に迷惑――ダンッ!

 

 注意しようとするカヨコの言葉を遮るように、アルは両手で机を叩く。

 

「分かった! 何が引っかかっていたのか分かったわ! 問題はこのお店よっ!」

「!?」

「わわっ!?」

 

 いきなり店を問題に始めるアルに、全員が目を丸くして驚く。

 

「私達は仕事のために、アビドスに来てるの! ハードボイルドに!! アウトローっぽく!! なのに何のよ、この店は! お腹一杯食べれるし、温かく親切で話しかけてくれて、和気あいあいで、ほんわかしたこの雰囲気!! ここにいると、皆仲良しになっちゃう気がするのよ!! 私が望むアウトローは、こんなほっこり感じゃない!!」

 

 便利屋の皆が呆気に取られる中、アルは早口で店の雰囲気と自身が目指すアウトローの違いを言い切る。

 

「それは考え過ぎなんじゃ…」

 

 アルが息を切らす中、ムツキは少し呆れる。

 

「…アル様のご意見よく分かりました」

「っ!」

 

 隣の席で話を黙って聞いていたムツキが口を開き、賛同してくれたため、アルは嬉しくなり笑みを浮かべるが、その笑みはすぐに消えることとなる。

 

「つまり…こんな店、破壊した方が良いってことですね?」

「…へっ? ハルカ? 壊すって、どういうこと…?」

 

 物騒なことを言い始めたハルカに、アルは驚きのあまり笑みを浮かべたまま意味を尋ねる。

 

「文字通りの意味です。これで、ようやくアル様のお力になれます」

 

 アルの問いに答えながら、ハルカは何処からか起爆装置を取り出した。

 

「起爆装置!?」

「なんで、そんなもの…!」

 

 ムツキとカヨコが驚く中、ハルカは笑みを浮かべる。

 

「行きます…!」

「………へ!?」

 

 ハルカが起爆装置を握ろうとしたその時、爆発が起こった。

 その爆発による衝撃波と音は、教室に集まって居たアビドス対策委員会の皆にも届いた。

 

「半径10キロメートル内で爆発が発生! 場所は……!」

 

 アビドス校舎内の警報がけたたましく鳴る中、アヤネはタブレットの画面に映し出された爆発元を見て、言葉を失う。

 

「し、紫関ラーメンを中心に、爆発が起きているようです!」

「なっ……! 店は!? 大将は!?」

 

 アヤネから爆発地点の中心が紫関ラーメンだと聞きいたセリカは、大将の身を案じて焦りながらアヤネに尋ねる。

 

「紫関ラーメンの建物は…瓦礫の山となってます!」

「どういうことよ!? なんであの店がそうなってるの!!」

 

 監視カメラの映像から紫関ラーメンの建物が瓦礫の山となっていることを確認したアヤネの言葉に、セリカは声を荒げる。

 

「何が目的…?」

「セリカちゃんでしょうか…?」

「いや、それにしては爆発範囲が広い。セリカ一人を狙うなら、紫関ラーメンの建物一つだけでいいはず…」

 

 シロコとノノミは冷静に爆発を引き起こした犯人について語り合う。

 

「犯人については後だ! 今は全員で紫関ラーメンに行くぞ! セリカ、ホシノへの連絡とオペレートお願い! 急いで大将の救出に向かうぞ!」

はい!!

 

 それぞれの武器を持った対策委員会の皆は、アヤネのナビゲートに従って、紫関ラーメンに向かうために走り始めた。

 一方、爆発が起きた紫関ラーメン周辺では、サイレン音がけたたましく鳴っており、爆発に巻き込まれた人達の救出活動が行われていた。

 

「いっ、たたた…」

 

 瓦礫の下から這いずり出て来たアルは、起き上がって周囲を見渡す。

 周囲には、半壊している建物や、飛んできた瓦礫に押しつぶされたのであろう車の残骸、様々な物が無造作に積み上がっている瓦礫の山などが広がっており、アルの血の気が引いて行く。

 

「あっ、アルちゃんはっけ~ん!」

「ムツキ? カヨコ…? それにハルカ…」

 

 呆然としているアルに、ムツキが話しかけ、その後ろからはカヨコと満面の笑みを浮かべているハルカがアルの元に駆け寄って来た。

 

「アル様~! ご無事でなりよりです!」

「それで社長、この状況なんだけど……社長?」

 

 アルの元に来たカヨコは、今の状況について話そうとした時、アルが唖然としていることに気付き、少し首を傾げながらもう一度呼ぶ。

 

「……この状況…私たち、完全に悪党じゃない…」

 

 根っからの悪人ではないアルは、自分達が起こしたであろう爆破による被害を見て、茫然自失となる。

 

「そのことなんだけど社長…あの爆発、ハルカのじゃない」

「……へ?」

 

 カヨコの口から出た真実に、アルは変な声を出す。

 

「ハルカは確かにあの店に爆弾を仕掛けていたみたいだけど…ハルカが起爆装置を起動する直前で爆発が起きたし、ハルカが仕掛けた爆弾はC4だから、せいぜい店を壊す程度でしかない…つまり、この爆発は私達じゃない誰かが起こしたということ」

「なっ、ななな、なんですてえぇぇぇぇ!!?」

 

 白目を剥きながらアルは驚く。

 

「待って待って! それなら、誰がこんなことを…!」

「あんた達!? 街をこんなことにしたのは!!」

 

 アルは悲惨な状態になった街と便利屋のメンバーの顔を交互に見ながら慌てふためいていると、そこに怒り心頭のセリカ率いる対策委員会の皆がやってきた。

 

「よくもこんな酷いことをして…! 絶対に許さない!!」

「ちょ、ちょっと待って頂戴! これは私達じゃ――」

『こちら哮先生、大将の無事を確認した。外傷は擦り傷が多いが、意識はあるし、重傷は負っていない。救急隊に預けたらすぐそっちに向かう』

 

 アビドス襲撃の件で、便利屋にいい思い出がないセリカは犯人を便利屋68と決めつけ、アルは慌てながら弁明しようとしたが、タイミングが悪く大将が無事だったという通信がセリカ達の元に届いて話を遮られた。

 

「セリカちゃん、良かったですね!」

「許さない……」

 

 無事ということを聞いたノノミはセリカに話しかけるが、セリカはいつものようなツンデレ特有の怒りではなく、低い声で呟いた。

 

「あんたたち、絶対許さない!!」

「まっ、待って! 誤解なの――」

 

 セリカは銃口をアル達に向け、アルが顔面蒼白になりながらも誤解を解こうと試みたその時、

 

ドオォンッ!!

 

 対策委員会と便利屋の間に、1発の擲弾が空気を割きながら落ちてきて、爆発を起こす。

 そして、それを皮切りに瓦礫となっている街にトドメを刺すと言わんばかりの大量擲弾が、便利屋を中心に降り注ぐ。

 

「今度は何なのさ~…」

「奴らだ…でもどうしてこんなタイミングで…!」

「アル様! しっかりしてください!! アル様!!」

 

 爆発の煙が晴れると、カヨコやムツキは無事だったようだが、アルが直撃を食らったようで気を失っており、ハルカが必死に呼びかけていた。

 

「皆、大丈夫か!?」

 

 煙に咳き込んでいる対策委員会の元に、哮が駆け付けた。

 

「私達は大丈夫です」

「突然なんなのよ! アヤネちゃん、何か分かる!?」

『確認しました! 皆さんが居る数十メートル先に、ゲヘナの風紀委員会を確認! その数、1個大隊規模です!』

 

 ドローンで迫撃砲を撃ち込んできた集団を確認したアヤネの報告を受け、皆はそちらの方へと顔を向ける。

 哮達の視線の先には、軍靴を揃えて鳴らしながら進軍してくる大量のゲヘナ学園の一般風紀委員と、その集団の先頭には、褐色肌で銀髪ツインテールの少女とシャーレ奪還の際、哮と共に戦ったチナツが肩を並べて歩いていた。




 本編ではない展開が織り込まれていた今回はどうだったでしょうか? ストーリーの流れは変える予定はありませんが、その道中の展開は二次創作特融の変化を付けていこうと思います!!

リンちゃんSS

  • 哮とリンちゃんの慰安旅行
  • 豊夜哮の配信(リンちゃん視点)
  • 床のトマトジュースを血だと思って焦るリン
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  • 哮とリンちゃんラジオ~脳破壊を添えて~
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