質問どしどし欲しいですねぇ……!
とうとう四日目だね。
リンちゃんから命令されてもう四日という気持ちと、まだ四日という気持ちが入り乱っている変な気持ちなには私だけじゃないはずだよ。
__それはそうと、今日生徒から「ラジオ聞いたよ!」って聞かれて、心做しか嬉しくなったよ。
今夜も頑張るね。
では、お便りをどうぞ。
ペンネーム『歌住サクラコ』より。
『先生、この手紙は届いてますか?届いてたら嬉しいです……それはさておき、この前ミネさんに「あら、本日は髪の毛がボサボサですが、最近はその髪型が流行ってるのですか?」とお聞きしたところ、ミネさんは大変怒られて…先生、私はどうしたら良いでしょうか?歌住サクラコより』。
……こんばんは、「歌住サクラコ」。
手紙、ちゃんと届いてるよ。安心してほしい。届いているだけで、こうして声にできるって、ラジオをやっていて本当に嬉しい瞬間だ。
さて、本題の件だね。ミネさんに髪型のことを聞いたら怒られた……うん、これは微妙な立ち位置だ。悪気はないのは明らかだけど、相手の感覚に触れてしまった場合、どうしても反応は出るものだ。
まず、今サクラコができることは、素直に伝えること。
「悪気はなかった」「純粋に興味があった」と一言添えるだけで、受け取り方は大きく変わる。言い訳に聞こえないよう、短く、真摯にね。
あとは、少し距離を置いて様子を見る。ミネさんが落ち着けば、自然に会話は戻る。無理に取り繕おうとすると、かえってぎこちなくなるから注意だよ。
それと大切なのは、今回の経験を「学び」として残すこと。
好奇心を持つのは良いこと。でも、相手の感覚や状況を少しだけ意識してみると、次は同じ失敗を避けられる。
サクラコの質問や好奇心は悪くない。むしろ尊い。
だから、焦らず、落ち着いて、相手に合わせながら進めばいい。
__あと実名はやめてね。
ペンネーム『黒龍神』より。
『先生、私は今…この由々しき事態に危惧しているっ!私に足りない物…分かるか?それは相棒だっ!だから先生、私に相棒の見つけ方を教えてくれっ!』。
……こんばんは、「黒龍神」。
声に力があるね。由々しき事態、しかと受信した。
相棒が欲しい、か。
分かるよ。その気持ち。肩を並べて、背中を預けて、「こいつがいれば大丈夫だ」って思える存在。名前を叫ぶだけでテンションが上がるやつ。ロマンだ。
でもね、最初に一つだけ言わせてほしい。
相棒は“探して見つけるもの”じゃない。
これは残念なお知らせだけど、真実だ。
相棒っていうのは、最初から相棒として現れない。
たいていは___
・意見が合わない。
・足並みが揃わない。
・「なんでコイツなんだ」って思う。
そういう相手だ。
一緒に何かをやる。
失敗する。
責任を分け合う。
その中で、「あ、こいつとならもう一回やってもいいな」って思えた時、後から名前が付く。それが相棒だ。
だから先生の答えはこうだ。
まずは、一人でやらなくていいことを誰かとやって。
完璧じゃなくていい。むしろ不格好な方がいい。
文句を言い合って、それでも投げ出さなかった相手が、候補だよ。
黒龍神みたいに熱量がある人は、つい理想を高く置きがちだ。
でも相棒は、理想を満たす存在じゃない。
理想を一緒に下げてくれる存在だよ。
焦らなくていい。
相棒は、見つけるものじゃなくて――気づいたら横にいるものだから。
今夜もいいお便りだった。
また由々しき事態が起きたら、送ってきてね。
ペンネーム『王女を見守る者』より。
『先生、以前アリスがこのラジオに質問をしていたようです。その件はありがとうございました……ですが先生、アリスといっしょに夜ふかししてゲームをするのはおやめください。王zy_いえ、アリスに悪影響です』。
……こんばんは、「王女を見守る者」。
丁寧なお便り、ありがとう。以前の件、聞いてくれていたんだね。
まず安心してほしい。
先生は夜ふかししてゲームに付き合わせるようなことはしていない。少なくとも、意図的には。……意図的には、ね。
ただ、深夜って時間は不思議で、話が盛り上がると時計を見失うことがある。それは大人の反省点だ。
アリスは好奇心が強くて、吸収が早い。だからこそ、影響も受けやすい。
先生もそれは分かっているつもりだ。
楽しいことと、必要な休息は、ちゃんと分けなきゃいけない。
だから今後は、
「続きはまた今度」
「今日はここまで」
そう言える大人でいようと思う。
見守る立場の人が、ちゃんと声を上げてくれるのは大切なことだ。
アリスの世界は、ゲームだけじゃない。
それを守ろうとする人がいるのは、決して悪影響じゃない。
……忠告、受け取ったよ。
今夜は、少し早めに電源を落とすことにする。
また何かあれば、送ってきて。