バカと相手とパラレルワールド   作:カミト

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明久×美春

「まだ来ていないのですわね」

 

わたくし清水美春はある方を呼び出しました。どうやらまだ来ていない様ですがね。その方はわたくしにとって大切な人いや、大切だった人。あの方は昔わたくしを救ってくれた。それ以来ずっとお慕いしていました。誰よりも誰よりも大切で愛おしくて、けどその思いも今日で終わらせる。美春は変わらなければならない。

 

「来たわよ美春。なんの用よ、変なことしたら承知しないんだからね」

 

来たようですわね。そう、ある方とはお姉さまこと島田美波です。美春はずっとお姉さまを愛していました。けど、ここに呼んだのは愛の告白ではなく美春の決意を、本当の思いを言うため。美春はここから一歩新たに踏み出すため。

 

「お姉さま、来て下さいましてありがとうございます」

 

「いいわよ別に。それで話って?」

 

お姉さまはしっかりをこちらを見た。どうやら美春の顔を見てふざけた要件ではないと悟ったのでしょう。

 

「お姉さま、美春はお姉さまが好きでした。もちろん嫌いになったわけではありません。でも・・美春は・・あの男を・・・吉井明久を好きになってしまったんです!」

 

 

 

 

 

 

 

僕が3年になってから数カ月。みんなとはクラスがバラバラになってしまった。姫路さんはAクラスに雄二はBクラス、ムッツリーニはCクラス、僕と秀吉はDクラス、美波はEクラスになった。それに変わったのは学年やクラスだけじゃない。僕に彼女ができた。その人は去年僕を最も忌み嫌っていた人、そう清水美春だ。なんでそんな人と恋人関係になったのだろう、それは僕にもわからない。ただ、あの時の試召戦争からちょっとずつ係るようになって気付いたらこうなってた。人生って何が起こるか分からないね。

 

「どうしたのじゃ明久よ」

 

「秀吉。いや、人生って何が起こるかわからないなって」

 

「内容が全く見えんのじゃが、どうしてそのようなことを?」

 

「いや、去年は僕を敵視してたはずなのに今は恋人ってなんかマンガのようだなって」

 

「なるほどのう。確かにそうじゃな。去年とはえらい違いじゃ。それはそうともう昼じゃ、屋上に行こうぞ」

 

「あ、うんって言ってもお昼無いんだけどね」

 

「またなんじゃな明久」

 

秀吉は呆れたように呟いた。いやぁ~ちょっと面白そうなゲームがあってね。趣味ってお金がかかるし。

 

「まったく、お主は変わらんのう」

 

「本当に、変わってくれなければ困りますわ」

 

秀吉の後ろから響いた声。これはおそらくそうだろう。

 

「美春、どうしたの?」

 

「どうしたのじゃありませんわ。食費を削ってまで趣味に走るとか、ほんっっっとうにバカですわね!」

 

「そ、そこまでかな?」

 

「そうですわよ。まったく見ていられませんわ」

 

そういって美春は僕の机の上に巾着袋を置いた。なんだろこれ?

 

「何アホ面かましてますの」

 

「いや、何これ?」

 

「見てわかりませんか。お弁当ですわよ、あなたの」

 

「へ?僕の?」

 

「そうですわ。まったく面倒かけさせないで下さい」

 

「ゴメン。でもありがとう、すっごくうれしいよ」

 

「ふん、あなたなんで食糧不足で餓死すればいいんですわ」

 

「そう言いつつも顔が赤いのじゃが」

 

「うるさいですわよ男女!あなたなんて男と付き合ってバラ色生活を送ればいいんですわ!」

 

秀吉に噛みつく美春だけど昔に比べたら大分柔らかくなった。前だったら即座に凶器を出していただろうしこんなに和やかに話すこともなかっただろう。こんなに変わったのはいつからだろう。柔らかくなったかなって思い出したのはあの試召戦争後からだろうか。あの後から美春は僕たちと一緒に行動するようになった。最初はもう美波にベッタリで隙あらば美波を押し倒したり僕を抹殺しようとしたり大騒ぎだった。けどいつからかそれも少なくなり、美春は少しずつ優しくなった。僕はそんな意地っ張りだけどその中にある優しいところに惚れたんだよね。

 

「まったく、ほら行きますわよ」

 

恥ずかしさを隠すために美春は僕と自分の分の弁当と僕の手を掴んで足早に教室を出た。秀吉も当然のように後に続いた。

 

「なんだかんだ言いつつも明久の手を握っておるではないか」

 

ヒュンッと秀吉の顔の横を何かが通り過ぎた。

 

「次言ったらその綺麗な顔を整形しますわよ」

 

それ以降秀吉は美春を弄ることはなかったとさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

僕たちが向かった場所は屋上だ。3年になっても僕たちはみんなで屋上で食べてる。僕たちが屋上に着いたらすでにみんながいた。

 

「おう、遅かったな。相変わらずお前らは睦まじいというか」

 

「うるさいですわよ赤ゴリラ。次言ったらお仕置きしますわよ」

 

「ほう、例えばどんな風にだ」

 

雄二が挑発したら美春は懐から何かを取り出した。あれはレコーダー?

 

『結婚しよう、翔子!』

 

「これをAクラスの代表に売買しましょう」

 

「うおおぉぉぉぉい!おま、そりゃあ消したはずだろ!」

 

「作り直したのですわ。さて、今からAクラスへと赴きましょう」

 

「オレが悪かったからやめてくれ」

 

雄二が土下座しそうな勢いで頭を下げた。そこまでして聞かれたくないのか霧島さんに。

 

「ふふっ、3年生になっても皆さんは変わりませんね」

 

「・・・いつも通り」

 

「そうじゃな、1人を覗いての・・」

 

そう、ここに居るのは僕に美春、雄二とムッツリーニ、秀吉に姫路さんだけ。ここに美波はいない。僕らが付き合い始めてからだろうか美波は僕らから距離を取るようになった。

 

「・・・お姉さま」

 

「こればっかりはしょうがねぇよ。時間が解決してくれるさ」

 

「そう、かな」

 

みんな美波が離れた理由がわかるようだけど僕にはよくわからない。けど、雰囲気でなんとなくわかる。僕は一体どうすればいいのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

授業が終わり僕らは学園を出た。目的地は美春の家であり喫茶店の「ラ・ペディス」だ。僕はここでバイトをしている。最初はお手伝い程度だったけど美春のお母さんに押されていつの間にかこうなった。お母さんは僕らの関係にノリノリだけど問題がある。

 

「ただい「マァイ、ドォォォタァァァァーーーーー!!」ま・・」

 

そう、美春の父親だ。彼は美春を溺愛していて近づく男(主に僕)を無差別に攻撃してくる。恋人が出来てからさらに重症になってるけど。仕事のときは真面目なんだけどね。

 

「おかえり美春ぅぅ!!!パパは美春がいなくて寂しかったぞ!学園まで迎えに行こうと思っていたくらいだ!さぁパパとお風呂に入ろう、ベットで一緒に寝よう、いっしょにお話ししよう!!!というわけで貴様は帰れというかさっさと土に還れ。ならば私が手伝ってやろう、さぁ最後の言葉を聞こうぉぉぉぉぉばあぁぁぁ!!」

 

「あらあらあなた二人の邪魔はいけませんよ。おかえりなさい2人とも。ちょっとパパとオハナシがあるから少しの間お店は任せますね。さぁ逝きましょう」

 

「ちょ、ちょっとまて!?美春をあんなケダモノと2人だけにだなんて私が許さって耳を引っ張るな!まて、頼むから待って・・・ぎゃああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

2人は奥の方へ引っ込んでしまった。まぁ、いつものことなんだけど奥で一体何が行われてるんだろう。覗く気はないけどね。だって怖いし。

 

「はぁ、まったく。あの人は放っておいて準備をしましょう」

 

「うん、そうだね」

 

僕らは制服に着替え持ち場に着いた。美春はホール担当で僕はキッチン担当だ。人手が足りないときはホールに立つこともあるけどね。

 

「いらっしゃいませってあなたたちなのね」

 

「おいおいオレらは客だぜ。ちゃんと接客しろよ」

 

「お帰りなさいませ。今すぐ猛獣用のケージを用意しますので少々お待ち下さい」

 

「頼むからちゃんとした席に案内してくれ」

 

聞き覚えのある声に僕は厨房から覗くと来ていたのはやっぱり雄二たちだ。雄二たちは美春と一緒になってからたまにここに来るようになった。その理由の大半は冷やかしなんだろうけどね。雄二って罵倒されて喜ぶような奴だったかな。

 

「おい、そこで覗いている異常性犯罪者。あまり変なこと考えてるとムッツリーニを使って社会的に抹殺するぞ」

 

「変な誤解はやめてよ!僕はただ雄二は罵倒されて喜ぶような奴だと思っただけだよ!」

 

「十分アウトだ。しかもそれはお前だろ」

 

失礼なやつだ!僕がいつからそんな性癖を持つようになったというんだ!

 

「去年までお主を罵倒していた者と恋仲になったからではないじゃろうか」

 

な、なんだって!?僕はそんな理由で美春を好きなったわけじゃないぞ!?

 

「あら、そうでしたの?でしたらもっと過激になってもいいということでしょうか?」

 

「美春も乗るのはやめてよ!僕のガラスのハートがブレイクしちゃうよ!?」

 

僕が焦る姿を見て美春はニヤニヤしている。ほんとにそういうところは変わらないね。

 

「まぁ、それはまたの機会にして注文はどうしますの?」

 

「オレはブレンドコーヒー」

 

「ワシはオレンジジュースを貰おうかのう」

 

「・・・アイスコーヒー」

 

「私はアイスレモンティーをお願いします」

 

「・・わたしも」

 

はいはい、ブレンドコーヒーにオレンジ、アイスコーヒーにレモンティーが2つっと・・・あれ?1人多いような?

 

「しょ、翔子!いつからそこに居た!?」

 

「・・雄二と一緒に帰りたかった」

 

「翔子ちゃんならずっと一緒に居ましたよ」

 

「くそ、何故気がつかなかった」

 

雄二が本気で焦ったような顔でつぶやいた。霧島さんの気持ちに素直になればいいのに。そして霧島さんはちゃっかりと雄二の隣に居るし。

 

「そして翔子。お前はどうしてオレの腕に関節技を決めているんだ?」

 

「・・恋人として当然のこと」

 

「いや、恋人たちがこうしているのは相手を逃げられないようにしているわけではないし、そもそもオレたちは恋人同士ではないっぐああぁぁぁぁぁ!!やめろ翔子ぉぉぉ!?」

 

あははっ、やっぱり2人は変わらないね。ここに美波が居たらもっとよかったんだけどねっと思い外に目を向けた。

 

「ん?あれは・・」

 

「どうししましたの?外に何か・・お姉さま!?」

 

僕と美春の声に反応してみんなが外を見た。そう居たのは美波だ。美波は壁の影に隠れていたのだ。美波もこっちが気付いたのがわかったようだ。美波はそのまま消えてしまった。

 

「お姉さま!!」

 

「ちょ!美春!美波!」

 

美春が美波を追って勢いよく店を飛び出した。僕も続こうとしたら姫路さんに止められた。

 

「待って下さい明久くん!」

 

「姫路さん、けど2人を追わないと!」

 

「待って下さい。ここは美春ちゃんに任せましょう」

 

「でも・・・」

 

「2人だけにさせてやれ明久。男に聞かせらんねぇこともあるだろ」

 

雄二にそう言われて黙ることしかできなくなった。ここは美春に任るしかないようだ。けど僕は心配で彼女たちが駆けていった道を見ることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

美春は全力でお姉さまの後を追った。けど、なかなか距離が縮まらない。

 

「待って下さい、お姉さま!」

 

「・・・」

 

何も答えず走り続けるお姉さま。きっとお姉さまは寂しかったのでしょう。だからあんなところで見ていたんです。また、みんなと笑いあいたいから。けど、その日々を美春が壊してしまった。だから、美春はお姉さまに謝りたい!わかってもらいたい!美春ももう一度お姉さまと笑いあいたいから!

結局美春は追いつけず、お姉さまの家の前まで来てしまった。お姉さまは扉を勢いよく閉めた。美春は扉をドンドンと叩いて呼びかけた。

 

「お姉さま!」

 

「なんの用よ美春!」

 

「お姉さま、話を聞いてください!」

 

「アンタと話すことなんてないわよ!」

 

「美春はお姉さまに謝りたいんです!美春が入ってきたからお姉さまの日常が壊れた。だから!」

 

「やめてよ美春!違うのよ!違うの・・。ウチも・・ただ・・」

 

扉越しで涙のすする音が聞こえた。お姉さまは泣いている。その原因を作ってしまったのは・・美春。何とかしたいけどお姉さまはこちらの話を聞いてはくれないし扉もあけてはくれない。美春は一体どうしたらいいのでしょう。そう思うと美春も涙が出てきた。しばらく2人で泣いていたらお姉さまから話しかけてきた。

 

「・・美春、アンタDクラスの代表よね?」

 

「へ・・は、はいそうです」

 

「なら、明日試召戦争をしましょう。そしてウチと美春の一騎打ちをしましょう」

 

お姉さまからの提案。お姉さまもEクラスの代表だから申請はできる。けど、こんな個人的なことで試召戦争を起こしていいのだろうかと美春は不安になった。けど、きっとここしかお姉さまと話せる機会はないと美春は思った。きっとここを逃したら次はない。だから、美春の答えはこれしかない。

 

「わかりました。お姉さまの提案・・・受けます」

 

 

 

 

 

 

 

 

「みんな、隊列を崩さないで!前衛と交代しながら相手の戦力を徐々に弱めていくんだ!」

 

次の日、Eクラスから試召戦争を申し込まれた。美波はなんだかいつもと違ったように見えた。なにかを決意したような顔だった。美春はその挑戦を受け入れた。下位のクラスから申し込まれたら断れないんだけどね。そしてこの試召戦争の際美春に頼まれたことがあった。Dクラスの指揮と美波との一騎打ちだ。僕は反対しようとしたけど美春がどうしてもと言ったので僕はそれを渋々受けた。だから今、僕は美春が居ないことを相手に隠すために前線で頑張っている。

 

「美春、大丈夫かな・・」

 

美春がそんなことを言うってことは何か理由があるんだろうけど、少し心配だ。美波のことだから美春に危害は加えないだろうけど・・心配だよ。

 

「大丈夫じゃろ」

 

横で補佐をしてくれている秀吉が答えた。どうしてそんなことを言えるのだろう。秀吉は心配じゃないんだろうか。

 

「明久よ、少しは清水を信じてはどうじゃ。明久は清水の彼氏なのじゃろう。ならばお主が彼女を信じんで誰が信じるのじゃ」

 

「・・・そう、だね」

 

秀吉の言葉で僕は決意を固めた。そうだよね、美春を1番信じなくちゃいけないのは僕だよね。わかったよ、僕は美春を信じるよ!おねがい美春!美波を救ってあげて!

 

 

 

 

 

 

キンッ! カンッ!

 

金属が弾ける音が響いた。そうここでお姉さまと一騎打ちの真っ最中。ここは少し離れた空き教室だから人が来ることはほとんどないだろう。

 

「お姉さま、美春たちから離れたのは、明久と美春の関係のせいですわよね!」

 

お姉さまは何も答えずただ召喚重を操っていた。お姉さまの召喚獣と美春の召喚獣が激しく唾ぜり合いが続いた。

 

「お姉さまの気持ちは知っていました!正直美春もあの時はあの男のことなんて気にはしていませんでした!けど、彼の雰囲気に温かさに触れて少しずつ変わっていきました!そして好きになってしまいました!美春はお姉さまの応援をしようと思ってました。けど、それもできないくらい気持ちが大きくなってしまいました!そして選ばれたのはお姉さまではなく美春でした。その時の美春はただうれしい気持ちでいっぱいでした。幸せで温かくて・・だからお姉さまの気持ちに気がつきませんでした!だから美春が悪いんです!美春が・・割り込まなきゃ!」

 

「違う!!」

 

美春の叫びに被さる様に叫ぶお姉さま。

 

「違うの!確かにアキを取られたのは悔しい!けど、わかっているのよ!決めたのはアキだしウチの気持ちが足りなかっただけって!頭では分かっているのよ!けど!けど・・苦しいのよ!あれはウチの初恋だったから!悔しくて、認めようと思っても悲しくて、おめでとうって言いたいわよ!けど、もう1人のウチがさせてくれないのよ!」

 

「お姉さま・・」

 

「だから昨日思ったのよ、このままじゃいけないって!美春とアキから逃げちゃいけないって!だからこの戦いはウチの気持ちに決着をつけるための戦いなのよ!」

 

お姉さまは美春と戦いながらご自分とも戦っていらしたのですね。あの時の美春のように、新しい1歩を踏み出すために。

 

「お姉さまなら勝てます!だってお姉さまは強くてかっこいいのですから!」

 

「かっこいいわ余計よ!」

 

お姉さまの召喚獣が美春の召喚獣を弾き、追撃にランスで激しい突きを繰りだす。美春はその突きをかわしたり弾いたりと凌ぐも少しづつ点数が減っていく。

 

「1年の時からお姉さまは変わってはおりません!その気高さもその草原のような美しい胸も!」

 

「ブッコロス!」

 

またお姉さまの突きが激しくなりました。けどこれでいいのです。お姉さまはこうでなくてはいけません!

 

「そうです!お姉さまに暗い顔は似合いませんわ!」

 

美春も負けじと攻撃を繰り出しお姉さまの点数を削って行く。しばらく続き点数もあと少しとなった。

 

「美春・・勝負よ!」

 

「はい、お姉さま!」

 

美春とお姉さまの召喚獣は勢いよく駆けだしお互いの武器を突きだした。

 

「「はあああぁぁぁぁぁ!!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

試召戦争終了後、僕は美春に言われて屋上まで来た。一応来てみたけど誰もいない。これからくるのかな?

 

「ああ、来ていたのねアキ」

 

「美波・・」

 

来たのは美春じゃなくて美波だった。そういえばこうして2人で話すのは久しぶりだな。

 

「美波、その・・」

 

「わかってる。だから最初に言わせて、ゴメンねアキ。ちょっといろいろあってね」

 

「そっか。それでそれは解決したの?」

 

「まだよ。そう、まだ、これから終わらせるの」

 

「これから?」

 

「アキ。ウチはね、ずっと前からアキのことが好きだったの。だからあんな態度を取っちゃったの」

 

美波が僕のことを。・・ええぇぇぇぇぇーーーーー!!!!美波が僕を!!?あれ、僕いま告白された!?そ、そうだったのか。もしかしたらみんなそのことを知ってたんだろうか。だからみんな美波にはノータッチだったんだろうか。と、とりあえず返事しなきゃね。

 

「美波・・ゴメン」

 

「うん、わかってたわ。だからこれはウチのケジメなの。はあぁ、フラれちゃった。けど、これでスッキリしたわ。ありがとうアキ」

 

「えっと、どういたしまして?」

 

「あ、アキ。髪になにか付いてるわよ」

 

「え?どこ・・・」

 

「・・・」

 

気付いたら美波の顔が僕のすぐ前に居た。それも唇が触れるくらい近い。これってもしかして・・キス!!??美波はすぐに僕から離れて行った。僕はどう反応していいたわからず茫然としてしまった。

 

「ふふ、これはウチをフッたお返しよ。それじゃアキ、また明日ね」

 

「・・う、うん」

 

美波はそのまま屋上を去った。けど僕はそのまま立っていることしかできなかった。

 

「美波が・・」

 

まさか美波が僕のことを好きで最後にキスまでされるなんてね。さすがにビックリしたよ。けど、ここに美春がいなくてよかったよ。もしいたら僕にいったいどんなお仕置きをされるか。

 

「あ~き~ひ~さ~」

 

おぉやぁ?僕の後ろからおっそろしい声が聞こえたぞ。いつの間にか美春が来ていたようだ。ははっ、僕耐えられるかな。

 

「明久、お姉さまと・・お姉さまと」

 

「ご、ゴメン美春!あれは事故というか不意打ちというか!」

 

「お姉さまとキスするなんて羨ましいのですわ!」

 

そっち!?えぇ、そっちなの!?美春にとって僕は彼氏だよね?あっれぇ、もしかしてまだ美波のこと諦めてないのかな?

 

「すごく羨ましいのです!ですからあなたの唇を使って間接キスをするのです!」

 

「いやいやいや!というか美春は美波のこと諦めたんじゃないの!?」

 

「はい、諦めましたよ。ですから羨ましいのですわ。ですからお早く美春にもするのですわ!」

 

「え?・・え?」

 

あれ、話がわからなくなったぞ。結局美春はどうしたいの?

 

「はぁ、まったくあなたに乙女心の複雑さはわからないとは思っていましたがここまでとは」

 

「?」

 

「まったく、ほら早くしてください」

 

そういって美春は少し赤くなった顔を上げ目を閉じた。これって、そういうことだよね。

 

僕は美春の肩に手を置き、そっと美春の唇と僕の唇を合わせた。

 

 

 

 

 

 

 




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