ありふれてない呪言師は世界最悪   作:オワタ+式=サン

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無能と雑魚

 

一週間も経てばクラス内で自然とグループが発生したり、カーストが生まれるものだ。

 

その例に漏れず、光輝達を始めとしたクラスの人気者でステータスも高い四人は固まって行動する様になり、その他の生徒も自然と友達と固まったり、戦闘職だった者同士でチームを組んだり、非戦闘だった者は愛子先生の元へと集まる様になった。

 

さて、ハジメとシュウヤはどうだろうか?

 

もちろん

 

「びっくりするくらい、誰も来なかったゼ」

 

「悲しい事言わないでよ…」

 

二人ぼっちであった。クラスメイト達は二人がどんな天職を得たかは知らないものの、メルド団長の反応からして良くなかったのだろうと察する事は出来た。

 

これが一週間前であるなら、非戦闘の天職の者達が手を差し伸べてグループ入りも出来ただろう。

 

しかし、片方は図書館に篭り、もう片方はウンウンと魔力を練ってたり基礎体力を底上げしようと一生懸命に体力作りをしていた。

大部分の優しいクラスメイト達は、邪魔したら悪いな…と話しかけるのを躊躇した、その結果である。

 

そしてグループになれば安心感と仲間意識が芽生えるが、グループに入っていない者には目線が厳しくなるものだ。

 

ハジメはいじめっ子である檜山にステータスをバラされ、シュウヤは努力はしてるけど…自分達よりは弱いんだよな…と自然と壁が生まれた。

 

故に『無能』のハジメ、『雑魚』のシュウヤと自然と呼ばれる様になった。なお、流したのは檜山ら不良グループである。やり方がせこい。

 

そして、ハジメとシュウヤは一週間ぶりに訓練をしに来たのだが

 

「おーおー、無能のハジメに雑魚のシュウヤじゃねぇか、俺達が稽古を付けてやるよ」

 

檜山ら不良グループに囲まれた。

 

「へー、稽古を付けるのか?いいのか?檜山」

 

「あん?何がだよ?」

 

「お前ら加減出来るの?勢い余って殺したら吊るされるよ?冗談抜きで」

 

そう、キリッと言うシュウヤに対して檜山は

 

「お前俺らが調整下手くそで勢い余って殺すと思ってんのか??流石に殺すまではやらねぇように調整くらいやれるっての」

 

そう素で返した。残りの3人もウンウンと頷いている。

 

「よかった、お前らにまだ倫理観あって」

 

「ねぇと思ってたのかよテメェ!?」

 

そう突っ込んだ檜山はガリガリと乱暴に頭を掻いた後、溜息を吐いた。

 

「…なんかやる気失せたわ、こんな奴ら殴ってもしょうがねぇ…行くぞ」

 

檜山は取り巻き3人を連れて訓練をしに行った。

 

「…ボコボコにされるかと思ったよ」

 

「…まぁ、アイツらも虐めるけど最低限超えたらダメなラインってのを分かってるの確認出来たからまぁいいだろ、今回はボコられなかったしな」

 

「それもそうだね…」

 

その日から一週間、地道な訓練と偶に檜山達から稽古として加減されつつもボコられたり、香織がボコられたハジメを見てブチギレそうになったり、雫が凄みを出しながら稽古しているのを目撃したりしつつ一週間が経った。

 

 

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影野 終夜 17歳 男 レベル:3

天職:呪言師

筋力:15

体力:25

耐性:20

敏捷:30

魔力:50

魔耐:40

技能:呪言[+力抜きの呪言][+足もつれの呪言]・報復[+魔の返し]・言語理解

 

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ステータスはそこそこ上がり、技能の項目も増えた。

 

「…ふーむ、見た感じ筋力と速さ…いや転倒…か?後は分かりやすく魔法での攻撃ダメージを相手にも与える感じか…というか項目だけ見ても呪言をなんて言えば発動するか全く知らんのだが…でも、意外と何とかやれそうか?」

 

魔力を吸う杖に関しても、長く触れなければ吸い尽くされる事はなく、どうやら一定数魔力を吸わせてしまえば移動などをする際は浮かんで追尾してくれるらしい。これで気絶と隣り合わせの移動から解放された。

 

メリットとして、魔法を使わなくとも魔力の値を伸ばす事が出来るので今思えば有難い武器だったかもしれない。

 

そんな事をステータスプレートを見ながら考えていると

 

 

「明日から、実戦訓練の一環として【オルクス大迷宮】へ遠征に行く。必要なものはこちらで用意してあるが、今までの王都外での魔物との実戦訓練とは一線を画すと思ってくれ! まぁ、要するに気合入れろってことだ! 今日はゆっくり休めよ! では、解散!」

 

メルド団長より、突然そう言われた。

 

「ほーん…その中に僕ら入ってんのかな?」

 

隣のハジメにそう問えば、自信なさげにハジメも答えた。

 

「…まぁ、ここに居る以上は…多分?」

 

「そうかぁ…そうなるとツーマンセルだから辛そうだな、どっちも後衛みたいなツラだし」

 

「そうだね…でも、頑張らないと…」

 

「だなぁ…この杖で撲殺とかいけないかな?浮いてるんだし自在に操ってぐるぐるどーん!って…」

 

そう思って動かそうとするが、そもそもこの杖の動かし方を知らない為、何も出来なかった。

 

「やばいぞハジメ、これだと敵にこの杖を押し付けるなりして手に持たせて魔力切れを狙う戦法しか取れない」

 

「…その戦法普通に決まったら強くない?」

 

「確かに!!!」

 

そんな事を話した後、明日に向けて早めに部屋で休む事にした。

 

 

 

 

 

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