スタレ世界に転生!?アラスターなりきり人生満喫します 作:黒しゃぶ曜日
だが後悔はしていない。
私は...気付くと転生していた...
いつの間にそんな馬鹿げた夢を見るほどに疲労が溜まっていたのかと、
しばらく現実逃避したが数日経っても夢から覚めぬので認めざるを得なかった。
まず目に入ったのは鹿のような角が頭に生えた人間らしき生物。
どうやら今世の親らしい。
この時点で少なくとも自身の知る前世の地球ではないことが確定した。
そこからは赤子なりに必死になって世界の特定に努めた。
強大な存在によって世界が滅ぼされるようなことは起こりえないなどと、いったい何処の誰が保証できようか。
しつこく親に散歩をねだり、絵本等を通してこの世界の文字と世界観の把握に奔走し早や数日、
ついに自身が生まれ落ちた世界の特定に至った。
仙舟同盟
ゲーム「崩壊スターレイル」に登場するスペースコロニーだ。
私が前世でプレイしたバージョンでは、比較的平和と言うべき場所であった。
幻朧や歩離人の起こす事件は巻き込まれないよう注意すれば充分やり過ごせる範疇に収まると思っている。
転生したのが一週目のオンパロスで、永劫回帰に巻き込まれでもしたら正気を保てなかっだろう。
しかし問題だったのは自身の種族、出身地、そして生まれた時代であった。
なんと原作開始より遥か昔に生まれたらしい。
仙舟はかつて大きな戦争が何度かあったという描写が多い。
これでのんびり主人公達の来訪を待つという選択肢は消し飛んでしまった。
そして生まれたのはゲームに登場する「羅浮」ではない地域であり、
前世の記憶とはかなりかけ離れた容姿であるが、種族は持明族だった。
どうやら親だと認識していた人物は、正確には指導役であったらしい。
姿見で自身を確認すると、ほっそりとした体型に真っ赤な毛並み、鹿にしては大きな耳に鋭い歯...
はっきり言ってアニメ「ハズビンホテル」に登場する私の推しキャラ「アラスター」を彷彿とさせる容姿である。
ある程度成長してからはイメージに引っ張られ、指導役に赤い服をねだったがこれがよく馴染む。
曰く他種族の血が混じった結果、鹿のようになったらしい。
つまり他勢力との戦争だけでなく、このままでは持明族関連の争いに巻き込まれるのもほぼ確定だ。
ならば、強くならなくては。
それこそオーバーロードであるアラスターのような姿で生まれ落ちたのだから、この世界の強者である「使令」と張り合えるほどに。
せっかくだから言動や服装も合わせよう。前世では確かロールプレイングと呼ばれていたか。
アラスターが作中で使用していた魔法も再現しなくては。
影や触手を操り、現実に干渉し作り変え、炎を以て焼き払い、所有物を召喚し、他者を狡猾に騙し、強者と臆せず戦う。
そんな存在になるにはどうするべきか想像もつかないが、やるしかあるまい。
少なくとも呼雷や龍尊如きに恐れていては話にならない。
作中では文字通り天と地程の差があるアダム相手にも挑んだのだから、使令級の相手と渡り合えなければはっきり言って解釈不一致だ。
そして当然原作主人公達の物語をこの目で直接確かめたい。
だがこの身体は原作が始まる前に寿命が尽き、記憶は消え別人として生まれ変わってしまう。
調べたところ第二次豊穣戦争が起きていない為、最低でも2300年以上前であるらしい。
つまりその時代まで死なずに生き延びる手段、もしくは記憶を受け継ぎ生まれ変わる術が必要である。
なら当然やるべきことは決まっている。
支配されるのではなく、完全に掌握し支配しなくては...
仙舟同盟にて忌み嫌われる力...
豊 穣 を