スタレ世界に転生!?アラスターなりきり人生満喫します   作:黒しゃぶ曜日

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【第四話】血沸き肉躍る決闘

 

「まさか、懇切丁寧に道場破りの予告を前日に伝えてくる道場破りがいるとは...」

 

師範や一番弟子の方が不在であっては、

余りにも味気ないと思いまして。では少々お待ちを...

 

仙舟のとある地区の道場にて、私は早速力試しに挑んでいた。

報連相はしっかりしなくては、社会人の基本である。

 

予告したお陰で二刀流の達人であるあちらの師範と戦えるが、しかしただ倒すのでは駄目だ。

傍には大勢の弟子達が観戦の為、待機している。

折角観衆がいるのだ。当然アラスターらしく振舞わなくては。

 

ならばやることは一つ。

 

 

皆様!ラジオのお時間です!!

 

ラジオ活動は外せない。

アラスターは悪魔を屠る時の悲鳴を地獄中に放送し、知名度を高めた。

それに倣って道場破りの様子を仙舟中に放送しようと決めた。

 

「...貴様、ふざけているのか?」

 

いえいえとんでもない!これこそ私が私であるが故!

 

本日はこちらの■■道場にお邪魔しております!

 

これより行われるは正真正銘の一騎討ち!

二刀流の達人とラジオスター!

 

一見まるで不釣り合い!故に予想外!!

 

手に汗に握る戦いをお楽しみください!!

 

 

「舐めた真似をしてくれる。その性根叩き直してやろう。」

 

『そんな奴ぶっ潰しちゃってください!師範!』

 

 

言い方が悪かったのか、あちらを怒らせてしまったようだ。

だが逆に軽い殺気を感じる今の方が修行の一環として適しているだろう。

 

真剣勝負でしか得られないものを得る為に。

 

 

ハッハァ!さぞ満足のゆく放送となることでしょう!

 

 

 

貴方の絶叫は!!!

 

 

 

 


 

 

 

 

剣を振るう。武芸を侮辱する眼前の若人を黙らせる為に。

二刀目を抜かずにねじ伏せ礼儀を教えてやろう。

致命傷を与えぬよう腕を狙う。

 

「むっ。」

 

躱されたか。

小手調べとはいえ、かなり余裕がある様子。

 

 

「ならば!」

 

 

顔を狙うがこちらも軽い足さばきのみで対処される。

大口を叩くだけの実力はあるらしい。

 

 

二刀流使いなのでしょう?そちらは抜かないので?

 

「甘いわ若造!まだこれからよ!」

 

 

ギアを一段上げ、より加速する。

足さばきに自信のある相手というのは分かった。ならば機動力を奪うまで。

 

多くのブラフを織り交ぜた、水のように流れる連撃。

例え一刀であっても、凡庸な者には本命の一撃を悟ることなど叶わぬ美しき死の舞踏。

 

しかし、今回の相手は世界を跨ごうと消えることのない執念が生んだ怪物であった。

 

 

ガキィンッ!!

 

 

視えてますよ。

 

「なっ!?」

 

 

上半身へ意識を逸らさせた刹那、奴の脚を撫で斬りにしようとした。

しかし眼前の挑戦者は振るわれる剣の腹に杖の石突きを振り下ろし、踏みつけるように下へ弾いてしまった。

 

正しく神業。

長き人生の中で、仮に防がれるとしても支柱部分で受け止められた経験しかない彼は驚きのあまり一瞬惚けてしまった。しかも得物を弾かれ重心もブレている。

 

無論そのような隙が見逃される筈もない。

 

 

油断大敵ですねぇ!破ぁっ!!

 

「がはぁっ!」

 

『師範殿っ!?』

 

 

マイクステッキを支えに、ほぼ全体重を載せがら空きの胴を蹴り抜く。

蹴り飛ばされた彼目掛け、立て続けに軽い爆発を起こす術を込めた札を投げ追撃。

 

自分たちを束ねる師範が追い詰められている事実に弟子達は動揺を隠せない。

 

しかし、彼らの叫びなど聞こえぬかのように爆撃の応酬は続く。

道場の板張りの床が次々と抉られ、焼けた木の香りと煙が辺りを包む。

 

 

どうかなさいましたかぁ!?

このまま終わってしまっても、私は構いませんがねっ!!

 

「ほざけぇっ!!」

 

 

立ち込める煙の中から、二対の細見の剣を抜き迫る。

もう手を抜くのは終いだ。彼は本気を出すに値する優れた武芸者と、この瞬間認めた。

迫りくる札を全て切伏せる様はまさに嵐そのもの。

 

 

やっと本番ですか、挑み甲斐のなさに退屈しましたよ!

 

「認めざるをえまい!貴様は強い!いざ参る!!」

 

 

剣に風の術を纏わせ、

一見荒々しく見えるも、的確にブラフと関節や急所を狙う攻撃を織り交ぜた攻撃が放たれる。

流石のアラスターも全てを捌ききることは叶わず、小さな切り傷が増え彼をジワジワと蝕む。

 

だが、その笑みが崩れることはない。

 

しかし彼は凄まじい攻撃の応酬への対処で手一杯に見える。

何故彼が笑っているのか分からない。

 

疑問の答えは、足元の爆発という形で返された。

 

 

「っ!!事前に仕込んでいたか!」

 

正っ解!!

 

 

反撃に対処しつつ周囲を見渡せば、隠蔽の術で足場のあちこちに爆術の札が隠されている。

 

術をある程度習得した者なら誰でも見破れる程度の軽い隠蔽であるが、

戦闘中にこれほど素早く仕込まれることは少ない。

 

相手は術師としても優れていると判断せざるを得ないが、厄介なのは手数の豊富さ。

通常なら術師相手とは懐に潜り込むだけで沈黙させられる敵なのだが...

 

 

余所見とは余裕ですねぇ!!

 

「ぐぅ...っ!」

 

 

札の位置を確認した瞬間、剣を弾かれ攻撃される。

足を運び下がった途端、術を発動し機動力を奪われる。

 

押し込められているのはこちら。

今必要なのは、ちゃぶ台をひっくり返す一手。

 

ならば、プライドなど抜きだ。全てを眼前の強者にぶつけるのみ。

 

 

ガキィンッ!!

 

攻撃を弾き、その隙に大きく距離を取る。

双剣を収め、構える。

 

 

「誇れ、お前はこれを振るうに値する。」

 

奥義というやつですかねぇ?

出し惜しみは見苦しいですよ?

 

「ふっ...これを受けて尚、その大口が叩けるのなら我が道場の看板をくれてやろう。」

 

 

「行くぞ。」

 

 

 

 

 

 

『千早ふる』

 

 

 

 

風鳴が、聞こえる

 

 

 

 




戦闘描写が本当にむずかった...

今回登場した師範の強さに関しては、
彦卿より少し上くらいをイメージしてます。

必殺技は黄泉の涙雨リスペクトです。
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