スタレ世界に転生!?アラスターなりきり人生満喫します   作:黒しゃぶ曜日

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思ったより二相楽園で仙舟の掘り下げがありそうなので、
様子見しながらゆっくり投稿していこうと思います。

まさか不死途さんを絡ませる必要がある可能性が出てくるとは...


【第六話】取り調べなんてそんな野蛮な...ここは穏便に悪魔との契約で...

 

気を失っている間に治療され、十王司に逮捕されてしまった。作中では彦卿と雲璃が街中で戦闘してもお咎めなしだった為、道場内での決闘程度ならセーフなのではないかと楽観的な考察をしたのだが...

致命傷を与えてしまったのは流石に不味かった。

ついテンションが上がって思い切りやってしまった。

 

ここで重い罪を課せられると、次の計画である『そこそこの地位での雲騎軍入隊』が不可能になってしまう。

お咎めなしにまでもっていければ良いが、果たして上手くいくかどうか。

 

 

「さぁ、全て吐いてもらうぞ。」

 

 

いや、悩んでも仕方がない。上手く立ち回ってみせようじゃないか。アラスターらしくやってやろう。この程度の危機、口八丁手八丁で切り抜けてこそのアラスターだ。

取調室。監視カメラ無し。私と眼前にいる判官の二人だけ。

多少の誤魔化しが効く可能性はある。

 

 

「お前は被害者の経営する道場に押し入り、殺害し財産を奪おうとした!そうだな?」

 

 

おっと。この判官、そういうタイプか?

 

 

と、言いますと?

 

「とぼけるな!あそこには貴重な武具が複数保管されているからな!それが動機に違いない!」

 

 

誇らし気に名探偵三月のような宣言をしているところ申し訳ないが、今この場で初めて知った。

そしてこういうろくでもない政治家や判事キャラは作中では全く描写がなかったが、実在していたらしい。

あちらは私の罪状をでっち上げ、自身の功績を増やしたいタイプ。

大変有り難い。出し抜こうと時間を掛けさせる様な真似をしても心が痛まないのだから。

 

そしてこちらにはヴォックスがいる。

他人の記憶を盗み見ることのできる彼が。

 

 

動機ぃ~?ふっ、HAHAHAHAHA!!

 

「何がおかしい!」

 

私の目に、余りにも貴方が滑稽に映るもので。

 

「なんだとぉ!」

 

貴方に張り付いたその仮面の下...

どんな無様な顔をしているのでしょうねぇ?

 

「貴様ぁ...!」

 

 

まずは奴に揺さぶりを掛ける。

錯覚程度でもいい、こちらが手綱を握っているかの様に思わせる。

付け入る隙を生み出してしまえば...

 

 

ヴォックス、お願いします。

 

『人使いが荒いなぁ..』

 

貴方が適任ですので。

 

『へいへい。』

 

 

判官に入り込んで行ったヴォックスを確認し、次の手を打つ。これも作中で語られていたことだが、歳陽の存在はほとんど認知されていない。景元将軍も実在していることを知らなかった事を踏まえると、功績を重視しているこの判官も知らないだろう。

 

つまり、このカマかけは通る。

 

 

私は貴方のことを、

思ったよりも知っているつもりですよ?

 

「はぁ?突然何をふざけたことを。」

 

例えば、実は忘れっぽいおマヌケさんだったりとか。

貴方...

 

 

 

昨日の夕食、何を召し上がったのか...

覚えてらっしゃいます?

 

 

 

「...はぁ?突然何を言って...ん?」

 

 

彼は飽く迄もアラスターというキャラクターにカリスマ性を見出し、憧れただけの元一般市民でしかない。当然、他者を害する行為への抵抗感も存在する。相手が真っ当な判官であれば、多少でも罪を軽くするために言い訳する程度で済ませる算段だった。

しかし、眼前の小悪党の重要性の薄い記憶を消し去ることに、微塵も罪悪感を抱くことなどなかった。

 

悪魔は笑う。

 

 

覚えてなどいないでしょう?

 

 

唯、嗤う。

 

 

「き、貴様一体何を...」

 

今日の朝食はどうです?もう覚えていないのでは?

 

「ま、待て。そんな馬鹿な...」

 

 

悪魔とは、不遜に笑うものである。

天におわす神すら嗤うのがALASTORという男だ。

 

 

何か術を仕掛けたのかと言いたげですね。

それを証明する手段は?

 

 

「な、何を...あれ?」

 

 

判官に入り込んだヴォックスは、彼の指示通りに局所的な記憶の抹消に成功。

まず最も厄介な「窮観の陣」(記憶覗き見チート)を使用されないよう、直近の関連する、または想起させる記憶を食べ、思い出しづらい様に細工した後、重要性の低い記憶を消した。

あまり重要な記憶を消すと、後々他の判官に勘付かれてしまう。その為、精々ハッタリとしか言えない程度の抹消しか行えなかったが、揺さぶりと時間稼ぎには充分であった。

 

 

私は貴方のような間抜けな小悪党には詳しいのですよ。

 

「こ、小悪党...?」

 

YES...

 

『見つけたぜぇアラスター...BINGOだ。』

 

 

そして、二手。

 

 

他には...賄賂、横領、脱税、罪状の捏造、隠蔽工作...

 

「な...な...なん...で...」

 

本当にくっだらない男ですねぇ。えぇ?

 

「証拠はあるのかぁ!!貴様ぁ!ハッタリだぁ!!」

 

 

そう、こんなものは唯のハッタリに過ぎない筈であった。記憶を覗き見ることができる歳陽が彼に味方していたことが、ハッタリを強引に押し通した。

 

貴方の自室の...作業机の引き出し...

 

底に書類がありますねぇ。

 

「!!」

 

青褪めましたね?

 

「き、気のせいだ。」

 

成程。直属の部下を介し、

下請けさせ自分に辿り着かないようにしていると...

 

「...」

 

 

男は死人のように顔を白くして黙り込んでしまった。

どれだけ相手を出し抜くことが得意でも、頭の中では動揺し、証拠品など関係するものを記憶から引っ張り出して連想してしまう。

それをヴォックスが読み取りアラスターに伝えるだけの、なんてことはないトリック。

 

しかし、それは唯いつも通り自らより格下である罪人を裁くつもりだった彼を恐怖させるには充分だった。

 

 

おっと、特段私に貴方を貶める理由はありませんので...

 

 

取引...しませんか?

 

「取引だと?」

 

YES!貴方にもメリットがあると保証しましょう!

 

「...」

 

 

偶然にも政治家への足掛かりとなるチャンスに恵まれたのだ。ただ弱みを握り、乱雑に搾り取るだけではいけない。

それこそただ豊穣戦争に備えるだけではない。その後の雲上の五騎士達の騒動への布石としなくてはならない。丁寧に、確実に味方にするべきだ。

 

貴方の不正に関する諸々を漏らさないのは当然として、

更に特別価格で私のスポンサーにして差し上げましょう。

 

「スポンサー?」

 

YES!私のラジオで貴方に関して放送します。

民からの支持を得た判官、実に動きやすい事でしょうねぇ。

更に、貴方のボディーガードも務めましょう!

 

「ボディーガードか...」

 

実力に関してはご存知でしょうし、問題ないかと。

とはいえ、私が貴方の近くにいる時に限定しますがね。

こちらにも都合というものがあるので。

 

「成程。それで対価は?」

 

まず今回の私の扱いですが、

あくまでも真っ当に裁いてください。

 

「無罪放免をお望みじゃあないのか?」

 

 

それでは駄目だ。

他にも頼みたいことはあるし、軽い罪で済めば今後に支障は出ない。

 

ここで強請り過ぎては脅し込みでもこの後の交渉がスムーズに成立しない。

 

 

あまり露骨では十王司に怪しまれるでしょう?

罪状をでっち上げられると流石に困りますがね

つい本気を出してしまった武芸者同士の不祥事として,

正当な審判を望みます。

 

「それで?たったそれだけではないだろう。」

 

賢い人は話が早くて助かりますねぇ。

雲騎軍に伝手がありまね?

私はいずれ軍に所属しようと考えているのですよ。

 

「本当に一体何処でそれを...策士に紹介しておこう。中隊規模程度なら融通が利く。」

 

 

これは予想外の収穫。

神策府策士といえば前世の情報将校、作戦立案等にも関わる重要なポジション。

覗き見た記憶にある賄賂で繋がった相手は想定より大物だったらしい。

 

 

素晴らしい、そちらの方に私を紹介してください。

数百年後にその方の副官になれれば問題ありませんよ。

 

「随分と控えめだな?一体何が目的...」

 

誰が質問をしていいと言った?

 

 

流石に疑念を抱いたようだ。

手綱を握らせる訳にはいかない為、ここで突然態度を豹変させ黙らせてしまおうか。

突然会話相手の怒りが爆発して動揺しない人間などそういない。

 

...さて!契約しますか?

著名はこちらの術札を改造した契約書に。

 

「...これは何だ?」

 

見ての通り契約書ですよ!

まぁ契約を破ればペナルティが発生する代物ですが。

今回の場合、私が破れば貴方が死ぬまで仕えましょう。

貴方が破った場合、私の要求を一度だけ聞いてもらいます。

嗚呼ご安心ください!実行不可能な命令は出しませんよ。

 

「...いいだろう。お前の計画に手を貸してやる。」

 

 

勝った。

 

 

では...

 

 

 

「「契約成立(ディール)!!」」

 

 

 

 


 

 

 

 

 

あれから無事に軽い罰金程度で放免となった私は、あの小物の判官に協力しながら、新たな一手を打つ為、とある星に根を張る大樹を訪れていた。

 

 

「...風変わりな持明族(塵民)め、何をしに来た。」

 

 

皆々様、御機嫌よう!

私は今日、取引をしに遥々仙舟からやってきたのです!

 

 

 

 

造翼者(豊穣の民)の皆様...

 

 

造翼者達の故郷『穹桑』である。

 

 

 

 

 

 

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