夢過ぎ去りし跡の世界で転生者が生き抜くクトゥルフ神話 作:カーキtrpg
Q.主人公の性格、キチガ……酷くない?
A.わざわざ危険とわかりきっているクトゥルフ神話世界への転生を望んでする奴ですよ? そもそもの性根も、キャラシに「性格が悪い」と書くぐらいにはアレです。
Q.なんで主人公の名前、貞久を「ひさひで」ってしたの? 「さだひさ」じゃないのか?
A.語らねばなるまい……、貞久を「ひさひで」とした秘密を……。(以下、くだらない言い訳が続いたのでシカトされた)
Q.主人公以外のキャラの性格もなんかくせというか、酷くしすぎじゃない? とくにマイヤーのこの話での行動が酷くない? 会社の金を盗むって酷すぎでは?
A.性格に影響しそうな不利な特徴をもっているからです。マイヤーに限らず不利な特徴で性格に影響しそうなものは思いっきり悪い方に振り切れます。逆もありえますが。
というか、そういうふうにキャラの性格を酷くしないなら不利な特徴でCPの取り得になっちゃうからね。
――リベール王国 王都イースリー某下町 英知の箱――
英知の箱の朝は早い。
……いや、正確には「ある一人のバカ」の朝だけが異常に早いのだ。
マイヤー マイヤー。
方具のためなら自分の資産どころか血社の運営資金にまで平然と手を付け、帳簿に致命的な大穴をあけるバカだ。
そんな方具バカがフィリからあの禁呪方具を預かってからというもの、睡眠時間すらも削って工房にかじりつくようになった。
もはやここ数日、拠点に併設された方具工房から一歩も出てこない引きこもり状態である。
(ちなみに、元々は「英知の箱」に方具工房なんてなかったのだがマイヤーが血社の資金を横領して勝手に建てた。もちろんヒューズは激怒した)
俺にはマイヤーの方具趣味は理解できない、正確に言えば1ミリも興味がない。
だが、ついに徹夜三日目に突入して目が完全にイキかけていたマイヤーに対し、業を煮やしたヒューズが《誘眠》の呪文を叩き込んで物理的に強制終了させた行動は理解できた。
……しかし。
その直後、なぜか俺にまで特大のとばっちりが飛んできたことだけはどう考えても納得いかない。
「聞いてるんですか貞久くん! 社長といい君といい、どうして私が血社を少し離れた隙にこうも立て続けに面倒ごとを引っ張ってくるのですか!!」
埃っぽい事務所に、ヒューズのヒステリックな怒鳴り声が木霊する。
俺は机に頬杖をつき、耳を塞ぎたいのを必死に堪えながら彼女を見上げた。
「俺に言うなよ。禁呪方具を嬉々として受け取ったのはマイヤーだぞ」
「私、貞久くんには社長の暴走を止めるように頼んでいましたよね?! なんで社長のことを止めなかったのよ!! 禁呪方具を流通させている犯罪者の目を引き付けるおとりだなんて、そんなの血社のすることじゃないでしょう!!」
ヒューズは手元の書類をバサバサと激しく振り回しながら、眼鏡の奥の目をガチで血走らせている。
今にもこめかみの血管がはち切れそうだ。
「フィリは『方具を預かっておいてほしい』と言ってただけだったぞ?」
「貞久くん、自分でも信じていないことを口にするんじゃありません! 実質的におとりになれって言われたような物でしょう! 第一、社長が方具を受け取ったその日すぐに君は襲われたのでしょう!!」
正論だ。
ぐうの音も出ないほどに正論。
ヒューズの言う通り、実際数日前の夜にはさっそく裏のネズミがナイフ片手に釣れてしまったわけだし、フィリの思惑通りに事態は転がっている。
だが、夜通しのつまらない作業(主に連日やってくるチンピラをボコってそのあとの事後処理)でこっちだって疲れているのだ。
これ以上、朝からスピーカー並みの大声量で吠えられるのは勘弁してほしい。
「ヒューズ。ぶっちゃけうるさいからもうやめてくれ。俺の鼓膜を破りたいのか? それに、もうすぎたことだろ?」
俺がやれやれと肩をすくめて強引に話を終わらせようとした、その瞬間。
ピキリ、と事務所の空気が一瞬で凍りついた。
ヒューズの肩が微かに、しかし確実に怒りで震え始める。
ずり落ちた眼鏡を中指でゆっくりと押し上げ、彼女は般若も裸足で逃げ出すような暗黒の笑顔を顔面に張り付かせた。
「ひ~さ~ひ~で~く~ん~?」
地を這うような怨嗟の声が事務所に響く。
……ああ、これはダメなやつだな。
「災難でしたねぇ、貞久殿。ですが、アシュダンテ殿も貴方の身を案じての物言いだと思いますから、あまり邪険にしては駄目ですよ?」
ヒューズの説教という名の精神攻撃がようやく落ち着いた頃。
事務所の隅でその様子を眺めていたエミリーが、軽快な足取りで俺の机に歩み寄ってきた。
「別に、俺はヒューズを邪険にした覚えはないぞ」
「ええ~。じゃあ最後のは素で言ってたんですか?」
「……俺がなにか言ったか?」
本当に心当たりがないので首を傾げると、エミリーは呆れたように大袈裟に肩をすくめて見せた。
「ほらっ、『俺の鼓膜を破りたいのか?』って言ったところですよ。あの怒り狂うアシュダンテ殿を前にしてあの台詞は、私はてっきり挑発なのかと……」
「それか。それはまあ……俺の会話の引き出しなんて、天気の話以外には碌なのがないんだよ」
「つまりアシュダンテ殿に言ったのは実質的な挑発だったと認めるんですね?」
じとっとした目でエミリーは俺の顔を覗き込んでくる。
しかしこいつ、俺が気づいていないと思ってるのか?
俺がヒューズをあしらってるとき、お前があいつを鼻で笑って冷ややかに一瞥していたのをしっかり見ていたぞ。
「お前には関係の無いことだとは思わないのか? なあ、スミス騎兵旗手殿?」
「うぅ~、貞久殿は意地悪です! 私はこれでも、貴方と早く仲良くなりたいと思っているんですけど? 貴方の命令で動くように私は言われてきたのです、お互いの理解を深めることは必要ではないでしょうか?」
「あっそう。まあ、頑張れば?」
「何ですかその塩対応は、いくら何でも酷いであります!」
心外だと言わんばかりに、エミリーは両手を胸の前で組み大袈裟に頬をぷくーっと膨らませた。
……あざとい。
あきらかに自分の可愛さを自覚した上での計算したソレだ。
俺にとってはただ面倒なだけなのだが、世の大半の男はこういう分かりやすい仕草が好きなのだろうか。
……まあ、好きなんだろうな。
「大体、その『スミス騎兵旗手殿』って呼び方! 他人行儀すぎて寂しいです! 私を呼ぶときは親しみを込めてエミリーと言ってください!」
「さて、今日の仕事はなにかなと……」
「貞久殿ぉ〜〜〜っ?!」
流石にこれ以上は付き合ってられない。
俺は流れるような動作で視界からエミリーの存在をシャットアウトした。
目の前で「話を聞いてくださいー!」とジタバタし始めたエミリーを完全に背景として処理しながら、俺はそっと深いため息を飲み込んだ。
「貞久くん。随分と楽しそうね。さっきまで私に向けられていた、しかめっ面とは大違いじゃない」
エミリーとの不毛なやり取りに対して一方的に幕を引いた俺を見て、ヒューズが眼鏡を指先で直しながら皮肉交じりの声をかけてきた。
どうやら、さっきまでの説教で彼女の怒りも少しは発散されたらしい。
あの般若のような威圧感は鳴りを潜めている。
「俺の機嫌を悪くしていた自覚があるなら口うるさくしないで黙っててくれよ、ヒューズ」
「もうっ! 君はすぐそうやって、悪びれもせずに憎まれ口を叩くんですから。そもそも、私をこんなに口うるさくさせている原因が誰にあると思っているの?」
ヒューズは呆れたように肩をすくめ、手元の帳簿に視線を戻した。
言葉にはトゲがあるが、その口元には微かな諦めと苦笑が混じっている。
「わかった、わかったからこれ以上は勘弁してくれ。俺が悪かったよ」
これ以上は燃料を投下するだけだと判断した俺は両手を軽く挙げて降伏のポーズを取る。
流石にヒューズの説教を日に二度も食らいたくはない。
「私は?! 私に対して言うことはないのですか貞久殿?! 貴方の心ない言葉と態度で、今まさに深く傷ついた可憐な乙女がここにいますよ!」
さっきまで背景と同化させていたはずの金髪が、いきなり俺の机をバンバンと叩いて抗議してきた。
今度は涙目をウルウルさせながら大袈裟に胸に手を当てている。
悲劇のヒロインの熱演、ときたか。
演技力だけは一丁前だな、こいつ。
そんなに表現力が豊かなら、今すぐ軍人を辞めて劇団員にでも転向すればいい。
心底うんざりしながら、俺はアゴで事務所の出口を指し示した。
「おう、お帰りはあちらの扉だぜ。ペッ!」
「酷い!! いま口で『ペッ』って言いましたよね?! 女の子をゴミみたいに追い出そうとしないでください!」
「……はぁ、少しは真面目に行儀よくできないのかしら貞久くん。スミスさんも彼に対してそんなベタベタしないでください、はしたないわ。そんなことをしてもひねくれものの貞久くんはますます頑なな態度になってしまうだけよ」
ヒューズが眉間を指先で押さえ、これ以上ないってくらいに疲れ切った声で俺たちを諭しにかかってきた。
だが、どうやらうちの優秀な会計担当はなにか重大な勘違いをしているようだな。
俺は至って真面目だ。
真面目に、1秒でも早くエミリーをここから追い出したいと思っている。
ただそれだけの純粋な願いのどこが不真面目だと言うのか。
「ヒューズ。俺はこれでも、精神誠意最大限に行儀良く接しているつもりだぞ」
「アシュダンテ殿。本官は貞久殿に対して、護衛として適切な距離感を保っている心積です。まるで自分がふしだらな女であるかのように言われるのは非常に心外であります」
「あなた達ねぇ……」
ヒューズはもう、俺たちに言葉を返す気力すら残っていないらしかった。
がっくりと肩を落として今にも机に崩れ落ちそうな様子だ。
「はぁ、もういいわ。それだけ減らず口を叩ける余裕があるなら大人しく依頼にでも行ってちょうだい」
「依頼? 神機局にはしばらく行かないようにフィリから言われてるからどうしようもないぞ」
「違うわよ。今回は神機局を通した依頼じゃなくて、ロディさんから直接依頼があったの。だから今すぐ彼の店に行ってきてほしいのよ」
「ロディの爺さんがうちに? 何の依頼で?」
「それを聞きに行ってほしいから頼んでいるの。社長は今日は目を覚まさないでしょうし、私は溜まりに溜まった事務仕事を片付けなきゃいけないから手が離せないの。幸い、貞久くんは今、文字通り手持ち無沙汰でしょう?」
皮肉たっぷりに言われ、俺は自分の両手をひらひらと動かしてみせた。
確かに暇なのは事実だ、給料分の仕事もしないといけないしな。
だが、わざわざ退屈そうな用事のために腰を上げるのは正直言って億劫だな。
「ただ……そうね。昨日の今日ですものね」
ヒューズが不意にカリカリと動かしていたペンを止め、眉をひそめて俺の顔を覗き込んできた。
「今の状況で君を一人で行かせたらまた襲撃されかねないわ。そうね、ラングくんに連絡して魔導学院から抜け出して同行してもらえないか聞いてみましょうか」
「無駄だ。ラングの奴、期末のテストをしくじったらしい。いよいよ留年が見えてきたって昨日泣きべそかきながら魔電話をよこしてきたぞ。今頃は死に物狂いで課題の山と格闘してるはずだ。来れるわけねえだろ」
「嘘っ、ラングくんったらそんな崖っぷちの状況だったの? ……もう、あれほど赤点だけは避けるようにと言っておいたのに。それじゃあ、流石に連れ出すわけにはいかないわね。でも、困ったわね、どうするべきかしら。いくら貞久くんが強くても一人で外を歩かせるのは危険すぎるわ」
崖っぷちどころか実質片足が棺桶に入っているラングの悲惨な現状を知り、ヒューズは頭を抱えてぶつぶつと本気で悩み始めた。
連日襲撃されまくりの俺を一人にするのが不安なのは分かるが、そこまで過保護にならなくても、というのが本音だ。
俺にとってはあの程度のチンピラがいくら来たところでどうということもないのだが。
まあ、雑魚の相手がめんどくさいことには変わりないが……と思っていると、それまで背後で静かに気配を消していたエミリーが床を蹴って一歩前に進み出た。
「アシュダンテ殿。そういうことでしたら本官が貞久殿について護衛いたします。本官は護衛のために派遣されたのでありますから。わざわざ貴女が心配することではないです」
「……そうね、頼みますスミスさん」
頼むと口では言っているものの、ヒューズの顔は「できることならお断りしたい」とでも言いたげなほど露骨に嫌悪感で歪んでいた。
対するエミリーは、その嫌そうな視線を正面から受け止めながらなぜかドヤ顔で勝ち誇っている。
俺に対して少しは行儀よくしろとか、口調を何とかしろとか言ってきた連中がこうも大人気もないさまを見せているのを見ると、少しは仲良くする努力とか協調性とか、そういう概念をこの二人の頭に叩き込んでやりたい衝動に駆られる。
いやまあ、俺も人のことは言えないんだが。
「では、行きましょうか貞久殿。私、これでも結構強いんですよ」
「……そういうとこなんだろうな」
「はい? 何ですか?」
「いや、何も?」
「えぇー、気になるじゃないですか。教えてくださいよ」
教えるわけがないだろ。
いくら俺でも『お前がそのあざとい猫かぶりを少しでもヒューズに向けていれば、もっとマシな関係になれたんじゃないか』なんて本音をぶちまけたら、面倒くさいどころじゃ済まない大惨事になることくらいは容易に想像がつく。
俺はエミリーの追及を黙殺し、さっさとロディの店へ向かうべく歩き出した。
――リベール王国 王都イースリー某下町 ロディ魔法具店――
王都の下町にひっそりと店を構えるロディ魔法具店。
その古びた木製の扉の前に立ち、俺はノックの代わりに金属製の取っ手を雑にガチャガチャと鳴らした。
「よーう爺さん、『英知の箱』の佐伯田だ。開けてくれ」
すぐに奥から「今開けるよ」と、聞き慣れた掠れた声が返ってくる。
鍵が外されるわずかな時間を待つ間、俺はすぐ後ろでそわそわと周囲を警戒している金髪の頭を一瞥した。
「お前はここで待っててくれ」
「えっ、貞久殿? ……いえ、わかりました。私はここで待機します、移動の際はお知らせください」
「どうしてですかー!」と駄々をこねるかと思っていたが、エミリーは一瞬だけ意外そうに目を丸くした後、殊勝に頷いて一歩下がった。
……なるほど。
いくら普段はあざとく猫をかぶって調子のいいお気楽な女演じていようが、根は上位下達の軍人ということか。
こういう現場での立ち回りにおいて、下手に我を出して足並みを乱すような真似をする気は無いのか。
少しは、こいつのことを見直してやってもいいか――なんてな。
口にしたらすぐ調子に乗るだろうから、絶対に言わないが。
ガチャリと小気味よい音を立てて扉が開くと、白髪混じり――というには頭皮の露出が多すぎる店主、ロディの爺さんが顔を覗かせた。
「待たせたね、佐伯田君。……おや、彼女は?」
爺さんの視線が俺の背後、少し離れた路地の陰に直立不動の姿勢をとっているエミリーを見て怪訝そうに眉をひそめた。
「気にしないでくれ、入っていいか?」
「はは、呼び立てたのは私の方だからね。もちろん入っておくれ」
爺さんは苦笑しながら身を翻し、俺を店の中へと招き入れた。
薄暗い店内は、カビとマガの残滓が混ざった特有の匂いが立ち込めていた。
雑多な日用品に交じって、年代物の怪しげな方具が棚に並ぶ。
いかにも下町のしけた魔法具店といった佇まいだ。
爺さんは奥から持ってきた木箱を椅子の代わりに勧めながら目尻のシワを深くした。
「いやぁ、わざわざ足を運んでもらってすまないね。どうしてもマイヤー君たちの所で仕事をしてもらいたくてね」
「気にすることはねえよ。マイヤー達もこれで赤字の帳簿を眺めないですんで泣いて喜んでるさ」
俺の投げやりな答えに、爺さんはホッとしたように微笑んだ。
実際、あの胃腸の弱い会計担当が今頃胃をさすりながら溜まった書類を処理しているのを考えれば、一件でも依頼を獲得して1マギスでも多く持ち帰ることは「英知の箱」の存続において絶対の正義だ。
「そう言ってくれるか、嬉しいよ」
だが、すぐにその表情にわずかな疑問の影が混じる。
爺さんは店の外――エミリーが待機しているだろう扉の方をチラリと盗み見ると、声を潜めて聞いてきた。
「……それで、聞いていいかわからないんだけど。君が連れてきた彼女はいったい……? 彼女が着ているのは王国軍の士官服だけど、なぜ軍人が君について来たのかわからないんだが」
さすがに、あの無駄に仕立ての良い制服を隠しもせずに下町を歩いていれば一発で王国軍人だと見抜かれるか。
神機局の隠密おとり作戦というわりには、色々とザルすぎるだろあいつら。
だが、「神機局局長が俺達をおとりにするために送り込んできたお目付け役兼護衛です」と正直に説明するのも面倒極まりない。
「あれはほっといてくれ、店の中にまでは入れなかったろ?」
「べつに店の中まで連れてきても構わなかったよ。まあ、君がそう言うんならいいんだけどね」
爺さんは困ったように肩をすくめると、からかうような、あるいは本当に心配するようななんとも言えない優しい苦笑を浮かべてみせた。
「……だが、彼女さんにあまり意地悪してはいけないよ?」
「だ~れが彼女だって? 冗談きついぜ」
俺は心底嫌そうな顔を隠そうともせず、吐き捨てるように返した。
腹に一物どころか百物くらい抱えてそうなあいつが恋人なんて、想像するだけで胃に穴が空きそうだ。
そもそも、あいつだって13のクソガキを相手にする趣味なんてないだろうに。
「そんなことより早く依頼について教えてくれよ。爺さん」
これ以上、不毛な勘違いで時間を浪費したくない。
俺は話を強引に本題へと引き戻すべく、爺さんの机を軽く叩いた。
いつもみたいな雑用仕事ではなく少しは面白そうな仕事だといいんだが、願うだけ無駄だろうなぁ。
胎児摘出(Remove Fetus)
通常呪文/抵抗呪文_母親の生命力
妊娠中の母親に対して唱える呪文。魔術師は母親の腹部をすり抜け、子宮内にある胎児を安全に切り離すことができます。
胎児が生存可能な月齢に達している場合(または即座に培養槽や保育器に移送できる場合)、この呪文は帝王切開に代わる痛みのない有効な手段となります。
そうでない場合は、人工妊娠中絶の手段となります。
エネルギー消費:3
詠唱時間:3秒
前提条件:《安産》(Ease Labor)、および《小治癒》または《念動》のいずれか。
疾病感知(Sense Disease)
情報呪文/範囲呪文
呪文の詠唱者に対して、対象エリア内に病気の症状を引き起こす可能性のある物質や生物が存在するかどうかを教えます。
これには、伝染性の細菌やウイルス、寄生虫、発がん性物質、アレルゲン、汚れた空気、病魔(病気の精霊)、あるいは敵対的なナノマシンなどが含まれます。
詠唱者は、特定の種類の病原体を指定して探すことも、特定の症状を引き起こすものを指定して探すこともできます。
基本エネルギー消費:1/3(最低1)
前提条件:《生命感知》、または治癒系呪文いずれか2つ。
ナノ感知(Sense Nano)
情報呪文/範囲呪文
対象エリア内にナノマシンが存在するかどうかを詠唱者に教え、それがどのような種類のものかという大まかな印象を与えます。
また、詠唱者は特定の種類のナノマシンを指定して探すことも、自分が知っている特定のブランド名を指定して探すこともできます。
基本エネルギー消費: 1
前提条件:《疾病感知》(Sense Disease)かつ知力15以上、または《機械探知/TL》かつ《拡大視覚》。