【2年生編開始】新入生のみなさん!よう実ラジオのお時間です!   作:やさかみ

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ここから始まる主人公


第一話

 自分、佐原 嶺二は転生者である。

 自分が転生者であることを自覚したのは15歳の春。高校に向かうバスにてうたた寝をしていた時だ。眠気とともに、前世の記憶と言えるなにかが脳内を埋め尽くし、自分の脳内メモリーを圧迫した。

 そして、追加される前世の記憶分、脳内のメモリが強引に拡張されることによる頭痛を感じていた中気づいたのである、この世界は前世のライトノベル、ようこそ実力至上主義の教室へ、という作品であると。それを知った時、自分はこの世界がライトノベルだったのかという衝撃を感じていた。そして、それと同時にいま自分が人間不信&犯罪者予備軍製造学園に向かっているということを知ったのだ。

 

 その時の内心は退学してやる、この心一つになっていた。しかし、そうともいかないことも自覚していた。

 なぜ、そうともいかないのか。それは、退学なんかしたら親が悲しむからである。親を悲しませるなんて普通にいけないことなのだ。なので、本当に辛くなったりしない限りは退学はしない。

 

 脳内の処理を終える頃にはバスについたようなので人の流れに従い降りたのだが、原作知識有り転生者eyeによってその瞬間に大量の監視カメラと隠しカメラが目に入ってきた。そのあまりの多さに絶句する、悪い意味で。そんなに監視する必要があるのかと、そんなに監視する癖に仕掛けないところ作ってるのイジメを誘発したいだけだろと色んな意味でこの学校がおかしいということを実感する。

 

 そして、なんやかんやのクラス表。BクラスかAクラスに入ってれば良いなぁと思いつつ見てみるも、結果はDクラス。裏ボス系主人公こと綾小路清隆や会長の妹、堀北鈴音、普通にすごい高円寺など、優秀な生徒も所属する一方、歴代でも最低最悪の不良品集団である。なお、バスの中には櫛田がいたので年代は主人公たちと同じことは確定している。つまり、自分は学校史上初のクラスポイント0点クラスなのだ。

 

 なぜ、自分はこんな学校に来てしまったのか。過去の自分の記憶、今世の記憶を振り返る。今世の自分はあまり特筆することのない少年、どちらかで言えば陰キャで目立たない存在。目立たなすぎて逆に目立つとかでもない没個性の男の子といった感じ、つまりモブだ。写真のうちカメラで顔を見たが、まぁ悪くはない。中の上、二次元での基準なので全然ならば上にいくかもしれない。

 

 

 

 

 そして、教室にて教壇に立つのはAクラスへの執着がヤバい上に、教師とは思えない発言も平然とかまし、主人公綾小路清隆を脅し、機械化を押し進めた元凶の一つなのではないかと推測される存在。

 

「新入生諸君、私はDクラスを担当することとなった茶柱佐枝だ。普段は日本史を担当している。この学校では年度ごとのクラス替えがないため、卒業までの三年間は私が担任を務めることになる。よろしく」

 

 そう、谷間開け放し先生こと茶柱佐枝だ。

 

「今から配る学生証カード。これを使い、敷地内のすべての施設を利用したり売店で購入できたりするようになっている。クレジットカードのようなものだ。ただし、ポイントを消費するので注意が必要だ。学校の敷地内にあるものならなんでも購入可能だ。それから、ポイントは毎月1日に自動的に振り込まれることになっている。全員、既に10万ポイントが支給されているはずだ。なお、1ポイントにつき1円の価値がある。それ以上の説明は不要だろう」

 

 周囲の生徒たちは困惑している様子。当然だろう、高校生が急に十万も支給されればそうなる。一部の警戒心がない奴以外は疑いの目を持つだろう。その一部がこのクラスの何割なのかは考えたくないが。

 

「ポイントの支給額が多い事に驚いたか?この学校は実力で生徒を測る。入学を果たしたお前達には、それだけの価値と可能性がある。その事に対する評価みたいなものだ。遠慮することなく使え。ただし、このポイントは卒業後には全て学校側が回収する。現金化したりなんてことは出来ないから、ポイントを貯めても得は無いぞ。ポイントをどう使おうがお前達の自由だ、好きに使ってくれ。仮に、ポイントを使う必要がないと思った者は誰かに譲渡しても構わない。だが、無理矢理カツアゲをするような真似だけはするなよ? 学校はいじめ問題にだけは敏感だからな」

 

 学校はいじめ問題にだけは敏感、確かに普通の高校に比べ、いじめ問題が発覚すればわざわざ生徒会とかを読んで裁判を起こすので敏感とも言える。ただし、そもそもいじめを意図的に引き起こそうとする学校の構造なのでマッチポンプのようなもの。

 

「質問はないようだな。」

 

 茶柱先生はそう言って教室を出ていく。その後は顔面偏差値上に余裕で位置する、つまりはイケメンの男による平田洋介の自己紹介から始まり、クラスの皆が自己紹介をすることとなった。

 そして、須藤が退出したりとしながらやがて自分へと順番が回ってくる。

 

「佐原 嶺二です。趣味は読書やゲームで、よろしくお願いします」

 

 そんな感じのつまらない自己紹介も終え、日が進む。

 

 

 

 

 2日目で授業を真面目に受けてる生徒は半分を下回る。なんということだろうか。これは不良品の集まりと言われるわと実感を持ってしまう。

 バスが一緒であり、自己紹介が地味だった同士として綾小路といくつか会話を交わし、とりあえず連絡先を交換する。主人公の好感度は上げておいて損はない。原作が進んで機械化綾小路になれば無駄かもしれないが。もっとも、根本は序盤綾小路も機械化綾小路も変わらないのかもしれないが。

 

 自分はこの学校をどのように過ごすかと思考する。

 一つ目、なにもせずにDクラスのモブとして迷惑もかけず功績も残さないでいる。つまりは原作改変を全く行わないという過ごし方。これの利点は特に自分が特別な何かをする必要がないということ。

 二つ目、原作知識のある者がよくやる、5月以前にSシステムについて言及しクラスポイント減少を防ぐということ。

 三つ目に、Dクラスのリーダーとなり引っ張っていく。はい論外。なんていう罰ゲーム?

 四つ目は普通に好きに過ごす。原作のことを思考に入れずに好きにやる。

 

 まずは一つ目の選択肢原作通りにいく。これはNG。なんの面白みもない。面白みが必要なわけではないが、だとしても何かしらは欲しい。あと、完全な欲望だが推しとかと関わりたいのだ。

 二つ目、これはそこそこ良いプラン。Aクラスを目指すわけではないけど、単純に自由なお金が増えるのはいいよね。

 三つ目論外。

 四つ目。せっかく知識あるんだしなんかしたい。

 

 ということで自分は二つ目を押す。そして、その手段を思考する。自分でSシステムに気づいたと主張し、クラスの素行を整える。これはない。櫛田や平田のように周囲を引っ張っていく力もないのに、自分が話したところでその言葉は信用されないだろう。授業も聞かないDクラスの生徒だぞ?あと、もう一つ理由がある。仮に信用されたとしよう、おそらくその場合はクラスの中心人物の1人になってしまう可能性がそこそこにあるのだ。つまり三つ目罰ゲームルートまっしぐらだ。

 故に、自分で言うのはなし。平田あたりの机に匿名で手紙を投函して代弁してもらうというのもよいだろうか。しかし、平田の発言力は男子には弱い。櫛田の机にも投函し、2人で主張して貰えばいけるかもしれないが、授業中に私語を注意してもその優しさからその私語に混ざってしまうような彼らだ。たとえプライベートポイントが減るかもしれないと本人たちが謎の匿名からの発言で言っても、Dクラスの生徒を従えさせることは難しいだろう。そもそも2人に手紙を信用してもらえるか。

 ならばどうするのが正解か。そうして悩んでればあることが頭に浮かんだ。放送という形なら、流石のDクラスでも信用するだろうと。




実際、放送でわかりやすく伝えるのと一個人が言うのとではどっちの方が効果あるんやろうねぇ。

おまけではどのルートが好き?

  • Cクラス
  • Bクラス
  • Aクラス
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