【2年生編開始】新入生のみなさん!よう実ラジオのお時間です! 作:やさかみ
冬は夕方になるの早いなぁと思いながらも放課後に意味もなく外をぶらつく。
しかし、ぶらつく最中に坂柳一派に見つかりなぜか同行させられる。そろそろこいつも野生扱いしてやろうか。
そう考えていれば坂柳は一派を少し遠くに歩かせた。何が目的かと思い坂柳を見る。
「そんな警戒なさらなくてもよいのですよ?」
「いや、流石に無理でしょ。有無を言わさずついてこいとか言われたら」
「おや、私は強制なんてしていませんが」
「一派連れてついてきてくれないかは強制では?」
「それはあなたの勘違いではないでしょうか、私は平和にお話でもしようと思っただけですよ?」
坂柳のいう平和は彼女にとっての平和であり、自分にとっての平和ではない。当然である。
「ひとつききたいことがあるのですよ。」
「清隆のこと?」
「えぇ、綾小路くんのことです。彼には秘密ですが、私は彼のことを幼馴染のように感じているのです。」
「へぇ」
「仮に、あなたが長年再会を望み、初めてのお友達になってあげたかった人肌の温もりを知らない人を見つけたとしましょう。その人が既に他に親しい相手ができていたとしたら、あなたはどうします?」
「その親しい相手と一緒に仲良くす」
「私はまずそんな人には離れてもらいたいと思うのです。そして、私で上書きしてあげたいと思うのです。」
「……」
こいつ、遠回しに自分に清隆と絶交しろって言ってるだろ。嫌なんだが。
「坂柳さんって独占欲強いんだね」
「いえ、それは違いますね。彼と、対等になれるのは彼のことを知っている私だけということです。それ以外は異物というだけ。」
「あー……もしかしなくても自分は異物だから清隆から離れろと?」
「流石は佐原くんです。これだけ言ってようやくわかってくれましたか。それで、返答の程は?」
「拒否」
「なるほど」
はっきり言おう。自分は坂柳という少女を恐れている。その知能その策略、どれをとっても自分に勝ち目はない。暴力に走ればその限りではないが、そんな番外の手段を取る気はない。
だが、所詮その程度である。恐れてはいるが、自分自身が曲げるべきではないと思う一線をねじ曲げられるほどのパワーは彼女にはない。
仮に退学させられようと、他者の意見で自分から友情を切り捨てるようなことをすることはしない。
「あなたは知らないかもしれませんが、彼には複雑な過去があります。私はそれを知っていますので彼に対して対等に接せられるでしょう。そこに、彼と対等に接することのできない異物は必要だと思いますか?」
「必要だと思うよ?だって、その異物がいなければ彼は誕生日パーティもやってなかっただろうし、夜のプールで服を着たまま互いに沈めあったりする青春イベントもこなしていない。」
「ふむ、それは煽りと捉えてよろしいのでしょうか」
「なにが?ただ、その異物が清隆とやったことについて述べてるだけだよ?」
「ふふ、なるほどなるほど。あなたは愉快な方なのですね。今後を楽しみにしています」
坂柳の霊圧が強まった気がする。完全に嫉妬である。逆恨みである。こちらが被害者である。
あと、今後を楽しみにしていますとはどういうことだろうか。帆波さんへの誹謗中傷イベントにでもなにかするのだろうか。
もし、清隆のついでに自分のことを監視してるなら帆波さんと関係があること知られてそうだし。
「さて、そろそろ現場に着く頃合いでしょう。話していたので少々遅くなってしまいましたが」
「現場?」
「えぇ、きっと面白いものがみられますよ?」
坂柳の面白いことは=厄介事なのでうんざりする。自分は坂柳とともにちんたら歩いて巻き込まれることを嫌い、先に行って良いかと聞く。坂柳はお急ぎさんですねとくすくすと笑いながら許可を出した。
許可を出してもらってる時点で上下関係は確立してしまっている気がする。
少し駆け足でいるた高円寺にダル絡みしている様子の龍園を見かけた。おそらくは、Dクラスの黒幕を高円寺と疑ったように見せかけ、その様子を見にきた奴の中に黒幕がいると予測した龍園が行ったイベントだろう。
自分はその隣を通り過ぎ、そのまま知らんふりして行こうとすれば堀北さんになんであなたがここにいるのと呼び止められ傍観者に混ぜ込まれる。
なんか伊吹から敵を見る目で見られている。いやまぁクラス違うし敵同士と言えるけど、なんかそれだけじゃない気がする。
龍園が高円寺を自分と異なるイカれた存在と認定した頃に自分に遅れて坂柳一派がやってくる。
龍園が高円寺にDクラスの黒幕は付いてきたこの連中、そして今この場にした佐原の中にいるのか?と聞いていた。なんか自分単独で認識されてる。
いやまぁ目をつけられている気はしていた、状況的に干支試験の羊チーム優待者を指定したのDクラスだし、羊チームの3人のうち1人ということくらいは覚えられているだろう。
坂柳がどこで知ったかドラゴンボーイと言っている。今回坂柳は遅れてきたはずなので高円寺の呼び方は聞いてないはず。どこで知ったのだろうか。
自分はなんとなく体を探ると小型盗聴器が見つかる。坂柳の野郎。
そして、2回のドラゴンボーイ発言にキレた龍園が蹴った、ように見えたが実際は橋本が一人で転んだということになり坂柳は去っていった。あいつなんなんだ。
自分も高円寺、坂柳に続いて自然に去ろうかと龍園直々に呼び止められる。
「おい佐原、逃げんじゃねぇよ。俺はお前のこと結構疑ってるんだぜ?」
「なぜに?」
「惚けんじゃねぇよ。羊チームの優待者を指定したのはお前だろ?日村から聞いたぜ?討論始めて初っ端から自分が優待者と名乗り出てたってな。おおかた、最初に派手に動いて相手の反応でも探ってたんじゃねぇのか?」
「正解だね。でも、僕は普通に人狼ゲーム楽しんでただけだし、=黒幕にはならないんじゃないかな」
やっぱり目をつけられていた。流石に、簡単に推測されるような情報を残ている自分=黒幕とは思われていないだろうが、だとしても警戒対象にはされているのだろう。
「はっ、そりゃそうだ。だが、お前が優待者を指定したタイミングについても俺は気になるんだよ、お前、よう実ラジオで法則が言われてから、その法則から外して指定しただろ?俺はそれが不思議でなんねぇ」
「あの法則、自分のクラスで考えてみたら外れてたんだよね。だからあれはよう実ラジオが虎視眈々と狙っていた罠って判断して、ゲームが終わるくらいならと半分確信してた日村くんを指定したんだ」
もしかしてよう実ラジオの犯人も自分だと考えたりしてないだろうか。自分はAクラスを疑ってくれないかなと考えていたのだが。まぁ、龍園なら疑いを持った時点で直接坂柳に問い詰めて白黒はっきりさせてそうだが。
「なるほどな。だが、まだ疑惑はあるんだぜ?お前」
「龍園く」
「堀北は黙ってな。佐原、お前、ボロボロになった伊吹をほっぽったんだろ?スパイだって見抜いてたんじゃねぇのか?あと、軽井沢のパンツを伊吹のカバンに入れたんだってな?」
その言葉に堀北や須藤、啓誠、そして自分がしたことを知っている清隆までもがこちらをみてくる。さて、どう答えたものか。まさかそのことを今ここで言われるとは思っていなかった。
「ちょっと佐原くん、どういうことっ」
「あー、伊吹さんのことほっぽったのはそもそも本人に関わるな気持ち悪いって言われたからで。パンツに関しては夜中に自分のカバンにパンツ入れてきてね?変態だと思って面倒な事態になるの嫌って伊吹さんのカバンに戻し」
変態と言った瞬間にこちらへと駆け出してきた伊吹さんに殴り飛ばされそうになりつつ、堀北さんによって伊吹さんが止められて話を続ける。なんで伊吹が自分を敵視してるのかと思えば
「寝ぼけてて当時は自分のパンツを男のカバンに入れる変態って思ってたけど、多分場を乱すことが目的だったんじゃない?あの火事みたいに」
「はっ、あくまでも偶然と惚ける気か。なんでパンツをわざわざ伊吹のカバンに戻したかと思えば寝ぼけてた?笑わせる」
「実際あの時寝ぼけてたからなぁ」
寝ぼけてたのに関してはマジである。誤魔化しも何もしていない。
「はっ。まぁ、俺もわざわざ本人のカバンにパンツを戻す戦略なんてのは想像もつかねぇが、正常じゃなかったってんなら納得もんだな」
伊吹さんの敵視の目は止まらない。お前自分のカバンにパンツ入れられたのがそんな嫌だったのか。あと、変態と言われても仕方がないことしてたのはお前だろうに。
その後には堀北さんが割り込み、龍園はすでに満足でもしていたのか黒幕はお前らの中にいることを確信していると少し話をして去っていく。
自分もその調子で去ろうとしたら堀北さんに話があると呼び止められた。その後はパンツを戻した意図、そのことを当時に明かさなかった理由を問われる。
意図なんてものはマジでなく寝ぼけてて善意で戻しただけで、明かさなかったのは下手に明かしたらそれはそれで事態が面倒になりそうだったからと説明すると、彼女の自分への信頼が下がった気がした。龍園め。
パンツを戻されたという報告を聞いた時、龍園はどんな顔をしたのかなぁ。
おまけではどのルートが好き?
-
Cクラス
-
Bクラス
-
Aクラス