【2年生編開始】新入生のみなさん!よう実ラジオのお時間です!   作:やさかみ

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始めての別視点ですね。いつもより千文字ほど少ないです。


ベンチのCクラス

 夜、街灯の光差し込むベンチにて、Cクラスの面々が集まっていた。

 

「結局、奴は尻尾を出さなかった。狐狩りの1発目そのものは空振りだ」

 

 龍園は今回の件の成果を口に出す。しかし、それは残念がる様子ではない。所詮、今回の件は計画の中の一つに過ぎず、追い込み漁の追い込みをかけている段階にすぎない。

 龍園は黒幕を誘い出すある餌を持っているのだから、今回の件はあまり重要視していない。

 

「佐原の野郎じゃないの?」

「あいつはちげぇよ。ふっかけただけだ。鈴音の裏に潜んで正体をばれないようにしている、あんな簡単に尻尾を掴ませてくれるような真似するかよ。」

「そう」

「まぁ、Dクラスの中では警戒するに越したことのない相手だが。」

 

 伊吹は高円寺以外に龍園がつっかかっていた佐原のクソ野郎のことではないかと問うが、龍園はこれまでの黒幕の行動と佐原の行動の食い違いからそれはないと否定する。あのとき、佐原を怪しんでいるように見せたのはフェイクである。

 しかし、それはそれとして警戒して然るべき者でもある。

 

「あいつは坂柳と繋がっている可能性が多分にある。プールの時は偶然かと思ったが、今回あいつは坂柳が来た方から来ていた。あいつと坂柳が共に行動してんのをみたのは2回だけだが、これを偶然だと思うか?」

「2回なら偶然とも捉えられるんじゃない?」

「そうだな。だが、Dクラスで妙なあいつだ、あり得ないこともない。それに、俺は須藤のときの証拠を流したよう実ラジオ、あれにはあいつも関わっていると考えている。」

「あいつが?」

 

 伊吹はCクラスに逆転負けを舞い下ろした憎っくきよう実ラジオに憎っくき佐原が関わっていると知り、疑問符を浮かべる。

 

「あぁ、あいつがよう実ラジオに惑わされず正しい優待者を指定したが、あいつは確かめて嘘と見抜いたと言っていた。それ自体はなんらおかしなことはない、あくまでもあの法則はAクラスの奴ら相手にしかけた奴だからな。だが、あのよう実ラジオが端から偽物だと気づいていたのなら、惑わされることなんてない」

「確かにそうだけど、確証なくない?」

 

 伊吹の言うように、龍園の言葉は憶測に憶測を掛け合わせたようなもの。到底、それだけで確証の領域には辿りつかない。

 

「あぁ、確証はない。少し優秀な奴ならあれが嘘ってことくらい容易に気づくだろうしな。後がなかったAクラスのやつは別だったようだが。だが、佐原に坂柳が関わってるってんなら話は変わる。俺は、よう実ラジオの本元は坂柳だと思っている」

「なんで?」

「考えてみろ。最初のプライベートポイントの放送に関しちゃ知らないが、2回目のあの放送。あれで得したのは誰だ?」

「そりゃDクラス、それか協力体制にあった当時のBクラスでしょ。」

 

 伊吹は何を当たり前なことをと思いつつも素直に思い浮かんだ可能性を述べる。やはり、Aクラスを犯人と考える理由は見当たらない。

 

「あぁ、そうだ。だが、それならわざわざ放送なんてせずに審議上で証拠を出せばよかったと思わないか?しかも、聞いた話じゃ判決が降るギリギリのタイミングで放送されたらしい。Cクラスの勝ちがギリギリDクラスに逆転される。外から見れば熱い展開かもしれんが、内部の奴がやる旨みはねぇ。」

「確かにそうだけど。ならなんで坂柳が動くのよ」

「当時から互いに挑発的な態度を取ってた俺と坂柳だ。あの野郎が派手にCクラスを負けさせDクラスのギリギリの逆転を演じさせる、まさにあいつがしそうなことだと思わないか?」

「たしかにあいつならしそうだけど」

 

 伊吹は龍園の言葉から坂柳のことを想像し、あの坂柳ならやりかねないと素直に同意した。

 

「そして、Dクラス内の協力者があの佐原と考えれば、線は繋がる。佐原が須藤に対して盗聴器でもつけさせて審議の様子を聞き、坂柳に報告でもしてここぞというタイミングで放送させる。俺たちが負けることで坂柳は楽しみ、そして俺たちの敵になりえるDクラスを強化する。そして、協力者は自分のクラスの勝利があるんだから積極的に協力するだろうな」

「ちょっと待ってよ、てことはあの件は全部坂柳の掌の上だったっていうの!?」

 

 伊吹は対戦相手がDクラス、またはBクラスだと思っていたところに全く関係のない外部のAクラスが一枚噛んでいた、それどころでもなく全てを操っていたことに驚愕を表す。

 

「俺はそう考えている。もっとも、あいつはなんのことでしょうかなんて言って誤魔化していたがな。だが、態度からでも面白がっていたことがわかったぜ。まぁ、今回狙うのは鈴音の裏の黒幕だ。坂柳とその協力者は、そのあとだ」

 

 龍園は不敵な笑みを浮かべ、連絡先を開く。その連絡先には、自身に堀北を潰す計画を立てていた時の音声などを送ってきた黒幕のメールアドレスがあった。




まさか坂柳と佐原が事実上の敵同士とは思わんて

おまけではどのルートが好き?

  • Cクラス
  • Bクラス
  • Aクラス
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