【2年生編開始】新入生のみなさん!よう実ラジオのお時間です! 作:やさかみ
後、無事に投稿できたケェ
『佐原嶺二は犯罪者である』
白波さんのスマホに映る掲示板にそれは書かれていた。
「なんだこれ」
「そ、その、まだあまり噂になってないというか、昨日の放課後に投稿されてたやつで、偶然見つけて、その……」
「佐原、思い当たることはあるか?噂の元とか」
「まぁ、坂柳だろうね。宣戦布告的なのされたし」
「お前個人にか?」
「うん」
「何したんだお前……」
「女の嫉妬は怖いと返しておく」
「本当に何したんだ……」
隆二がジトっとした目線を向けてきているが、完全な逆恨みを喰らっているだけなのでそんな目を向けてこないでほしい。本当に。
とりあえず、噂でAクラスの前で話し続けていると変な視線を向けられるかもしれないので場所を移す。
ひとつ気になることがある。自分が犯罪者とはどういうことだろうか。何かしたっけ……だめだ、前世と今世の記憶の混濁でよくわからない。もしかしたら南雲会長が言っていた自分の過去とやらかもしれない。それかでっちあげ。
「まぁ、対処することは元から変わってないから大した問題はないけど」
「だが、いいのか?犯罪者なんて情報を流されて」
「Aクラスのリーダーである帆波さんに対して自分は一般Dクラスよ?Dクラスの全員に認知されてるかも怪しい根暗よ?そんな騒ぎにも並んだろうし」
「すくなくともBクラスは全員お前のことを知っているぞ」
「なぜに」
「一之瀬と仲がよい他クラスの異性として有名だぞ?」
「ほへぇ」
そうなのかと頷いていれば隆二は自分の噂をBクラス内部ではデマだと知らせておこうかという。自分は少し悩む。記憶の混濁があるから実際、やったかやってないのかわからないのだ。ぶっちゃけ、今の状態なら今世に信号無視とか万引きをしていたとしても覚えてない。
「覚えてないけど南雲会長が、俺はお前の過去を知っている、とか言ってたしもしかしたら事実かもしれない。覚えてないけど」
「お前……一般生徒というには人脈が広すぎないか?Bクラスに坂柳、南雲会長に。他には誰に認知されてる」
「龍園御一行、あと堀北先輩と橘先輩くらい?」
「くらいで済ませていい面子ではないな」
いやまぁ、確かに、一般生徒と自称するのが許されないくらいそうそうたる面子と相対してきたなと思考する。
「……よう実ラジオの主催もお前だったりしないか?」
「なぜわかった?」
「隠すつもりもないか……白波」
「あ、えっと、最初の放送を聞いた時に帆波ちゃんかなって思ったんだけど」
「……なぜ?ボイチェンあったしいつもと口調も違ったのに」
「あ、えっと、放送してるときに帆波ちゃんがいなかったし、聞いてたら、なんとなく帆波ちゃんな気がして。」
なんとなく帆波ちゃんな気がして?……姿としぐさ真似したけど、理論もクソもない絆でバレる悪役の気持ちがわかった。今回の場合はアリバイもあるけど。
「でも、帆波ちゃんがああいう放送をするとは思えなくて。もしかしたら帆波ちゃんと、親しくなってた佐原くんかなって。今まで聴けてなくて隆二くんにしか言えてなかったけど」
「ということだ」
「なるほど、アリバイと愛の力か」
「あ、愛の力なんて……あ、でも船の上の時の放送は帆波ちゃんじゃない気がする」
「正解。多分龍園クラスの誰か」
愛の力というのはすごいなと認識する。まぁ、二人にバレたところで特段問題もないのでよいのだが。
そのとき、予鈴が鳴る。
「そろそろ昼休みも終わるし自分帰るね」
「あぁ、だが、噂をBクラス内だけでも否定しなくていいのか?」
「否定はしなくていいよ。でもBクラス内に敵視されたりしたら困るかな」
「一之瀬が信頼しているからな、特にAクラス内からそんな視線を向けられることはないと思うぞ」
「Aクラス内の帆波さんは一体なんなのだよ……まぁありがと。じゃね」
Dクラスに戻ると山内からお前も犯罪者だったのかー?と絡まれる。信号無視したことは多分あると返しておく。そう言うと、その程度かよつまんねーと頭の後ろで腕を組み去っていく。ぶっ飛ばすぞ?
席に戻ると清隆が話しかけてくる。
「大丈夫か?……一応聞くが、これは知ってたことか?」
「大丈夫大丈夫。噂の対処をやること自体は変わらないし。あと、これは知らないよ。自分が知るのは自分が関わらないことのみだし」
「そうか。手を貸して欲しかったら言うんだぞ?」
「了解」
「……あなたたち何を話しているの?聞こえないのだけど」
「秘密話だから聞こえないのは当然だろ」
堀北さんも自分の噂を知っているのかは知らないが、普段はあまり自分にも話しかけてくることはないのに話しかけてくる。まぁ、仮に自分の噂を流したのも坂柳だった場合、自分も坂柳に目をつけられていることになるのでDクラスに被害が来ないか気になるのだろう。
「そう。ところで佐原くん、一つ聞きたいんだけど、あなたの噂が広がってるのは知ってる?」
「犯罪者」
「そう。その噂を流してる相手に心当たりはある?」
「聞きたいことは一つだったのでは……坂柳」
「そう……あなた坂柳さんに目をつけられるようなことをしたの?」
堀北さんに疑いの目を向けられている。どう答えたものかと悩む。馬鹿正直に話せば清隆のいろんなことがバレるし、女の嫉妬は怖いと隆二たち相手にしたように返せば、は?と言われそう。
「帆波さんと仲良くしてるしついでに狙われたんじゃないかな」
「そう……あなた一之瀬さんと仲良くしてるの?」
「え、うん」
「……あなた龍園くんにも狙われてたわよね?一回あなたのDクラス以外の関係性全て話してくれない?」
「相互に関わってるのはひより一之瀬神崎白波、あと橘先輩とよく隣にいる男の人くらい?他のは基本一方的だね」
「待ちなさい。橘先輩ってよく兄さんの隣にいる女の先輩よね?てことはその隣によくいる男というのは兄さんのこと?どういうことかしら」
「あー、それは」
どう答えたものか。正直、堀北会長と出会ったきっかけとかを話したら早いうちにSシステムについて知っていたこととかも芋蔓式にバレそう。
しかし、そう考えていれば茶柱先生が入ってきて昼休みが終わる。しめしめと自分は堀北さんの視線を受けつつも席に戻る。
授業が終わる。しかし、授業中に言い訳は考えておいた。北海道のチケットが福引で手に入ったが、期限的に一年生では使えないので1生徒としてお世話になった堀北先輩に渡したと言い訳をしておくことにした。嘘はついていない。出会ったきっかけとは言ってないし。
二人のカラオケの様子をついでとばかりに送っておく。嫉妬の目線が向けられる。しかし、ため息をついてこちらに目線を向ける。
「……さっきはあなたは相互に関わっている人って言っていたけれど、他の一方的にっていうのは誰がいるの?」
「龍園に坂柳に会長」
「……会長って兄さんのことではなくて現会長のことよね」
「うん」
「あなた……綾小路くんは知っていたの?佐原くんの人間関係について」
「知っていた」
「なんで私に教えないのよ」
「教える必要がないだろう」
「大有りよ!Dクラスの生徒が他クラス他学年の重要人物と異常なまでの関係を持っているなんて、何かがあってからでは遅いわ!実際今噂が広げられてるじゃないっ」
「まぁ……そうだな」
「とにかく、二人とも、このあと私の部屋に来なさい」
うわぁ、女の子に部屋に誘われてるのに嬉しいと全く思えない。一応は嘘をつかない主義なので正直に言ったが、誤魔化しておいた方が良かったか。誤魔化したらそれはそれで何か言われそう。
堀北さんの言及をどうにかして帆波さんの部屋にお見舞いに行っての自室。自分は堀北先輩に連絡をしていた。
「なんだ佐原」
「前、自分のお願い聞いてくれるって言ってましたよね。手伝って欲しいことがあるんですけど」
「ふむ。一之瀬帆波の噂のことか?」
「あ、知ってました?……自分の噂のことは知ってます?」
「何?お前の噂も広がっているのか」
「えぇまぁ。それでお願いしたいことっていうのは、噂禁止させられたりしないかなぁと。元生徒会長なら教師へ進言とかできるでしょう?」
「難しいな。進言はできるが、基本教師は生徒には不干渉の立場にある。学校全体にまで噂が広がったり動揺が広がったりすれば動いてくれるかもしれないが、現状の規模で一之瀬とお前の二人だけが対象では難しい。もっと規模が大きければ話も違うのだがな。噂を流している者を知っているのならば直接叩く方が早いと思うが」
「坂柳ってことは知ってるんですけど、証拠がないんですよね。いやまぁほぼ確で坂柳が黒ってわかる証拠はあるんですけどね。ただ、南雲もこの件に関わってそうなんですそう簡単にはいかないって話で」
「ふむ、そうか。……お前の知る原作とやらではどのように解決されたのだ?」
「清隆が櫛田から得た情報を副会長に流してもらうことで噂の影響を全校にして強引に生徒会を動かしていましたね。でも、自分の知識と違って今回清隆は動かないそうで、自分が櫛田から情報を得られる立場でもないので他の方法を探してる最中です。」
「なるほど、俺の方で何かわかったら連絡しよう。ではな」
「はい。ありがとうございました」
スマホを閉じ、ベッドへと身を投げる。なんか疲れたので制服のままだが知ったことか。
もう寝てやろう。眠たく、思考ももはや形になっていない。朝とか眠気に弱いのはすでにわかっている、伊吹のパンツ事件とかで。
そして、自分は布団に潜りスヤァと眠りに入る。しかし、寝入った頃くらいに隆二から連絡が来る。
「なぁに?いまねてたとこ「今メールで送ったURLを開けすぐにだ」せめてりゆうを……けいじばんのURLね」
まぁた坂柳がなんかやったかと思いながら掲示板を開く。眠たいので確認だけしたら寝よう。まともに思考も動いてないし。
『佐原嶺二は、過去に殺人を犯したことがある』
ほへぇ。そうなんや。
佐原くんは自分ごとでも時として他人事です。理由?それは、あれだよ…うん。
冬休みまでのおまけ どれが好き?
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龍園クラス
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一之瀬クラス
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坂柳クラス