【2年生編開始】新入生のみなさん!よう実ラジオのお時間です!   作:やさかみ

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殺人を犯した。殺人罪が現在かかっていない。それはつまり


過去

『佐原嶺二は殺人を犯したことがある』

 

「ほへぇ、そんな事実があったのか」

「流石にこれはデマだろう?」

「覚えてないからわからん」

「少なくとも殺人を犯して覚えていないはないだろう。お前の性格的にそんなことをするとも思えんしな。一応、すでにBクラスには動揺しないように言ってある。もし、辛いことがあったらBクラスに来てくれれば迎え入れよう。Bクラスはお前の味方だ」

「ありがたやー……ねていい?」

「おまえ……自分のことだというのに少々他人事すぎないか?」

「ねむい」

「……はぁ、まぁ何か困ったらBクラスにきてくれ。では切るぞ、おやすみ」

「すみぃ……zzz」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夢を見た。自分ではないある一人の少年の幸せな家庭。

 経営者の父、専業主婦の母、中学生の少年。

 経営者の父に憧れ、自身もすごい人になろうとなんとなく考え、いつか父の会社を継ごうとも思っていた。

 そのためにも自身に箔、そして良い大学へ確実に進学するためにも東京都高度育成高等学校に進学知ることに決め、そのためにも奮闘する。塾にも通い、学力を高め、母や父もそれを応援してくれる。

 息抜きといって家族旅行にも連れて行ってもらえ、それらの写真は額縁に入れられ、リビングの電話代の上に置かれた。

 そして、頑張り、学び、遊ぶことも忘れず。家族とも交流し、ご飯もちゃんと食べ、運動不足にならないようにと朝に父とランニングしたりと。

 時には酔っ払った父がお前は俺の息子なんだからでっかくなんだよぉ!と多分に期待がこもったじゃれつきをお見舞いされたりもした。毛がじょりじょりしていた。

 ある少年、佐原嶺二は順当に幸せな家庭の中で成長していた。

 父の会社が倒産し借金を背負い込むまでは。

 

 経営不振は佐原嶺二が進学することに不安を与えたくなかったから隠されていたこと。東京都高度育成高等学校は情報が遮断されてるからこそ、進学したあとに本腰を上げて対処しようとしていたが、そこまでもつことはなく。

 無論、経営から手を抜いていたわけではない。ただ、佐原嶺二にそのことがバレないように家では平気な顔をして、休めずに疲労を溜めていただけである。

 

 借金に追われ、父はなんとかしようと動き、母はバイトを始める。自分は塾を辞めようとするが、二人からはあと一年のバイト代くらい気にするなと言われ、無事に進学してくれればよいといわれる。

 

 父のその言葉を信じ懸命に勉強していた。しかし、家庭内の雰囲気はだんだんと悪くなる一方。あまり見なかった喧嘩も増え、時としてはびくつく。

 母はなんとか見せていたが、父は過去自分に見せたような父親の笑顔を見せなくなってきていた。

 

 そんなある日のこと、母はバイトに行って二人の家。酔っぱらった父がこんなものと額縁に入っていた家族写真を破壊しようとする。それを止めようと割り込んだ自分は、父に投げ飛ばされる。

 元はと言えばお前のせいだ、お前がいるから疲れて、経営もうまくいかなかった、全部、全部全部全部全部お前のせいだ

 

 父は佐原嶺二を押さえ込んだ。お前のせいと壊れた機械のように述べる。佐原嶺二は父の異常な様子に抵抗するが、体格で負けている父にそう簡単には勝てず。

 殴られ、掴まれ、髪を引っ張られ。

 佐原嶺二はとっさに、近くにあったカッターナイフを

 

 

 

「……なるほど。」

 

 忘れていた。自分は、自身は佐原嶺二は殺人を犯したことがある。それは、紛れもない事実ではある。

 前世ではない明確な今世の記憶。記憶の混濁によって偶然……もしくは必然的に忘れていた記憶。心の奥底に封じ込められていた記憶。自分ではない、佐原嶺二にある過去の闇。

 あの掲示板の内容がトリガーとなったかどうかは知らないが、少なくとも、佐原嶺二の両親は死んだ。それは事実である。

 

 過去の佐原嶺二としての記憶を自分ごとであるのに驚くほどに客観的に、他人が犯した罪をネットニュースで流し読みするように理解する。

 そして、なるほどと頷く。なぜ、坂柳はこんな形で自分のことを投稿したか。普通に投稿したところで自分に対してのダメージにならないのになぜこんなことをしたのか。

 帆波さんのときは帆波さん自身が有名人であったから犯罪者という情報や多少の嘘の情報でも彼女へのダメージは大きかった。有名である分他人が噂を押し広げ嫌でも耳に入ってくるからだ。

 だから、自分をただ犯罪者といっても大したダメージにはならない。ならそれをどうするか、具体的な罪名を出し、なおかつそれが殺人というものならば、有名でない無名な生徒であっても嫌でも噂は広がり、耳に入る。

 更に言えば、父を殺し、母を死に追い込んだという佐原嶺二にとっての特大の地雷。14歳の進学する前の佐原嶺二に訪れたある種の終わり。精神が壊れてもおかしくないトラウマ。

 たしかに、これは佐原嶺二には大ダメージとなるだろう。帆波さんに構うことができないくらいに。

 

 しかし、坂柳には一つの誤算がある。自分はその情報を思い出したところで、自分はその情報とはなんの関係もない他人であることであるのでダメージを負うことはない。

 今回のことではっきりしたが、今の自分は、今世の佐原嶺二ではなく、前世のようこそ実力至上主義の教室へを読み込んでいた誰かだ。

 

 

 

 

 茶柱先生に遅刻の連絡をし、清隆や隆二にもそう言う。そして、隆二にも言う。

 昨日は心配してくれてたのに流してしまってすまんと。

 大丈夫かと続いてる心配し続けてくれている隆二に大丈夫と返事をしておく。

 今回、自分は遅刻する。

 

 他人とはいえこんな人の過去を利用する坂柳へのありったけの軽蔑と、そんな過去を、今世佐原嶺二のことを思い出させてくれたことに対して皮肉なお礼を送りながらもある人物へと電話をかける。

 

「堀北会長ですか?」

「佐原か……大丈夫か?」

「まぁ大丈夫です。それより、例の計画進める案ができたんで、以前言った通りあなたには進言してもらいたいんです」

「それは良いが、いったい何を思いついた」

「ただ二人が掲示板とか手紙とかで言われてるだけなら学校側が動かないんでしょ?なら、学校全体を強引に巻き込めばいいじゃないですか。だから、自分は」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 学校へと遅刻をしながらも登校する。よるところに寄り、教室へ赴く。

 様々な視線を向けられるが、それに佐原嶺二は怯えたように縮こまりながら席へと座る。

 お前人殺したってほんとかよー、犯罪が赤信号渡ったことだって嘘だったのかー?とか言ってくるやつも無視してあまり顔を見せないように席に座る。

 堀北さんが真偽も分からない情報に踊らされるべきではないとクラスをたしめているが、実際に怯え震えている時点で思い当たる節が本人にもあることを証明しているようなものである。

 

 清隆から大丈夫かと言われるが、大丈夫と返す。

 

 そして、次の授業の先生から少し視線を向けられたりして過ごし、昼休み。

 

 

『ザザ、ザザザ』

 

 普段の放送ではあまりないノイズを聴きながらもなにかが始まることを感じさせる。

 そのノイズはだんだんと大きくなり、鬱陶しく感じられ始めた頃、そのノイズの中に微かに声が聞こえる。

 

『マ、クテステス、マイ、てす…よしっ』

 

 そして、話が始まる。

 

『よう実ラジオ特別編!はっじまっるよー!!!』




自分、オリ主の原作の要素があまりない過去回想あまり好きじゃないんですよね。なら夢という体にして飛ばし飛ばしにしたらええやろの精神。

冬休みまでのおまけ どれが好き?

  • 龍園クラス
  • 一之瀬クラス
  • 坂柳クラス
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