【2年生編開始】新入生のみなさん!よう実ラジオのお時間です! 作:やさかみ
『よう実ラジオの時間だよー!今回はねぇ、クラス分けについての話ー!えぇ?もう大体わかってるから今更教えてもらう必要ないってー?ふっふーんっ!今回は実例も伴って話すから気にしないでいいんだぞ!!』
突然始まったよう実ラジオに佐原に目線を向けていた者達はスピーカーへと視線を移す。しかも、内容が元からだいたいわかっていものであるが、実例も伴って話すという言葉。
須藤暴行事件の時の証拠の件がある分、よう実ラジオの実例というものには興味が惹かれる。
その放送は聞く人が聞けば普段と少し違うことがわかる。少しガビガビで、録音を垂れ流しているようにも聞こえる。声自体は普段と大した違いはないが、テンションなどは普段の放送と妙に違う。
自分は清隆に何かしたかと見られても、それに気づかないふりをしてそのままうつむき震える。
『まず、ABCD順に優秀さとかで分けられてるのはわかってると思うけど!最初クラス分けする時どのように分けられるのか!みんなも思ったことがない?なんで、この人は優秀なのに下のクラスにいるのかって。この学校は学力のみにならず身体能力協調性社会貢献力などなど、様々なもので見るよ。でもでも、それがぜーんぶあっても下のクラスにいる人っているよね、それって、なんでだと思う?』
櫛田は少しピクっとした。それがなんのことを指しているのかわかったのだろう。情報漏らしてないだろうなとチラッと堀北清隆佐原のいる場所を見る。
『それはね、簡単だよ?その生徒の過去も踏まえるから!そう!たとえば今も噂になってるよね!特に一年生の間で。いやいや面白いねぇ。よくなーい空気が満ち満ちて風紀が乱れてるヨォ。』
櫛田は今噂になってるならば自分は違うかと視線をスピーカーに戻そうとするが、今噂になってるといえば殺人を犯したと言う佐原のことではないかと佐原をみる。
『たとえば一年Cクラス、入学当初はDクラスだった佐原くん、彼成績とかだけで見ればCクラスかBクラスが妥当だったんだよ?コミュ力があるわけじゃないけど、指示には従うし協調性はある。学力も身体能力も申し分ない。なのになのに、なんでDクラスにいるのかな?不思議だよねぇ不思議だよねぇ!それはねそれはね?彼にも過去があるからなんだけどぉ、それを周囲に隠してのうのうと生きてるなんて、最低だと思わない?」
周囲から視線を向けられ、自分は下を向く。口が震え、歯がカカカカとぶつかり音を立てる。
『だからさ、そんな最低な人の過去をやさしい優しい私が明かしてあげようと思って!それではご清聴ください!!最悪の不良品佐原嶺二は、父親を殺し、母親を死へと追い込んだ、正真正銘の不良品、いや、それ以下の、この学校のガンだよ。』
最初の挨拶からご清聴くださいまでは微妙に違うところがあったが、ご清聴くださいの後からだんだんと声が低くなり、そして、楽しげな口調も消え、軽蔑を多分に含んだ声へと変わる。この学校のガンだよと言う時、楽しげな様子は完全に消滅した。
その瞬間に自分は塞ぎ込む。自分は悪くない、あれは、あれはと口から漏らしながら。周囲から驚愕軽蔑疑問の目を向けられながらそれから逃げるように下を向く。
『さぁ!それじゃあどう言うふうに殺したのかをご解説しよう!!まずね?刃物で父の首を割いて血飛沫飛ばして』
よう実ラジオは楽しげな声に戻る。しかし、その内容はその楽しげな声で話して良い内容ではなかった。
【父に押さえ込まれた時、佐原嶺二はカッターナイフを手に取った。普段ならば躊躇するであろうが、そんなことも考えられないほど、相手が父親であると考えられないほどに生物として恐怖を覚えた。必死の抵抗でカッターナイフを振り回す。偶然か、それは首にあたり出血させた。所詮カッターナイフ、しかし刃物であることには変わりない。死ぬような出血ではなく一月でもすれば瘡蓋になって治っていそうな程度の傷ではあるが。】
堀北さんが放送に驚きながらも、自分に大丈夫かと心配の声をかける。
『その後も佐原くんは何回も何回も父親を切って』
【しかし、酔っ払った父はそれでは止まらない。アルコールというのは一種の麻酔と同じである。人によっては痛覚も感じなくなる。
佐原嶺二はそのままカッターナイフを振り回し、何度も傷をつけながらもようやく、少し怯ませることに成功する。】
自分は嫌だ嫌だ嫌だ嫌だと、周囲から視線を向けられながら震えながら壊れた機械のように同じ単語を紡ぐ。
『そして更に蹴飛ばして頭を割いてさ。それなのに被害者ヅラをしてさわほんっと気持ち悪い。』
また声が低くなり、軽蔑を多分に含んだ気持ち悪いの言葉。佐原嶺二はその言葉にびくつく。
【怯ませた父を蹴飛ばせば父はゆらつき、そして、そのまま倒れ机の角に頭をぶつける。そして、当たりどころが悪かったのか出血。その後、病院にて死亡。】
自分は吐き気を催し、口を抑える。
【その挙げ句母親も死に追い込んで、縄でプラーンってさせたゴミの嶺二くん】
【父が死のうと、必死にバイトをし、不可抗力とはいえ父を殺した息子を愛そうと、息子に対して純粋な愛情を向けられなくなっている自分を自覚しながらも母は愛情を与え、そして、この学校に受かった時に限界だったのか、役割を終えたと首を吊って自殺した。】
自分は手で押さえたものの我慢できずに吐いてしまい、体から力が抜ける。
痙攣し、ふらっと椅子の上から体が横に倒れる。
【ほんっとうに、なんでこんな奴がDクラスとはいえこの学校にいるの、退学しろ退学。いや、さっさと死ねばいいのに。少年法に守られたゴミが……】
気持ち悪いから継続される軽蔑を多分に含んだ楽しげな様子が全くないその声に人によっては怖がり、佐原マジでそんなことしたのかと驚愕する者もいた。
【さ!今回のよう実ラジオはこれで終わりだよ!それではみなさんご一緒に!ようこそ実力至上主義の教室へ!実力あっても過去は消えないからなゴミクズどもめが。私気づいたんだ!学校ネタがないなら個人ネタを流せばいい!それじゃ!次回もお楽しみに!】
そんなことが嘘だったかのように軽蔑も消え、楽しげな声に、いつものよう実ラジオへと戻る。
自分が倒れながらも最後に見たのは、倒れる自分を支え、珍しく少し焦ったような表情をしていた清隆だった。
教室で悲鳴が上がる。理由は無論、倒れた佐原に対してである。清隆は周囲の動揺も気にせず、佐原の体を触る。脈、体温、瞳孔、心音、様々な状態を確認する。
「綾小路くん……彼は」
「……さぁ、医者でもない俺にはわからん。とりあえず保健室に連れて行く」
「私も行くわ」
「来なくていい」
「でもっ」
「お前は、今のDクラスをどうにかしてくれ」
「!」
今のDクラスには様々なものがある。ただただ佐原に軽蔑の目線を向ける者。佐原のことを知っており、そんなことをするとは思えない者。純粋に佐原を心配する者。
少なくとも騒ぎにはなっている。そんな中綾小路は気絶している*1佐原をお姫様抱っこをしたまま教室からでる。
佐原、お前は、なにをしたんだ
途中途中に回想挟んでいくスタイルゥ
次回は12:15
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