【2年生編開始】新入生のみなさん!よう実ラジオのお時間です!   作:やさかみ

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ストックがー


精神ケアメント

よう実ラジオ34

 関わりある人から事実確認のメールが来ているのを見つつ、信頼できる人にはある程度事実を伝えて寮へと歩みを進める。

 堀北先輩が騒ぎをデカくすると聞いたがこんなことをするかとジト目をしてそうなメールが来る。

 橘先輩からは困ったことがあったらなんでも相談してくださいねとなぜか微笑ましく感じるメールが来る。事実を送ると噂を止めるためとはいえそんな身を投げ出すようなことしてはいけません!とプンプンしてそうな返事が来た。

 ひよりさんの何があっても、たとえ私のクラスがあなたの敵になっても味方ですからね。と言う彼女には聖母味を感じた。今回のよう実ラジオが自作自演であることを明かせば、だとしてもですと返ってくる。やさしい。

 堀北さんからはまたいつか事情を聞かせなさいと来ている。なにげに心配してくれてるんだな。清隆の教育の賜物か。

 あと他に関わりある人からも心配のメールが来ていた。何気に自分関わりあるな。

 

 

 

 

 寮へと辿り着きインターフォンを押すと、いつも以上にガタガタと音がする。流石に学校も終わってないのに人が来るとは思っていなかったのだろうか。いつもの感覚で連絡せずにきたが、事前にメールをしておくべきだった。

 少し待っているとマスクをした帆波さんが出てきた。

 

「なんで嶺二くんがいるの?学校は?」

「様々な事情により早退した。今はお見舞い」

「そっか。ありがとね。上がって上がって」

「風邪はもう治ったの?」

「大体は治ったかな。もしかしたら明日はいけるかもね」

「そっか」

 

 自分はリンゴとかを買ってきたのでそれをキッチンを借りて剥いたりして手渡す。皮を剥くだけでなくちゃんと切ってあることを明記しておく。

 

「帆波さんはBクラスのみんなに明かしたりする気はないの?」

「あはは、流石に、少し怖いかな」

「Bクラスの帆波さんへの信頼なら迎え入れられるよ?帆波さんに信頼されてるからって自分さえも信頼されてるくらいだし」

「うん。でも、やっぱり怖くて。」

「そっか。自分に話せたくらいだし普通に話せるもんだと」

「……その、ごめん」

「なんのごめん」

 

 帆波さんは顔を暗くして俯き、自分へとぼそっと謝罪を述べる。なんに対しての謝罪かわからなかったので聞き返す。

 

「えっと、気遣わせちゃってることと、私が、夏休み前に過去について話した理由」

「理由?約束してたからじゃないの?」

「も、もちろんそうなんだけど、あのタイミングで話したのはね、ただ夏休み前だからってだけじゃないの。」

「そうなんだ」

 

 自分自身、話すことを約束されたことにも驚いたがあのタイミングではなされたことにはそれ以上の衝撃を感じていた。

 自分の予想以上に自分への信頼が高まっていたのか?いやしかし高いからこそ言い出せないのでは?と。原作を知っていたからこそそんな彼女が言ったことに驚いていた。

 

「その、私、今生徒会に入ってるじゃんか。一度断られたけど、南雲生徒会長、当時の副生徒会長さんに推薦されて。その推薦をしてもらう条件っていうのが、私の過去をその人に話すって条件だったんだ。それで、他の人に話したのに、約束した嶺二くんに話してないのはいけないかなって思ったんだ」

「なるほどねぇ……信頼されたから話されたと思ってたんだけどなぁ、されてなかったのかぁ」

「!ち、ちがうよ!信頼してたから話したっていうのは本当で」

「ごめん、意地悪した。」

「!もー」

 

 精神とかに関しては本当にもう問題はなさそうだ。そうなると別に明かす必要はないのだが。しかし、今後のことを考えれば彼女は過去を明かしておいた方がBクラスとより良い関係を築けていけるだろう。

 

「聴いて思ったけどやっぱり謝る必要はなかったと思うけど。別に先に他の奴に話されたからといって不快になったりはしないし」

「うーん。私の気持ちの問題かな。ごめんね?」

「なら許す。そもそも怒ってないけど」

 

 相手の謝罪を拒絶し続けるのもあまり良くないので受け入れる。彼女の場合はちゃんと悪いと思った上でちゃんと謝っているし。悪いと思うほどに悪いことはしてないと思うが、まぁ、彼女の善性によるものだろう。

 

「まぁ、自分としては精神を病んでないか心配だったけど、今の様子見ると大丈夫そうだね」

「うん。嶺二くんが毎日心配して励ましてくれたおかげかな。ありがとね、嶺二くん。」

「どういたまして」

 

 彼女の精神ケア自体はすでに終了している。しかし、先ほども述べたようにBクラスに事実の告白はできていない。原作を知る自分としては、いや、原作とか関係なく明かした方が良い方向に進む確信がある。

 どうにか、彼女に過去を告白する決意をさせられないだろうか。

 

「帆波さん」

「何?嶺二くん」

「過去、Bクラスのみんなに告白してみない?」

「……あはは、さっきもいったけど、難しいかな」

「自分は明かして欲しいって思ってる。勝手だけど」

「……そっか。ううん、私もわかってるんだ。明かした方がいいって、きっとみんな受け入れてくれるって。明かした方がきっと、これまで以上にみんなと楽しく過ごせるって……でも、やっぱり怖い、かな」

 

 下手に遠回りせず濁さず言ってしまえと思ったが、しかし彼女にとって過去というものはやはり重たいらしい。それを解消させないとやはり難しそうか。

 

「……帆波さん。過去は消えない、だからこそそんな過去を背負って生きていく必要がある。怖いのはわかる」

「……うん」

「でも、受け入れる必要もある。自分だって……受け入れられてるかはともかくとして過去は過去と切り離してるし、帆波さんがどういうふうに受け入れるかはわからないけど、いずれは受け入れないといけない」

「……嶺二くんの、過去?」

「あー、そう言えば帆波さん休んでたし知らないか」

 

 そういえば、帆波さんはここ最近休んでいるので学校で広まっている噂については知らないらしい。まぁ、下手に知ってたら心配かけてただろうしよいのだが。

 

「自分にも過去があってね、その噂を広げられて。いろんな人に真実を知られたりもしたよ。でも、そんな自分でもBクラスのみんなは受け入れてくれた。帆波さんが信頼してるからってだけで。だから帆波さんも」

「嶺二くんの噂?流されてたの、私だけじゃ、なかったの?坂柳さんが?もしかして私が嶺二くんと仲良くしてたから?てことは、」

「ん?あー……」

 

 自分のこともBクラスは受け入れてくれたという方向で説得しようと思ったが、自分の言葉が耳に入らないくらい何かに没頭しているらしい。

 

「てことは、私の、せい?」

「そうはならんでしょ。はい、目を覚まして」

「でも、私が嶺二くんと仲良くしてたから坂柳さんも」

「帆波さん関係なく坂柳には敵視されてたから関係ないよ。」

「そうなの?でも、私も関係あるんじゃ」

「自分と帆波さんの関係があろうとなかろうとこうなってたよ。」

 

 帆波さんの過去で自責に駆られることは無くなったというのに自分の過去が広められたということで自責の念を感じてしまっている。

 責任感が強いのは良いことだが、強すぎて責任感を感じる必要もないのに感じてしまうのは欠点とも言えるだろう。

 

「まぁともかく、自分の過去を知ってもBクラスの人らは受け入れてくれたんだよ?だから帆波さんも自信を持てばいいよ」

「そっか……嶺二くんは強いんだね。……うん、私も頑張ってみるよ」

「そっか。明かす時に手伝えることがあったら言ってよ」

「うん……あ、一つ、聞きたいことがあるんだけどいいかな」

「どうぞ」

「その、嶺二くんの過去って、なに?」

「……あー」

 

 どう話そうか。流石によう実ラジオの内容そのままには話せないし。でも嘘もつけないし。下手に切り取ったりせずに真のことを伝えようか。よしそうしよう。




眠い

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