【2年生編開始】新入生のみなさん!よう実ラジオのお時間です! 作:やさかみ
あと、皆さん坂柳にたいして信頼なさすぎませんかね?もしかしたら素直に反省して謝罪してるかもしれないじゃないですか。
あと、今回少し時系列遡ります。視点も違います。主人公でてません
夕焼けに染まる空の下、屋上にて男女が2人いた。
片方は茶髪の男。もう片方は杖をもつ銀髪の小柄な女。男女だからとそこに甘い雰囲気というものはない。
言わずもがな、そこにいるのはホワイトルームの傑作、綾小路清隆とDNA天才、坂柳有栖である。
「お見事です綾小路くん。今回、あなたはどちらかのみを救い、どちらかは退学になるのかと思っていたのですが、まさか、両方をお救いになるとは。」
「何か勘違いしているようだが、俺は今回の件には関わっていない。全ては嶺二によるものだ」
「ほう?佐原くんがですか。しかし、妙ですね。彼も過去に苛まれ、一之瀬さんに構う暇なんてなかっはずでは?」
坂柳ははて?とあざとく首を傾げる。その可愛らしい仕草は彼女の容姿もあわさり、とても画になっている。まるで純粋無垢な少女が疑問を浮かべているような。
しかし、今回の噂の事態、その元凶はまごうことなく彼女である。
「お前の予想が外れただけじゃないか。嶺二は、あの過去には苛まれてなんかいなかった。あの放送だって佐原自身によるものだ」
「なるほど。彼は過去を忘れたわけでもなく、本当に過去と決別しているわけですか。それこそ、自身の過去を道具として利用できるほどに。」
坂柳は清隆の発言に軽い衝撃を受けながらも納得する。よう実ラジオで放送されたほど詳細には知らなかったが、親殺しなんて過去はひどくトラウマに残るものだろうと親の人肌の温もりは知っている坂柳は思っていた。
しかし、世の中を探せば親を殺したところで指して何とも思わず、もしくは思った結果壊れてしまい逆に何とも思わなくなる人もいるかと思考する。彼はどちらなのでしょうと思考する。
「予想が外れましたね。私は、彼のことを放送したりと派手にやるだけの凡人と認識していましたが、その認識を改める必要がありそうです」
「そうか。一つ聞きたいことがあるんだが、お前は今回、俺に嶺二と一之瀬どちらかを選ばせたかったのか?」
坂柳が納得している時に清隆は聞きたかったことを坂柳へと問う。坂柳が今回同時に2人に対して行ったあの行動。一之瀬帆波に対してのみにおこなわれたものならAクラスへの攻撃と判断できた。
しかし、佐原嶺二への攻撃はそれに比べて効果は薄い。Aクラスリーダーの一之瀬帆波の噂を流し、退学にまで追い込めばAクラスは追い込まれる。しかし、佐原嶺二が退学したところでそんなことはない。
Cクラスに殺人犯がいたという噂を広げられればダメージにはなるかもしれないが、だとしてもたいしたダメージにはならない。リスクとリターンが釣り合わないのだ。
ならば、そこにはただクラス間抗争とは異なる思惑があるだろう。
事実、今回坂柳は清隆へと接触していた。今回のことから救い、堕として駒へとしたてあげれば彼女はこの学年で類を見ない駒となりますよ?などという言葉も残した。
クラス間抗争をしたいだけならば確実に行わない、一之瀬帆波を救わせようとする行動。そこには明らかにそれ以外の思惑が蠢いていた。
「えぇ。あなたが友達を自称する彼と優秀な駒となる彼女、どちらを優先するか気になりまして。まぁ、今回は私の思惑も外れてわかりませんでしたが。」
「今回のこれは、俺に人肌のぬくもりとやらを教えたいというのに関係するのか?」
「おや、よくご存知で。佐原くんから聞いたのですか?その通りです。今回の一件であなたが彼と優秀な駒のどちらを優先するかを示してあげたかったのですが。それもうまくいきませんでしたね」
坂柳は残念ですと首を振る。それはただ残念と言った様子で、罪悪感なんてものは微塵も存在していない。
そんな坂柳に対して清隆は彼女の一つの間違いを述べる。
「いや、一つうまくいっているぞ」
「はい?すみませんが私にはわからないようです。お教え願えますか?」
「人肌のぬくもりとやらを俺に教えるというのは成功しているということだ」
坂柳はまさかの言葉に固まる。今回の一件は直接彼に人肌の温もりを教えるために行ったものではない。人肌の温もりを教えるために邪魔な存在の排除を目的として起こしたものであり、まだ人肌の温もりを教えられる段階ではないのだ。
更にはその計画も失敗したというのに、彼は何を言っているのかと。自分の知らないところで何があったのかと。
「……すみませんが理解できませんね。今回私がしたことは彼に示すためのものなので。どのようにあなたが人肌の温もりを知ったのかが些かわかりません。本当に、それは人肌の温もりなのですか?」
故に坂柳は聞く。これまで自身が、幼い頃から目的としてきたことが知らない間に達成されていたのだ。気になりもする。
自身が成したかったこと。綾小路くんがなにか勘違いしてしまっているのではとまだ彼自身わかっていない可能性に期待していた。
「そうだな。人間は幸せより不幸、負の感情などの方をより強く感じる」
「えぇ、そうですね。しかし、今回の話とどのような関係があるのでしょうか」
「話には続きがある。強い光を描くには強い闇が必要なように、対極の片方だけではそれを認識することはできない。あとはわからないか?」
「確かにそうでしょう、何か一つだけであれば他のものと区別することができませんからね。しかし、ここまで聞いても今回の話にどのように関わってくるのでしょうか。考えてもわかりません」
坂柳は綾小路くんの言うことを頭の中で整理しらからの言うこと自体は普通のことなので容易く納得しながらもそれと人肌の温もりを知ることとつながらない。何の関係があるのか、彼女はわかっていなかった。
「今回、俺ははっきりと認識した。俺は、嶺二のことを好ましく思っている。道具でもあるが、それとしてあいつは友達、人肌のぬくもりというものも理解できた。それもこれも全て、お前のおかげと言える。その一点だけは感謝する」
「……はい?すみません、どういう意味か理解できないのですが」
一体何があって彼を友達と認識できたのかと疑問を浮かべる。今回の件で彼を友達だと認識できるような理由はなく、そして彼が先ほど話は話との関わりも見えない。
「本当にお前は理解できていないのか?俺が人肌の温もりを理解できたのも、嶺二のことを道具としてでもなく人として好ましく思えたのも、それもこれも全て、坂柳。」
彼女は、都合の悪い思考は無意識のうちにか堰き止めていた。
坂柳はそんな事実なぞあるはずがないと思考から外していた。
坂柳は、そんな事実を認識できないほどに、心の底から拒絶していた。
坂柳は、かすかに脳に浮かんだその思いを排除していた。
人は不幸の方が強く感じやすい。対極にあるものは片方だけでは認識できない。
今回で佐原嶺二のことを好ましく思えた。好ましく思えたのはなぜか、それは、好ましいの対極を知ったから。そして、なぜその好ましいの対極をしれたか、それは、佐原嶺二により好ましいと思うための種が作られていたこと。そして、そこに人間の負の方が感じやすいと言う性質。
その二つが組み合わさった時、綾小路清隆は人に対して好ましい、その対極に存在するものを知覚し、区別化をすることにより佐原嶺二に対しての想いを知覚した。
ならば、その対極はなにか、その対極は、誰に対して抱いたものか。
「お前のことをはっきりと敵でも厄介者としてでもなく、ただそこにいる1人の人間として、嫌いだと認識することができたからだ。はっきり言う、俺は、坂柳、お前のことが人として嫌いだ」
「そ、そん、な。」
別視点は続きます。多分。それと明日です。一日2本投稿が厳しくなってきているでごわすんぬ。
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