【2年生編開始】新入生のみなさん!よう実ラジオのお時間です! 作:やさかみ
闇平田を清隆が光平田に戻したりして時間が過ぎた。自分は清隆にチェスを叩き込まれたりしながらも時間を過ごす。
清隆は音声通話を堀北さんに繋げて、こちらには文字を打ちながら教えるというマルチタスクをこなしていた。自分もマルチタスクを多少はできはするが、清隆は精度も高いらしい。
ちなみに、堀北さんは綾小路くんがチェスをするべきよと言っていたが、清隆は有栖との勝負になりかねないのでしないことに決めているらしい。
司令塔として清隆をどの種目に出すべきかを考える。ぶっちゃけ清隆を出したら1人の最高成績で勝敗を考えるやつなら余裕で勝てるだろう。だが、清隆の実力を隠すことを考えれば……と思っていれば、そもそも走力が活かされるやつに入れればいいだろとクラス内で意向が決まっていた。
そして始まる最終特別試験、選抜種目。
自分は基本、事前にクラスで決められていた作戦などに従って指示を出す。
たまに司令塔として干渉することはあるが、チェスとかを除いてそこまで深く干渉はしないものが多い。
ちなみに、今回有栖に命令は下していない。事前に清隆がお前と勝負したくないから司令塔と一対一できるようなのには参加しないと言ってはおいたが。有栖は悲しげにしていた。
意図的に負けろと命令する気はない。別に、死に物狂いでAクラスに行きたいわけでもないし。だとしても、負ける気もない。
そして、特筆することもなく3対3となる。
ちなみに、2回目くらいに会ったフラッシュ暗算では高円寺がやる気を出す、なんてことはなく負けで終わった。自分は10回目に自信がなかったので9回目をインカムを通して伝えた。
そして、最後の種目が選ばれた。チェスである。なんか怪しい力とか働いてない?運命論でも働いてる?偶然?必然じゃないコレ。
正直選ばれてほしくなかった種目が選ばれ嫌な顔をする。有栖は微笑んでいた。綾小路くんがいないのは残念ですが、あなたが一体どれほどか、見てみたいですねとか言っている。当たり前のように司令塔ルールを使うと踏んでいるようだ。
そして始まったチェスの試合。
堀北さんと橋本が駒を動かしている。状況としては堀北さん優勢である。このままなら手を出す必要はないのだが。
しかし、そのまま堀北さんの勝利になるわけもなく。有栖が司令塔ルールを使い出した。
自分はうげぇとした顔をする。
「あなたは使わないのですか?このままでは、私の勝利に終わりますよ?」
「自分、堀北さんよりテストとかの成績悪いよ?下手に司令塔ルール使うと悪化するよ」
「それが謙遜でなければ、この試験はなんの面白みもないこととなりますね」
「一応、堀北に教えたのあいつだけど?」
「まぁ、それはそれは。しかし、それでも彼女では私を楽しませることはできないようですね」
どう見ても堀北さんが少し押され気味になっていた。
しかし、それを見て確信する。このまま傍観するよりは、司令塔ルールを使った方が状況は好転すると。
突然だが、天才とは何か。
過去、人々の中には突出した能力を持つものを神聖視、異端視、様々な目線を向けた。
やがて、そんな能力を持つものたちの才覚、それはあるものが与えた存在だと考えられ始めた。
言葉の形からもわかる、天才、天賦の才、つまり、天才とは天から与えられた才覚のこと。
過去、人々は他をつけ話す才覚を人々が理解できない領域の存在が与えたものと考えたら。その領域、存在は何か。
地に縛られた人が手を出さない領域、天に存在したとされた頂上的存在神、もしくは天そのもの。そんな存在がもたらした才覚としてそれらは天才と呼ばれた。
ならば、今はどうか。今の時代、天才は天から与えられた才能ではなく、ただ突出した他をつけ離す才覚を持つものに言われる。頭が良い、足が速い、勘が良い。種類は様々である。
現代で天才とは何か。DNAに刻まれた優秀さ、生まれながらの才覚の持ち主が天才なのか。人工的に才覚を作り上げられた主は、はたして天才なのか。
今この時代、人の領域は広がった。天を超え宙にも片足をつっこみ、生命の構造は制御しきれずとも掌握に近く、道が多いとされる深海も未知がおおいだけで領域外であるわけではない。
過去のような天が与えた才能、つまり人間の領域外により生まれた才覚。
現代では天才がただ優れた才覚とされたのはその才覚のシステムを人類が掌握し、才覚を与えるかもしれない完全なる未知という領域を人々が開拓した結果。天才というのは人の手に堕ちた。
故に、天才とはただ優れているの一言に尽きる。
他をつけ離すほどに優れていることが天才の条件ならば、人工的であれ、DNAに刻み込まれた存在であれ、それらは等しく天才である。
その意味では、坂柳有栖や綾小路清隆は他をつけ離す、天才と呼ばれるに相応しいのかもしれない。現代の言葉の意味では、確かに2人は天才と言える。
では、過去の天、すなわち人の未知不干渉領域からもたらされた天賦の才を有するものはこの時代、既にいないのか。
答えは否である。
人の不干渉領域から与えられ、そして生まれた才覚、それをもつものはその場にいた。
それが他を圧倒する才覚かは定かではないが、その世界の人の不干渉領域に与えられたものを持つものは確かにいた。
その者は優れたDNAを持っているのか、答えは否である。平均よりも良い物を持つのは確かである。しかし、現代の天才には足りえない。
では人工的、つまり教育により天才がつくられたか、それも否である。確かに一時期までは平均以上に学び高める場が存在していたが、現代の天才に至るほどではない。
しかし、その者はそれでもそれをえた。
この一年で驚異的な伸びをみせた。それはこの学校の特殊さも多少はあるかもしれないが、そんなものは微々たるもの。
彼がこの一年で天才であり、人工的にも幼き頃から天才になれと作られた綾小路清隆に格闘技で一撃二撃を入れることも可能となったりしたのは環境なんかではない。
少し優秀な凡人。そこで足止まりになるはずだったその男が開花、その才覚を与えられたのはこの学校のバスの中。
前世の記憶などという人間の領域外の存在。その上に世界の外側、その世界を物語として認知するという特異的な立ち位置、記憶、人格。
それと共にそれをねじ込み成立させるために脳内領域は拡張され、肉体はそのショックに耐えれるようにと揺らぎ、魂は本来持ちえないものが出力されその形が歪まんだ。
そして、現在の彼、佐原嶺二はうまれた。
本人の認識の上では前世の人格、しかし真なるはどちらでもないあやふやな新な人格。
言うなれば異なる世界の2人の人間を1人にし、そしてふわがでないよう整合性のためか佐原嶺二の才覚は常軌を逸していた。
そして、ある種佐原嶺二の誕生はバスの中、彼は精神的に言えばある種で約一歳児ともいえた。
まだ空っぽに近く、この学校で様々な物を得て、新しく形成され始める。
故に、そんな彼は幼子がごとき速度で上達する。
彼はまだ現代の天才ではない。まだ彼は成長段階に過ぎない。現代の天才と呼ばれるにはたり得ない。しかし、過去の天才と呼ばれるに値する資格を、佐原嶺二は保有していた。
自分は司令塔ルールを発動し、参加する。
「有栖、負ける気はない」
「ふふ、そのまま負ける方ではないと思っていましたよ?佐原嶺二くん」
チートタグは別につけなくてもいいかな。だって清隆とかいう化け物には現段階おとってるわけやし
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