巡海レンジャー(自称) 今日もスウォームを狩り歩く   作:内モツ

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自話から1000文字くらい文字数を増やすので少し投稿ペースが遅れるかも
遅筆ですみません……


狐斎志異
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【漁公事件簿】

仙舟同盟で数世紀にわたり愛されている国民的推理小説。長命種の複雑な人間関係や、占術を用いたトリックなど、仙舟独自の文化が反映された傑作。今回の映画化は「不朽の名作」として全銀河の映画ファンが注目していた。

 

 

「……百年に一度。……至高の推理ショー。……私の、羅浮、上陸理由。それ、一つ」

 

仙舟「羅浮」。巨大な星間艦隊の一翼を担うこの地は、古風な建築と高度な技術が融合した、銀河でも有数の観光地だ。

だが、星槎を降りたサムウェインの足取りは、いつになく重い。いや、重いというよりは、一歩ごとに床の石畳を粉砕せんばかりの怒気を孕んでいた。

 

カボチャの兜の奥で、赤黒い電子眼が限界まで見開かれ、不吉なノイズを放っている。

彼の視線の先、空中に浮かぶ大型のホログラム広告が、無慈悲な文字列を映し出していた。

 

【映画版『漁公事件簿』制作、および上映の無期限延期】

【原作者の許可撤回による、全上映スケジュールの中止】

 

「…………は?」

 

サムウェインの口から、冷却蒸気が「ヒュッ」と漏れ出した。

それは驚愕を超え、世界の理そのものが崩壊したかのような絶望。

 

「無期限、延期……? 作者、心変わり……? 上映、消滅……? 私、怒り。非常に、憤慨。……許容、不可能」

 

彼は拳を握りしめ、地面をドンと踏み鳴らした。

*ズンッ!*という鈍い衝撃が響き、周囲の仙舟人たちがギョッとして立ち止まる。

 

「ママ~、あの人カボチャ被って震えてるよ。魔陰の身かな?」

「シッ、見ちゃいけません。あれは……たぶん、もっと救いようのない『不審者』という種類の生き物よ」

 

人々のひそひそ話など、今のサムウェインの耳には届かない。

彼が羅浮へ来るまでの三週間、どれほどココアを節約し、どれほどスウォームの体液を浴びながら遠征費を稼いだか。すべては、銀河一の探偵「漁公」がスクリーンで謎を解く瞬間を見るためだったのだ。

 

「作者、邪知暴虐。読者、裏切り行為。……上映、奪還。……直談判、開始」

 

彼は黒衣を翻し、地図アプリを爆速で立ち上げた。

「作者の屋敷」という目的地をセットした彼の後ろ姿には、もはやスウォームを狩る時以上の殺意が渦巻いていた。

 

◇◇◇

 

「Hello。申し入れ。邪知暴虐の作者、ネゴシエーション、要求」

 

作者の屋敷前。仙舟特有の朱塗りの門と、鎧に身を固めた雲騎軍の門番が、サムウェインを遮る。

 

「……本日、主人は心霊現象の調査により多忙です。不審なカボチャ頭の立ち入りは禁じられています。雲騎軍に通報されたくないのなら、お帰りください」

 

「心霊現象、理由。上映、中止。……納得、皆無。……作者、逃亡、断定」

 

だが、どれだけ門番を睨みつけても(カボチャ越しなので全く伝わらないが)、門が開くことはなかった。

一時間後、サムウェインは力なく肩を落とし、金人港の喧騒の中を彷徨っていた。

 

「……帰る。……シネマ号、暗闇、孤独。……布団、泣く」

 

彼が絶望の淵で「上映中止のショックで機能停止」しそうになったその時。

 

ピロリン! ピロリン! ピロリン!

 

懐の端末が、やけに陽気で軽快な通知音を鳴らした。

画面に表示されたのは、見慣れない「生放送チャンネル」の宣伝メールだ。

 

桂乃芬

トラブルを起こさない、トラブルを恐れない、バカなマネはしない

 

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「…………」

 

サムウェインは立ち止まり、その怪しい広告を見つめた。

普段なら「詐欺、スパム、HKS」としてゴミ箱へ即座に叩き込む内容だ。だが、今の彼の心には、映画を奪われたことによる「巨大な空白」があった。

 

「……スパム。詐欺。怪しい、リンク。……でも、『大作レベル』、自称。……『200歳以下、見るな』。……私、数百歳。視聴資格、あり」

 

彼は端末を軽く叩き、ぶつぶつと独り言を呟きながら、返信を打ち始めた。

 

サムウェイン → 桂乃芬(返信)

「Hello。広告? 詐欺? スパム? 私、ホラー、愛好家。でも、怪しいリンク、踏まぬ。信用、皆無。あなた、何者? 証拠、提示、要求」

 

すると、驚くべきことに数秒で返信が届いた。

 

桂乃芬(追伸)

「まだ生放送の配信を切ってないから、リンクは表示されないよ。」

 

「じゃあこうしよう。本当に興味があるなら、あたしのところまで来てくれる?生放送の時の心霊映像のオリジナルを見せてあげるから!しかも出来立てホヤホヤの!」

 

「あたしは金人港のこの辺にいるからね。赤髪の異邦人を見つけたらそれがあたしだよ!」

 

 

「……返信、異常、高速。……赤髪、異邦人。特徴、明確」

 

サムウェインは拳を握りしめた。

カボチャの奥で、赤黒い目が再び光を取り戻す。

 

「上映、中止。……代わりに、怪談。……グレイディ亡き今、新世代のホラー、期待。……桂乃芬。フォロー、検討。……突撃、開始」

 

彼の目的は「映画」から「本物の怪談」へとスライドした。

それが、仙舟全土を揺るがす「歳陽」の騒乱の始まりだとは、この時の彼はまだ知らない。




遂に二相楽園配信ですねぇ~

虚照さんは虚無お姉さんであって欲しい(願望)

セイレンス カフカ 黄泉 虚照でエチエチ虚無お姉さんPTを!
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