シャンフロ世界に転生したけど... 作:人外が着ているスーツ
フルダイブ型VR技術の発展は、人類に第二の現実を与えた。 視覚、聴覚、嗅覚、そして触覚。すべてがデジタルで再現される世界で、人々は英雄になり、魔法を操り、あるいは理不尽なバグの餌食となっていた。
現在高校生の俺こと
「……あ」
画面に躍り出たのは、一つの広告。 『総プレイヤー数1000万人突破。君はこの世界で、何を見るか――「シャングリラ・フロンティア」』
その瞬間、脳内でパズルのピースが音を立てて噛み合った。 溢れ出す前世の記憶。ここは、かつて読んだ物語の世界。クソゲーを愛し、クソゲーに愛された男・陽務楽郎が、そのあまりのプレイヤースキルで「神ゲー」を蹂躙していく物語――『シャングリラ・フロンティア』の世界だ。
「……まじかよ、ここシャンフロの世界だったのかよ。」
記憶が戻れば、この世界の一部が手に取るようにわかる。 今、目の前のモニターに映る『シャンフロ』は、間違いなくこの時代の頂点に君臨する神ゲーだ。だが、俺の視線は無意識に平日にも関わらず送られてきた今行っているゲームの運営からのメールに向かってしまった
送信者:辻斬・狂想曲:オンライン運営
件名:新たなイベント【血断肉残】事前告知
《ロックを解除してメールを開く》
送信者:ネフェリム・ホロウ告知部署
件名:定期アップデートにて新パーツ追加!
《ロックを解除してメールを開く》
送信者:〜〜〜〜〜
件名:〜〜〜〜〜
《ロックを解除.....
「……くっ、なんて魅力的なんだ……!」
苦難の決断が迫ってくる
普通なら迷わず『シャンフロ』を選ぶだろう。 しかし、俺は末期レベルでシャンフロ以外のゲームにハマってしまっている
シャンフロの物語を見てた俺はシャングリラ・フロンティアがド級の神ゲーであるとそこらの人より知っている。 一方で、今この瞬間にもイベント開始が迎えようとしている、愛すべきクソゲーたちを脳のキャパと容量不足で見捨てる罪悪感。
「シャンフロの登録者数は今は1000万人。今始めたらド級の神ゲーを早めに始められる。……でも、あのクソゲー達をやり続けてるのはそれの10分の1にも満たないんだぞ?」
時間は有限だ。フルダイブに割ける脳のキャパシティも限界がある。 神ゲーに魂を売るか、それともクソゲーの沼で溺死するか。
俺は震える指先で、スマホの画面をタップした。
「ちょっと財布と相談して、聖地巡礼がてら【ロックロール】に行ってみよう」
これは、運命の神ゲーと、愛してしまったクソゲーの狭間で揺れ動く、一人の転生者の物語。
完全に深夜テンションの暴走