気がついたら禪院直哉だったので好き勝手させてもらいます 作:黙々睦模目
僕達はヴィクトリア家政と顔合わせをし、
休息をとって…
またホロウの中に入った
でもホロウの中は閑散としていた…
エーテリアスも現れない
するとライカンさんが口を開く
「…妙ですね」
ホロウでこんなに静かなのはおかしいのだ
『エーテリアスも見当たらない…』
「ホロウの中なので…エーテリアスが現れるのは普通のはずですが…『パン!』おっと誰かいるようです…」
ライカンと喋っていると銃声が聞こえてきた
するとヴィクトリア家政が僕を囲う様に集まり、
ライカンさんが先行し、ゆっくり前進する
するとサメの尻尾がある女の子…
エレンが口を開く
「なんか…めんどそ〜な奴いそ〜…」
『めんどそうな奴…?』
「なんて…いうか…野生の勘?」
僕がエレンに詳しく聞こうとするが
上へ繋がる階段を確認していた
ライカンがハンドサインを送る
次の瞬間…
こちらへ走ってくる足音が聞こえてくる
「はぁ、…はぁ、だ、誰かぁ〜助けてくれぇ〜!」
すると誰か…男の助けを呼ぶ声が響く
そしてこちらへ駆け込んでくるが…
次の瞬間…彼の足にはナイフが突き刺さっていた
「ぐあぁぁぁ〜!」
そしてバランスを崩し、
その直後に彼の首元になにかが高速で当たり…
階段の上から滑り落ちてきた
僕達が滑り落ちてきた彼を確認しようすると
ライカンさんが階段の上に向かって叫ぶ
「何者ですか!?」
するとこちらへゆっくり誰かが降りてくる
『なんや…やっと着よったか』
その声はどこか機械音声の様だった
「……」
ライカンさん達は何も言わない
すると徐々に何者かの姿が見えてくる
和風の袴の書生スタイルに近いと思う
そして髪は金髪でつり目で切れ長…
…その姿は指名手配中の
『禪院直哉』の様だった
その手にはスマホとナイフを持っていた
落ちて来た彼が逃げていた相手だろう…
「まさか…ここで禪院直哉さんと出会うとは…」
「待ってください。ライカンさん」
ライカンさんが前に出ようとするが
リナさんに止められ…
リナさんが前に出た
「お久しぶりですね…と言いたい所ですが…」
するとリナさんは少し沈黙して続ける
『貴方誰ですか…?』
リナさんは続ける
「容姿、体型全て直哉さんと一緒ですが…」
「…『元の直哉』さんはどちらに?」
すると彼の表情は笑みを浮かべていた
「あははは! あははは…」
するとその場に彼の笑い声が響く
でもその声を僕達は聞いた事があった
『…直人さん…?』
すると彼の髪が金髪から…
発光した白髪に変わった
「大正解! やぁ『パエトーン』…いや店長君?」
「プロキシ様…彼を知っているのですか?」
『知ってるも何も…彼は家の常連客だ…』
すると直人さんは続ける
「そんな事はどうでもいいんだよ! 長くて…長くて…待ちくたびれていたんだ!」
すると彼は両手を広げる
「『パエトーン』! 僕と取引しない…?」
僕はまだ状況を理解できていなかった
『直人さん…! これはどういう…「違う!」』
だけど彼に遮られてしまう
「僕の聞きたい事は1つ…YESかNOだよ」
…答えは1つ
『じゃあ…YESだ』
「やっぱそう言ってくれると思った〜! NOって言われてたらレインって子殺してたかも〜」
今の彼からは狂気を感じる…
「ちなみにこの話は『雲嶽山』に話したら殺すからね」
と殺気交じりに言い放つ
僕達が答える前に彼は話を続ける
「じゃあパエトーン…改めて自己紹介してあげるね。僕の名前は禪院直哉…僕達2人で禪院直哉なんだ…!」
なにを言っているかわからない…
「私共を無視して頂かないでくれませんか?」
するとライカンさんが僕達の間に立つ
「…市長には今興味ないんだよね」
すると彼は冷たく言い放つ
「…じゃあパエトーン続けるね…僕達は1つの体に2つの人格があるんだ」
『二重人格?』
「う〜ん…そうとも言えるかな〜…もしかしたらまた増えるかもしれないから僕でもどうなるかわからないんだ」
『増えるかもしれない…?』
「この体は元々、僕1人だったの」
理解しようと頭を回転させるがわからない…
だけど彼は止まらない
「僕は両親がいて…貧しい生活だったけど両親はやさしかったから幸せだったんだ…でもその生活は簡単に崩壊した…」
『崩壊した…?』
「あぁ…僕達家族は誰かわからないけど連れ去られたんだ…そして僕達に彼らは実験を施した」
すると彼の表情がどんどん強張っていく
「そんな生活が一ヶ月した時…僕を逃がす為に両親が犠牲になって…僕だけ逃げることができたんだ…」
そして彼の顔は悲しみに包まれた
「でも僕は生きる気力がわかなかったんだ…でも彼らに対して復讐したかった…でも僕にはできなかった」
すると彼の表情が明るくなる
「そんな時だ! もう一人の僕が現れたんだ…! そう! 君達の知っている禪院直哉だよ!」
「僕が絶望した時…彼は僕に変わって全て背負ってくれたんだ…! 彼が来て僕の心は安定した…僕にとってもう一人の僕は神から遣わされた救世主の様だった!」
すると彼は天を仰いだ
「…でも彼は重い力を持っていた。彼は『この世界の未来』を…結末を知っていたんだ…」
『未来を!?』
その場にいた全員が驚愕する
未来を知っていたのなら…
彼が汚名に包まれる理由がないはずなのに…
「あぁ…でもそのせいで彼は壊れてしまった…彼は人々を1人でも多く救う為に『全てを捨てた』んだよ…」
すると彼はこちらにゆっくり歩みを進める
「彼は優しかった。だから彼は全てを捨てたんだよ…皆の為に…世界の為に…平和の為に…だから彼は色んな物を捨てる選択をした…」
そしてその表情から感情が消えていく
「新しくできた家族を捨て、恩人を見捨て、信頼を捨て、名声を捨て、権威も捨て、…更には記憶を捨て、力を求めたんだ」
「……」
僕達はそれを黙って聞く事しかできなかった
「でも…そんな彼の決断を邪魔する者が現れた。だから彼は何度も『彼女達』を突き放したんだ。でも彼女達は何度も…何度も…何度も…何度も…彼の心を揺らしたんだ…誰かわかったかな…?」
するとリナさんが口を開く
「…雲嶽山の儀降宗主代理とその妹の儀玄殿ですね?」
それを聞いた彼の表情は一気に憤怒に染まる
「そうだ…! そうなんだ! 彼女達は彼の信念を揺らし続け…更には唾を吐きつけた! 背負えもしないのに分かろうとした! 誰の為にあそこまで捨てたと思っているのか! なんであそこまで捨ててまで彼は彼女達に尽くしたのに…! なんで最後まで彼女達は彼を侮辱するのか…! 僕は彼女達が許せない…! 許してなるものか…! 彼があそこまで壊れる必要はなかったのに…彼女達のせいで彼は壊れてしまった…あいつらのせいで…彼女達のせいで…なのに! 世界は彼の犠牲に報いるどころか唾を吐きつけた!」
すると彼は壁に向かって拳を叩きつける
そしてその場にはクレーターができた
だが彼は気にせず叫ぶ
「彼は様々な汚名を押し付けられた! 殺人に! 放火! 拉致! 監禁! 更には旧都陥落を起こした張本人だ! …と様々な人々からありもしない汚名を押し付けられた…本当に彼らを助けたのは彼なのに…! なのにあいつらなんなんだ!? 自分達を助けた彼を自分達の不満の捌け口として利用してるじゃないか!」
そしてその場に彼の叫びが轟いた
「皆を幸せにする為…人々を1人でも多く救う為…その為に彼は自分が壊れるまで戦ったのに…感謝ではなく…蔑みしか言わない…そして責任も全て押し付ける世界…そんなの守る必要があるのかな…?」
誰も何も言わない…
「…確かにもう一人の僕は名声を求めていなかった…でも彼のもたらした平和を享受していながら…何故そんな事ができるんだよ…! 何も知らなかったなんて問題じゃないでしょ! この世界は狂っている!」
しかし彼の言葉を止める者はいない
「僕はこの世界の人々に復讐する。僕の家族だけじゃない…僕の救世主まで壊したこの世界を…僕は壊してやる。…でも『パエトーン』君達は違う。君達も被害者なんだ…だから君達は郊外にでも身を隠してくれ…」
なんでそんなに僕達を気遣うんだ…
『なんで僕達に目を掛けてくれるんだ…僕達は君を知らない!』
すると彼は目を見開いた
「あぁ…君達自覚してないんだ」
そして彼はなにかを悟った
「君達は『カローレ・アルナ』の被害者…」
『なんでそんな事を!?』
僕達は誰にもそんな事を言わなかったのに…
「それについてはまだ言えない」
そして彼はキャロットを僕達に投げ渡した
「それはレインがいる場所までのキャロット…少し長話し過ぎたね。ごめんね今度会った時に君の質問に2つ答えてあげる。それまでに考えておいてねパエトーン。僕と同じ被害者…同類として助けてあげるから。好き勝手ぶちまけてごめんね〜? ヴィクトリア家政の皆様方? いや市長の犬かな?」
全て見透かされているように
「…この話は市長様に話されても問題ないと?」
すると彼は鼻で笑う
「いいよ別に問題ある? 雲嶽山ならともかく市長ならいいよ。彼はもう一人の僕との約束『は』守ったから」
「…貴方様の目的は?」
「そんなの簡単でさっきも言ったよね? 僕はゴミ達を不幸のどん底に落としてやるんだ…彼を…本当の英雄を壊したこの世界を…不幸のどん底に落とすんだ…! そして雲嶽山の姉妹をぶっ殺すのが僕の目的」
そんな彼の目は濁って見えた
そして一瞬の間に彼の姿が消えた
そして僕の視点が反転する
僕はヴィクトリア家政の…
皆に囲まれていたはずなのに…
彼に持ち上げられていた
「あ! ごめんね? 僕もう人の名前覚えられないから声と色とか装飾で判断してるんだよね〜変わったらわからないから変えないでね〜」
すると彼は手元の日記の様な小さい手帳に
メモを書いていた
書き終えた彼は僕を床に置き
「驚かせてごめんねじゃあまた会う時に…」
僕達はそんな彼の背を見ている事しかできなかった
…──────────
…そして僕達は本来の目的である
レインを確保し、
レインによって暴走してしまった…
ニコ達の乗る飛行船を止めるべく…
ライカンさんが飛行船に飛び乗り…
救出に成功した。
だがパールマンが飛行船を操縦し、
1人で逃げてしまった…
でも僕の頭の中は直人さん…改め…
直哉さんの事でいっぱいだった…
直哉さん…一体どこに…
新エリー都 郊外
大勢に囲まれ睨みつけられながら
その大勢のボスの前に立つ
「いやぁ〜…久しぶりだね〜。『ポンペイ』君」
今回はいつもの倍近く長くなってしまいました
誤字も多くなってしまっているかもしれません
申し訳ありません…
5章を飛ばすかやるか
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5章をやる
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5章飛ばしてもいいよ
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文句言わないで!書く!
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できる範囲でいいから5章も書いて