気がついたら禪院直哉だったので好き勝手させてもらいます   作:黙々睦模目

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19 ブリンガー

 

 新エリー都 ヤヌス区南端

 

 『任期満了に伴う市政選挙を間近に控え、今回の市街はいつもより混雑している模様!』

 

 テレビからはアナウンサーの声が響く

 

 僕は今、新エリー都にある家にいる

 

 記憶は曖昧で、特に人の名前が思い出せないが

 

 僕が書いたであろう手帳を元に、

 

 今後の計画を考えている…

 

 金は記憶を失う前、

 

 …雲嶽山で修行を続けながらバイトや

 

 ホロウ調査の依頼を受けていたし

 

 それを元手に投資も行っていて、

 

 結構な額を持っていた

 

 記憶はないが『直人』いう偽名で、

 

 投資は続けていたらしく…

 

 僕が記憶を失う前の額の数百倍はあるだろう

 

 …なので結構金持ちである

 

 散財しても有り余るほどはある

 

 ちなみにテレビ局の株を35%ほど持っている

 

 ちなみに僕はこのテレビの

 

 アナウンサーが結構好きだ

 

 あそこまで情緒不安定な所が面白く、

 

 媚びている姿が実に滑稽で好きだ

 

 『治安局は24時間体勢でパトロールを実施する、との事です。市民の皆様治安官には協力しましょう!』

 

 そして僕はテレビのリモコンを取り、

 

 テレビを消そうとする

 

 だが、アナウンサーの一言でその手は止まる

 

 『治安官といえば…本日我が局の選挙特番で最初にインタビューする方も治安官の一人ですよ!』

 

 するとアナウンサーは、

 

 マイクを持たない右腕を広げて高らかに言う

 

 『そう!皆様お馴染み!ヴィジョン・コーポレーションの凶悪犯罪を阻止した英雄…ブリンガー長官です!氏は今回…』

 

 そして僕はテレビを消した

 

 コンコン!

 

 するとドアをノックする音が聞こえてくる

 

 「こんな朝っぱらからなんや〜…」

 

 僕はドアに向かって…

 

 手を伸ばそうとするがその手を止める

 

 そして僕は洗面所に向かい、鏡を確認する

 

 洗面所に置いていたスプレー缶を髪にかける

 

 すると髪が金髪から白髪となる

 

 髪が白髪になった事を確認して…

 

 僕はドアを開けた

 

 するとそこには3人の荒くれ者に見える

 

 彼らが僕を見ていた

 

 その中でもガタイがいいリーダーらしき人物が言う

 

 「お久しぶりです!親分!今日はご自宅にいると聞いたので馳せ参じました!」

 

 僕は自分の事を親分と言う姿を確認する

 

 そして自分の記憶を辿り…

 

 手帳の中にあった事を思い出す

 

 「あ〜そうやな…」

 

 そう返すと彼らは少し戸惑う

 

 「親分…体調でも悪いんですかい?」

 

 「あぁ…大丈夫や…気にすんな。まぁ入れや」

 

 「親分がそう言うなら…失礼します」

 

 彼らは手帳の中にあった情報だと…

 

 ホロウ内にいたホロウレイダーの荒くれ者で

 

 僕に挑んで返り討ちにされ、

 

 僕の舎弟になったらしい

 

 …簡単に言うと馬鹿らしい…

 

 「すげぇ…親分の家全部高そうだ…」

 

 「そこら辺のソファーにでも座っときぃ」

 

 「え?でも…」

 

 「…ええからさっさと座れや」

 

 「は…、はい!」

 

 すると大人しく縮こまりながら、

 

 3人はソファーに座る

 

 「すげぇ…やわらけぇ…」

 

 「俺たちの寝てるベットよりふかふかそうだな…」

 

 「おい…!流石に静かにしないと…」

 

 「わ、わかってるって…」

 

 僕をなんだと思っているのやら

 

 「すまんな。今缶のもんしかないわ」

 

 そして3本の炭酸ジュースの缶を渡す

 

 「いえ!ありがとうございます!」

 

 するとごくごくと3人は缶の飲み干した

 

 「んで今日は何のようがあるんか?」

 

 「…じ、実は…」

 

 そんな彼らは説明しづらそうに説明する

 

 「…んで、お前らの話を要約すると…市長が俺と会いたがってるから、『今日の夜のとある会食会に来るよう』にお前達を通して言ってきたと…」

 

 「は、はい…」

 

 「俺達もボスがこういう集まりが嫌いなのは知ってるんですが…その言伝役に文句を言ったんですが…そいつが強くて…」

 

 「…そうか」

 

 この馬鹿3人には申し訳ないが見捨てるのも…

 

 いや…僕もそこまで腐ってない

 

 この3人の安全を考えるなら…

 

 行かなければならないだろう

 

 「わかった…行ってやるわ。お前らは俺の家の見張りでもしとけ。なんかあったらすぐ連絡しろ。すぐお前ら助けてやっから」

 

 「は、はい!親分!」

 

 グウゥゥゥ~…

 

 「す、すいません!つい…腹が減って…」

 

 すると…恥ずかしがりながら顔を真っ赤にした

 

 「ええわ…出前でも取るか…なにがええ?」

 

 「え?親分、いいんですかい…?」

 

 「なんやいらんのか?あ?」

 

 「い、いえ!ご馳走になります!親分!」

 

 「ご馳走になります!」

 

 「最初からそう言えばええねん」

 

 そして僕は3人の為に出前を頼む

 

 

 

 新エリー都 ヤヌス区 某所

 

 「あぁ、!くそぉ!イライラする演説だ!」

 

 その場には声の主…

 

 ブリンガーがいた

 

 その場にコツコツと音を鳴らすヒールの音が近づく

 

 「フフ…自分で書いた原稿でしょ?自分の事をありのままに話すのが、そんなに難しいかしら?」

 

 その言葉にブリンガーは冷静に言い放つ

 

 「『サラ』一体なにをしにきた」

 

 「あら?一体どうしたのかしら?万人の上に立つ、総監の地位が目の前にあるのに、ちっとも嬉しそうじゃないじゃないわね?」

 

 「皮肉はよせ」

 

 「本心からの言葉よ」

 

 すると怒り気味にブリンガーは言う

 

 「ビィジョンと言う隠れ蓑はもはや役立たず、モニュメントにあったものはH.A.N.D.の手の中…千面相の襲撃は失敗し、郊外の愚か者に、ギャング共ははなんの役にもならん!」

 

 そう言い切ると息継ぎをし、続ける

 

 「『サクリファイスのサンプル』がなくては計画は進まんのだ!それに『主様の依代』の回収もできていないではないか!」

 

 「計画は目的の手段であって、目的そのものではないわ。シチュエーションに基づいて調整するか、新しい計画を仕立て直すかで信徒としての資質が試されるわね?」

 

 「俺と貴様の位の差はない。頭ごなしになにか言われる筋合いはないのだぞ…!」

 

 「そんな興奮しないでちょうだい。私は貴方の計画に手を貸してあげたいだけなの。これを見て…」

 

 「!?あの星見家にこんな秘密があるなどと聞いたことがないぞ…!」

 

 するとサラは人差し指を口に当てる

 

 それを察してブリンガーは声を小さくする

 

 

 …そしてブリンガーとサラの会話は続いた

 

 

 

 夜…

 

 僕は舎弟の一人に車を運転させて

 

 会食会がある場所へ来た

 

 夜までにスーツを用意し、

 

 スーツをその身を包んでいた

 

 舎弟3人の分のスーツを買い与えた

 

 「親分…それでは俺は失礼します」

 

 「あぁ、そこら辺ぶらぶらしとけ、これ貸したるから」

 

 そして僕は財布から一つのカードを取り出し、

 

 それを舎弟に渡す

 

 「え!?いいんですかい?」

 

 「ええからさっさと行け、好きなもんでも買ってこい」

 

 「ありがとうございます!親分!」

 

 そして舎弟はその場を去っていった

 

 「…さて、おいお前案内せぇ」

 

 「はい、どうぞこちらへ」

 

 僕は案内に従い、会場の中へ入る

 

 「『直人』様お入りとなります」

 

 その場に入った瞬間視線がこちらへ集まる

 

 すると一人の男がオオカミのシリオンを連れて

 

 僕の前へ、歩み寄る

 

 「今回はこの場に来てくれてありがとう!直人君、…直哉君と言った方がいいかな…?」

 

 「黙れ老害」

 

 僕は彼を無視する

 

 するとボディガードと思われる

 

 オオカミのシリオンが僕を阻む

 

 「…直人様、お久しぶりで御座います。して今回は、」

 

 「すまん。覚えとらんわ」

 

 そして僕は2人を無視し、会場の端へ移動する

 

 だが参加者達は僕に、向かって歩み寄ってくる

 

 「直人様!お久しぶりです!」

 

 「直人様がこの様な集まりに来られるとは…!珍しいですな!」

 

 「直人様私共ともお話いたしましょう」

 

 

 「直人様この前の取引についてなのですが…」

 

 しつこい…

 

 「すまんな、今日は体調が悪いんや。誰の差し金か知らんが、俺に鉛玉を食らわせたい奴らがいるみたいでな…、俺の虫の居所が悪いんやわ〜」

 

 そう言い切ると慌てて僕の回りから去り始めた

 

 すると一人…その場に近づいてきた

 

 「直人君…いいかな?」

 

 年齢は分からないが40手前くらいか?

 

 「改めて名乗ろう。私は星見宗一郎。星見家当主だ」

 

 

 

 

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