気がついたら禪院直哉だったので好き勝手させてもらいます   作:黙々睦模目

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22 兄妹

 

 「…クソがぁぁぁ!」

 

 僕は今ポートエルビスのホロウの中で、

 

 怒りの矛先をエーテリアスに向けていた

 

 周囲にいた無数のエーテリアスは

 

 姿を消していた

 

 そして僕は怒りを抑え、一度立ち止まり

 

 今の状況を整理する。

 

 雲嶽山に青溟剣を奪われた…

 

 体に目立った傷はないがかすり傷が目立つ

 

 髪の塗料も落ちていて、金髪が顕になっている

 

 そして襲撃のタイミング…

 

 完全に僕がいない時

 

 尚且つ、僕がすぐ戻れない状況で

 

 …僕をあの晩餐会で足止めした

 

 あの老害共め…、市長と結託して、

 

 そこまでして青溟剣の代償を未来ある人々に押し付け、また犠牲者を増やす気なのか…

 

 いっそ老害共はあの時、殺すべきだった…

 

 いや…ダメだ、

 

 そしたら僕も彼らと同じ…クズになってしまう…

 

 落ち着け…、落ち着け…

 

 「…はぁ、ダメやわ、」

 

 僕は歩みを進める

 

 今後の優先順位を考えないと…

 

 まず今は、主人公達がなにをしているかを

 

 確認して、不確定要素を潰さないと、

 

 そして〜…、2人を守らないと…、?

 

 (2人って誰だっけ、主人公の2人か…?なんで重複したんだ…?)

 

 まぁいいいや、僕の勘違いだろうし

 

 でも一番問題なさそうなのは…

 

 胡散臭い市長の陣営だけ…

 

 しかも僕とはいい関係になれない

 

 でもなんとしても2人を守らないと…

 

 あの『2人』が死んだらなにもかも終わりだ…

 

 青溟剣なんかじゃ守れない!

 

 あの2人を守る為に、命は惜しまない…

 

 なにも変わらない、変わらないはずだ…

 

 あの2人さえ守れば死んでもいいんだから…

 

 なにも問題じゃない…

 

 青溟剣もまた奪えばいい…

 

 今はあの2人の安全を優先するだけだ…

 

 僕だけで十分だ…

 

 1人でも、なにもかも上手くいく…

 

 多対1なんて慣れっこだ…

 

 いつも通り、いつも通りだ…

 

 僕は負けない、あんなガキ共に…

 

 頭が痛い…

 

 そもそもガキって…、

 

 誰のことだったっけ…

 

 まだ…、思い出せない…

 

 「…ぁぁあ…!ぁぁあ〜!、もうええわ!」

 

 僕は両手で頭をか搔き回しながら

 

 そこら辺に落ちている小石を蹴飛ばした

 

 「考えんのも面倒くせぇわ!」

 

 元の世界では過去の失敗とか…

 

 すぐ思い出して…後悔するのにな〜

 

 …なんでこんな時だけ思い出せないのかな〜…

 

 でもこの世界に来てからの失敗…

 

 思い出せないや

 

 なにか後悔していた気がするけど…

 

 うぅぅぅ〜〜ん…

 

 「考えても無駄やな…」

 

 結局、考える意味なかったな〜

 

 「思い出せへんこと考えても無駄や!無駄!」

 

 そこら辺の小石を蹴飛ばしながら僕は進む

 

 ここら辺で戦闘でもあったのか

 

 周辺はボロボロだ…

 

 (そう言えばここポートエルビスのホロウだから、時期的に、そこら辺にもしかしてブリンガー落ちてるのか?)

 

 そう思いながら歩みを進めると、

 

 目の前の瓦礫が微かに揺れた

 

 (もしかして、もしかする?)

 

 僕はその瓦礫に駆け寄り、持ち上げた

 

 …そこには禍々しい腕に無数の目が生え

 

 見るも無残な姿になったブリンガーがいた

 

 「ぐ…お、お前は!?」

 

 (ラッキー!)

 

 「よぉ!ブリンガー!丁度、今、機嫌が悪いねん!弱い奴をいじめたかったんや…!おらッ!」

 

 そして僕は野球のピッチャーのように

 

 その腕だけになったブリンガーを投げ飛ばす

 

 「ぐぅ…、き、貴様…、よくも…、ッ!?」

 

 ブリンガーがそう呟く…

 

 後ろにはオレンジ色のスカーフをした

 

 一体とボンプがいた

 

 その視線はブリンガーに向いていた

 

 (あ、そう言えば主人公達がここで出てくるのか…!)

 

 完全に忘れてた〜…

 

 弱いものいじめする気満々で忘れてた〜

 

 (とりあえず誤魔化す言い訳考えよ)

 

 そして僕は一度ブリンガーを掘り出した

 

 瓦礫の上に座る

 

 するとその後ろから…

 

 リン、アキラ…

 

 2人の姿があった

 

 2人は周囲を確認すると、僕の方に視線が止まる

 

 「「禪院直哉!?どうしてここに!?」」

 

 そして2人はブリンガーの事を忘れ、驚愕していた

 

 本当にそれでええんか?

 

 「お前ら、本来の目的忘れてへん?ブリンガーはええんか〜?俺よりも…見るべき対象おるやろ…」

 

 「あ…」

 

 すると2人は真下にいるブリンガーに視線を戻し

 

 リンがブリンガーを蹴飛ばした

 

 (切り替えはや…)

 

 「答えて!貴方達は先生をどこにやったの!?」

 

 「先生…?貴様ら…?」

 

 「『カローレ・アルナ』旧都陥落の時、白い腕が彼女を攫った!」

 

 するとブリンガーはヘラヘラ笑う

 

 「なんだ…貴様ら…あれの教え子だったか…」

 

 するとブリンガーは最後の力を振り絞るように…

 

 「ならば…!始まりの主… 再創を…!」

 

 そしてブリンガーを中心に爆発が起きた

 

 「始まりの主…我が使命は果たした…」

 

 「あらら〜」

 

 僕はなにもしなかった

 

 何故なら…

 

 彼らはこの時に自らの力に気づくのだから…

 

 煙の中から無傷で目が光る2人の姿があった

 

 あの2人のいた施設にいた人間は嫌いだ

 

 本当にあそこの狂人達は大嫌いだ

 

 「あの女、ほんと大っ嫌いやわ…」

 

 僕が悪態をついているとブリンガーは開き直る 

 

 「…まあいい…そのまま一生日陰に隠れ…『真の元凶』へ至る幻に溺れるがいい…」

 

 そしてブリンガーは粒子となって消えた

 

 「哀れな最後やな、まあ当然の結末やな、あんなゴミにはお似合いや、」

 

 すると2人はこちらへ向き直る

 

 警戒しているのだろう

 

 「…今のあなたはどっちなの?」

 

 ん〜?どっち?僕郊外でしか…

 

 まともに話してないはずだけどな〜…

 

 「はぁ…?俺とお前らは初対面やろ?」

 

 「そ…そっか、」

 

 すると2人はどこか悲しそうな目をする

 

 ムカつく…そんな目を向けられる理由はない

 

 「…そんな目で俺を見るんやない、不愉快や」

 

 「ご、ごめんなさい…」

 

 そして2人は申し訳なさそうに言った

 

 そんな2人の姿になんでイライラするんだ…

 

 (頭が痛い…)

 

 僕は左手で頭を抱える

 

 「だ、大丈夫…?直人さん…?あ、いや直哉さんって入ればいいのかな〜…?あははは〜…」

 

 (なんか懐かしい…なんだろうこの感覚)

 

 「どちらでもええわ…直人は確か、昔資産運用とかで使ってた俺の偽名やったからな、そん時あってたんか?知らんけど、まあ直人って呼びたければ呼べばええ。」

 

 「そ、そっか…!よかった〜…、人が多い時は直人さん、私達だけの時なら…直哉さんって呼ぶね!改めて…よろしく!」

 

 そう言い、リンは僕に向かって手を伸ばす

 

 「そもそも、なんで俺に関わろうとするんや?、俺に関わってもいいことないやろ。」

 

 すると2人は困惑しながら言う

 

 「えぇ…と、心配したりするのは、誰であろうと、どんな関係でも、心配するのは当たり前だと思うけど…?だって直哉さんの服はボロボロだしね…」

 

 …そうアキラは言った

 

 「フ…それが犯罪者でもかよ」

 

 「私達はそうは思わないよ…!」

 

 「直哉さんになにがあったのか詳しくは聞かない…でも貴方にはなにか隠さなければいけない秘密があったんだよね…?」

 

 本当に面白い…

 

 僕には選択肢がなかっただけ…

 

 僕が受け入れるしかなかっただけ…

 

 なのに…なんで僕を理解しようとするんだ?

 

 そんな君達、2人に言いたい…

 

 『なにも知らない』のは罪なんだよ…

 

 (僕には眩しくて…、羨ましいな…)

 

 ッ!?違う!そうじゃない!

 

 そんなわけがない…!

 

 「俺にとっては…、馬鹿らしいわ」

 

 そして僕はこちらに向けられた手を払う

 

 「そ、そっか…!でも…!私達はいつでも歓迎だからね!」

 

 「あぁ。僕はいつでも待ってるよ直哉さん」

 

 なんで寄り添おうとするんだよ…!

 

 馬鹿馬鹿しい…

 

 「バカみたいな事してないでさっさと行けや」

 

 そして僕は2人に背を向ける

 

 「え…でも…!」

 

 「君を置いていけないよ!ここはホロウの中だ!僕達は一応、プロキシだからね…直哉さんも一緒に行こう!」

 

 頭は花畑なのかな…

 

 「俺はやる事があんねん、それにお前らと俺が一緒にいるのはあかんねん、まだ誰もいない間にさっさと行け」

 

 「ご、ごめん…」

 

 「僕達はお邪魔だったみたいだね…、今度改めてまたはなさせてほしい。直哉さん」

 

 そして2人はボンプを抱え、裂け目に向かう

 

 「…さっさと行け、クソガキ」

 

 するとリンだけがこちらへ振り返り、

 

 「私達はクソガキじゃないもん!」

 

 そう言い放ち、『主人公達』その場を去った

 

 その場に残ったのは僕だけ…

 

 「…兄妹か…ええなぁ…」

 

 元の世界には兄はいたけど

 

 あんなに仲は良くなかった

 

 いつも喧嘩ばかりで…

 

 罵り合いばかりの日常だった

 

 だから羨ましい…、だから…

 

 あんな頼れる兄の様な存在になりたかったな…

 

 「はは…、馬鹿らしいわ…」

 

 僕なんかがなれる訳がないのにな…

 

 

 

 アキラ視点…

 

 僕達はみんなと協力し、

 

 サクリファイスとなったブリンガーを倒した

 

 そして協力してくれたみんなと

 

 夜遅くまで騒いだ

 

 でも帰る前にFairyから

 

 まだブリンガーが生きている事を知った

 

 そして僕達は、ブリンガーのいる場所に向かう

 

 ホロウの裂け目を通った…、すると…

 

 「ぐぅ…、き、貴様…、よくも…、ッ!?」

 

 その叫び声と共に、目の前には…

 

 直人さん…基、『禪院直哉』さんの姿があった

 

 「「禪院直哉!?どうしてここに!?」」

 

 僕達はブリンガーの事を忘れ、そう叫ぶ

 

 すると直哉さんから呆れた様に言われた

 

 「お前ら、本来の目的忘れてへん?ブリンガーはええんか〜?俺よりも…見るべき対象おるやろ…」

 

 「あ…」

 

 そうだ…今はまずブリンガーに集中しないと

 

 「答えて!貴方達は先生をどこにやったの!?」

 

 そうリンは言った

 

 「先生…?貴様ら…?」

 

 「『カローレ・アルナ』旧都陥落の時、白い腕が彼女を攫った!」

 

 するとブリンガーはヘラヘラ笑う

 

 「なんだ…貴様ら…あれの教え子だったか…」

 

 するとブリンガーは最後の力を振り絞るように…

 

 「ならば…!始まりの主… 再創を…!」

 

 僕はリンを庇うように前に立つ

 

 そしてブリンガーを中心にに爆発が起きた

 

 「始まりの主…我が使命は果たした…」

 

 「あらら〜」

 

 そして僕は歯を食いしばったが…

 

 だが僕達には傷一つなかった

 

 その姿を見た直哉さんはどこか…、

 

 不快そうに言い放つ

 

 「あの女、ほんと大っ嫌いやわ…」

 

 そして僕達はブリンガーに目を戻す

 

 「…まあいい…そのまま一生日陰に隠れ…『真の元凶』へ至る幻に溺れるがいい…」

 

 そしてブリンガーは粒子となって消えた

 

 「哀れな最後やな、まあ当然の結末やな、あんなゴミにはお似合いや、」

 

 そして直哉さんはブリンガーにそう言い切った

 

 そして僕達はブリンガーから直哉さんに目を向き直す

 

 「…今のあなたはどっちなの?」

 

 そうリンは言った

 

 僕達の知っている直哉さん…

 

 いや、直人さんはどこか…、

 

 世界に絶望しているように見えていた

 

 だが…今の直哉さんには、苦悩が感じ取れる

 

 そして直哉さんは呆れたように言った

 

 「はぁ…?俺とお前らは初対面やろ?」

 

 「そ…そっか、」

 

 彼はなにも覚えていないようだった

 

 「…そんな目で俺を見るんやない、不愉快や」

 

 そんな僕達の視線に機嫌を悪くしたようだ

 

 「ご、ごめんなさい…」

 

 僕達は彼に頭を下げた

 

 すると直哉さんは蹌踉めき、

 

 彼は左手で頭を抱えた

 

 「だ、大丈夫…?直人さん…?あ、いや直哉さんって入ればいいのかな〜…?あははは〜…」

 

 僕達は直哉さんに近づこうとするが

 

 彼はは僕達を静止する

 

 でもその目はどこか昔を懐かしむようだった

 

 「どちらでもええわ…直人は確か、昔資産運用とかで使ってた俺の偽名やったからな、そん時あってたんか?知らんけど、まあ直人って呼びたければ呼べばええ。」

 

 その顔は痛みに苦しんでいたが…

 

 温かみのある目をしていた

 

 「そ、そっか…!よかった〜…、人が多い時は直人さん、私達だけの時なら…直哉さんって呼ぶね!改めて…よろしく!」

 

 そう言い、リンは直哉さんに向かって手を伸ばす

 

 だが直哉さんはどこか訝しんでいた

 

 「…そもそも、なんで俺に関わろうとするんや?、俺に関わってもいいことないやろ。」

 

 そう言い切った彼は、悲しげな目をしている

 

 「えぇ…と、心配したりするのは、誰であろうと、どんな関係でも、心配するのは当たり前だと思うけど…?だって直哉さんの服はボロボロだしね…」

 

 直哉さんの表情に少し困惑したが…

 

 僕はそう言い切る

 

 すると直哉さんの顔から呆れたように笑みが溢れる

 

 「フ…それが犯罪者でもかよ」

 

 「私達はそうは思わないよ…!」

 

 「直哉さんになにがあったのか詳しくは聞かない…でも貴方にはなにか隠さなければいけない秘密があったんだよね…?」

 

 確かに、世間では彼を犯罪者と言う

 

 …だが僕達はそうは思わない

 

 …彼もまた、被害者なんだとおもう

 

 直人としての彼はいつも優しかった

 

 だから…、どうかリンの手を掴んでほしい

 

 だけど…、

 

 「俺にとっては…、馬鹿らしいわ」

 

 そして直哉さんはリンの手を払った

 

 (まさかリンても落とせない男がいたなんて…)

 

 今は置いておこう…

 

 「そ、そっか…!でも…!私達はいつでも歓迎だからね!」

 

 「あぁ。僕はいつでも待ってるよ直哉さん」

 

 彼の顔はこわいままだった

 

 だけど…彼の目はどこまでも優しかった

 

 「バカみたいな事してないでさっさと行けや」

 

 彼の顔から笑みは溢れた

 

 「え…でも…!」

 

 「君を置いていけないよ!ここはホロウの中だ!僕達は一応、プロキシだからね…直哉さんも一緒に行こう!」

 

 でも悲しそうに言う

 

 「俺はやる事があんねん、それにお前らと俺が一緒にいるのはあかんねん、まだ誰もいない間にさっさと行け」

 

 きっと彼なりに僕達を心配してくれたんだと思う

 

 「ご、ごめん…」

 

 「僕達はお邪魔だったみたいだね…、今度改めてまたはなさせてほしい。直哉さん」

 

 そしてボンプを抱え、裂け目に向かう

 

 「…さっさと行け、クソガキ」

 

 するとリンが直哉さんに顔を向け、

 

 「私達はクソガキじゃないもん!」

 

 そう叫んで、ホロウの裂け目から出ていった

 

 「やれやれ…」

 

 そして僕もリンを追うようにホロウを出た

 

 今度は…直哉さんと一緒に…

 

 





 展開に行き詰まっていたら

 1週間も経ってるとは…

 次はなるべく早く出します


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