気がついたら禪院直哉だったので好き勝手させてもらいます   作:黙々睦模目

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29 ラマニアン

 

 アキラ視点…

 

 「慌てるな〜!!!

 避難経路の安全は確約されている!

 慌てずゆっくり向かえ〜!」

 

 衛非地区には防衛軍でもTOPSでもない

 武装した集団が

 避難誘導を行なっていた

 直人グループだ…

 すると避難誘導を行なっていた人が

 こちらに怒鳴り声を上げる

 

 「おい!雲嶽山!上の人間はあのテントだ!

 雲嶽山はさっさと行け!」

 

 「あ、あぁ…すまない!」

 

 「すまねぇな、ありがとさん」

 

 「さっさと行け!」

 

 僕達は師匠や師兄達と共にテントの中に入る

 すると中では慌ただしくモニターや演算機などが

 設置されいく…

 中央のホワイトボードには様々な

 計画が練り込まれている

 キャロットデータを元に作られた

 簡易的な地図だろう

 すると目の前には今朝…

 儀降さんに怒鳴っていた女性がいた

 

 「雲嶽山…今は非常時だ

 変な真似はせず協力しろ

 我々遅滞戦を展開する

 少しでも多くの民間人を避難させる

 防衛軍には応援要請を出した。

 我が社の傭兵共にも号令を掛けた

 …だが問題は"ラマニアン"の中だ!」

 

 彼女はホワイトボードに手を叩きつける

 

 「雲嶽山喜べ…お前達にはラマニアンの

 中心部にいる我が社の"ボス"の援護を要請する」

 

 「なんだって!?」

 

 「…口を挟むな!黙ってきけ!」

 

 「は、はい…すいません」

 

 僕はうっかり声を荒げてしまった…

 

 「はぁ…続けるぞ。

 我々には全社員に発信装置の装着を

 義務付けている。当然ボスも例外ではない

 だがラマニアンホロウの暴走当初

 僅かではあるがボスの発信装置の信号を確認した

 我々も救援部隊を送ろうと考えたが…

 それでは民間人の避難が間に合わん

 我らに素早い足もないのでな

 不本意ながらお前らの出番だ

 我が社のボスの援護をお前らに任せる

 間違ってもボスの邪魔はするなよ!」

 

 「…安心して!

 私達が貴方達のボス助け出してくるから」

 

 そう儀降さんが言うと説明を行なっていた

 彼女はキレてしまった

 

 「あぁ!?うちのボスが弱いって言いたいのか!」

 

 「え…いやそんなつもりは…」

 

 「お前達の仕事は"ボスの援護"だ!」

 

 「う、うん…そうだね」

 

 「わかったらさっさといけ!」

 

 そう彼女が言い切ると…

 僕達はテントから追い出されてしまった

 

 「すいません…

 このような形でまた会う事になるとは…

 約束を菓子折りはご用意できておりませんが…

 私共のボスの所までの突破口はお作りいたします」

 

 「貴方達は今朝の…」

 

 「彼女の…旦那ですぅ…

 いつもはあぁも荒々しくないのですが…

 ボスを心酔しておりまして…

 そのぉ〜…雲嶽山が嫌いらしく…」

 

 「こちらこそごめんなさい…

 直人さんの事悪く言うような事をしてしまって…」

 

 「いえいえ…気にしないでください!

 妻と私は直人様に拾われたおかげで今があるんです」

 

 「拾われた?」

 

 「あ!では移動しながらになりますが…!

 お話いたしますね!」

 

 僕が疑問を口にすると彼は一気に詰めてきて

 直人さんとしての直哉さんとの出会いを語ってくれた

 

 「実は私達は元々TOPSで働いてたんですよ…

 でも上の汚職の罪を押し付けられまして…

 財産も家も何もかも奪われて…

 もう食べる物も飲むものをなく…

 盗みを働くわけにもいかず…

 路地裏の隅でそのまま飢え死ぬ…

 と思った時に直人様に出会ったのです!

 僕からは天の使いかと思いました!」

 

 「そこまで心酔してるんだね」

 

 「当然です!

 我が社にいる者はみんな直人様に

 拾わてきた者ばかりです!

 彼らにはもしかしたら暗い過去が

 あるかも知れません!

 ですが…!直人様が連れて来た方達です!

 どんな者であろうと我々は受け入れます!

 直人様が連れて来た方ならどんな者だろうと!」

 

 「直人さんは本当に凄い人だね」

 

 「そうでしょう!そうでしょう!」

 

 (この人の熱意少し怖いな…)

 

 「おっと!失礼しました…

 直人様の話になると熱くなってしまって…

 本っ当に申し訳ありません…」

 

 「いえいえ…寧ろ良い話が聞けたした」

 

 「…!ありがとうございます!

 直人様は口調が少々酷いのですが…

 それでも社員のみんなを

 大切にしてくださっているのです!

 た…、偶に仕事を放棄して…

 いなくなってしまうのが問題ですが…」

 

 「あ…ハハハ…」

 

 僕以外にもイアス越しにリンと兄弟子達も

 その話を聞いて微笑んでいる

 でも儀降さんと儀玄師匠はどこか悲しさを

 感じる目をしていた

 

 「では世間話はこれくらいにしましょう

 皆様突撃の準備を…」

 

 そう彼が言うともう既に…

 "ラマニアンホロウ"の目の前だった

 

 「あぁ…任せておけ」

 

 「私達に任せて…」

 

 「私は貴方達を信じます…

 各隊に通達…!

 これより雲嶽山の突破を支援する!

 今は民間人の避難を優先する時だ!

 突破の支援を開始せよ!」

 

 僕達は彼がホロウへ入るのを見送り

 僕達はリンと兄弟子の潘引壺さんを残して

 僕達もホロウの中に入る

 

 「お兄ちゃん…気をつけてね」

 

 「…安心して大丈夫だから

 それじゃあ行こう…」

 

 そして僕はイアス入っている

 リンを連れてホロウの中に入る

 ホロウに入り…目を開くと

 先ほど話していた彼は部隊に指示を出している

 儀玄師匠達も一箇所に集まっている

 

 「アキラ大丈夫か?」

 

 「はい大丈夫です」

 

 「そうか…気をつけろよ。何が起きるかわからん」

 

 「はい…」

 

 「安心してください!

 お弟子さんはこの橘福福に任せてください!」

 

 「そうか…頼むぞ福福」

 

 「はい!お師匠様!」

 

 「姉弟子は頼もしいね」

 

 「ふふ〜ん!もっと褒めてもいいですよ!」

 

 「すいません…

 皆さんお待たせしました…!

 前線部隊は既に戦闘中との事!

 雲嶽山の皆様が先へ進めるよう

 準備も完了しています」

 

 「そうか…ならば行こう!

 ラマニアンの中心部まで」

 

 「直人さんの所まで…!」

 

 「では皆様…ご武運を祈ります

 我々はこのまま前線部隊と合流し

 民間人を守る盾となりましょう!

 我々の事は気にせず…」

 

 彼は僕達に向け敬礼する

 

 「あぁ…了解した任せておけ

 …作戦開始だ」

 

 僕達はそのままラマニアンの中心部まで駆け出す

 儀玄さんの号令に彼は通信機に向かって叫ぶ

 

 「作戦開始!作戦開始!」

 

 すると僕達が進む先にいた

 エーテリアス達は爆破と共に吹き飛んだ

 僕達は彼らの援護の元…中心部まで

 僕達は突き進む

 

 

 ………

 

 「始まりの主よ…儀式は滞りなく進んでおります」

 

 サラが片膝を付き頭を下げるのは

 目が怪しく光る"禪院直哉"の姿だった

 

 『そうか…御苦労』

 

 「計画通り…あの雲嶽山の姉妹はこちらへ…

 向かって来ております…」

 

 『そうか…!それは喜ばしい事だ!

 司教メヴォラクよ…

 姉妹の片方を足止めせよ

 1つづつ殺せば直哉は絶望し…

 この力を我に差し出すだろう…!』

 

 「わかりました…始まりの主よ…」

 

 『さぁ…早く来い…!

 我が糧となる事を喜ぶがいい…!』

 

 「……」

 

 

 ………

 

 おかしい…

 エーテリアスの姿がどこにも見えない…

 不自然なほど静かだ…

 直人グループの人達が

 他のエーテリアスを足止めしているとはいえ…

 静か過ぎる…

 

 「皆…警戒しろ…」

 

 儀玄さんの声に反応し、

 足を止めると目の前には

 開けた広場があり…

 その真上には紅い禍々しい玉があった

 するとその下には怪しい…

 讃頌会の司祭服を着た者が1人佇んでいる

 僕達はその司祭の前まで向かう

 

 「ようやく来たか…雲嶽山」

 

 「待たせてしまったようだな…」

 

 「私はメヴォラク…

 始まりの主の望みのままに…!」

 

 すると儀降さんと隔離するように

 禍々しい紅い繭のような物が僕達を覆う

 

 「姉様…!?姉様!!!」

 

 儀玄師匠が儀降さんを囲う繭に駆け寄るが

 司祭はそう簡単に許してくれない…

 

 「お前達の相手はこの私だ…!」

 

 ………

 

 儀降視点…

 

 「どうしよう…

 儀玄達と分断されちゃった…」

 

 儀降は周囲を見渡す

 赤黒い空間に隔離され…

 思った以上に広く感じる

 すると奥に赤黒い渦が現れる

 その中から…

 "見知った姿"を目にする…

 

 「"直哉"…?」

 

 久しぶりに直哉の姿を見たが…

 精気を感じない

 まるで操り人形の様な動きだった…

 

 『我の元に帰るべきものを…

 その家族の手で奪い取る…!

 それが最善…!』

 

 「直哉を…直哉を返してよ…!」

 

 儀降は青溟剣を掴む

 その剣を掴む力を強めながら

 儀降は直哉に向かって駆け出す…

 

 『その力を我に渡せぇぇぇ〜!!!』

 

 「直哉を返してよ!!!」

 

 青溟剣の剣先と直哉の拳がぶつかり合う

 普通なら青溟剣がその拳を斬り裂くはずなのに

 鍔迫り合いとなり火花を散らしている

 

 『この絶対なる力!この我に相応しい力だ!』

 

 「黙れ!黙れ!黙れ!

 それは直哉の力だ!

 お前なんかが汚すな!」

 

 儀降は青溟剣を持つ力を強め…

 始まりの主を弾き返す

 

 『抵抗した所で無駄だ

 お前では我を倒せん…!

 その力を渡せ!

 この力と共にその力を有効活用しよう…!』

 

 「うるさい…!直哉の声で喋るな!

 この青溟剣は絶対にお前なんかに渡さない!

 絶対に直哉を取り返す!」

 

 『無謀な…!大人しくその力を渡せばいいものを…!』

 

 次の瞬間…

 私達は駆け出す

 剣と拳が弾き合う音が何度も…

 何度もその場に響き渡る

 剣と拳とのぶつかり合いとは思えない

 だが着実に儀降が押されている

 

 「くぅ…スピードでは勝てない…!」

 

 『言ったはずだ…!無駄な抵抗だと…!』

 

 「諦める訳がないでしょ…!」

 

 『小癪な真似をぉ…!

 この力はお前なんかに止められまい!

 我の前では抵抗は無意味だと言うのに…!』

 

 「お前が決めるなぁ…!」

 

 だが始まりの主の攻撃は

 儀降に全て弾かれて

 反撃を食らう

 

 『ぐぅぅぅ…!』

 

 儀降からの反撃に

 始まりの主は後方に後退する

 

 「…やっぱり!お前は直哉より速くもなければ

 力もない…!お前はただの下位互換だ!」

 

 『我を愚弄するとは…!この…愚か者がぁ…!』

 

 始まりの主は速度を上げる

 だが全て儀降に全て弾かれる

 

 『何故だ…!何故だ!何故だ!何故ぇ〜…!』

 

 「貴方には直哉みたいな器用さもない…!

 技術の欠片もない…!

 ただの純粋な力だけで…!

 ただの当てずっぽうで…!

 信念の欠片もない…!」

 

 『我が…!我が…!

 あのゴミに劣ると言うのか!

 舐めるなよ…!小娘風情が…!』

 

 「貴方には分からないわよ…

 仮初めの力で粋がっているだけ…」

 

 『舐めるなぁぁぁあ〜!!!!』

 

 始まりの主は周囲を駆け回る

 その姿は赤黒い渦にに纏われ…

 視界からは始まりの主の位置が読めない

 どこまでも暗く…見えにくい

 でも…青溟剣が教えてくれる…!

 もう1人の彼が…!

 教えてくれるから…!

 

 『小娘が…!死ねぇ〜…!』

 

 「それは貴方よ…」

 

 始まりの主が私に拳を振り抜いた隙を

 儀降は見逃さず

 その間を縫うように

 青溟剣を直哉の腹部に突き刺した

 

 『ぬぁぁぁ…!貴様ぁぁぁ…!

 何故だ!この体の持ち主ごと…!

 諸共殺すつもりかぁ…!』

 

 「いいえ…死ぬの貴方だけよ…

 "青溟剣"!お願い…!

 その力を"解放"して!」

 

 『な…なんだ…!これはぁぁぁ…!』

 

 

 

 ………

 

 

 

 直哉の精神の中…

 

 僕はこの真っ白な空間で

 数え切れない時間を

 過ごしている

 でも毎日のように始まりの主が

 僕の力を奪い取ろうやってくるが

 全部返り討ちにしている

 そして僕の体は今黒い霧で覆われている

 

 「……今日はやけに静かだな」

 

 いつも散々僕のなくなった記憶を

 踏み荒らして散々僕を壊そうしてきたのに

 今日はなにもしてこない…

 今の僕はずっと…

 忘れたはずの昔の記憶を眺め続けている

 この世界にいないはずの…

 僕の父親と母親…

 そして兄にそこにいた友達…

 覚えていないのに懐かしくて堪らない…

 会いたい…会いたい…

 そんな事叶う訳もないのに…

 もう会えないのかも分からないのに…

 この思いはどうすればいいのだろうか…

 ここから抜け出したら

 もう彼らの事を思い出せなくなる…

 ここにあるのは忘れた記憶だから…

 別にあの禍々しいなにかを追い出せなくても…

 僕はあいつから主導権は奪えるんだ…

 なのに…

 僕はここから出てまた記憶失いながら

 戦うのが怖くて…怖くて…

 仕方がない…

 何で僕だけがこんな目に

 遭わなきゃいけないんだ…

 何で…何で…僕ばっかり…

 僕がなにをしたっていうんだよ…

 

 「なんで…どうしてぇぇぇ…!

 僕の家に返してくれよ…!

 なんで…!僕だけぇぇぇ…!

 僕だけがぁぁぁ…!

 僕だけがぁぁぁ…!

 ふざけるな!ふざけるなぁぁぁ〜…!」

 

 僕はただただ…

 目の前の記憶に拳を向ける

 ただの記憶の断面だから

 僕の拳はただ空を舞うだけだった

 それでも僕の抑えられない怒りが

 拳を振り上げ続ける

 

 「くそぉ!クソ!クソ!クソ!クソぉぉぉ…!」

 

 僕の静まらない怒りの拳は…

 "とある記憶"に手が止まる

 

 「な…なんで…なんで僕の拳が…

 止まるんだよ…!

 今まで散々人を殴り飛ばしたのに…!

 なんで…!どうして…!」

 

 僕がその記憶を覗き込むと…

 僕は薄汚れた服を来て1人ただ歩いている

 

 「なんで…こんなゴミみたいな記憶が…!」

 

 『直哉!』

 

 また僕が拳を振り下ろそうとした時

 記憶の中で…

 この世界での僕の名前が…

 呼ばれている

 よく覗き込むと

 僕を呼んだのは…

 まだ幼い白髪の少女が

 僕のボロボロな服の袖を掴んでいる

 でも…少女の顔は見えない

 黒く塗りつぶしたように

 なにも見えない

 

 『直哉…お腹空いた』

 

 『お前さっき食ったばかりやろ…』

 

 『でもぉ…お腹空いたの…』

 

 『あぁ…!もう騒がしいわ!』

 

 すると記憶の中の僕は

 ボロボロなズボンに手を押し込み

 その中から200ディニーを見つける

 そしてその200ディニーを少女に渡す

 

 『…これであっち行ってなんか買ってこい、』

 

 すると少女は目を輝かせて

 短くだがこう言い放った

 

 『ありがとう直哉…!』

 

 その満面の笑みと共に彼女は走り去っていく

 こんなボロボロで路地裏の中で

 大事なお金を明け渡して…

 得たのはただの少女1人の笑顔

 だけでなんのメリットもないのに…

 なのに…なんで僕は渡したんだろう

 そんな事を思っていると

 

 『直哉…ごめんなさい!』

 

 また僕を呼ぶ声が聞こえる

 その少女の声に反応し

 声の元へ目を向けると…

 そこにはまたしても白髪の少女…

 然れども…少し大人びたような

 雰囲気を感じる少女が

 こちらへ慌てて駆け込んで来た

 

 『ごめんなさい…直哉。

 "儀玄"が我儘言って…』

 

 『ええねん…黙ってろ。

 俺が好きでやったことや

 お前が気にするような事やあらへん』

 

 グゥゥゥ~…

 

 『……』

 

 『あ…!え、えっと…その…ごめんなさい…』

 

 『はぁ〜…これは俺の腹の音や気にすんな』

 

 『ごめんなさい…直哉』

 

 『まあ待てや…

 この辺にあったはずなんやけどな…

 ちょい待て…あったあった…』

 

 記憶の中の僕はなんの変哲もない

 路地裏のゴミ箱の下を漁っていた

 すると中からまた…

 ディニーを取り出した

 400ディニー…

 

 『ほら…ついでやあのクソガキと合流するか』

 

 『…うん!行こう直哉!』

 

 『馬鹿か!引っ張るな!走るなや!』

 

 路地裏の中での生活で

 辛いはずなのに…

 なのにどうして赤の他人のはずなのに

 どうして少女達の為に

 大切なお金を使ってまで…

 どうして…どうしてそんな事ができるんだ…

 

 「なんでぇ…どうして…」

 

 僕が気づいた時には僕は

 この記憶に張り付いて見ていた

 僕がここまでして

 …魅入っていたのか

 分からない…分からないよ…

 

 『見つけたよ…直哉』

 

 「は…?だ、誰だ!」

 

 僕の目の前には白髪の長身の女性がいた

 その手には1つの剣を持っていた…

 そして彼女はこちらに駆け寄ってくる

 

 「これが…始まりの主か?

 あいつ女だったのか?

 いやそんな訳が…」

 

 『私はそんな奴じゃないよ直哉!』

 

 「馴れ馴れしいな!僕に近づくな!」

 

 ここは僕の精神空間…!

 絶対に僕の意思が勝つに決まっている!

 僕の意思が絶対だ…!

 

 「出ていけ!僕に近づくな!」

 

 始まりの主をここから追い出す時のように

 追い出す!

 でもおかしい…!

 なんで…距離が遠くならない!

 寧ろ近づいている

 なんで…どうやって…!

 

 「一体どんな手を使ったぁぁぁ〜!

 始まりの主の犬風情が…!」

 

 「私は違う…!直哉待って…!」

 

 「くそがぁぁぁ…!

 こうなったら相手してやるよ…!

 飼い犬風情が…!」

 

 『飼い犬じゃない…!』

 

 僕は体中に全神経を注ぎ込む

 そして僕の…この世界での…

 『禪院直哉』としての僕の体を作り出す

 顔まではする必要はない

 

 「殺してやるよ…」

 

 「そんな事しなくていいの…」

 

 「黙れ部外者…俺の中から出てけ!」

 

 「直哉を起こすまで出て行かない!」

 

 「なんだよ!このストーカーが!」

 

 僕は速度を上げて

 侵入者の周囲を駆け回り速度を加速する

 目で追わせはしない!

 絶対に僕の位置は特定できない!

 僕を止める事もできない…!

 僕はいつだって"1人"で解決してきたんだ!

 

 『やっぱり…始まりの主より…

 直哉の方が強い…速度も力も…』

 

 「あんな紛い物と比べるな!」

 

 僕は一度足を止め…

 相手の油断を突く

 彼女が追っていた僕の残像が消える

 僕は視野外から彼女の

 脇腹に向かって拳を振り下ろす

 

 「……終わりだ」

 

 『いいえ終わりじゃないわ』

 

 彼女と僕の拳の間に彼女持つ剣が間に入る

 どこかで見たことがあるような剣だ…

 僕の拳が剣に触れた瞬間…

 拳が消え黒い霧と化す

 

 「は…?なんで…」

 

 『久しぶりだなもう1人の俺…』

 

 「は…?」

 

 僕の黒い霧となった姿の僕の肩を掴む

 『禪院直哉』の僕だった

 

 『そろそろ現実を目を向けろよ俺…』

 

 

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