気がついたら禪院直哉だったので好き勝手させてもらいます 作:黙々睦模目
儀玄視点…
私が雲嶽山に来て10年が経った
2年前…
病院で兄者と会ってから…
私達は会っていない
遠目で見る事はあったが会いに行く事はなかった
そして彼はよく宗主と話していた
内容まではわからなかったが…
いつも兄者は怒って部屋から出ていく姿を見た
次第その頻度も多くなっていた
兄者の顔は焦りが目立っていたと思う
そして彼はよく1人で外出していた
他の師弟達から聞いた話だと
「よくホロウに潜っているのを見た」
「ホロウの中でなにか探してるみたい?」
「でも…ホロウの中に入っては迷い込んだ人助けしてるよね。なんか怪しくない?」
と…彼が焦ってる理由はわからなかった
兄者を追跡しようとしても…
ホロウに入った瞬間彼の姿が消える。
何度も試したが、全て失敗した。
最後の追跡を最後に兄者は帰って来なかった
そして宗主…
師匠の体調が悪くなってきた為私は追跡をやめた
彼はもう寝たきりになっている
そんな宗主はいつもこう口にした
「雲嶽山の宗主は直哉とする…奴に『青冥剣』を託す」
だが他の雲嶽山の師弟からは
「あいつに任せるとは正気か!?」
「あんた!一体あいつのどこがいいんだ?」
「直哉なんかじゃなくて儀降が次期宗主だろう!」
「そうだ!」
「『青冥剣』をあのクソガキに渡せるものか!」
「『青冥剣』は雲嶽山の名誉だぞ!それを渡せるか!」
青冥剣…雲嶽山で継承されている秘剣…
そして使用者をも蝕む秘剣
…邪剣とも言えるだろう
「…姉様」
「…安心して…儀玄、私が宗主に…」
だがその言葉を師匠は遮る
そして師匠はベッドから立ち上がる
「お前ではダメだ!青冥剣は儀降には荷が重い…!」
「…師匠」
「…わしが死んだら、直哉に渡すんだ…」
そして師匠は姉様の肩を掴んだ
「宗主!」
だが周囲は納得しない
「…わかりました。宗主」
だが姉様はそれを承諾する
「…儀降…絶対『青冥剣』を持つな…持ってはならない…宗主にお前がなるのはいい…だが『青冥剣』だけはダメだ…」
すると
すると師匠は力尽きたように崩れ落ちてしまった
「宗主…!」
そして周囲に待機していた師弟達が師匠を支える
そして私は姉様の顔を覗き込む
「…姉様」
姉様の顔はなにか選択を迫られた様な顔をしていた
だが…その心配している私を余所に
「…大丈夫よ、儀玄」
そしてその日は私達は師匠の部屋から去った
だが師匠の状態が悪化しても…
兄者は帰ってこなかった…
兄者は師匠が亡くなってから帰ってきた
だけど彼はどこかおかしかった
最後…病院で話した時よりも…
そして兄者は雲嶽山の元老達と話し合っていた
私はその近くで待つことにした
(兄者…一体今までなにをしていて何故…今更帰ってきたのか…)
ただ本人からその事を聞きたいだけだった
だがそんな考えはすぐに一蹴された
「禪院直哉は雲嶽山を裏切ったぁぁぁ〜!!!」
すると他の雲嶽山の師弟達がその場に押し寄せた
だが押し寄せた師弟達は全て…
兄者の手によって返り討ちにあった
そして彼がその場に倒れ込んだ
師弟達を踏みつけながら
こちらへ歩みを進める
そんな兄者の顔はどこか呆れている様で
何もかも諦めた様な顔をしていた
私はそんな彼を…
兄者の前に立ち塞がる
すると兄者は口を開いた
「次に俺の道の邪魔をするんはお前か」
そんな彼は一切表情を崩さない
「…兄者、もうやめてくれ!またあの時の様に…私達3人でまた暮らそう…!今ならまだ間に合う!」
自分でもわかっている…
彼にもう私の言葉が響かないのはわかっている
「間に合うんじゃないで…儀玄…」
なのに彼はずっと悲しそうだ
まるで子供が怒られて泣きそうになっている様に
「兄者…?…なんで今私の名前を」
路地裏で一緒に暮らした時は…
名前で私を呼んでくれなかったのに…
「もう俺は…雲嶽山の者やない…」
聞きたくない…聞きたくなかった
「兄者ぁ!」
だが彼は無情に冷たく言う
「黙れ」
「……」
その場に数秒の静寂が訪れだ
そしてその静寂は兄者によって掻き消される
「黙って俺を通せ…儀玄」
「私は嫌だ!」
私は昔の様に兄者に食い下がる
「…もうお前もガキじゃないやろ」
「…知らない!そんな事知らない!」
だけど彼はそんな私を昔の様に扱わない
「…もう青冥剣について知ったやろ」
「嘘だ!嘘だ!あれは皆を…皆を救う剣だ…!」
嘘だ…本当はわかっている
でもこうでもしないともう兄者は止まらない
私は両手を広げ道を塞ぐ
「…いい加減現実見ろや、…クソガキ!」
すると彼は私の頬を叩き…
私を通路の壁に向かって吹き飛ばす
そんな事を想像していなかった
私は崩れ落ちてしまった
そして彼は私を置いてその場を去っていく
「兄者…ま…って…」
そんな彼はふらふらと前へ進んでいく…
その背は本当に悲しかった
直哉視点
僕は今師匠…宗主の部屋の前まできた
正直…僕の後悔は止まらない
罪悪感と言う名の槍が…
僕を突き刺し続ける様だ
もう『旧都陥落』までの時間はない
…もう後悔する時間もない
後は青冥剣だけ…
…青冥剣さえ手に入れられば
…皆を助けられる
…少しでも多くの人々を
大切な妹分達に心の傷を作ることになるだろう
僕は彼女達を裏切ったんだ…
もう生きたい…なんて言わない
もう僕の命も天秤に乗せる
僕は逃げない…
目の前の扉から感じる気配
…儀降は僕を待っている
そして僕は顔に手を当て…
表情を作る…
…アニメで見たようなあの顔を
だが口角を上げてもすぐ戻ってしまう
「…やっぱ…演じるんは嫌いやわ」
そして僕は師匠の部屋の扉を開け
その中には亡くなった師匠と…
青冥剣を持った儀降
「…最後はお前か!儀降…」
僕は無意識にまた表情を作ろうとしたが失敗した
「兄者…」
…どうやって青冥剣を奪うか…
忙しいと思ったのですが以外と時間があったので1話だけ…
7話のアンケートは閉じました
次はアンケートで一番多かった
『儀降が説得を試みる』話を進めます
ネタバレになるかよく分かりませんが…
戦うが多かった場合
流れは余り変わらないのですが次の話の内容だけ変えようと思っていました。
…簡単に言えば儀降に直哉を伊藤誠みたいに腹をぶっ刺そうと思ってました。
次に儀降が直哉に大人しく青冥剣を渡すが多かったら
どういう流れでそうなるかは言いませんが…
サラの傀儡にでもして原作の直哉にしようと思ってました
…では更新は遅くなりますがこれからもよろしくお願いします