『死に戻り』しまくって助けたヒロインが、記憶を引き継いでいたので全員病んだ 作:水葉わいん/わいん。
俺を襲ってきたのは――マシュマロみたいな柔らかな感触だった。
……いや、月乃だろ。
この柔らかくて大きな感触、絶対に月乃だろ……!
俺が何回、押し付けられたと思ってるんだ。
柔らかさや大きさで簡単にわかってしまった。
「月乃だよな?」
「あれ? もうバレてしまいましたか?」
月乃は驚いた様子だった。
「まあ……月乃と他の二人じゃあ、大きさが違うからな……」
「……? それは、どういう……」
「あ、ああいや、何でもないよ!
月乃がスイカだとすると、花恋は小ぶりなメロン、雪那に関しては……。
「――痛っ?!」
次の瞬間、耳に鋭い痛みが走った。
まるで――耳を噛まれたようだった。
「――ユ、ウ? 今、超失礼なこと考えなかった?」
耳元から少し不機嫌そうな雪那の声が聞こえてくる。
「ゆ……雪那?!」
「雪那ちゃん? 今は私のターンですよ?」
「ごめんごめん……なんか、ユウが超失礼なことを考えてるような気がしてさぁ」
そうして雪那は離れていった――かと思っていた。
「――私のターンの時は覚悟してね?」
耳元でそう言い残していった。
っ……ど、どうしよ……。
俺が冷や汗を流していると――
「――ユウさん」
今度は、月乃の声が優しく鼓膜を揺らした。
「雪那ちゃんの邪魔が入りましたけど……今は私のターンですからね? 私だけに集中してください……!」
「つ、月乃……」
「ほら、もっと私のことを触らないと何を着ているのか当てられませんよ?」
月乃は扇情的な声で俺を煽る。
そういえば、人物を当てるだけではなく何を着ているのか当てなきゃ、解放されないんだよな……。
俺は……恐る恐る月乃の体に手を伸ばした。
「んっ……」
偶然にも――触った場所は月乃の二の腕だった。
少し揉んだり、触ったりしていくと……服はふわふわとした肌触りで、生地はかなり薄かった。
「ユウさん……! んっ……く、くすぐったいです……!」
「ああ、ごめんごめん……でも……ごめん、全然何着てるか、わからないや……」
何だこれ……?
ふわふわしているし、防寒服かと思ったが……それにしては、あまりにも生地が薄すぎる。
「流石に触っただけじゃわかりませんか……? じゃあ……ヒントを一つ、あげますね?」
「いいのか?」
「はい……! でも、ヒントをあげても、わからなかったら……代わりにユウさんには罰ゲームを受けてもらいますから」
「え……?」
「では、ヒントです! この服は……普通の服屋さんでは売っていません!」
「普通の服屋では売っていない……?」
そう言われて……とある可能性が脳裏をよぎった。
いや、まさか、そんなこと……。
「さあ、わかりましたか?」
「……あ、ああ。わかったよ。月乃が今着ている服は――」
俺は、唯一、思い浮かんだ答えを話した。
「――水着じゃないか?」
「不正解です……! 後で罰ゲームですね……!」
月乃は嬉しそうに言った。
いや……これ無理じゃね?
どう考えても着ている服を肌触りだけで当てるなんて……正解させる気ないだろ……。
俺がそう思っていると……月乃は俺の元から離れて、今度は別の人物が近づいてきた。
その子は至近距離まで無言で近づいてきて――
「――センパイ、好きです」
――耳元で甘く囁いた。
「ッ〜〜〜! か、花恋?!」
「あれ? バレちゃいましたか?」
「そりゃあな……! てか、隠す気なさすぎだろ……」
「えへへ、ゲームよりもセンパイをドキドキさせる方が面白そうだったので……!」
「っ……」
まあ、実際にちょっとドキッとしたけどさぁ……!
「というわけでセンパイ、あとは私の着ている服を当てるだけですよ?」
「くっ……それが難しいんだよ……!」
「ふふっ、頑張ってください……! ちなみに言っておくと、私たちは3人とも共通の服を着てますから、月乃ちゃんのヒントも使えますよ?」
「そうなのか……!?」
月乃のヒントは、『普通の服屋では売っていない』……だよな。
さらに水着でもない……。
「情報が少なすぎて、わかんねえな……花恋、質問だけど、俺はその服の名前を知っているよな?」
「はい、勿論です! 基本的にみんな知っていると思いますよ?」
「となると……なんだ?」
みんなが知っている服……?
ワンピースとかパーカーとかジャージとかか?
「ふふっ、まだわからないみたいですね? なら……ぎゅ〜っ!」
すると、花恋が正面から抱きついてきた。
「――ちょ、ちょっと?! 花恋?!」
「えへへ、こうすれば服の肌触りや形がよくわかるでしょう?」
「っ……そ、そうだけど……」
大きくて、柔らかいブツが当たっている上に……花恋の体温や吐息、柔らかな四肢の感触などが、俺の理性を溶かしていく。
「――そういえばセンパイ」
花恋は何かを思い出したような口調で話し始めた。
「な、なんだ?」
「もしも……もしもですよ? センパイが私たち3人の中から誰を選ぶのか悩んでいるというのなら――」
花恋は一呼吸挟むと、俺の耳元で――
「――『全員選ぶ』っていうのも、アリなんですよ?」
その囁き声は……鼓膜を甘美に溶かし、脳の中を甘く蹂躙していった。