ただのデュエル好きが遊戯王が大流行している世界に転生してただデュエルをするだけ   作:葛饅頭

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作者はマスターデュエル勢でアニメ遊戯王をあまり視聴していないのでオリジナル世界が舞台です。予めご了承ください。
ルールミス、裁定ミスなんかがあったら指摘してください。直せる範囲で直します


オカルトを信じないとやっていけない世界

「バトル! 『ファイヤー・ウイング・ペガサス』で『ゼンマイラビット』に攻撃!」

 

 前世で名前が間違われやすいことで少し話題になっていた燃える馬が背中に大きなねじ巻きがついている二足歩行の兎のメカに跳びかかる。

 俺がコントロールするゼンマイラビットが攻撃力1400であるのに対してファイヤー・ウイング・ペガサスの元々の攻撃力は2250。更に『デーモンの斧』が装備されているので攻撃力が1000上昇して攻撃力3250だ。

 

 このままでは戦闘破壊されてしまう。なので予め伏せておいたカードを開く。

 

「罠カード発動、『強制退出装置』。チェーンして『ゼンマイラビット』の効果を発動。更にチェーンして『ヴェルズ・サンダーバード』の効果を発動。更に更にチェーンして『積み上げる幸福』を発動」

 

「カードを一気に四枚発動……!?」

 

 この世界だと前世の遊戯王のような大量チェーンは非常に珍しい。

 カードパワーが前世の俺が死ぬ直前のOCGと比べてかなり控えめであり、手札誘発の空中戦とか滅多にないし、融合召喚したモンスターも融合素材として墓地に行ったモンスターも一斉に効果を発動するとかそういうこともまず起こらない。

 勿論俺のデッキの殆どのカードもこの世界において平均ちょい上程度のパワーしかない。しかしチェーンを組むことを重要視したこのデッキではチェーンが四つ、五つと重なることは珍しくない。

 

 積み上げる幸福による二枚ドローの直後、俺のフィールドの黒い鳥と赤い兎がどこかへと消え去る。

 そして最後に研究所のような建物がフィールドに現れ、アラートが鳴り響く。

 

「強制退出装置の効果により、お互いそれぞれの自分フィールドのモンスター1体を選んで持ち主のデッキに戻さなくてはなりません。まあ今の私のフィールドにはモンスターがいないのですが」

 

「くっ……ファイヤー・ウイング・ペガサスをデッキに戻します……」

 

 相手フィールドにはファイヤー・ウイング・ペガサス一枚の他にモンスターがおらず、それを戻すしかない状況だ。

 アドバンス召喚で出して装備魔法までつけた上級モンスターが装備を墓地に落としながらデッキに帰ってゆく。カード三枚分の損失だ。

 

 お互いのモンスターがフィールドから消えた直後、研究所が派手に爆発する。

 質量の無い立体映像の筈なのに体を押す風が吹き、ネクタイがはためく。どういう原理なのかは知らない。

 

 手札を使い切り、伏せカードも無くなった相手は隠しきれていない苦い顔でターンエンドを宣言する。

 

「私のターン、ドロー……そしてスタンバイフェイズ。ヴェルズ・サンダーバードとゼンマイラビットがフィールドに帰還します」

 

 相手と同じくガラ空きとなっていたフィールドに二体のモンスターが帰還する。あともう一体エンドフェイズに帰ってくるやつがいるのだが、帰ってくる前にデュエルが終わりそうだ。

 攻撃力だけで言えば正直言って頼りないモンスター達だが、このデッキにとって重要なのはこの生存能力だ。

 お互いのフィールドがブラックホールで消し飛ぶようなことがあってもこいつらは生き延びる。攻撃力の低さなど、相手モンスターと戦闘しないのであればあまり気にしなくていいのだ。

 

 それにこの世界ではライフポイントが4000でデュエルがスタートする。

 前世で同じ戦法を取ろうとすれば8000のライフを削り切るのに時間がかかり過ぎて、その間に展開札や捲り札を引かれて敗北を喫するだろうが、こちらの世界では相手に猶予を殆ど与えずにライフを削り切れる。

 

 このままこの二体で無防備な相手を殴ればライフを削り切れる計算だが、油断はしない。

 この世界で一般的に行われているデュエルディスクを用いたデュエルでは相手が手札から墓地に送ったカードが何なのか確認できない。

 相手が使ったカードの効果も基本的に確認できないし、墓地や除外ゾーンも非公開になっているし、その上OCGには存在しないカードも度々見かける。墓地から突然最上級モンスターが飛び出してきてもおかしくはないのだ。

 

「『妖精伝姫(フェアリーテイル)-カグヤ』を召喚します」

 

 左腕に装着したデュエルディスクから生成されたリアルソリッドビジョンのカードプレートにカードを置けば、ソリッドビジョン・システムによってカードに描かれているものが立体映像として、まるで本当にそこにあるかのようなリアリティで空中に描画される。

 

 光と共に着物を着た狐の少女が姿を現す。長い髪と大きな尻尾をふわりと揺らし、口元を扇子で隠しながらちらりとこちらに目線を送る。

 本当に生きているのではないかと錯覚してしまいそうなクオリティだ。

 

「カグヤの効果でデッキから『妖精伝姫(フェアリーテイル)-ラチカ』を手札に加えます」

 

 カグヤは召喚成功時に攻撃力が1850の魔法使い族モンスターをサーチすることができる。

 カグヤ自身も攻撃力1850の魔法使い族なのでいわゆる同名サーチが可能なのだが、俺はカグヤをデッキに一枚しか入れていない。

 ピン挿しなのには理由がある。

 

 まず前提として、この世界にはオカルトが割とありふれている。特に遊戯王カード周りでオカルトな現象はよく見られる。

 例えばこの世界の病院にはライフ回復カードが配備されており、原理は不明だが専用の装置にカードをセットして患者にあれやこれやすると本当に怪我や病気の回復が早まるのだ。

 

 カードには特別な力が宿っている。そしてカードに特別な力を与えている存在がいる……その存在の機嫌を損ねるとデュエル中に無視できない悪影響が現れると考えられている。

 簡単に言えばものすごく手札が事故るようになる。

 

 この世界の一般的なデュエリストは殆どのモンスターカードを一枚だけ採用してデッキを組んでいる。

 確率だけで言えば初手で引きたいカードは基本的に三枚入れるべきだし、更にそれをサーチできるカードも大量に採用するのが前世での一般的なデッキ構築だ。

 

 しかしこの世界のデュエリストはデッキに一枚しか入っていないカードをここぞというタイミングで的確に引き当てる。

 勿論絶対に引けるわけではないが、データを集めて計算してみれば明らかに確率を超越しているのがわかる。

 

 運命力。またはここであのカードが来てくれるという信頼。そういったものが確率の壁を超えるのではないか。そんな論文が幾つも存在していて、大真面目に研究されているそうだ。

 

 その時その時で引きたいカードを引けるのであれば、限られたデッキ枚数上限内であらゆる状況に対応できるように様々なカードを詰め込むのが最適解の一つとなり、その枠を空けるためにモンスターカードをピン刺しにするのは理に適っていると言える。

 

 そして同じカードを何枚も入れてサーチカードも大量に積む行為は自分の運命力やカードのことを信じていないということになってしまう。

 自分も信じる。カードも信じる。それが出来ないデュエリストはカードにそっぽを向かれるのだ。

 

 勿論明確な理由があれば二枚、三枚と同じカードを入れることはある。同名モンスター三体を融合素材に指定している融合モンスターを出したい時とか、同名カードがデッキに複数枚入っていないと効果を使えないカードとか、一枚除去されたらデッキ全体が機能停止しかねないデッキの核となるカードとか。

 

Q.それなら同名サーチが可能なカグヤを複数枚採用するのはちゃんと理由があるからセーフなのでは?

 

A.サイフポイントが不足しています。

 

 遊戯王が大人気なこの世界ではありとあらゆる物事に遊戯王が関わってくる。遊戯王が強いと人気者になれるし就職活動でも強さが考慮されるしプロデュエリストは前世で言うところのプロ野球選手やプロサッカー選手並かそれ以上の人気を誇るし犯人逮捕にもデュエルが行われるし医療現場でも病人の治療のためにデュエルが行われることがあるとか。なんで?

 現に今俺は営業先の社員とデュエルしている。こちらが勝てば無事顧客獲得となる。いいのかそれで。

 

 そんな世界なのだから当然強いカードの需要がとんでもないことになっている。

 みんな強くなりたいからどんどんパックを開けるのだが、この世界の遊戯王カードは前世のOCGよりもカードの種類が遥かに多いし、その殆どがパッとしない通常モンスターだし、マスターデュエルのマスターパックも真っ青な闇鍋パックばかりだしと、まともなデッキを自力でパックから当てたカードだけで組むのは困難を極める。

 

 そこでカードをトレードしたり売買したりすることでデッキの完成度を高めていくことになるわけだが、汎用性の高いパワーカードは当然みんなが欲しがる。

 その需要に対して供給が全く追いつかないため、当然その価値がどんどん上がっていくことになる。

 

 その結果、構築済みデッキなどの確定で入手する手段がない汎用カードが一枚一万円を超えることは珍しくなく、その中でも特にカードパワーが高い物は十万円を超え、更に高レアリティでイラストまで良いとなれば車が買える値段になり得る。

 ではこのカグヤはどのくらいの値段がするカードなのかと言えば……まあ、車の中でも特にお高いやつが買えるレベルの超高級カードだ。

 ここまで来ると持ち運ぶのも怖いレベルだが、飾ったまま放置するとカードが拗ねるから困る。

 

「なんと! あれは幻のレアカード……!」

 

「あれって確かうちの社長が持ってる『ホーリー・ナイト・ドラゴン』よりも高価なカードだぞ!?」

 

「綺麗……」

 

 観客もこの反応である。プロデュエリスト同士の試合でもこのレベルのレアカードは中々出てこない。

 そんなカードをなぜ俺が持っているのかと言えば……まあ、色々あったのだ。

 

「バトルフェイズに入ります。カグヤでダイレクトアタック」

 

「そこです! ダメージ計算時に墓地の『盾航戦車ステゴサイバー』の効果を発動! ライフを1000払い、このカードを墓地から特殊召喚してその戦闘ダメージを0にします!」

 

 大地を切り裂く演出と共に現れた鎧を纏った恐竜が鋭い背中の棘でカグヤの攻撃を受け止める。

 こちらの全てのモンスターの攻撃力を上回る守備力2400の上級モンスターが壁として現れたが問題無い。

 

「『妖精伝姫(フェアリーテイル)-カグヤ』の効果をステゴサイバーを対象に発動します。この効果はこのカードと対象のモンスターを手札に戻す効果ですが、貴方はデッキ・EXデッキから対象と同名のカード、つまりステゴサイバーを墓地に送ることでこの効果を無効にできます。墓地に送りますか?」

 

「……送りません」

 

「それではカグヤと対象のモンスターを手札に戻します。ステゴサイバーは自身の効果によってフィールドから離れる場合、代わりに除外されます」

 

「ああっ、ステゴサイバー!?」

 

 一枚採用が基本のこの世界ではカグヤのバウンス効果を止められることが殆どない。

 止めたくても一枚しか採用していない既にフィールドに存在しているカードをデッキから墓地へ送ることはできない。

 前世ではこの効果を確実に決めるには何かしらのコンボが必要だったのだが、この世界だとコンボ要らずでほぼ確実に決まって何度でも使える汎用パワカだ。攻撃力1850なのも偉いし相手ターンに効果を使えるのも超偉い。

 

「それではサンダーバードでトドメです」

 

 高く飛び上がったサンダーバードから稲妻が迸り、相手プレイヤーへと降り注ぐ。

 ステゴサイバー以外に身を守る手段は用意できていなかったようで、そのまま直撃してライフを削り切った。

 

「うわぁぁぁーーーーーっ!!!」

 

 相手が感電したようなエフェクトと共に絶叫しながら勢い良く後方へとすっ飛んでいって背中から地面に叩きつけられたが、この世界の人間はやたらと頑丈なのであれくらいで怪我をすることはないし、別にそんな痛くもない。ソリッドビジョンは安心安全のシステムです。

 でも実際にダメージを受けるとなんか声が出ちゃうしライフが0になったらもっとオーバーなリアクションをしちゃうんだよね。不思議。

 

「対戦ありがとうございました」

 

「ははは、手も足も出ませんでした……」

 

 今回のデュエルはこちらは一度もダメージを受けずに相手のライフを削り切った。

 接待デュエルじゃないから圧倒しても大丈夫と上司に言われていたので好きにやらせてもらったが、ちょっとやり過ぎたかもしれない。

 

 後のことは営業に任せるとしよう。商談は俺の仕事ではない。

 頻繁に負けられないデュエルのために呼び出されて大変だが、デュエルの腕で入社したようなものだし、決闘手当も貰えるから文句は言えない。

 

 勝ち負けばかり考えながらデュエルをしたくなかったからプロデュエリストの道には進まなかったのに、結局こうしてデュエルで飯を食っている。

 異なる世界とはいえ転生してもう一度学生時代をやり直せるチャンスを得たのに、勉強をろくにせずにデュエルばかりしていた俺が悪いのだが。バカは死んでも治らなかった。

 

 

 

 

 

 

「これは使えそうかなー……」

 

 自宅の近所のカードショップの一角にて、箱買いしたパックを次々と開封し、俺のデッキで使えそうなカードとそれ以外のカードを分けて机の上に山積みにしてゆく。

 

「それってもしかして『ミラーフォース』?」

 

「いや、これは『ミラージュ()フォース』だ。幻想魔族専用サポートだぞ」

 

 気がつけば見物客が結構増えている。その殆どがこの店の近くの小・中学校の生徒だ。

 遊戯王のパックは子供のお小遣い基準だとそこそこの値段がするからな。それを箱買いして一気に大量開封している大人がいたらつい気になってしまう気持ちはわかる。

 

「いいなー幻想魔族サポート」

 

「欲しいなら後で何かとトレードしてやろうか?」

 

「いいの!? ありがとう師匠!」

 

 で、この俺のすぐ後ろでパック開封しているところをがっつり見物している、やたらと主張が激しい髪型をした少年の名は『遊灯(ゆうひ)』。

 前世で放送されていた遊戯王のアニメなら主人公になっていそうな名前と髪型だ。まあ俺はアニメの遊戯王はネットミーム程度しか把握していないにわかなのだが。

 

 以前なんか色々あって彼に少しデュエルを教えたら懐かれたようで、今でもデッキ構築やプレイングの相談を受けたりデュエルしたりと交流が続いている。

 この世界の人間は老若男女問わず大体遊戯王が好きなので、デッキを持っていれば遊戯王という共通の趣味を通じて歳の差も性別の違いも超えて交流ができるのだ。

 

 まだまだ彼のデュエルの腕前は未熟ではあるが、カードに愛されているのか引きはかなり強い。

 パックを開ければ闇鍋の中からピンポイントで彼のデッキと相性の良いカードを引き当てるし、デュエル中ピンチになれば高確率でその状況を解決するカードを引き当てる。

 こちらがこのまま殴れば勝ちという場面では大体『幻蝋館の使者』を握っているし、次のターンには最上級モンスターを出して反撃してくる。

 

 使っているカードもこの世界基準だとパワー高めなんだよな。幻想魔族を中心に前世で言うところの第12期以降のカードをバンバン出してくる。

 とは言っても【キマイラ】みたいなガチのやつじゃなくて『幻惑の魔術師(ナイトメア・マジシャン)』とか『モコモッコ』とかが詰め込まれているだけなのだが、1ターンに二度まで戦闘破壊されないだけの『シールド・ウィング』が防御札として相性が良いデッキに採用されるようなこの世界において戦闘破壊不可能なモンスターが次々と出てくる彼のデッキは相対的にかなりタフである。

 

「あ、このカードは……」

 

 暫くパックを開封し続けていると、あるカードが目に入り手が止まる。

 下級通常モンスターばかり出てくるパックの中からようやく効果モンスターが出てきたと思ったら、そのカードは下半分が緑色だった。つまりペンデュラムモンスターである。

 

 そこに描かれているモンスターは一角獣の名を持つが、鱗があるし首が長いし髭も生えている。

 前世の遊戯王OCGにてその強さと汎用性から禁止カードに指定された過去を持つパワーカード。

 

「『マジェスペクター・ユニコーン』……これはダメなやつだろ……」

 

 このカードのヤバさを理解していない子供たちが背後でわいわい賑やかに騒いでいる。

 ペンデュラムモンスター自体初めて見たとかレベル6で攻撃力2000は微妙じゃないかとかペンデュラム効果無しってハズレじゃねとか子供たちが好き放題言っている中、遊灯くんは緊張した面持ちで静かにそのカードを見つめていた。

 

 あ、目が光っている。なんかこの子たまに左眼が金色に光るんだよな。普段はどっちも青い目なのに。

 

「師匠、そのカードは……」

 

「あー、やっぱりこれ『オーバード』?」

 

 静かに頷く遊灯くん。

 これまた面倒なことに巻き込まれかねないカードを引いてしまったようだ。

 

『明らかに異常なパワーを持つカードがパックから稀に出てくる』

 

 そんな噂が一年ほど前から囁かれ始めた。

 実際その噂が広まりだした頃には突然ネットオークションに最終的に数億円の値がつくことになるほどのパワーカードが出品されたり、突然知らない人にデュエルを挑まれ、そしてとんでもなく強いカードを使われて負けたといった報告が多数見受けられたりしたこともあって、この噂は真実なのではないかと思った人たちが大量にパックを買い求め、その結果一時期どこの店でも売り切れ続出という騒ぎに発展したことを覚えている。

 

 当時はパックを殆ど買えなかったのでカード単品で購入していたのだが、確かにこの世界基準でとんでもないパワーを持つカードが超高額で販売されているのをショッピング中にいくつか見かけた。

 中には前世の遊戯王OCGにて禁止カードや制限カードに指定されていたこともあるカードの姿もあった。『氷結界の龍 トリシューラ』とか『ダイナレスラー・パンクラトプス』とか。パンクラは欲しかったけど高すぎて手が出なかった……

 

 一部の人はこれらのパワーカードのことを『オーバード』と呼称しているようだ。

 アニメ遊戯王の『No.(ナンバーズ)』とは異なり、カード名にオーバードと入っているわけではないし、強いこと以外の共通点は特にないっぽい。

 またオーバードはそれぞれ世界に一枚だけということはないようで、探せば二枚目、三枚目が見つかる可能性がある。

 

 それで、ただめちゃくちゃ強いカードが出回っただけならまだ良かったのだが、後で知ったがそのカードは手にした人間に何かしらの干渉を行うらしい。

 カードに宿る精霊とかなんとかの凄い力は人の心を蝕み、持ち主の性格を変えてしまうのだとか。大抵の場合ろくでもない性格になるらしい。

 

 そして俺は気付かないうちにオーバードを入手していてしかも人前で使っていたらしい。

 幸いにも俺の性格に特に変化はなかったが、レアカードを狙う良からぬ輩に目をつけられてしまったようで、夜に人目につかない場所を歩いていたら突然怪しい男にデュエルを挑まれることになる。

 

 オーバードだのアンティルールだの一方的に言われた後、その男がデュエルディスクを構えるとなぜか強制的にこちらのデュエルディスクが起動してデュエルが始まってしまった。

 しかも本来専用の大型設備が必要なはずの広範囲のリアルソリッドビジョン・システムによる質量を持つ立体映像の壁が俺の逃走を妨げたのだ。

 

 というわけでその男とデュエルするしかなかったのだが、ぶっちゃけ相手のデッキは初手で召喚されたカグヤ以外大したことがなく、そのカグヤも男が雑にバウンス効果を使ってくれたおかげでその効果に罠カードをチェーンしてあっさり除去できた。

 カグヤのサーチ先もデッキに入れてなかったし、次の俺のターンに『天獄の王』でぶん殴ってあっさり勝利した。

 

 デュエルが終了すると同時にリアルソリッドビジョンの壁が消え、なぜか相手のデュエルディスクから飛び出したカグヤが俺の手元に飛んできた。

 しかも相手の合意無しにデュエルディスクに俺のカードとして登録される怪奇現象も起こり、困惑しているとその隙にどういうわけかボロボロになっていた男は逃走。夜の闇へと消えていった。

 

 この出来事を警察に通報してデュエルディスクとカグヤも警察に調べてもらったのだが、デュエルディスクの対戦履歴に残っていた男の情報はダミーだったらしい。

 そしてカグヤは俺のデュエルディスク以外に登録された情報がどこにも無く、指紋などの証拠も何も残っていなかった。

 

 それからカグヤは警察が事件の証拠品として預かっていたのだが、暫くして警察から電話がかかってきたと思ったら突然カグヤを返却されることになった。

 なぜか別の誰かがカグヤを落とし物として警察に届けたということになっており、データベースを確認してカードの持ち主として登録されていた俺に電話をかけたのだという。

 

 再びの怪奇現象にめちゃくちゃビビりながらカグヤを受け取った俺は頭を抱えた。

 返却されちゃったこのカードは使ってもいいものなのかと暫く悩んだのだが、カグヤの効果が俺の【チェーンビート】デッキとかなり噛み合っていて使わないでいるのはあまりにも勿体無かったので、悩んだ末にデッキに入れることにした。メインデッキに入れられる相性の良いモンスターが少ないんだよチェーンビートって。

 

 〜〜ということがあったんだよねとその翌日カードショップにて遭遇した遊灯くんにカグヤを見せて一連の出来事を話したのだが、すると急に彼の左眼が金色に光り出した。

 そして左眼が光りっぱなしの遊灯くんからオーバードとか精霊の力とかその力を利用するために人からカードを奪う悪の組織がいるとか長々と説明を受けることになった。そしてあの男が組織の一員なら今後も組織に狙われ続ける可能性が高いと警告される。

 

 普通なら子供の妄想として片付けるような話なのだが、アニメ遊戯王の世界ならギリギリありそうな話で無視できなかった俺は給料をぶち込んでデッキを一気に強化。

 そして実際に何度か不審者に襲撃されたのでその度にデュエルで返り討ちにしている。人通りが少ない時間に外を歩けなくなってしまった。

 

 遊灯くんもオーバードを所有しているようで、その力を借りることでオカルトパワーを視認できるらしい。

 カードがオーバードかどうかもオーラで見分けられるんだとか。

 

 俺もオーバードを複数所持しているのに彼と同じように見えないものを見たりはできないので、彼はオーバードとはまた別に特別な何かを持っているのかもしれない。或いは持っているオーバードが更に特別なものなのか。

 

 今のところ俺の精神には何の異常も起こっていないが、不審者を撃退する度に手持ちのオーバードが増えている俺はいつカードに呑まれるかわからない状態らしい。恐ろしい話だが、手放すのもそれはそれで危険だから自分で管理するしかない。

 

 最終手段でカードをシュレッダーにぶち込むという手もあるが、この世界でカードを粗末に扱えば最悪の場合手札が事故りまくって二度とまともにデュエルができなくなる可能性もあるからな……誰か俺のためにもその悪の組織とやらを壊滅させてくれないかな。これ以上いつ爆発するかわからない爆弾を抱えたくない。

 

「オーバードだし強いのは間違いないと思うんだけど、このカードは具体的にどう強いんだろう? 教えて師匠」

 

「簡単に言えば俺が持っているカグヤと同じように好きなタイミングでお互いのモンスターを手札に戻す効果を持っている。それに加えて強力な耐性も持っているから止めることも難しい。レベル6だけどそこはペンデュラム召喚で簡単に出せるし、手札に戻るからリンクマーカーを用意する必要もない」

 

「うわぁ、師匠のカグヤを更に厄介にしたモンスターってことか……」

 

「カグヤと種族も同じだったりする。この見た目で魔法使い族だ」

 

「へー」

 

 インフレしまくった前世のOCGだと耐性があって毎ターン妨害できるカードなんてそこまで珍しくないし、メインデッキに入るカードなら召喚権を使わずに自力で場に出る効果まで備えている化け物も増えつつあったのでこいつの評価は相対的に下がっていったのだが、こちらの世界では前世の全盛期以上の脅威となるだろう。

 

 手に入ってしまったものは仕方がないし、折角だし使ってやりたいのだが、ペンデュラムデッキを持っていないんだよね。

 『モルガナイト』でなんとかできるかな。でもモルガナイトは天獄の王と相性が良くない。悩むな……

 

 まあこの世界だと効果を使わないで攻撃力3000のただのアタッカーとして召喚しても普通に強いんだけどね。攻撃力3000以上のカードを滅多に見かけないからなこの世界。

 使いやすい除去札があまりなく、戦闘破壊がメインの環境なので攻撃力が高いだけでも脅威なのだ。

 

「【マジェスペクター】とかパーツが揃ったら組んでみようかな……」

 

 ユニコーンがいるならきっと他のマジェスペクターもこの世界にいるだろう。

 カグヤを使い続けていたからなのか、入れた覚えがないどころか入手した覚えすらないラチカがいつの間にかデッキに入っているという怪奇現象に遭遇したこともあるし、そのうち仲間がデッキに生えてくる可能性がある。本当にオカルトだらけだなこの世界……

 

「これで最後……全部通常モンスターか」

 

 ユニコーンのような強力なカードが他に出ることはなく、最後のパックまで開封が終わった。

 背後で見物していた小・中学生たちの殆どが散り、遊灯くんだけが残った。

 

「そういや今日は友達と一緒じゃないのか?」

 

「うん。今日はみんな用事があるって」

 

「そうか」

 

 遊灯くんと初めて会話した時はかなりオドオドしていて友達も殆どいなかったそうだが、遊戯王が上手くなって自信がついたのか最近はしっかりしてきて友達も増えたらしい。

 遊戯王が上手くなるだけで大体の問題が解決する世界でよかった。デュエル以外のコミュニケーションがまともにできないからな俺。

 

「暇だし一人でカードショップに来てみたはいいけど、今月のおこづかい使い切っちゃってパックも買えないんだよね。というわけで師匠、デュエルしようよ!」

 

「それは構わんが、そろそろ学校のテストが近いんじゃないか? 勉強した方がいいんじゃないか?」

 

「ギクッ。だ、大丈夫だよ、授業はちゃんと聞いてるし……」

 

「授業をちゃんと聞いている奴は補習にはならんだろ」

 

「なぜそれを……!?」

 

「お前の幼馴染が言ってた」

 

千晃(ちあき)ー!」

 

「デュエルスペース以外で大声を出すんじゃないよ」

 

 この世界ではデュエルディスクを用いた立ちながら行うデュエルが流行している。

 ソリッドビジョンによる派手な演出のためにお互いに離れてデュエルを行うので、相手に聞こえるように大きな声を出してデュエルを行うのがこの世界では一般的である。

 

「貴重な青春、デュエルだけしていちゃ勿体ない。勉強、運動、友達とデュエル。バランスよく、そして積極的にやらないと俺みたいになるぞ」

 

「師匠みたいになれるならそれでよくない?」

 

「俺の人生、君には輝いて見えるかもしれないが、実際は結構息苦しいんだ。デュエルしかしてこなかったから、デュエルでしか生きていけない。デュエルは好きだが、負けられない戦いばかりで嫌になることもある」

 

 話をしながらパックから出たカードを片付け、デッキを調整する。

 デュエルディスクに調整したデッキをセットし、デッキ登録と同時に席を立つ。

 

「人生の選択肢は多い方がいい。サーチ先が多いほどサーチカードが強くなるように、幅広い経験は君の力となり、人生を豊かにしてくれるだろう」

 

 適当にそれっぽい言葉を並べてみたが、なんとなく言いたいことは分かってくれたようだ。

 

「それはそれとして、丁度ユニコーンの力を試したいと思っていたところだ。デュエルスペースに行こうか」

 

「やったぁ!」

 

 その数分後、遊灯くんは初めて目にするモルガナイトのルール書き換え効果と、何度も手札と場を往復するカグヤとユニコーンに翻弄されることとなる。

 愉快な反応をしてくれて、それでいて普通に強いから戦っていて楽しいんだよね。




続くかどうかはモチベーション次第です。書き溜めもしていないので更新も不定期になると思います。
主人公がデュエルするだけの一話完結の短編集的な感じになるはず。
よろしければ感想、評価よろしくお願いします。


『この小説の主人公』
転生者。特にチートの類は持っていないし、前世から持ち込んだデッキもない。

前世ではマスターデュエルを嗜む程度のカジュアルプレイヤーであり、紙の遊戯王は子供の頃に少し触れただけ。
アニメの遊戯王に詳しくないので、もしかしたらこの世界が自分の知らないアニメ遊戯王の世界なのではないかと今でも疑っている。

こちらの世界に転生してから人生のほぼ全てをデュエルに費やしているのでデュエルタクティクスはかなりのもの。
生まれ持った運命力は並だが、長年磨き続けたドロー力とカードへの愛でモンスターが少なすぎる【チェーンビート】デッキを回している。

【ホルス】や【リジェネシス】のようなシンプルで回しやすいデッキを好むが、この世界に生まれてからソリティアしないシンプルなデッキしか見当たらなくて少し困惑している。

前世のカード知識もフル活用し、相手を的確に妨害して勢いに乗らせない戦い方を得意としている。
この世界の一般人からすると見ていて盛り上がりに欠ける戦法だが、扱いが難しいカードを上手くコンボさせて有効に活用するなど、ちゃんと見せ場があるデュエルをするので見ていて飽きることはない。

大学に行くのは受験勉強が嫌すぎるし、プロデュエリストになるのは多くの人に注目されながら勝ち続けないといけないプレッシャーに耐えられないという理由で高校卒業後大手企業に就職。
学生時代をほぼデュエルだけして過ごしてきたがそこは遊戯王の世界。面接官をデュエルで圧倒し、デュエルが上手い即戦力として入社に成功する。

仕事は忙しいが高卒の若手社員としては破格の給料を受け取っている。
金銭感覚がおかしくなりそうでちょっと怖いと思いつつ、今日もパックを箱買いする。


『ソリッドビジョン・システム』
簡単に言えば超ハイクオリティの立体映像。
この世界では『ラー・コーポレーション』が開発したもの。

まるで本当にそこにあるかのように空間に投影することを可能にする超技術。
開発後も進化は続き、今ではデュエルディスクに収まるほどに装置が小型化。
更には直接触れることが可能な質量のある立体映像を投影するリアルソリッドビジョンまで誕生しており、いずれこの技術を応用した新しいデュエルが誕生するかもしれないと期待されている。

モンスターをよりリアルに見せるAIもまた進化を続けており、召喚して楽しい、戦わせて楽しい、見るだけでも楽しい最高のデュエルを演出してくれている。
勿論デュエル以外の分野でも活躍している。


『デュエルディスク』
デュエリストが主に腕につけているやつ。今では長方形の物が主流だが、昔は搭載しているシステムの関係で丸い形状をしていたのでデュエルディスクと名付けられた。

これがが誕生するまではデュエルはテーブルで座ってするものだった。
これとデッキがあれば、いつでもどこでも迫力のあるデュエルを楽しめる革命的なアイテム。

初期型の物はかなり大型だったが徐々に小型軽量化が進み、最新モデルではリアルソリッドビジョン・システムの搭載によってカードを置くプレートさえも取り払われた。
軽量かつシンプルなデザインは日常生活でも身に付けやすく、長時間のデュエルでも疲れにくいと評判。
一方最新モデルは小さすぎるしデザインもシンプルになり過ぎで面白くないと敢えて古いモデルを使っている人も多い。

通信端末としても利用可能。携帯電話の代わりにこれを持ち歩く人が増えてきたこともあってどんどんデュエルと関係ない機能も増えてゆき、今では大体のことはこれ一つで何とかなる万能アイテムと化している。


以下、今後一切活用されることのない裏設定です。


『遊戯王ULT(ウルト)
どこかの世界で放映されている遊戯王のアニメ。
新召喚方法などの追加はなく、ライフは恒例の4000だがそれ以外のルールは殆ど最新のOCGやマスターデュエルと同じとなっている。

謎の強大な力を持つカードの出現と、それを巡るトラブルや陰謀に巻き込まれた主人公がデュエルで立ち向かうストーリー。
『ウジャト編』、『全国編』、『精霊界編』に分かれている。


『オーバード』
強大な精霊の力が宿る特別なカード。
カードに直接精霊が宿っているわけではなく、カードは精霊界と繋がる窓のようなものであり、精霊界にいる精霊の力が人間界に流れ込んでいる。

オーバードに描かれているモンスターは精霊の中でも特に強大な力を持っており、その力は持ち主の心を蝕む。
大抵の場合傲慢な性格となり、片っ端からデュエルを挑むようになったり、己の欲望をデュエルで叶えようとしたりする。
オーバードからの干渉は熱く燃える魂や冷静沈着な知性によって弾くことも可能である。

オーバードの所有者は他のオーバード所有者に対して賭けデュエルを挑むことができる。
この賭けデュエルでは精霊の力が活性化し、その影響で最新モデルのデュエルディスクが備えているカードを置くプレートを生成する為の小規模なリアルソリッドビジョン・システムが強化され、質量のある立体映像を通常のソリッドビジョンのように広範囲に投影可能になる。この時リアルソリッドビジョンの安全装置が無視されるため、賭けデュエルのダイレクトアタックはめちゃくちゃ痛い。
このデュエルで敗北したデュエリストから勝利したデュエリストへとオーバードの所有権が自動的に移る。

オーバードの始まりは作中の日本で遊戯王カードやデュエルディスク、ソリッドビジョン・システムなどを製造・流通させているラー・コーポレーションの社長が息子のために作った『世界に一枚しかない特別なカード』。
その強すぎるパワーによってカードが暴走を起こしたため封印されたものの、その力を完全に抑え込むことができていなかった。
そのカードは封印されたまま副社長を密かに洗脳してオーバードを作らせ、パックに紛れ込ませて流通させていた。


『ウジャト』
いわゆる悪の組織。
カードにはデュエリストが使い続けることで宿っている精霊の力が増してゆく性質があり、ウジャトの構成員はより強大になった精霊の力を兵器に利用するために日本各地のオーバード所有者を狙って襲撃を繰り返している。

ボスの正体は洗脳されたラー・コーポレーションの副社長。
オーバードを密かに製造して独占できる立場ではあるものの、兵器として利用するためには精霊の力をより高める必要があり、それができるのはそのオーバードととても相性が良い一部のデュエリストだけであったため、オーバードにデュエリストを選ばせるべく一般に流通しているパックに紛れ込ませていた。
そして狙い通りその多くが全国の相性が良いデュエリストの元へ届いている。


空野(そらの) 遊灯(ゆうひ)
遊戯王ULTの主人公。中学生。歳が離れた姉がいる。
中性的な顔をしており、何かと女装させられる機会が多い。

小学生の頃は気弱でデュエルも不得意だったが、いじめっ子に奪われたカードをデュエルで取り戻してくれた謎のおじさんにデュエルを教えてもらいめきめきと上達してゆく。
彼のことを師匠と呼び、いつか師匠のような凄腕のデュエリストとなることを夢見ている。

精霊が見える特別な目を持っているがそれが覚醒するのは物語がある程度進んでから。
それまではナイトメア・マジシャンの力を借りてオーバードを見分けている。この時左眼にウジャト眼が浮かび上がるが、これは視聴者と一部の登場人物にしか見えていない。普通の人にはただ目が金色に光って見えている。

同じ出身地のプロデュエリストである『リアウィング』の大ファン。
そのため最初は彼女を真似て機械族多めのデッキを使用していたが、師匠のアドバイスで徐々に幻想魔族多めのデッキに代わっていった。

使用デッキは【幻想魔族】だが、手に入れたオーバードをよく使うため、話が進むほどに幻想魔族要素は少しずつ薄まってゆく。
物語序盤はアドバンス召喚が中心だったが、エクストラデッキからの召喚方法も学んで徐々に使うようになる。


『謎のおじさん』
正式名称不明。ずっと師匠や先生などと呼ばれ続け、本名が明らかにならないまま放送が終了した。
度々おじさん呼ばわりされるが、老け顔なだけで実は二十一歳。

幼い頃から大小様々な遊戯王の大会で優勝を重ねてきた実績を持ち、将来はプロデュエリストになることを期待されていたがその道に進むことはなく、高校卒業後に大手企業に就職する。

ウジャト編ではそこそこ出番が多く、遊灯がカードショップに行く回では大体登場する。
本人のデュエルシーンは少なく、他人のデュエルを観戦してカードの解説をしている場面が多い。

ウジャト編の終盤、遊灯がボスの元へ向かうのを阻む無数のウジャトの構成員を遊灯の代わりに引き受け、「ここは俺に任せて先に行け」と盛大にフラグを立てつつ遊灯を先に進ませた。
それから暫く出番がなかったが、遊灯とボスのデュエルに構成員を全て片付けた上で駆けつけており、心が折れかけていた遊灯にアドバイスを送った。

ウジャト編のラストで姿を現した真の黒幕の攻撃から遊灯を庇った結果洗脳されてしまい、精霊界へと姿を消す。
遊灯は師匠を救出するために全国に散らばっているオーバードを集めることになり、全国編が始まる。なので全国編では出番がほとんど無い。

精霊界編ではラスボスとして遊灯と戦うことになる。
遊灯の墓地から『幻惑の見習い魔術師(ナイトメア・アプレンティス)』を奪ってサーチ効果を利用したり、最後の一枚の手札である『幻蝋館の使者』を奪って防御できなくしたりと、ラスボスに相応しい実力を見せる。

使用デッキはウジャト編では【チェーンビート】。真の黒幕に洗脳されていた精霊界編では【ヘカトンケイル】を使用している。


幻惑の魔術師(ナイトメア・マジシャン)
遊灯のデッキのエースにしてオーバードの一枚。
自力で特殊召喚できないしバトルフェイズでしか使えない効果ばかりだが、この世界基準だと普通にめちゃくちゃ強いカード。

デュエルでみんなと友達になりたい遊灯の精神性を現したかのような戦闘を介するコントロール奪取効果を持つ。
相手の厄介なオーバードを奪って逆転するのがいつもの勝ちパターン。

物語が進むと他のオーバードの活躍が増えて相対的に出番が減っていたが、『黒魔女ディアベルスター』の登場後、『廻る罪宝』で現れて遊灯の窮地を救う流れが定番となる。


妖精伝姫(フェアリーテイル)-カグヤ』
遊灯の師匠のデッキに入っているオーバードの一枚。
手札とフィールドを何度も往復する除去が難しい厄介なモンスター。

味方も巻き込む魔法・罠カードや『時花の賢者-フルール・ド・サージュ』の効果などを避けつつ、相手が多大なコストを支払い場に出したモンスターを手札に戻してしまう凶悪なコンボで大きくアドバンテージを稼ぐ。

カグヤの召喚時効果でサーチされている同じ妖精伝姫(フェアリーテイル)の名を持つモンスターの存在が何体か確認されているが、彼のデュエルはカットされがちであり、その正確な効果は不明。

彼が所有するカグヤのカードにはカグヤの分霊が宿っており、遊灯の視点では時々小さなカグヤが師匠の頭や肩の上に乗っているのが見えている。
最終話では他のフェアリーテイルと思わしきモンスターと一緒に蝶のような翅で師匠の周囲を飛び回っていた。


『ゼンマイラビット』
『ヴェルズ・サンダーバード』
『異次元の探求者』
遊灯の師匠のデッキに入っている一時的に自身や味方を除外する効果を持つモンスターたち。
全員帰ってくるタイミングが異なっている。

攻撃力は低いがそれぞれがひょいひょいと逃げるので除去が難しく、味方を巻き込む『激流葬』や『つり天井』、発動条件が厳しい『積み上げる幸福』などの扱い難しいが強力なカードとのコンボでカグヤと一緒にアドバンテージを稼いでいる。

昔から彼のデッキに投入されているのが回想シーンで確認されており、大会の決勝にてモンスターたちを全員逃がしてフィールドを敢えてガラ空きにして(あかり)(後のリアウィング)の攻撃を誘い、攻めてきた相手のモンスターを『波紋のバリア-ウェーブ・フォース』で吹き飛ばして逆に相手のフィールドをガラ空きにするコンボで活躍していた。

精霊界編にてカグヤと共に遊灯の前に現れ、彼を洗脳された師匠の元へと導く。
物理的な危険が満ちている精霊界において遊灯は異次元の探求者の除外効果に何度も助けられることになる。
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