クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 アムネシアの少女 作:気まぐれキャンサー
「例の新人達ですが、基礎体力、反射神経、格闘対応能力、更に戦術論の理解度、アンジュは全てにおいて平均値を上回っており、フィオナは更にそれを上回っております」
「ほう。2人共、優秀じゃないか」
エマの報告を聞いたジルは嬉しそうだ。
「まあ、ノーマの中では、ですけどね」
それだけ言うとエマは去っていった。ジルは移動しながら懐からアンジュから没収した指輪を見る。
「パラメイルの操縦適正、特筆すべきものあり、か」
やがて、ジルは1機のパラメイルの前に着く。それは、所々錆付いており年季を思わせる機体だった。
(もしも、アンジュにコイツを操れるのならば・・・)
そう思うとジルは再び移動する。そこにはアルテミスがあり、メイが点検を行っていた。
「メイ。フィオナが乗っていたパラメイル、アルテミスといったか。何かわかったか?」
「あ、司令。この機体、機動性や出力が本当に他のパラメイルとは比べ物にならない位高いよ。まるで・・・」
「ヴィルキスみたい、か」
メイが頷くとジルは再び彼女に訊ねる。
「テスト飛行の結果はどうだったんだ?」
「うん、5人のベテランライダーに飛行させたんだけど・・・」
メイはアルテミスのテスト飛行の結果が記載された書類をジルに渡す。それを見たジルは眉を顰める。
「やれやれ、散々たる有様だな」
そこには5人全員がアルテミスを満足に操縦できなかったという結果があった。スピードが出ない、上手く旋回できない等で中には、あわや墜落しかけた者もいたという。
「しかも全員、駆逐形態にできなかった、と」
「うん。やろうとしたみたいなんだけど、操縦桿がロックされてるみたいに動かなかったんだって。まるでフィオナ以外に操縦されるのを嫌がってるみたい」
メイの報告を聞いたジルはフィオナから没収したペンダントとアンジュの指輪を見比べてみる。
(アクセサリーは違うが宝石は両方とも似ている。やはりこのペンダントはアルテミスと何か関係しているのか?)
ジルは疑問に思うもすぐにメイにある事を命じる。
「メイ、この機体をいつでも出撃できる様にしておけ」
「また、テスト飛行するの?」
「そんな事はしない。5人にやらせてダメなら何人にやらせても同じ事だ。かといって、遊ばせておくのは何の意味もない。なら、やる事は1つだけ、だろ?」
「! 了解」
ジルの意図を読み取ったメイは笑顔で頷くと点検を再開する。
(さて、あいつが此処のライダーになってからの初陣が楽しみだ)
そう思うジルの顔は怪しく微笑んでいた。
昼食を終えたフィオナは日用品の買出しに向かっていた。ちなみに今日の昼食のメニューはお粥、豚肉の煮物、ポテトサラダ、カッププリンだった。味はというと率直な感想を言えば、
「不味くはないけど、一味足りない、かな」
と微妙なものだった。それでも牢屋で食べた黒パンよりははるかにマシでプリンは普通においしかった。フィオナはそこそこ満足していたがアンジュは殆ど手を付けなかった。元皇女であり、美食で舌が肥えたアンジュにはここの料理は口に合わなかったのだろう。その事でヒルダ達と一悶着あったのは余談だ。ちなみにその時フィオナはその様子を離れた席から見ていた。最初はアンジュと一緒に食べようとしていたフィオナだったが、周囲の視線が自分に集中したのでアンジュを気遣い、目立たない席に移動したのだ。
そんなフィオナは今、ジャスミン・モールに来ている。ここはアルゼナルで唯一の購買所であり、日用品からパラメイルの武装まで幅広く扱っている。キャッシュは主に此処で使われる。また、ビリヤード台やクレーンゲーム、バスケットコート等の遊具もあり、戦いに明け暮れるノーマ達の憩いの場でもある。しかし食堂同様、ここでもフィオナは周囲の注目を集めていた。
「おや、なんか急に静かになったかと思えば、お前さんが来てたのか」
ジャスミンが近くにいたフィオナに声を掛ける。
「こんにちは。えっと・・・」
「私はジャスミン。此処の店主だよ。隣にいるコイツはバルカン。マスコット兼番犬さ。ほら、挨拶しな」
「ワン!」
バルカンと呼ばれた大型犬が挨拶代わりに吠える。
「しかし、皇女様といいアンタといい、みんなの注目を集めている様だね。尤も、アンタの場合は容姿が珍しいって事もあるだろうがね」
「からかわないでくださいよ。食事の時もみんなジロジロと見るから落ち着きませんでした」
「まあ、2,3日もすればみんな慣れるだろうさ。それで、今日は何か買いにきたのかい?」
「あ、はい。替えの下着やパジャマ、それから日用品を買いに来たんですけどありますか?」
「ありますか、だって?ここはブラジャーから列車砲まで何でも揃うジャスミン・モールだよ。衣類はあっち、雑貨はあそこにあるから好きな物を選んで此処へ持ってきな」
(ブラジャーはともかく、列車砲なんて何に使うんだろう?此処には列車どころか鉄道もないのに・・・)
聞こうと思ったフィオナだったが、野暮だと思い止めるのだった。
衣類売場にやってきたフィオナはまずは下着を選ぶ。下着にもいろいろなタイプがあり普通の物から所謂、勝負下着と呼ばれる派手な物もあった。
「こ、こんなに派手な物もあるんだ。とてもじゃないけど私は買って身に着ける勇気はないな・・・」
何となくだがゾーラ隊長とエルシャなら買うかも、と思いつつフィオナは無難に普通の下着をチョイスするのだった。次にフィオナはパジャマを選ぶ。
「あ!これ、可愛い。これにしようっと」
気に入った物があったらしく数着ほど手に取り、買い物カゴに入れていった。
次に日用品売場にやってきたフィオナは暮らしに必要な物を次々とカゴに入れていった。
「ジャスミンさん、お勘定お願いします」
「はいよ~」
ジャスミンはフィオナが買った物に目を通していく。と、ジャスミンは彼女が買ったある物を見て目を細める。
「・・・ねえ、お嬢ちゃん。アンタの趣味をとやかく言う気は無いけどさ。嬢ちゃん位の歳でこういう柄のパジャマはどうかと思うんだけどねぇ。もうちょっと大人っぽい物でもいいんじゃないのかい?」
ジャスミンがそう言うのも無理はなかった。フィオナが買ったパジャマはどれもが花柄模様だったり、動物柄だったりと幼年部の子達が着そうな物だった。
「えー。だって、可愛いじゃないですか」
「まあ、アンタが良いっていうならいいんだけどさ」
それから、フィオナは買った商品の代金分のキャッシュをジャスミンに支払った。先日の戦いで多額の報酬を得ていた為、色々買っても彼女の懐はまだ余裕だった。買った物が入った買い物袋をジャスミンから受け取ったフィオナは帰ろうとした、その時である。
「おや、誰が来ているかと思えばルーキーさんじゃないか」
ヒルダがロザリー、クリスを伴いジャスミン・モールにやって来ていた。
「あらあら、早速買い物かしら?此処へ来て間もないのに優雅なものねぇ~」
ヒルダが嫌みったらしくフィオナに訊ねる。
「・・・皆さん、どうも。じゃあ、私はこれで」
相手にすると面倒だと思い、フィオナは行こうとした。が、
「待ちなよ、もう少しくらい付き合ってくれてもいいじゃないか」
ヒルダに足止めされてしまう。その上、買い物袋をロザリーにひったくられる。
「さーて、一体何を買ったのかな、と」
ロザリーが袋の口を開けて、中を見てみる。途端にロザリーが吹き出す。
「ぷっ、あはははは。お、おい、ヒルダ、クリス。こいつが買った物、見てみろよ!」
ロザリーに言われ、2人も袋の中を見てみると同じ様に吹き出す。
「あーはっはっは。何、このパジャマ。まさかルーキーさんにこんな幼稚な趣味があったとはねぇ~」
「うん、子供っぽい」
3人はフィオナを嘲笑する。遠巻きから見ていたジャスミンは額に手を当てて、『だからいわんこっちゃない』と言わんばかりの表情をしていた。
「・・・もう、気は済んだ?だったら、それを返してくれないかな?」
心なしかフィオナの声が低く聞こえる。顔には出さないが、買った物をバカにされて頭にきているのだろう。
「ハン、やなこった。返して欲しけりゃあたしから力づくで取り返してみな。まあ、どうしてもってんなら『返してください、ロザリー先輩』って、頭下げて・・・ん?」
ロザリーがフィオナを見ると彼女は上を向いていた。
「何だよ、天井に何かあるのか・・・って、きゃっ!」
何かと思いロザリーが上を向いた途端、フィオナは彼女に足払いを仕掛けた。ロザリーの視界は反転し、持っていた買い物袋を手放してしまう。その隙を見逃さずフィオナは買い物袋をスッ、とキャッチするのだった。同時にロザリーは床に転倒した。
「いってえーーーー!!」
「ロザリー、大丈夫!?」
ロザリーの悲鳴がジャスミン・モールに響き、周囲の視線がフィオナ達に集まる。
「これでいいですか?ロザリー先輩」
「な、何しやがんだテメェ!」
「自分で言ってたじゃないですか。『力づくで取り返してみな』って。だから、力づくで取り戻しました」
フィオナは理路整然と答える。ヒルダはこの光景を面白そうに見ていた。
「へえ。アンタ、あの痛姫よりは大人しいけどヘタレってわけじゃなさそうね」
「私もやる時はやる方だよ。あんまり、ナメないでくれるかな」
ヒルダの言葉にフィオナは静かに反論した。
「頭カラッポのくせして、偉そうな事言ってんじゃねえよ!!」
立ち上がったロザリーはフィオナに殴りかかろうとした。が、フィオナはサッ、とかわすとロザリーの腕を掴み、そのまま彼女を組みとる。
「痛っ!こ、このアマ!」
「ロザリー、1ついいかな?確かに私は記憶喪失だよ。自分の名前すら分からないほどのね。けど、何も理解できない馬鹿ってワケじゃないよ。失礼な事を言われたり、されたりしたら私だって怒る事はできるよ」
フィオナは低い声でロザリーに告げる。クリスは不安げに見ていたが、ヒルダは楽しそうだ。
「そこまでだ、アンタ達!喧嘩なら余所でやんな。私の目の黒い内はこのジャスミン・モールで揉め事は許さないよ!」
「グルルルルッ!」
ジャスミンとバルカンが駆けつけてきて、フィオナ達を咎める。フィオナはロザリーを離すと、
「すみませんでした、ジャスミンさん」
ジャスミンに頭を下げて去ろうとした。しかし、またしてもヒルダが彼女の前に立ち塞がる。
「今度は何?」
「ルーキーさん、1つだけ忠告しとくよ。アンタはあの痛姫と違って現状認識は出来ているみたいだけど、あんまり調子に乗らない事ね。でないと、ドラゴンだけじゃなく味方からも狙われるハメになるよ」
「・・・ご忠告どうも。あと、私の名前はフィオナであって、ルーキーなんて名前じゃないよ。それからあの子は痛姫じゃなくてアンジュだよ」
それだけ言うとフィオナはヒルダの傍らを通って、去っていった。彼女の後姿を見たヒルダは不敵な笑みを浮かべ、ロザリーは悔しそうに舌打ちする。ジャスミンはやれやれと呆れていた。
「あ、あの。大丈夫ですか?」
ジャスミン・モールを出たフィオナは1人の少女に声を掛けられる。少女の手にはレターセットが抱えられていた。
「あれ?あなたは確か・・・」
「はい。私、フィオナさんと同じ第一中隊の新兵、ココです」
「そうだ、ココちゃんだったね。私に何か用?」
「あ、いえ。さっき、ヒルダさん達と揉めていたから大丈夫かな、って」
「平気だよ、ちょっと因縁を付けられただけだから。ココちゃんは買い物に来てたの?」
「はい。アンジュさんに頼まれて、これを買いに」
ココは買ったレターセットをフィオナに見せる。それから、2人はアンジュが待つ海が見渡せる廊下へ行った。そこにはアンジュと第一中隊のもう1人の新兵がいた。
「遅いよ、ココ。って、フィオナも一緒だったんだ」
「ごめん、ミランダ。途中でフィオナさんに会ったんだ」
ミランダと呼ばれた少女に謝ってから、ココはレターセットをアンジュに渡す。
「あなたも買い物をしてたのですか?」
「うん、日用品をちょっとね。アンジュこそ、レターセットなんて何に使うの?」
「・・・あなたには関係ありません」
相変わらず素っ気無い態度のアンジュにフィオナは苦笑する。
「あの、アンジュさん。外の世界ではどうやって買い物をしていたのですか?」
ココがアンジュに質問をする。アンジュは懐かしむように答える。
「望めば何でも手に入りました。望んだ物が手に入り、望んだ自分になれる。格差、暴力、差別もなく、困った事は何も起きない。全ての闇から解放されたマナの光に祝福された世界」
アンジュの話を聞いたココは目を輝かせていたが、フィオナはやや冷めた目をしていた。
(格差も暴力も差別もない、か。まあ、確かにそうだろうね。“マナが使える人間”にとっては、ね)
フィオナは知っていた。外の世界は人間には優しいが、ノーマには非情で冷酷な場所である事を。
「本当にあったんだ、魔法の国」
そんなフィオナの想いも露知らず、ココは外の世界に憧れを抱いていた。
「ありがとうございました。では、私はこれで・・・」
アンジュはココ達にお礼をすると行こうとした。すると、
「あ、あの。また、明日。アンジュ様。あと、プリン食べて下さいね」
ココがアンジュに挨拶をする。
「アンジュリーゼです」
アンジュはそう返事をすると去っていった。ココはウットリしており、ミランダは呆れていた。
「まったく、ココったら。あ、そういえばフィオナにはまだ言ってなかったよね。私は・・・」
「知ってるよ。ミランダちゃんだよね。私達と同じ新兵の」
「あ、覚えてたんだ?よかった、アンジュには忘れられてたから」
「覚えてるよ。同じ第一中隊の仲間なんだからさ」
フィオナは笑顔で答えていたが、
(そう、忘れる筈がない。だってこの2人は・・・)
心の中は真剣そのものだった。それからフィオナは2人と雑談してから、彼女達と別れるのだった。
フィオナが部屋に戻るとアンジュがレターセットの手紙を使って何かを書いていた。フィオナは買い物袋を自分のベッドに置くとこっそりアンジュの後ろに近づくと彼女が書いていた手紙を抜き取る。
「!? 何するんですか、返してください!」
「なになに、『私、ミスルギ皇国第1皇女、アンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギのアルゼナルからの即時解放と皇族復帰を求められたし』って、何これ?」
内容からして、大体の想像は付くがフィオナはアンジュに訊ねる。アンジュはフィオナの手から手紙をひったくると、
「嘆願書です。これをミスルギ皇国を含めた各国の上層部に出して、私を此処から出してもらうんです」
そう答えた。最早、悪足掻きとしか言い様のないアンジュの行動にフィオナは呆れる他なかった。
「その為に態々レターセットを買ったんだ。はあ、あのねアンジュ。そんな物を出した所で受け取ってなんかくれないよ」
「そんなのやってみないと分からないじゃないですか!とにかく、私はこんな所にずっといる気はありません」
フィオナは呆れながら、ふと近くにあったゴミ箱に目を向ける。そこには書き損じて丸められた紙屑に混じって、プリンが捨てられていた。フィオナはそれを拾い上げると顔を顰める。
「・・・ねえ、アンジュ。これってさ、ココちゃんがあなたにあげたプリンだよね?」
「そうですけど、それがどうかしましたか?そんな不味そうな物なんて食べられません。ましてや、ノーマから貰った物なんて。なんなら、あなたにあげるわ」
このアンジュの物言いには流石にフィオナもキレそうになったが、グッと堪えた。ヒルダ達がアンジュを痛姫呼ばわりする気持ちが少しだけ分かった様な気がした。同時にこの場にココがいなくてよかった、と安堵もした。
「まあいいけどね。でもさ、アンジュ。仮にミスルギ皇国に戻れたとしてだよ?アンジュの居場所はそこにあるのかな?」
「それはどういう意味ですか?」
「アンジュが此処へ来た経緯、ジル司令から教えてもらったよ。洗礼の儀でお兄さんにノーマだって暴露されて、国民達にも嫌われたんでしょ。お父さんは拘束されて、お母さんはアンジュを庇って亡くなってしまった。そんな状況で戻れたとしても、此処で暮らす以上に辛い目に遭うだけだよ」
事実、そうなる。アンジュの兄、ジュリオは彼女を亡き者にせんと手ぐすねを引いているのだ。
「そんな筈はありません!私は皇女です。ミスルギ皇国こそが私がいるべき場所なのです。此処よりも辛いだなんて、適当な事を言わないでください!ノーマなんかに、何が分かるというの!?」
どんどん声を荒げていくアンジュにフィオナは悲しそうに首を振る。
「アンジュの言いたい事はわかったよ。でも、よく考えてみた方がいいよ。自分が本当にやるべき事は何なのかをさ」
そう言うとフィオナは部屋から出て行った。
海の見える廊下で佇んでいたフィオナはある事を考えていた。
(アンジュが嘆願書を書いているという事は初出撃は近いって事だよね。それはつまり、“あの悲劇”も間近に迫っているという事だ)
第一中隊でのアンジュと自分の初出撃。これには大きな意味がある。デビューとかそういうものではない。映像で見たアンジュの初出撃の内容は悲劇で彩られていた。
現実を受け入れられないアンジュは初出撃の際、命令を無視しパラメイルを使ってミスルギ皇国へ帰ろうとする。サリアが止めようとするがアンジュは止まらない。
そこで最初の悲劇が起こる。アンジュと外の世界に憧れていたココは彼女についていこうとした。その時、開いたゲートからのドラゴンの光線がココをパラメイル諸共貫き、彼女を死に至らしめてしまう。
程なくして次の悲劇が起こる。なおも逃亡しようとするアンジュを今度はミランダが止めようとするがココの死に悲しんでいた彼女の隙をスクーナー級が見逃さず、ミランダをパラメイルから突き落とし、落ちた彼女はスクーナー級に捕まり、そのまま捕食されるのである。
だが、悲劇はこれでは終わらない。2人の死、そしてドラゴンに追われパニックに陥ったアンジュはガレオン級にトドメを刺そうとしたゾーラの機体にしがみついてしまい、それが原因でガレオン級の攻撃をまともに喰らってしまい、アンジュは助かるがゾーラは命を落としてしまう。そして、この事はアンジュと第一中隊、主にヒルダ達との間に大きな禍根を残す結果となるのだ。
(あの様子からしてアンジュは確実に初出撃で逃亡を図るだろうな。そうなればゾーラ隊長、ココちゃん、ミランダちゃんの3人は間違いなく死ぬ。絶対にそれだけは避けたい。必ず助けるんだ!)
フィオナは決意する。この悲劇を何としてでも回避すると。その時だった。
グゥ~~
「・・・そういえば、そろそろ夕食だっけ?食堂に行こう」
腹が減っては戦は出来ぬ。フィオナは食堂へ向かうのだった。
原作での食堂での一件は簡略し、代わりにジャスミン・モールでのフィオナとヒルダ達との争いを書いて見ました。あとはココ、ミランダとの顔合わせ。そして、最初の運命の分岐点が迫りつつあります。次回はまつろわぬ魂のラストの話になります。楽しみにしていてください。それでは