かわいいホームズの親友ちゃんは、相棒の座を奪われて焦心苦慮   作:くぁwせdrftgyふじこlp

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涙のみのる、これからの私…

【みのるSide】

 

___みのるはそうやっていつもいつも自分を責めて、それが逆に迷惑になるって考えたことないの?

 

 

 

 

 

___それに私たちの足ばっかり引っ張って邪魔ばっかりして、あなたがいると不快な気分になる。

 

 

 

 

 

___もう二度と、私たちの側に近づかないで。

 

 

 

_______________

 

 

 

「………はっ!?」

 

意識が、暗闇から引き剥がされるように覚醒した。

 

心臓が早鐘を打っている。

 

夢だ——そうだ、夢だった。

 

でも、ただの夢にしては、胸の奥に刻み込まれた痛みがあまりにも生々しい。

 

みくるの姿をした、何か。

 

みくるの顔で、みくるの声で、それは私を責め続けた。

罵り続けた。

 

言葉の一つひとつが棘になって、皮膚の下に潜り込んでくるような——そんな夢だった。

 

単純といえば単純な夢だ。

でも今の私には、十分すぎるほど深く刺さった。

 

荒い呼吸を整えながら、天井を見上げる。

見慣れ始めた、宿舎の天井。

 

——私は、どうしてここにいるんだろう。

 

記憶の糸を手繰る。

 

確か……虹ヶ浜にいた。

雨が降っていた。

 

それから、足元がぐらついて……その先は、霞の中に消えている。

 

頭が重い。

後頭部の奥が、脈打つたびにじんと疼く。

 

熱い——全身が、内側から焼かれているように熱い。

 

雨の中にどれだけいたのか。

完全に風邪をひいてしまっていた。

 

それに気づいて初めて、自分が寝間着を着ていることに気がつく。

 

——いつの間に、誰が。

 

その問いは、答えを求める前に心の中へ沈んでいった。

 

考えたくなかった。

 

誰かに世話をかけた、というその事実が、じわりと胸に広がって……

 

「はぁ……」

 

溜め息が、唇の隙間からこぼれた。

 

白い天井を見つめたまま、私はぼんやりと考える。

 

私は一体、何がしたかったんだろう。

 

みくると過ごした時間は、確かに記憶に残るものだった。

 

最初、私はわざと冷たくしていた。

私と関わるとろくなことにならない——それは本心だったし、今も変わらない。

 

なのにみくるは、私の棘をものともせず、ずっと構い続けてきた。

 

いつからだろう。

私もその温度に慣れて、心を開くようになって——一緒にいる時間が自然と増えていった。

 

でも。

親友だと思っていたのは、私だけだったのかもしれない。

 

みくるにとって私は、一番ではない。

 

あんなが現れてからは特に、それが透けて見えるような気がした。

みくるとあんなが笑い合う横で、私はただ——そこにいるだけだった。

 

自分でもわかってる。これは私の勝手な思い込みだって。

 

みくるは何も悪くない。

ただ、当たり前のことが起きているだけだ。

 

——こんな私と関わらない方が、みんなのためになる。

 

物心ついた頃から、血の繋がった家族はいない。

ずっと独りぼっち。

 

もう慣れているはずだ。

慣れなければならなかった。

 

あんなも孤独でつらかったみたいだったけれど——あっちの問題は、きっともう解決した。

 

私もつらくない。

 

もう慣れた。

誰かが優しくしてくれても、誰かが隣に並んでいても——

 

大丈夫。

 

大丈夫。

 

大丈夫……。

 

大丈夫…………。

 

——ポタッ。

 

「……あれ?」

 

視界が、歪んだ。

 

眩暈じゃない。

目の病気でもない。

 

何か別の、もっと内側のもの。

 

胸の真ん中あたりに積もっていた何かが、じわりと滲み出してくるような——

頬に、何かが伝う感触。

 

私はそれを知らなかった。

 

生きてきた中で、自分がこんなものを流すとは思っていなかった。

 

でも止まらない。

次から次へと、頬を濡らしていく。

 

「うっ……うぅぅ……」

 

声が、勝手に漏れた。

 

どうして——どうして声まで出るんだろう。

 

ずっと我慢していたから?

ずっと……つらかったから?

 

そうだ。

そうなんだ。

 

つらいんだ、私……。

 

その言葉が、頭の中で形になった瞬間だった。

 

「うあああぁぁぁ……ぁぁぁ!!」

 

声が大きくなる。

 

だめだ、我慢しなきゃ——みくるたちに聞こえたら。

 

また迷惑をかける。

また手間をとらせる。

 

私はずっと、誰かの重荷だった。

それだけは、嫌だった。

 

それだけは——

 

でも。

つらいんだ。

 

「あぁぁぁぁ!!うああぁぁ!!」

 

後から後から、涙が溢れる。

 

泣いている。

私が、泣いている。

 

——そうか。

これが泣く、ということなのか。

 

多分今の私は酷い顔をしているだろう。

 

ベッドの横に置いてある鏡に、目線を向けそうになって——やめた。

 

見たくない。

それに、どうせ見えない。

 

視界は涙でぼやけて、何もかもが滲んで、輪郭を失っていた。

 

「ううぅぅぅぅ!!」

 

私は——

 

___バタン!

 

「みのる!?」

 

「……ぁ」

 

扉が、開いた。

 

廊下の明かりが一筋、部屋に差し込んで——私の顔を照らした。

 

見られた。

 

見られた。

 

一番見られたくない姿を。

 

親友だと思っていた子に。

泣き腫らした目を、ぐしゃぐしゃになった顔を、声まで上げて泣いていた姿を——全部。

 

「みっ……く………る...っ…」

 

声を絞り出す。

喉が痛い。

唇が震える。

 

「みのる……」

 

小林みくる——。

 

部屋の入口に立つその姿を見た瞬間、全身が強張った。

 

頭の中で、何かが叫んでいる。

 

誤魔化さないと。

 

誤魔化さないと。

 

「何……別に、泣いてないから...っ」

 

慌てて手の甲で目元を拭う。

 

拭う。

また拭う。

 

「ただの……花粉症っ……だからっ……」

 

でもだめだった。

 

拭っても拭っても涙は止まらない。

溢れて、滲んで、次から次へと頬を伝っていく。

 

みくるがいるのに。

みくるが見ているのに——早く止まって。

 

お願いだから、早く。

 

「………」

 

みくるは何も言わなかった。

 

ただ、静かに一歩踏み出した。

 

足音が近づいてくる。

 

一歩。

また一歩。

 

その静かな音が、やけに大きく聞こえた。

 

どうしよう。

 

怒られる。

呆れられる。

 

こんなところまで来させて、また迷惑をかけて、私がいるせいで——。

 

でも、みくるの足は止まらなかった。

 

私の目の前まで来て。

 

そのまま、抱きしめた。

 

「……え」

 

思考が、止まった。

 

みくるの腕が、私の背中に回っている。

 

温かい。

 

熱を持ったその腕が、ずっと雨と恐怖で冷えていた体にじわりと伝わってくる。

 

どうして?

どうして、抱きしめるの?

 

あんなに険しい顔をしていたのに。

 

私のせいでポチタンが倒れて。

私が足を引っ張って。

私は迷惑で——私は、ずっと——。

 

「ごめん……」

 

耳元で、みくるの声が聞こえた。

かすかに、震えていた。

 

「みのる……ごめん……」

 

私は息を止める。

みくるの腕が、少しだけ強くなる。

 

「さっき……あんなこと言うつもりじゃなかった……」

 

途切れ途切れの声が、静かな部屋に落ちていく。

 

「私……怖かったの……ポチタンが倒れて……みのるも雨の中で無茶して……」

 

ぎゅっと。

抱きしめる力が、また強くなった。

 

「みのるがいなくなるんじゃないかって……思って……」

 

私は何も言えない。

みくるの服に顔を埋めたまま、ただその言葉を聞いていた。

 

「だから……心配で、怒っちゃって……ごめん……みのる……」

 

___ポタッ。

 

私じゃない涙が、肩に落ちた。

 

「足引っ張ってるなんて……そんなこと思ってない……みのるがいなかったら……私……」

 

言葉が途切れる。

しばらくの沈黙のあと、みくるはぽつりと呟いた。

 

「ずっと、寂しかったよ……」

 

胸の奥で、何かが——ほどけるような、崩れるような。

 

私はみくるの腕の中で、また涙をこぼしていた。

温かいはずのその体温が、どうしてか苦しかった。

 

ずっと心の底に沈めていた言葉が、堰を切ったように溢れてくる。

 

「なんで……」

 

声が震えた。

 

「なんで……みくるには……他にも友達がいるんでしょ……」

 

呼吸が、うまくできない。

嗚咽が混ざって、言葉がうまく形にならない。

 

それでも——止められなかった。

 

「大事な相棒の……あんながいるんでしょ……」

 

みくるの服を、ぎゅっと握った。

 

「なんで……私なんか……抱きしめるの……」

 

沈黙が落ちる。

みくるの腕は、ずっと震えていた。

 

「……ごめん。みのる、本当にごめんね」

 

みくるは私を抱きしめたまま、ゆっくりと言葉を続けた。

 

その声は、どこか申し訳なさそうで——でも、確かな温もりを帯びていた。

 

「私……最近、みのるとずっと一緒にいられなかったよね」

 

私は何も言えなかった。

 

みくるの服を握ったまま、ただ黙って聞いていた。

 

「学校でも……事務所でも……」

 

そうだ。

気づいていた。

 

気づいていたけど、気づいていないふりをしていた。

 

一緒にいる時間が減っていくたびに、何かが少しずつ欠けていくような感覚があって——でもそれを口に出したら、みっともないと思っていた。

 

「友達も……もちろん大事だよ。みんな優しいし、一緒にいると楽しい」

 

少しだけ間が空く。

 

「……あんなも、大切」

 

みくるの声が柔らかくなった。

 

「同じ名探偵プリキュアだし、同じ戦いをしてる仲間だから」

 

その言葉を聞いた瞬間、胸がちくりと痛んだ。

 

——やっぱりそうだ。

 

あんなは特別だ。

同じ戦いを共有している、みくるにとっての本当の仲間。

 

私にはなれない、その場所に——。

 

「でもね」

 

みくるの手が、私の背中をそっと撫でる。

 

「一番大切なのは、みのるだよ」

 

——息が、止まった。

 

「……え」

 

思わず顔を上げる。

至近距離で、みくるの目が真っ直ぐ私を見ていた。

 

目が少し赤い。

泣いていたのだ、みくるも——私のために。

 

「みのるが一番大切」

 

もう一度、はっきりと。

 

「ずっとそうだよ」

 

頭の中が真っ白になった。

 

そんなはずない。

そんなこと——。

 

でもみくるはこんなときに嘘はつかない。

私はそれを知っている。

 

だから余計に、言葉が胸に突き刺さって——何も言えなかった。

 

「学校で一緒にいる時間が少なかったのは……クラスが違うのもあるけど……」

 

みくるが少しだけ視線を逸らす。

 

そしてほんの少し、照れたように笑った。

 

「……ちょっと恥ずかしかったから」

 

「え……?」

 

私は呆然とする。

 

「だって、みのるって頭良いし……普段は落ち着いてるし……みんなの前でベタベタするの、なんか照れるんだもん」

 

「………」

 

そんな理由——。

 

そんな、あまりにも他愛のない理由で、私はずっと独りで考えすぎていたのだろうか。

 

胸の奥が、じんわりと熱くなる。

こみ上げてくるものが、涙なのか笑いなのか、自分でもよくわからなかった。

 

「それに……あんなと一緒にいる時間が増えたのは……」

 

みくるの表情が、少し真剣になった。

 

言葉を選ぶように、ゆっくりと続ける。

 

「あんなも同じプリキュアだから。同じ戦いをしてる仲間だし……守らなきゃいけない人だから」

 

そこでみくるは少しだけ声を落とす。

 

「でもね……それだけじゃないの」

 

私は黙って聞く。

 

「私とあんな、二人とも同じこと考えてたんだ……みのるを、危険な目に遭わせたくないって」

 

ドクン——と、心臓が鳴った。

 

「あの時……あんなと決めたんだ」

 

「あの時……」

 

私はその言葉を繰り返した。

喉の奥が、きゅっと締まる。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

「……私を元の時代に帰して!」

 

「うん。その依頼、引き受けた!あなたの事件を解決するためにも、立派な名探偵にならないと!」

 

「そうだね! 一緒に協力して立派な名探偵になろう!」

 

「………ねえ」

 

「うん?」

 

「……私からも、依頼していい?」

 

「うん、どんな依頼?」

 

「……もし、みのるに何かあったら…助けてあげてほしい」

 

「…みのるを?」

 

「みのるは……昔から一緒にいた私の親友だから…。プリキュアじゃないみのるは、きっと無理して私たちを助けようとするかもしれない。だから、もしあんなが良かったら、一緒にみのるを守りたいの」

 

「……もちろん良いよ!私たちはちゃんと戦える!強いから心配しないでいいってところを見せようよ!」

 

「あんな…!ありがとう!」

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

——みくるは、ずっと考えていたのだ。

 

私は勝手に孤独だと思っていた。

勝手に、必要とされていないと思っていた。

勝手に、遠ざけられていると感じていた。

 

でも——違ったのか。

 

全部、違ったのか。

 

あの会話の後に——そんなやり取りがあったなんて。

 

「………」

 

私は声が出なかった。

 

みくるとあんなが。

二人で——私のことを。

 

私が知らないところで、私のことを話していた。

守ろうとしていた。

 

「みのるはプリキュアじゃないから……戦いに巻き込みたくなかった。もし何かあったら……私、絶対後悔するから」

 

静かな部屋に、その言葉だけが響く。

それ以外に何も聞こえない。

 

「だから……」

 

みくるが、もう一度私を抱きしめた。

 

「遠ざけてたわけじゃない。守りたかっただけ」

 

胸の奥で何かがぎしりと軋んだ。

 

溜まっていたものが——また溢れそうになる。

 

みくるは私を抱きしめたまま、小さく息を吸った。

 

そして——その声が、かすかに揺れる。

 

「でも……」

 

弱々しかった。

あのみくるが、こんな声を出すのかと思った。

 

「それが、逆にみのるを傷つけて……本当に私……親友失格だよね……あんなこと言っちゃったんだから……」

 

『私たちの足引っ張らないで!!!』

 

あの声が、また頭の中によみがえる。

 

でも今ならわかる。

あれはみくるの本心じゃなかった。

 

怖かったから。

心配だったから。

 

怒りという形でしか、その感情を出せなかっただけで——みくるはずっと、私を想っていた。

 

私はゆっくりと首を振る。

 

「……違う」

 

声がかすれた。

 

「私も……ごめん」

 

みくるの服を、ぎゅっと握る。

 

「みくるのこと……親友じゃないって言って……名探偵失格なんて言って……」

 

言ってしまった言葉。

何も考えずにみくるを傷つけた言葉。

 

「私……ずっと誤解してた……。私が……ずっとみくるを縛ってたのかもしれない……」

 

涙がこぼれる。

 

言葉にするたびに、胸が締めつけられていく。

 

「私を支えるために……側にいなきゃいけないからって……」

 

息がうまくできない。

嗚咽が混ざって、言葉が途切れ途切れになる。

 

「私のせいでみくるが……つらい目に遭わせてしまうんじゃないかって……!」

 

言い終わる前に、みくるが首を振った。

 

「違うよ……みのる」

 

その声は——強かった。

 

「そんなことない……そんなことない!!」

 

みくるの手が私の肩を掴む。

顔を、上げさせる。

 

はっきりと、言い切った。

 

でも私はまた首を振ってしまう。

 

涙が止まらない。

 

わかってる、みくるが否定しようとしているのは——でも、止められない。

 

「でも……でも……私のせいで……みくるはずっと……つらい思いをしてたんでしょ……?」

 

胸が苦しい。

呼吸が浅くなる。

 

言葉が、後悔が、どんどん溢れてくる。

 

「なのに私……親友がみくるしかいないからって……軽い気持ちで……みくると関わって……」

 

軽い気持ちじゃなかった。

本当は。

 

でも結果的にそうなってしまったんじゃないか——そんな思いが、頭の中をぐるぐると回り続けていた。

 

「みくるの気持ちを……全然考えてなかった……!……なんて酷いことしてたんだろうって……!!」

 

声が崩れる。

 

「ごめん……ごめんね……っ」

 

喉が詰まりながら、何度も繰り返す。

言葉になっているのかもわからなかった。

 

ただ、謝ることしかできなかった。

 

「みくる……ごめん……」

 

みくるは、まだ私の手を握ったまま、俯いている。

 

しばらくの沈黙が落ちる。

部屋の中に、私の嗚咽だけが響いていた。

 

やがて——みくるが、ぽつりと呟いた。

 

「ずっと……つらかったよね……」

 

さっきよりも、さらに小さな声だった。

 

「……あんなから……聞いたんだ。みのる……家族がいないって……」

 

——心臓が、強く跳ねた。

 

体がびくっと反応してしまう。

 

思わず視線を逸らそうとした、その瞬間——みくるが、私の両手をぎゅっと握った。

 

逃げるのを、止めるみたいに。

 

「ずっと一人ぼっちにさせてごめん!!」

 

突然の大きな声に、私は息を呑んだ。

 

顔を上げると——みくるの目から、涙が溢れていた。

 

「みのるをこんなにも泣かせて……本当に私は……親友失格だ……」

 

ぽたり、と涙が落ちる。

 

みくるが泣いている。

私のために、みくるが——。

 

「ち、違う……私だって……!」

 

胸の奥から言葉が込み上げてくる。

 

違う、みくるは何も悪くない、悪いのは私の方で——言いかけた、その瞬間。

 

「……お互い様、ってことで良いんじゃないかな……?」

 

扉の方から、静かな声がした。

私は驚いて顔を向ける。

 

「……あんな」

 

そこに立っていたのは、明智あんなだった。

 

少し困ったように笑いながら、扉の前に立っている。

 

その表情には、責める色も、哀れむ色もなかった。

 

ただ、穏やかに——こちらを見ていた。

 

「ごめんね」

 

あんなは申し訳なさそうに頭をかいた。

 

「盗み聞きするつもりはなかったんだけど……みくると……おかゆを作ってみたから、食べてほしいな……って思って、部屋に入るタイミングを待ってたんだ……」

 

ゆっくりと部屋の中に入ってくる。

 

両手には小さな鍋。

まだほんのり湯気が立っている。

 

私は呆然と、その鍋を見た。

 

それからあんなの顔を見る。

 

——おかゆを、作ってくれた。

 

どれだけの時間、扉の前で待っていたのだろう。

 

私たちの話を聞きながら、入るタイミングを計りながら——それでも、静かに待っていてくれた。

 

あんなは静かにベッドの横へ歩いてくると、鍋をそっと隣の机に置いた。

 

それから、遠慮がちに私のベッドに腰を掛ける。

ベッドのスプリングが、わずかに沈んだ。

 

少しだけ考えるように目を伏せてから——あんなはゆっくりと口を開いた。

 

「……みのるだけじゃない」

 

静かな声だった。

 

「私たちにも、気づけなかったこととか……自分のせいだって思うところもある」

 

少しだけ、申し訳なさそうに笑う。

 

それから、私とみくるの両方を順番に見た。

 

「だからこそ、私たちで苦しいことやつらいことは……支え合っていけば良いなって思ってる」

 

その言葉が、柔らかく部屋に落ちた。

 

胸の奥が、じんわりと温かくなる。

何も言えないまま、私はただ俯いた。

 

すると、前に立っていたみくるも口を開く。

 

「みのる」

 

名前を呼ばれて、顔を上げる。

 

みくるは、真っ直ぐ私を見ていた。

 

目がまだ少し赤い。

でもその眼差しは、揺れていなかった。

 

「学校もあるし、友達もいるし、ずっとみのると一緒にいれることはできないけど……」

 

正直な言葉だった。

飾らない、みくるらしい言葉だった。

 

「でも」

 

その表情が、すっと真剣なものに変わった。

 

「私は絶対に……みのるのこと見捨てないから」

 

胸がドクンと鳴った。

 

「たとえ、あんなと一緒にいても」

 

みくるはちらっとあんなの方を見る。

あんなが、静かに頷いた。

 

「友達と一緒にいても……」

 

もう一度、みくるは私を見た。

 

「みのるのことが、一番の親友だと思ってる」

 

その言葉が——胸の奥に、静かに落ちてきた。

 

波紋のように広がって、ずっと凍りついていたところまで届いてくる。

 

「足手まといとか……邪魔だとか……絶対にそんなことない」

 

みくるがはっきりと言い切る。

 

そして——その声が、ふっと柔らかくなった。

 

私は何も言えなかった。

言葉が出てこなかった。

 

でもそれは、もう悲しいからじゃなかった。

 

胸がいっぱいで——溢れそうで——どこから言葉にすればいいのか、わからなかった。

 

ただ、涙だけが、静かに頬を伝っていた。

 

「だから……そんなに自分を責めないで……」

 

みくるがそっと私の手を握る。

 

温かかった。

ただそれだけなのに——胸の奥で、何かがゆっくりと広がっていく。

 

あんなも隣で静かに座ったまま、私の方を見ていた。

二人の視線が、柔らかく私に向けられている。

 

さっきまで、あんなに苦しかった。

息もできないくらい、胸が締めつけられていた。

 

なのに今は——少しだけ。

救われたような気がした。

 

胸の奥に広がっていた温もりが、ゆっくりと形を変えていく。

 

気づけば目の奥が熱くなって——

 

「うっ……くっ……」

 

また涙が溢れていた。

 

さっきまであんなに泣いたのに。

もう止まったと思っていたのに。

 

どうしてだろう。

 

今度のそれは、苦しさからじゃなかった。

 

ずっと固く閉じていた場所に温もりが触れて——それが溶けていくような、そんな涙だった。

 

「もう……そんなに泣かないの!」

 

みくるが慌てたように言いながら、ポケットからハンカチを取り出した。

 

そして私の頬にそっと当てて、優しく涙を拭いてくれる。

 

「ほら、また泣いてるじゃん……」

 

少し困ったように笑いながら。

でも、その手つきはとても優しかった。

 

私は鼻をすすりながら、ぽつりと呟いた。

 

「……みくるだってさっき……泣いてたじゃん……」

 

「そ、それは……!」

 

みくるの顔が、みるみる赤くなる。

 

「……あ、あの時はあの時よ……!」

 

視線を逸らして、そっぽを向く。

耳まで赤い。

 

——なんだかおかしかった。

 

あれだけ泣いていたのに。

こんなにぐちゃぐちゃな気持ちだったのに。

 

みくるのその様子が、どうしてかおかしくて。

 

思わず——ふっと、口元が緩む。

 

小さな笑みが、こぼれた。

 

それを見たみくるが、はっとした顔をした。

そして——ゆっくりと、微笑んだ。

 

さっきまでの泣き顔が嘘みたいな、とても優しい笑顔だった。

 

「やっと……笑ってくれた」

 

その言葉が、静かに胸に落ちた。

 

ずっと、笑えていなかったんだ。

そのことに、言われて初めて気づいた。

 

隣に座っていたあんなも、嬉しそうに頷く。

 

「つらいことがあったら、私たち名探偵プリキュアになんでも相談してね!」

 

少し誇らしげな声。

その言葉を聞いて、私は二人の顔を見る。

 

みくる、そしてあんな。二人とも、優しい目で私を見ていた。

 

胸の奥が、じんわりと温かくなる。

私は小さく息を吸って——ゆっくりと、頷いた。

 

そのときだった。

 

廊下の向こうから、慌ただしい声が聞こえてくる。

 

「ポチぃぃぃ!!」

 

「ちょ、ちょっと待てポチタン!?」

 

ばたばたと走る足音。

 

そして——小さな影が一直線に、部屋へ飛び込んできた。

 

「えっ——」

 

ドン、と胸に衝撃が走った。

 

「ポチぃ……ポチ……!」

 

私の胸にしがみつく、小さな体。

 

ポチタンだった。

目を潤ませて、今にも泣きそうな顔で私を見上げている。

 

その小さな手が、ぎゅっと私の服を握っていた。

 

「ポチタン……」

 

私は少し驚きながらも——そっと、その体を抱きとめた。

 

小さくて、温かかった。

 

ふわりとした重みが腕の中に収まって、私は思わず目を細める。

 

さっきまで泣いていたことも、ぐしゃぐしゃだった気持ちも——全部が遠くなるみたいで。

 

「ポチぃ……」

 

震える声。

まるでずっと心配していたみたいに。

 

胸の奥が、また少し温かくなる。

 

私はそっと、ポチタンの頭を撫でた。

 

「ポチタンにも心配かけちゃったね……」

 

指先で、ふわふわの頭を優しく撫でる。

 

「ごめんね……」

 

「ポチ!」

 

ぱっと、ポチタンの顔に笑顔が戻った。

さっきまでの泣きそうな顔が、一瞬で明るくなる。

 

その様子を眺めていると、部屋の入り口から溜め息混じりの声が聞こえてきた。

 

「全く……相変わらず落ち着かない妖精だな……」

 

視線を向けると、そこにはジェットが立っていた。

腕を組みながら、少し困ったように笑っている。

 

あんなが振り返る。

 

「ジェット先輩も心配で来てたんだね」

 

そう言うと、ジェットは一瞬だけ言葉に詰まった。

 

「ま、まあ……ポチタンが心配そうにしてたしな」

 

視線を逸らして、軽く咳払いする。

 

少しだけ照れくさそうに頭をかいた。

 

「ボクとしても……追い詰められてるみのるを見てると、あまりいい気分じゃないからな……」

 

ちらっと私の方を見た。

 

ぶっきらぼうな言い方。

でも——その声は、確かに優しかった。

 

私はポチタンを抱いたまま小さく笑う。

 

部屋の中には、みくると、あんな。

ポチタンと、ジェット……いや、ジェット先輩。

 

さっきまで、一人ぼっちだと思っていたのに。

今は——こんなにも誰かが側にいた。

 

その事実が、じわりと胸に染み込んでくる。

 

「それよりもおかゆが冷めるぞ。食べなくていいのか?」

 

ジェット先輩が腕を組んだまま、ふっと息を吐いた。

その言葉に、あんながはっとした顔になる。

 

「そうだった!」

 

慌てて鍋のところへ駆け寄ると、そっと蓋を開けた。

ふわっと湯気が立ちのぼり、部屋の中に優しい香りが広がっていく。

 

私はその鍋を覗き込んだ。

 

ただの白いおかゆじゃなかった。

 

卵がふわりと混ざっていて、細かく刻まれた野菜も入っている。

手をかけて、考えて、作ってくれた——そのことが、一目でわかった。

 

「これ……」

 

思わず、言葉がこぼれた。

 

「二人が作ったの?」

 

みくるが少し照れたように視線を逸らす。

 

「う、うん……」

 

頬をほんのり赤くしながら、小さく頷く。

 

「みのるの口に合うかわからないけど……作ってみたの」

 

それから、少し不安そうに私を見た。

 

「もし良かったら……感想を教えてほしい」

 

そんな風に言われたら——食べないわけにはいかない。

 

「……うん」

 

私は小さく頷いた。

 

すると、隣にいたあんながスプーンを手に取った。

 

鍋からおかゆをすくって——そのまま、私の前に差し出す。

 

「はい」

 

にこっと笑う。

 

「あーん」

 

……もしかしてそういう系!?

 

「えっ、な、何!? いや、私一人で食べれるから!」

 

急に顔が熱くなる。

こんなの、恋人か小さい子供みたいじゃないか。

 

私は慌てて手を振った。

 

でも、あんなは引かない。

むしろ少し身を乗り出してくる。

 

その笑顔は、どこまでも穏やかで——いたずらっぽくて。

 

さっきまでの涙も、胸の締めつけも、どこかへ消えていきそうだった。

 

こんな気持ちに——なれると思っていなかった。

 

「一口だけでいいから!お願い!」

 

目をキラキラさせながら言うあんな。

そんな風に言われてしまうと、強く断るのも悪い気がしてくる。

 

私は困ったように視線を泳がせた。

 

みくるを見ると、少しドキドキした顔でこっちを見ている。

ジェット先輩は腕を組んで、面白そうに様子を眺めていた。

 

——逃げ場がない。

 

私は観念して、小さく息を吐いた。

 

「……じゃあ、一口だけ」

 

あんなの顔が、ぱっと明るくなる。

 

「やった!」

 

スプーンがゆっくり近づいてくる。

私は恥ずかしさをこらえながら、そっと口を開けた。

 

温かいおかゆが、口の中に入ってくる。

 

優しい味が、じんわりと広がった。

 

ふわっとした卵の柔らかさ。

煮込まれた野菜の、ほのかな甘み。

 

温かさが喉を通って、体の奥へゆっくりと落ちていく。

 

「……おいしい……」

 

小さく呟いた。

 

ただ、味がおいしいというだけじゃなかった。

 

冷たくなっていた胸の奥が、その温もりに合わせてじんわりと溶けていくような——そんな感じがした。

 

「ふふっ……良かった……!」

 

みくるがほっとしたように笑う。

さっきまで心配そうだった顔が、ようやく柔らかくなった。

 

隣では、あんなも小さく息を吐いた。

 

「でも、無理して食べなくても大丈夫だからね!」

 

慌ててフォローするように言う。

 

「体調悪いときは無理しちゃダメだから」

 

その言葉に、また小さく笑ってしまう。

 

すると、私の腕の中にいたポチタンがぴょんと飛び上がった。

 

「ポチ~!」

 

嬉しそうに部屋の中を飛び回る。

くるくると宙を旋回しながら、はしゃいでいた。

 

その様子を眺めていたジェット先輩が、ふっと肩の力を抜いた。

 

「……はぁ、一時はどうなるかと思ったけど、元気そうで良かったよ」

 

その言葉にはどこか安堵が混じっていた。

取り繕っていない、素直な声だった。

 

私はおかゆをもう一口、ゆっくりと口に運ぶ。

 

温かい。

 

少し前まで、私は一人ぼっちだと思っていた。

誰にも必要とされていない、関わらない方がみんなのためになる——そう思い込んでいた。

 

でも今は違う。

 

目の前には、みくるがいる。

隣には、あんながいる。

ポチタンが部屋を飛び回っていて、ジェット先輩がそれを呆れたように見ている。

 

こんなに、誰かがいる。

 

それだけで——胸の奥が、すごく温かかった。

 

 

_______________

 

 

 

【るるかSide】

 

スポットライトがニジーに当てられる。

 

けれどその光は、主役に贈られる栄光の照明ではなかった。

 

破滅へ向かう者の末路を、ただ白々と照らし出す灯火だ。

 

絶望と後悔に染まったニジーの顔。

けれど、そんな様子であっても——ウソノワールが許すことはなかった。

 

無断で名探偵プリキュアと戦い、敗北した。

せっかく手に入れたはずのマコトジュエルを取り返された。

 

最後のチャンスを完全に無下にした。

 

それが、彼の結末。

 

「お前の役目は終わった」

 

ウソノワールから告げられた、たった一言。

 

それはつまり——ニジーがこの舞台に立つことは、二度とないということ。

 

舞台の床が、少しずつ沈み始めた。

ニジーの体が、ゆっくりと奈落へと落とされていく。

 

「ひっ……!……ぁ……ウソノワール様……!ウソノワール様!!」

 

「行くがいい、奈落の底へ」

 

まるで見せしめのように——わざとゆっくりと、床が下がっていく。

 

急転直下ではなく、じわじわと迫る終わりが、逆にニジーの恐怖を深く深く刻みつけていった。

 

その様子を、アゲセーヌとゴウエモンが戦慄した表情で見つめている。

 

身を乗り出したその顔から読み取れるのは、ニジーへの心配か——それとも、いずれ自分たちも同じ末路を辿るかもしれないという恐怖か。

 

おそらく、その両方でしょう。

 

「う……ウソ……!?ウソノワール様!!」

 

どんなに声を上げても、床はさらに沈んでいく。

 

もうニジーは終わる——そう、誰もが確信した瞬間だった。

 

「お、お待ちください!とびきりの情報があります!」

 

ニジーが最後の抵抗として声を張り上げた。

 

みのるが話していた情報を、藁を掴むように口にする。

 

「プ……プリキュアの一人、キュアアンサーは……2027年から1999年に来たと!!」

 

「「……!?」」

 

アゲセーヌとゴウエモンが、同時に驚いた表情を浮かべた。

 

——ガタン!!

 

沈んでいた床が、音を立てて停止した。

 

「恐らく……違う時代から来たんです……」

 

「何……?」

 

首の皮一枚繋がる、というのはこのことを言うのだろう。

 

みのるが話した情報が——ニジーの退場を、寸前で阻止した。

 

「違う時代から来た……プリキュア……」

 

私もそっと口を開く。

 

違う時代のプリキュア。

キュアアンサーという、本来この時代には存在しないはずの人物が、存在している。

 

ウソノワールがニジーの退場を中止したという事実が、その情報の重さを物語っていた。

 

「未来自由の書にも書いていない……まさか……」

 

ウソノワール様の低い声が、劇場の内側に静かにこだまする。

 

ニジーは力が抜けたように——その場に崩れた。

 

しばらく、動くことはなかった。

 

奈落の縁に立ったまま、辛うじて落ちずにいる。

その姿は、かつて舞台に立っていた頃の影もなかった。

 

私は静かに、その場を見つめていた。

 

 

_______________

 

 

 

【みのるSide】

 

次の日——。

 

「妹と連絡が取れましたー!!いや〜、寝てて電話に出なかったみたいで〜!」

 

真理子さんが傘を返しに来てくれたと同時に、妹の恵子さんと連絡が取れたことを明るく報告してくれた。

 

「ロンドンは夜中だったからですね!」

 

「みのるが言ったとおりだ!」

 

二人の視線が、同時に私の方を向く。

 

どう反応すればいいか少し迷ったけれど、とりあえず微笑んでおいた。

 

昨夜しっかり休んだおかげで熱は下がっていた。

 

体のだるさは少し残っているが、今日は休みだし、激しい動きさえしなければ明日からまた学校に通えるだろう。

 

——本当は風邪で学校を休めた方がラッキーだったのに。

 

そんなことは、二人の前では言わないでおこう。

 

「ありがとうございました!」

 

真理子さんが笑顔で事務所を出ていった。

 

また一つ、事件を解決した。

その手応えが二人の顔に滲んでいる。

 

「良かった!恵子さんも無事で!」

 

「ツバメの像も無事に戻ったし!」

 

妹の無事が確認され、ツバメの像も学校の広場へ戻った。

 

まるで今までの激しい戦いが、嘘だったかのように——日常が静かに元の場所に戻ってきていた。

 

「幽霊騒ぎは……!」

 

「はなまる解決!」

 

部屋に飛び込んでくるなり両手で大きな丸を作り、興奮が止まらない二人。

 

「みのるもやろうよ!」

 

「私は遠慮しとく」

 

あんなの輝いた笑顔でそう言われても——病み上がりだし、そもそもそういうことをするタイプじゃない。

 

それに、こうして二人を眺めている方が今の私には落ち着く。

 

いつまでも元気な二人だ、と思う。

 

呆れているわけじゃない。

ただ、眩しかった。

 

前から薄々感じていたことだけど、あんなとみくるはどこか似ている気がする。

 

同じプリキュアだから、というだけじゃない。

 

初めて変身した時から息がぴったりだったし、同じジュエルキュアウォッチを持っていたことも——単なる偶然とは思えない。

 

でも、今考えてもわからない。

ひとまず頭の片隅にしまっておくことにした。

 

「ポチ〜!」

 

「あ゙あ゙!?ボクのキャンディー!?」

 

部屋の向こうで、ポチタンにキャンディーを奪われたジェット先輩が追いかけ回していた。

 

かなり騒がしい。

でも——その騒がしさが、逆に日常らしくて、胸の奥がじんわりと落ち着いた。

 

「出せぇぇ!!返せよー!!」

 

「ポチ〜、ポ〜チポ〜!」

 

「「ふふっ……あはは!」」

 

あんなとみくるの笑い声が重なる。

 

私はジェット先輩とポチタンの鬼ごっこをずっと眺めていた。

 

「ポチタン!!降りてこーい!!」

 

ジェット先輩の大きな声が、事務所内に響き渡る。

 

——ずっと荒れていた私の心が、また笑えるようになった。

 

みくるたちの本心を知ることができたから。

私の本心も、みくるやあんなに打ち明けることができたから。

 

あの夜があったから——今日のこれがある。

 

ふと横を向くと、二人もちょうど私の方を向いて優しく笑っていた。

 

私も笑顔を返して、また前を向く。

 

言葉はなかった。

 

でも——言葉がなくても、伝わるものがある。

そう感じた。

 

私の人生も、少しは良い方向に動くかもしれない。

 

完全に前を向くには、まだ時間がかかるだろう。

それでも——もう自分に嘘をつかない存在でありたい。

 

そう思えるようになったことが、今の私には、十分すぎるほど大きなことだった。

 

太陽は、今日も街を明るく照らしていた。

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