かわいいホームズの親友ちゃんは、相棒の座を奪われて焦心苦慮   作:くぁwせdrftgyふじこlp

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キュアアルカナ・シャドウ、現る【前編】

〖予告まで10分〗

 

【みのるSide】

 

閉館時間を過ぎた美術館は、息が詰まるほど静かだった。

 

昼間はあれほど賑わっていたというのに、今はもう、空調のかすかな唸りと、自分の呼吸音しか聞こえない。

 

その静寂が、やけに重くのしかかってくる。

時計の針が刻むたびに、空気そのものが少しずつ削り取られていくようだった。

 

——残り、10分。

 

その事実が頭の中で何度も何度も繰り返されるたびに、胸の奥に冷たいものが沈んでいく。

石のように、じわじわと。

 

展示室の警備体制は、完璧なはずだった。

 

警備員は各所に配置され、監視カメラは死角なく稼働している。

 

ガラスケースの中央で、首飾りはいつもと変わらず穏やかに光を反射していた。

その静かな輝きが、逆に不気味でならない。

 

何も知らない、何も恐れていない、とでも言いたげな顔をして。

 

——それでも、これで防げるはずがない。

 

唾を飲み込む音が、やけに大きく響いた気がした。

 

自分の呼吸が浅くなっていることに気づき、意識的にゆっくりと息を吸い込む。

 

それでも、鼓動は落ち着いてくれない。

まるで体の内側から、時間そのものに追い立てられているようだ。

 

予告状の文面が、焼き付いて離れない。

 

あまりにも堂々とした宣言だ。

逃げも隠れもしないという、あの揺るぎない自信。

 

まるでこの状況すら——万全の警備も、張り詰めた緊張も、全て——計算のうちだとでも言うように。

 

視線を巡らせると、周囲の警備員たちの表情も一様に固い。

 

誰もが同じ疑念を抱えているのだろう。

 

この完璧な体制が、逆に何かを見落としている証なのではないか。

そんな不安を。

 

足音が気になった。

誰かがわずかに重心を移すだけで、神経が鋭く反応する。

 

視界の端で影が揺れるたびに、体がびくりと強張った。

 

何も起きていないはずなのに、何かがすでに始まっているような——。

 

違う。

錯覚ではないのかもしれない。

 

気づいていないだけで、すでに侵入されている可能性だってある。

 

あるいは、内側に——。

 

そこまで思考が辿り着いた瞬間、背筋を冷たいものが走り抜けた。

 

時間は確実に減っているのに、状況は何一つ動かない。

この停滞こそが最も恐ろしかった。

 

嵐の前の静けさという言葉が、これほど現実味を帯びて感じられたことはない。

 

気づけば、拳を握りしめていた。

 

爪が掌に食い込む感触で、ようやく自分の体がここにあることを実感する。

 

——来る。

 

確信にも似た予感が、胸の奥でじわじわと膨らんでいた。

 

何も起きないはずがない。

あの予告状が、ただの脅しで終わるはずがない。

 

時計の音が、やけに大きく聞こえる。

 

その一秒一秒が、まるで処刑台へ続く階段のように感じられた。

 

「予告した時間まで、あと10分」

 

みくるが重く口を開いた。

 

ジュエルキュアウォッチで時刻を確認しながら、いつになく硬い声で。

 

時間というのはいつも残酷だ。

どんなことがあっても、決して待ってはくれない。

 

「宝生さん、危ないのでここにはいない方が……」

 

「いいえ、一番安全ですわ。はい、カモン!」

 

パン、と乾いた音が展示室に響く。

宝生さんが、また手を叩いた。

 

——この流れは、また……。

 

「「「うわああっ!?」」」

 

次の瞬間、大勢の警備員が音もなく私たちを取り囲んでいた。

 

どこから現れたのかも分からない。

気づいた時にはもう、完全に包囲されていた。

 

怪盗じゃないんだから、無言でそんな圧をかけないでほしい。

 

 

_______________

 

 

 

【るるかSide】

 

屋上から、そっと下を見つめる。

 

昼間から張り付いていた報道陣の数は、ほとんど変わっていなかった。

 

いや——むしろ増えているかもしれない。

 

予告時間まであとわずかとなれば、当然といえば当然だろう。

カメラのレンズが、夜の光を受けてちらちらと瞬いている。

 

「さてと……」

 

マシュタンが、水晶玉を小さな座布団の上にそっと乗せた。

 

頭には小さな帽子を被っていて、とてもかわいい。

 

どんな場面でも、この子の存在だけは私の心を和らげてくれる。

 

「作戦開始の前に、占っとくわ!」

 

「はぁぁぁぁ……」

 

息をゆっくり吐き出しながら、私は拍手をする。

 

これがマシュタン流の儀式だ。

どんなに急いでいても、どんなに緊張していても、この子は必ずここから始める。

 

そしてその占いは——ありがたいことに、外れたためしがない。

 

「マシュマシュマシュマシュマシュマシュ……マシュ~~~!!」

 

水晶玉に両手をかざし、撫でるような仕草で球面をゆっくりと巡らせるマシュタン。

 

その真剣な表情と小さな手の動きが、どうしようもなくかわいかった。

 

「見えたわ!るるか、あなたの前に、おじゃま虫が現れるって!」

 

「ありがとう。マシュタンの占いはよく当たるものね」

 

おじゃま虫。

 

妨害してくる誰か、ということ。

 

名探偵プリキュアが動いているのは分かっている——それは想定の範囲内だ。

 

でも、もしかしたら、それだけではないのかもしれない。

 

どこかに、まだ私の知らない駒がある。

 

でも。

 

「私に失敗はない」

 

ポケットに手を入れ、一つの道具を取り出す。

 

あの名探偵の二人も持っているはずの——プリキットを。

 

「オープン、プリキットグロス」

 

唇にそっと塗る。

冷んやりとした感触が広がった瞬間、私の姿がするりと変わっていく。

 

長い髪も、この服も、全て溶けるように消えて——気づけば私は、青い制服に身を包んだ警備員の一人になっていた。

 

鏡はないけれど、完璧なのは分かっている。

 

「行こう、マシュタン」

 

「任せてるるか!作戦開始!」

 

微笑むと、マシュタンも満面の笑顔で返してくれた。

その笑顔に、胸の奥がじんわりと温かくなる。

 

作戦はシンプルだ。

 

私は警備員に紛れてそのまま館内で待機し、予告時間を迎える。

 

その瞬間に合わせて、マシュタンが電気室へ侵入し、全館の電源を落とす。

 

この美術館には予備電源があるから、暗くなるのはほんの一瞬——でも、一瞬あれば十分だ。

 

マシュタンと別れ、私は警備員の顔で歩き出す。

 

夜の美術館の入り口が、静かに私を迎え入れた。

 

 

_______________

 

 

 

【ジャックSide】

 

館内には、バチバチとした緊迫感が漂っていた。

 

悪くない空気だ。

これくらいの張り詰め方が、私は嫌いじゃない。

 

あまりの静けさに、近くにいるニジーたちも何も言葉を発しない。

 

残り10分という僅かな時間の中で、できることは何もない——誰もがそれを分かっていた。

 

予告時間になれば、キュアアルカナ・シャドウは必ず現れる。

 

まずは様子見で、私も名探偵プリキュアとの戦闘に加わり、ニジー、アゲセーヌ、ゴウエモンの誰かが隙を突いて髪飾りを奪う。

 

流れは大体そんなところだろうか。

 

……いや、でも。

 

この大勢の警備員をいちいち相手にしないといけないのも、面倒くさい。

最初は雑魚から制圧するか。

 

「……ん?」

 

通路を歩いていた途中で、それは偶然目に入った。

 

——マシュタン?

 

従業員専用と書かれた扉の隙間に、小さな影が滑り込んでいくのが一瞬だけ見えた。

 

見間違いじゃない。

あのシルエットは、間違いなくマシュタンだ。

 

……なるほど。

なんとなく、キュアアルカナ・シャドウがどうやって首飾りを盗むか、予測できた気がした。

 

ニジーたちに目を向け、身振り手振りで「ちょっと裏側に行ってくる」と伝える。

 

ゴウエモンが無言で手を上げ、了解の合図を返した。

 

私は早足でバックヤードへと向かい、従業員用の扉を静かに押し開ける。

 

展示エリアとは打って変わって、無機質な空間が広がっていた。

 

コンクリートの壁、剥き出しの配管、蛍光灯の白い光。

生活感のない通路を進んだ先に、マシュタンがいた。

 

その小さな背中の向こうには、「電気室」と書かれた扉。

これで大体の流れが掴める。

 

予告時間に合わせて電源を落とし、停電の隙に首飾りを盗む。

 

……いや、待て。

 

確かあのケースは顔認証じゃないと開かない仕様だったはずだ。

 

私だったら迷わず破壊して盗むけれど、キュアアルカナ・シャドウは変身しない限りはただの人間——ケースを壊すのは難しい。

 

ということは、何かしら別の手順を踏むつもりなのだろう。

 

停電は首飾りを盗むための手段じゃなく、予告時間を演出するための舞台装置に過ぎない——ということか。

 

そこまで考えながら様子を見ていると、マシュタンがずっと扉の前で格闘していた。

 

「硬くて開かな~~い!!」

 

…………。

 

バカなの?

 

鍵くらいかかってるに決まってるでしょ。

まさかちゃんと下調べもせずに予告状を送ったわけじゃないよね?

 

キュアアルカナ・シャドウがそんなドジを踏むとは思えないけど。

 

「はっ!?」

 

マシュタンが素っ頓狂な声を上げた。

通路の奥から、警備員が歩いてくる足音。

 

次の瞬間、マシュタンはすとんと地面に落ちて、ぬいぐるみのふりをした。

 

……本当に何をやってるんだか。

 

こんな場所にぬいぐるみがあるなんて、どう見ても不自然すぎる。

 

「ん、ぬいぐるみ?……落とし物か?」

 

案の定、警備員はマシュタンを拾い上げた。

 

あーあ、もう時間もないのに。

 

私は角に背中を預けたまま、小さくため息をつく。

 

仕方ない——私たちだって、首飾りのマコトジュエルが目的には変わりない。

少しくらい手を貸してやってもいいか。

 

私は角から飛び出し、警備員へと急接近した。

 

「だ、誰…ぐはぁっ!?」

 

言い終わる前に、私は踏み込んでいた。

 

拳を振り抜く。

狙いは側頭部——無駄のない一撃。

 

鈍い衝撃と共に、男の体が壁へ叩きつけられ、そのままずるずると崩れ落ちて、動かなくなった。

 

私は軽く手を開いて閉じて、感触を確かめる。

 

「こいつ本当に警備員?脆すぎ」

 

思ったより手応えがなかった。

 

ただの人間だからか。

訓練不足か——それとも、そういうものなのか。

 

「な、ジャック!?何しに来たの!?」

 

甲高い声が、すぐ背後から飛んできた。

 

振り向けば、小さな影。

マシュタンがこちらを睨みつけている。

 

変装していてもすぐに気づくのは、流石というべきか。

 

「何って……マコトジュエルを奪いに来たに決まってるでしょ」

 

当たり前のことを言っただけなのに、マシュタンはさらに目を見開いた。

 

「お……おじゃま虫って……ジャックのことだったのね!?」

 

「おじゃま虫?……へぇ……」

 

思わず口元が歪む。

 

面白い呼び方をするじゃないか。

 

一歩、ゆっくりと距離を詰めると、マシュタンの表情が目に見えて強張った。

 

「っ………」

 

「ねえマシュタン。キュアアルカナ・シャドウは何を企んでるの?」

 

問いかける声は、できるだけ穏やかに。

けれど、逃げ道は与えない。

 

「あなたには言わないわ」

 

即答だった。

迷いのない、きっぱりとした拒絶。

 

……ま、そうだろうね。

 

私は小さく息を吐く。

 

「……そう。ま、私もその首飾りが目当てだし、協力してあげてもいいよ」

 

視線を横に流すと、重厚な扉が目に入った。

 

明らかに普通の展示室とは違う、厳重なロック。

 

マシュタンは何も言わない。

ただ警戒したまま、じっとこちらを見ている。

 

だから、私は少しだけ意地悪く笑った。

 

「ほら、早くしないと予告時間過ぎちゃうでしょ?開けられないまま終わっちゃったら、キュアアルカナ・シャドウのプライドに傷がついちゃうね!」

 

「ぐ……ぬぬ……!!」

 

悔しそうに唇を噛む。

わかりやすい反応だ。

 

「どうしてほしいの?ほら、あと五分もないよ~」

 

わざと軽い調子で急かすと、ついに観念したように小さく口を開いた。

 

「……このドアを開けてほしい」

 

「よく言えました!それっ!!」

 

躊躇なく、扉に蹴りを叩き込んだ。

 

バッコン——!!

 

派手すぎる音と共に、重たい鉄の扉が大きく凹み、内側へと吹き飛ぶ。

 

張り詰めていた静寂が、一瞬で粉々になった。

 

「ちょっと!!もっと静かに開けなさいよ!!」

 

後ろでマシュタンが叫ぶ。

私は振り返らず、ひらひらと手を振った。

 

「後はご自由に……それじゃ私はまた展示エリアに戻ってるから!」

 

目的はあくまでマコトジュエルだ。

ここで足止めを食う理由はない。

 

「ジャック!!!」

 

怒声を背中に受けながら、私は再び暗い通路を歩き出した。

 

さあ——舞台は整いつつある。

 

あとは、誰が"本物と偽る偽物"を掴むか。

それだけの話だ。

 

 

_______________

 

 

 

〖予告まで1分〗

 

【みのるSide】

 

「あと1分……」

 

空気が、張り詰めるという言葉では足りないほどに硬直していた。

 

呼吸をするたび、肺の奥に冷たい刃を押し込まれるような感覚がある。

 

誰も動かない。

 

いや——動けない。

 

ほんのわずかな物音さえ、この場の均衡を崩してしまう気がして、全員が無意識に"静止"を選んでいた。

 

時計の針が、一つ進む。

 

その微かな音が、雷鳴のように展示室へ響いた。

 

首飾りは変わらず、ガラスケースの中で淡く光を放っている。

 

その無防備な輝きが、まるで挑発のように見えた。

守られているはずなのに、すでに奪われているような錯覚に陥る。

 

視界の端で、警備員の指先がわずかに震えているのが見えた。

 

私の指も、同じだった。

 

力を込めても止まらない。

 

心臓の鼓動が速すぎて、血液が体の中で暴れているのがわかる。

 

——残り40秒。

 

何も起きない。

それが、何よりも異常だった。

 

あの予告状が、こんな静寂のまま終わるはずがない。

 

ならば、この静けさそのものが罠なのか。

 

それとも、すでにすべては終わっているのか。

 

考えがまとまらない。

 

疑念だけが、頭の中で際限なく膨れ上がっていく。

 

——残り30秒。

 

視線を巡らせる。天井、壁、床、ケース、警備員——すべてを確認しているのに、"何か"を見落としている確信だけが、逆に強まっていく。

 

——残り20秒。

 

喉が焼けるように乾く。

 

息がうまく吸えない。

 

空気が薄くなったような錯覚。

耳鳴りがじわじわと広がり、世界の音を少しずつ侵食していく。

 

——残り15秒。

 

鼓動が、限界まで速くなる。

 

時間に追いつけない。

 

いや——時間の方がこちらを追い詰めてくる。

 

——残り10秒。

 

視界が、わずかに歪む。

 

9

 

全員の意識が、同じ一点に収束していく。

 

8

 

何かが起こる。確実に。

 

7

 

逃げ場はない。

 

6

 

この瞬間のために、すべてが用意されていた。

 

5

 

息を止める。

 

4

 

世界が、凍りつく。

 

3

 

鼓動が、耳の奥で爆ぜる。

 

2

 

思考が途切れる。

 

1

 

——来る。

 

 

 

……………。

 

……………。

 

ガタン!!

 

世界が、暗転した。

 

「「「!!?」」」

 

「停電!!」

 

「あらまあ!?」

 

——そう来たか。

 

電源を落として照明を切り、視界を奪った隙に奪うつもりか——!

 

「すぐに非常電源が!!」

 

係員の呼びかけ通り、数秒も経たないうちに電気が復旧し、明かりが戻ってくる。

 

真っ先に確認すべきはただ一つ。

星明かりのプリンセス。

 

「あ!?あれは!!」

 

「ファントムのカード!」

 

首飾りは——無事だった。

 

しかし、ガラスケースの表面に、一枚のカードが貼りつけられている。

 

間違いなく、停電の間に誰かがここにいた。

 

だが、停電から復旧までの時間はせいぜい10秒程度。

 

どこかの電源設備を落としてから、この展示室まで戻ってくるのは物理的に不可能だ。

 

——つまり、最低でも二人以上いる。

 

「『怪盗団ファントム参上。星明かりのプリンセスはすりかえられた偽物。あしからず』」

 

「なあぁぁんですってえぇぇ!!?」

 

宝生さんが大慌てで、ケースの隣にある顔認証装置へと走り出す。

 

——待って。

 

改めてケースを見る。

 

首飾りはケースの中にちゃんとある。

ケースには傷一つついていない。

 

暗転していた時間はあまりにも短く、その間にケースをこじ開ける余裕など、あるはずがない。

 

違う——中身は偽物じゃない。

入れ替わってなんかいない。

 

カードは陽動だ。

 

「たたた大変!!」

 

宝生さんが認証を始める。

 

——まずい。

 

ケースを開けられたら、首飾りは無防備になる。

そうなれば、簡単に盗られる。

 

「待って!!疑心暗鬼や確認欲求を逆利用した心理誘導トリックだ!!」

 

「……っ!?ダメ!!罠です!!」

 

「ええっ!?」

 

しかし、認証は完了してしまった。

ケースのロックが、無情にも解除される。

 

「まずい、遅かった!!」

 

「偽物だと思わせ、確認のために鍵を開けさせる!!でも、中身は本物!!」

 

みくるが必死に呼びかける。

 

でも、ケースはもう開いている。

その危機的な瞬間と重なるように——声が聞こえた。

 

「その通り」

 

「!!?」

 

ケースの前に、女性の警備員が立っていた。

 

でも——雰囲気が、違う。

 

まさか……変装したファントム!?

 

「鍵を開けた瞬間にケースの中身を貰う、古典的なトリック」

 

その警備員が、床に何かを叩きつけた。

 

次の瞬間、白い煙が一気に広がる。

視界が、飲み込まれていく——この隙に盗むつもりだ。

 

そうわかっていても、体が動かない。

 

煙を吸いすぎた。

 

「ゲホッ……ゲホッ……!」

 

「ポ~チ~!!」

 

周囲の警備員たちも視界不良で身動きが取れず、現場は完全にパニックになった。

 

本当に古典的な方法だ。

でも、煙幕まで使われたら——どうしようもない。

 

「マコトジュエルが盗られたの!?」

 

美術館の排煙設備が動き、なんとか煙が晴れていく。

 

しかし——。

 

「「ああっ!!?」」

 

ケースの中に入っていた星明かりのプリンセスは、消えていた。

 

喉が焼けるように痛い。

 

空気を吸い込もうとしても、肺の奥で何かが詰まっているみたいに、うまく入ってこない。

 

「ゲホゲホッ……」

 

視界がぐらりと揺れた。

 

そのまま、膝から崩れ落ちる。

冷たい床の感触が、じんわりと体に伝わってくる。

 

「みのる!」

 

駆け寄ってくる足音。

 

焦りを含んだ声が、やけに遠く聞こえた。

 

まだ咳が収まらない。

呼吸が辛い。

 

胸が締めつけられるたびに、意識が薄れていく。

 

「大丈夫!?しっかり!」

 

肩を支えられる。

でもその温もりすら今は重く感じるほど、体が言うことを聞かない。

 

「はぁ……はぁ……私のことはいいから、ファントムを追って!!」

 

やっとの思いで言葉を絞り出す。

喉が裂けそうで、声は掠れていた。

 

「で、でも!!」

 

「みのるを放って行けないよ!!」

 

二人の声が重なる。

その優しさが、胸に滲む。

 

——でも、だからこそ。

 

「いいから行って!!多分、ここから先は私が行っても足手まといにしかならない。名探偵プリキュアの二人に任せる!!」

 

自分でもわかっている。

ただの人間の私が、あのファントムを追えるはずがない。

 

追えたとしても、激しい衝突は免れないだろう。

足を引っ張るだけだ。

 

「そんな……足手まといなんて!」

 

否定する声。

だけど、それが優しさから来るものだって、ちゃんとわかってる。

 

「行って!!!名探偵なんでしょ!?困っている人を助けたいんでしょ!?だからお願い!!みんなを助けて!!」

 

ひたすら叫ぶ。

目は逸らさない。

 

二人を、真っ直ぐ見つめる。

 

——信じてるから。

 

「っ………わかった!!」

 

短く、強い決意の声。

 

「……絶対、取り返してくるから!!」

 

力強く頷くあんな、その瞳には迷いがない。

二人の足音が、遠ざかっていく。

 

残されたのは、静寂と、自分の荒い呼吸だけだった。

 

はぁ……はぁ……と浅く繰り返すたびに、胸が軋む。

 

冷たい床に手をついたまま、私はただ二人の背中が消えた方向を見つめていた。

 

それでも——少しだけ、笑みがこぼれた。

 

あの二人なら大丈夫。

 

名探偵プリキュア。

困っている人を絶対に見捨てない二人。

 

だから、きっと——必ず、取り返してくる。

 

肺の奥に残っていた痛みが、ようやく引いてきた。

まだ完全じゃないけど、呼吸は少しずつ整ってきている。

 

冷たい床に手をついたまま、ゆっくりと体を起こす。

 

「あんた……大丈夫かい?」

 

不安げな声に顔を上げると、宝生さんがこちらを覗き込んでいた。

その視線には焦りと恐怖が混ざり合っている。

 

「宝生さん……大丈夫です。なんとか落ち着きました」

 

まだ胸は重い。

でも、ここで弱っている姿を見せるわけにはいかない。

 

一応私もキュアット探偵事務所の一人だ。

不安にさせないようにしなきゃ。

 

「首飾りを奪った怪盗団ファントムは、二人が必ず取り返してきます。もう少し待っていてください」

 

自分に言い聞かせるように、はっきりと言葉を紡ぐ。

 

「え、ええ……」

 

その返事は、どこか頼りなかった。

 

——そのとき。

 

「随分と古典的なトリック……わかりやすいけど、面白いね」

 

「ボクの煙幕弾を使わせた甲斐があったよ」

 

「ちょっと〜首飾り持っていかれちゃったじゃん!」

 

「初めてながら、実に見事な奪い方だった!」

 

四方から、声が重なった。

 

軽い調子。

余裕のある口ぶり。

 

けれど、その一つ一つが耳に焼き付いて離れない。

 

「……え」

 

背筋が、凍りついた。

 

この声——聞き覚えがありすぎる。

 

視線を巡らせると、そこにいたのは警備員の格好をした四人。

 

だが、その立ち姿、その空気が、あまりにも異質だった。

 

「だ、誰なの!?」

 

次の瞬間。

四人は一斉に、警備員の制服を脱ぎ捨てた。

 

翻る布。

 

現れたのは、見慣れた——いや、見慣れてはいけないはずの——姿。

 

「「「「怪盗団ファントム参上!!!」」」」

 

空気が、張り詰める。

 

「怪盗団ファントム!?」

 

嘘でしょ……ニジー、アゲセーヌ、ゴウエモン。

 

幹部が、全員この場所に?

 

——いや、それよりも。

一番前に立っている少女は、誰?

 

「な……な……!?」

 

声にならない悲鳴が、宝生さんから漏れている。

 

「初めまして、花崎みのる。私は怪盗団ファントムのジャック。以後、お見知りおきを」

 

ゆっくりと一歩前に出て、優雅に名乗る少女。

 

「ジャック……」

 

見た目は、あんなやみくると変わらない年齢だ。

 

なのに——圧が、違う。

 

立っているだけで、周囲の空気が歪むような威圧感。

 

——この子も……妖精?

それとも、もっと別の——。

 

「今回は全員が出撃だから、失敗は許さないよ、ベイビー!」

 

「アンタに言われたくないわよ!」

 

軽口を叩き合う余裕が、逆に恐ろしかった。

 

名探偵プリキュアの二人は、別のファントムを追っている。

 

この場で、まともに戦える人はいない。

 

四人……いや、待って。

 

じゃあ、二人が追っているファントムは、誰?

 

「全員揃って何しに来たの……?」

 

声が震えた。

 

「……星明かりのプリンセス。これだけで理解できるでしょ?」

 

「それだけなのに全員で!?」

 

規模がおかしい。

明らかに、何かが違う。

 

「警備員!!」

 

宝生さんが手を叩く。

 

パン、と鋭い音が展示室に響き渡った。

 

その合図で、四方から警備員たちが一斉に集まり、怪盗団ファントムを取り囲む。

 

「あーあ、囲まれちゃった」

 

「私たちもキュアアルカナ・シャドウのところに行こうと思ってたんだけど……ちょっと暴れようか?」

 

「お、久しぶりだな!こういうのは!」

 

「やれやれ、仕方ないね」

 

——笑ってる。

 

完全に包囲されているのに、誰一人として怯んでいない。

 

それどころか、楽しんでいる。

この状況を、心の底から楽しんでいる。

 

——まずい。

 

直感が警鐘を鳴らした。

 

ここで、何かが起きる。

取り返しのつかない、修羅場が。

 

美術館の空気が、ゆっくりと——確実に、崩壊へと傾き始めていた。

 

 

_______________

 

 

 

【みくるSide】

 

足を止めない。

ただひたすら走り続ける。

 

だけどいつまで走っても、ファントムの姿は視界に入らない。

このままじゃ逃げられる。

 

——どこに行ったの?

 

見当たらないまま、階段まで来てしまった。

 

上か、下か。

どっちに向かった?

 

頭の中で、みのるの言葉がよみがえる。

 

『屋上に繋がる廊下と階段付近を調べたんだけど、防犯カメラは階段近くにあった一台だけで、警備はそこまで厳重じゃなかった』

 

——……!!

 

「待って!!」

 

「え?」

 

下に降りようとしたあんなを呼び止める。

 

みのると情報を共有しておいて良かった。

 

警備が厳重な一階に比べて、屋上への道は警備が手薄。

ならファントムが向かった先は——。

 

「屋上に行こう!」

 

「……あ、そうか!!」

 

あんなも思い出したみたいだ。

 

事前に合流した際にも、みのるから屋上の警備の薄さを伝えてもらっていた。

 

みのる……まだ自分が足を引っ張ってると思ってるかもしれないけど、ちゃんと役に立ってるよ。

 

いや、そうじゃなかったとしても——みのるのことを、役に立たないなんて思ったりは絶対にない。

 

「はぁ……はぁ……」

 

階段を一気に駆け上がる。

 

何も話さない。

話す余裕もない。

 

ただ、マコトジュエルを——首飾りを取り返す。

 

「……いた!!」

 

屋上へ出た瞬間、その後ろ姿を捉えた。

 

警備員に化けたファントムの左手には、星明かりのプリンセス。

 

——絶対に逃がさない!

 

「オープン!プリキットライト!」

 

あんながプリキットライトを掲げ、空に円を描いて輪っかの物体を作り出す。

 

「輪投げ!」

 

ファントムに向かって、思い切り投げる。

 

以前にジャックを拘束した時と同じ罠。

 

触れた相手を拘束できるはずだった——だけど、ファントムは背後を向いていたのに、その瞬間高く跳び上がって輪を躱した。

 

「……なぜここが?」

 

「美術館の入り口には、十台以上の防犯カメラがあるし、外にはたくさんの記者がいる。屋上からの方が逃げやすい」

 

理由は至って単純なもの。

 

だけど、普通の人なら屋上に逃げたって飛び降りたりはできないから、捕まるだけだ。

 

怪盗団ファントムであれば——話は変わるけど。

 

常識を軽々と覆すのが、ファントムだから。

 

「やるじゃない」

 

警備員はそう言って、変装を解いた。

 

現れたのは——今までのファントムとは全く雰囲気が違う、ただの少女だった。

 

仮面もつけておらず、一見ではファントムだとはわかりにくい。

 

「……昼間の!?」

 

あんなは面識があるのか、プリキットライトを構えて警戒している。

 

私は状況を飲み込もうとしながら、少女から目を離さない。

 

「それでは私を止められない。プリキュアになりなさい」

 

……え?

まだハンニンダーも呼び出していないのに?

 

「……じゃないと、変装して街に溶け込み、逃げちゃうけど?」

 

少女の発言も気になる。

でもそれよりも——さらに目を疑うものが、少女の手に握られていた。

 

「……!?」

 

「プリキットグロス!?」

 

私たちが使う探偵道具。

 

変装するために使うプリキットグロスを、あの少女も持っていた。

 

一体なぜプリキットを……?

ますます、わけがわからない。

 

「ポチー!!」

 

するとポチタンが声を上げた。

「とにかく変身して!」と言っているのだろうか?

 

「「……うん!」」

 

少女もプリキュアになれと言っているんだから、ならない理由はない。

 

今までと違う展開だけど——私たちはいつも通り、事件を解決に導き、人々を助ける。

 

それだけよ!

 

「「オープン!ジュエルキュアウォッチ!!」」

 

二人の手にあるペンダントが、まばゆい光を放つ。

 

宝石のような輝きが弾けると同時に、ペンダントは形を変え、カラフルな懐中時計――ジュエルキュアウォッチへと姿を変える。

 

私たちは、迷いなくそれぞれのマコトジュエルを取り出し、ウォッチに装着。

 

「「プリキュア、ウェイクアップタイム!」」

 

声が重なった瞬間、光が溢れ出す。

 

「サン!見つける!」

 

ジュエルキュアウォッチの長針を、3の位置へと揃える。

 

あんなの髪が風にほどけるように一気に伸び、足首に届くほどの長さになる。

毛先はハート型に整い、頭頂部の左右は可愛らしいお団子のツインテール。

 

髪色は鮮やかな紫へと変わり、毛先に向かって淡いピンクのグラデーションが広がった。

 

私の髪も同時に伸び、やわらかな三つ編みへと姿を変える。

色はあんなとは逆に、明るいピンクから紫へと溶けるように移る。

 

瞳の色も変化する。

 

あんなは澄んだ青緑、私は神秘的な紫へ。

 

「ロク、向き合う!」

 

長針を6に揃える。

 

私の身体に、淡いピンクのオフショルダーワンピースが包み込む。

フリルの揺れるスカートが、可憐さを際立たせた。

 

背中には、水色の大きなリボン。

 

あんなも、フリフリの紫色のワンピースを身に纏い、背中には鮮やかな黄色の大きなリボンが現れる。

 

「キュー!奇跡の二人!」

 

長針を9へ。

 

二人の足元に光が集まった。

 

あんなは紫色、私はピンク色のブーツを履き、同時にニーハイソックスが脚を彩る。

 

あんなの手には薄い水色のフィンガーレスグローブ。その上から薄紫色のオープンフィンガーグローブが重なる。

 

私の手にも薄紫のフィンガーレスグローブと、薄ピンクのオープンフィンガーグローブ。

 

指先には、それぞれの色のネイルがきらりと輝いた。

 

「くるっと回して、キュートに決めるよ!」

 

長針を11に揃える。

 

あんなの左右のお団子には華やかな髪飾りが添えられ、耳元にはピアスが揺れる。

 

私の髪には大きなリボンの髪飾り。

そして同じく、両耳にピアス。

 

さらに私たちの胸元にはネクタイ型のリボン。

肩には短めのケープが重なり、装いが完成へと近づいていく。

 

ジュエルキュアウォッチは光となって収束し、衣装の腰にあるキャリーへと収められた。

 

――そして。

 

「どんな謎でも、はなまる解決!名探偵『キュアアンサー』!」

 

「重ねた推理で、笑顔にジャンプ!名探偵『キュアミスティック』!」

 

いつもの決めポーズ。

 

最後に私たちは自然と歩み寄り、並び立つ。

 

「「名探偵プリキュア!!」」

 

その名とともに、光が弾けた。

 

少女は何も言わず、ただ私たちのことを黙って見下ろしている。

微動だにしないその余裕が、不気味でならない。

 

「あなた、一体誰!?」

 

「どうしてプリキットグロスを持ってるの?」

 

気になることを問いかけても、少女は答えてくれない。

 

「推理するのが探偵でしょ?」

 

「答えを聞くだなんて、オシャレじゃないわね」

 

くっ……ごもっともだけど、なんか悔しい。

 

それに少女の横で飛んでいるのは——妖精?

雰囲気はポチタンに似ているけど。

 

この少女、本当に何者?

 

「マシュタン、預かってて」

 

少女はそう言って、首飾りをマシュタンと呼ぶ妖精に預けた。

 

星が、やけに近く感じる。

 

夜空いっぱいに広がる光の粒が、まるでこの場を見下ろしているようで、息が詰まる。

 

視線を逸らせない——逸らせば喰われる。

そんな錯覚に囚われたまま、私は目の前の少女を睨み続けていた。

 

どれくらい時間が経ったのか、分からない。

ほんの数秒かもしれないし、永遠にも思える沈黙だった。

 

風が吹く。

低く鳴くような音とともに、スカートの裾が揺れた。

 

冷たい空気が肌を撫でる。

その感覚だけが、ここが現実だと告げてくる。

 

警戒するが、動けない。

目の前の少女が、一歩も引かないからだ。

 

彼女の瞳は、夜よりも深く、静かにこちらを射抜いていた。

感情を読ませないその視線が、じわじわと神経を削ってくる。

 

まばたき一つすら許されないような緊張が、全身に張り付いていた。

 

喉が乾く。

唾を飲み込む音すら大きく響きそうで、怖い。

 

風がまた吹いた。

今度は少し強く、髪が揺れ、視界の端で影が揺らめく。

 

それでも私は、目を逸らさない。

逸らせない。

 

少女も同じだった。

ただそこに立ち、こちらを見据えている。

 

星空の下——静寂は、限界まで張り詰めていた。

 

あと一瞬で、何かが弾ける。

そんな確信だけが、この場を支配していた。

 

「いいわ。今日は特別、答えを教えてあげる」

 

少女は首から下げているペンダントに手を添えた。

 

——まさか。

 

嫌な予感が、全身を走り抜ける。

 

次の瞬間——少女の身体が、眩い光に包まれた。

 

「――オープン……」

 

囁きは、夜気に溶けるように静かだった。

胸元のペンダントが淡く脈打ち、やがてひときわ強い光を放つ。

 

光は細く伸び、形を結び、少女の手の中で長くしなやかな杖へと変貌した。

 

「ティアアルカナロッド」

 

その名を呼ぶ声は、どこか儀式めいていた。

 

指先を添えた瞬間、少女の身体はふわりと宙をなぞるように舞い上がる。

 

蝶が花から花へと渡るような、優雅で曖昧な軌跡。

衣装はそれに呼応するように紫の光を帯び、周囲へと細やかな輝きを弾けさせた。

 

――マコトジュエル。

 

想いの結晶が、静かにロッドへと収まる。

円を描くように一回転。

 

足元に広がる魔方陣は、まるで運命を編み上げるかのように精緻で、妖しく光った。

 

「シャッフル」

 

ロッド上部のカードがくるりと回転した瞬間、少女の髪は深い漆黒へと沈む。

 

もう一度。

軽やかな指先でカードを弾けば、闇は一転して黄金へ――光を宿した対の色へ。

 

かきあげた髪の先には、鮮やかなピンクのグラデーション。

甘さと鋭さが同居する、不思議な色彩。

 

「リバース」

 

その一言で、世界が反転する。

 

髪はさらに長く伸び、ふわりと広がる毛先が空気を撫でる。

 

その姿はもはや“変化”ではなく、“顕現”だった。

 

ロッドをリボンのように翻し、舞う。

 

ノースリーブのワンピースが身体を包み、黒を基調とした衣装と明るく揺れる髪が、鮮烈な対比を描き出す。

 

スカートには紫の雫が幾重にも散りばめられ、光を受けて静かに揺れた。

 

――カンッ。

 

硬質な音が響く。

 

ロッドを地に打ち付けた瞬間、露わだった脚は黒いパンプスと濃紫のサイハイソックスに包まれた。

 

祈りを捧げるように両手でロッドを握れば、手首には繊細なリストカフスが。

 

頭上には、黒いダイヤが連なる雫型のティアラ。

瞳は紫から赤へと移ろい、奥に宿るハートの光が妖しく揺らめいた。

 

耳元には雫のピアス。

背には黒い蝶と、薄紫のレースが静かに寄り添う。

 

閃光が走る。

 

その残光の中で、黒いケープが肩を覆い、胸元にはネクタイ型のリボンが可憐に結ばれていた。

 

すべてが整った、その瞬間。

 

「神秘と秘密で包み込む――『キュアアルカナ・シャドウ』」

 

ロッドのカードに映るのは、彼女の横顔。

 

一歩、また一歩と進むだけで、空気すら跪くような威圧と神秘が満ちていく。

 

ロッドをくるりと回し、持ち替える。

 

その仕草すら、舞台の一幕のように美しい。

 

「さあ――迷宮へ誘いましょう」

 

黒き天使は、静かに、しかし確かに舞い降りた。

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