作者は無知、にわかです。間違いもあると思いますが宜しくお願いします
ネスとユメ
神々と神秘の超巨大学園都市キヴォトス。
数千の学舎と無数の学徒、言葉を喋る二足歩行の動物に自我のあるロボット市民、大人も子供もお姉さんもが銃を携行して往来する特異な世界だ。
些細な喧嘩で銃撃戦が頻発するほど物騒な場所だけど、生徒達1人1人が持つヘイロー……神秘の力が、華奢な体を丈夫にしていて、滅多に死人が出る事はなかった。
そんな銃と青春のキヴォトスに少年が1人。
リュックを背負い、バットを斜めに挿し、赤い帽子に青と黄色のストライプの服と特徴的な格好だ。
これだけなら少し目立つ程度の野球少年かな、程度で済んだが、当人は酷く混乱している状態だった。
「ここ、どこ だろう?」
少年は迷子であった。
気が付けば見知らぬ土地にいたのだ。
少年は大きな冒険を終えた後だったから急ぐ用事は無いのだが、それにしても置かれた状況には多少なりとも不安になる。
"見知らぬ土地"の広さは凄まじく、極寒環境から灼熱の砂漠地帯まであるし、場所によっては廃墟や無人の場所もある。
そして不幸にも少年は無人の、それもだだっ広い砂漠に立っていたのだった。
と、ここで不思議な気配を感じた少年は周囲を見渡す。
背丈の大きな砂丘の先。 風の波が伝う向こう。 今にも消えそうな気配は漂ってきた。
おっちょこちょいな、だけど優しい温かさを感じて……少年は迷う事なく駆け出した。
少年は心が優しかった。
優しさ故か、動物の声も聞こえるし、なんなら"ココロのチカラ"が使えるのだ。
そのチカラで世界を救った、なんて言ったら、どれくらいの大人が信じてくれるだろう。
緑髪に大きなお胸の少女、ユメ。
優しく、大人に騙されやすいほど無垢な少女の命は、今まさに消えようとしていた。
ユメは砂漠に飲み込まれて廃校寸前となった学校の生徒会長であった。
本来は器ではなかったが、自身以外の生徒が殆ど転校、その際に押し付けられる形で就任した。
ユメは幼稚で優し過ぎた。 それ故に人を疑う事を知らず、何度も酷い目に遭い、その度に唯一の後輩に説教されながらも生きてきた。
だからこその苦労もしたし、それでも人を信じ、幼心なりに誰かを救おうともしてきた。
これからも、きっとそうする。
人を信じてあげて、助けようとする。
どんな危険が待ち受けようと挑む事だろう。
けれど少女は見た目通り"無力"だった。
優しくても助けが来るとは限らない。
このまま砂漠で遭難し、日射病で衰弱死するのが運命となりつつある。
(暑いなぁ……動いてないのに暑いよぉ……)
ユメは心中、後輩に謝った。
涙も出ないほど衰弱していたけれど、その想いだけは強く儚く渦巻いた。
喧嘩別れの様になってしまったあの日。
危機感の無さに後輩がとうとう強めに怒り、生徒会室を出て行ってしまった。
ずっと助けてくれた後輩に愛想を尽かされたと思ったユメは、1人でも廃校の危機を何とかしようと行動した。
ところが道中の砂漠で迷子になり、倒れ、太陽に灼かれている。
(ごめんね、ホシノちゃん……駄目な先輩で、本当にごめんね……)
地図とコンパスを忘れるなと散々言われてきたのに。
最後まで駄目な先輩だった。 沢山後輩に迷惑を掛けた。 でも楽しかった思い出もある。
ああ、願わくば、もう少しだけ一緒に───
が、そこに。
(ネスはヒーリングγを試みた!)
(ふぇ?)
子供の声が心に響いたと思えば、忽ち体が軽くなって、喉の渇きや暑さが消えていく。
突然の事に困惑しつつも、まだ声は続いた。
(ネスはライフアップαを試みた!)
「幻聴かな? それに体が軽くなってきた……天国に行くのって、こんな感じなんだね……」
「お姉さん、しっかり! まだ死んでないよ!」
「うひゃあ!?」
少年の声と揺さぶりで、漸く現実を受け入れたユメは飛び跳ねるように起き上がった!
側には1人の赤い帽子の男の子が、ユメに優しく微笑んでいる。
小さな黄色のリュックサックに、手には銃ではなくバット1本。 それだけでこのアビドス砂漠を横断したのだろうか。
自分より年下の、それこそ小学生くらいの少年に助けられた事に恥ずかしさを覚えていると、少年は優しげな笑顔を向けたまま気さくに話してくれる。
「ぼく はネス。 大丈夫かい?」
ネス。
そう名乗る少年は、太陽の光より眩しく映る。
「う、うん。 助けてくれてありがとうねネス。 私はユメ。 アビドスの学校の会長だよ」
純粋なココロから投げかけられる言葉は、ココロが読めずとも伝わってくる。
今までの嘘や欺瞞に満ちた大人達の上面だけの言葉より綺麗で穏やかに聞こえた。
(なんだろう、ドキドキするよ……)
頷いて肯定しつつ、年上の威厳を取り戻そうと砂塵を払い胸を張るユメ。
その様子にネスも安堵すると、取り敢えずここは何処なのか聞こうとして……。
「おやおや、その不思議な力、実に興味深いですねぇ」
謎の黒服が立ち塞がった!
影がスーツを着たような姿で、目や口らしき部分は裂け目のようになり、そこから白い光が漏れているようにして形成されている。
……邪悪なココロに似たナニカを感じる!
明らかに普通の人間じゃない。
経験上からギーグの手下の宇宙人……スターマンのように相応の力……PSIを使ってきそうだとネスは警戒を強める。
「えっ? え? 誰!? カイザーの人?」
「クククッ……まぁそんなところです。 どうですか? そこの不思議な少年を私に渡してくれたなら、アビドスの借金を受け持ってあげますよ?」
ネスはバットに手をかけた。
先制攻撃のチャンスだ!
「サイコシールドΣ!」
とはいえ友好的かも分からないから様子見。
攻撃はせず、けれど保険に超能力を無効化するシールドを展開。
ネスとユメはサイコシールドに包まれた!
「えっ? ええ!? 急に半透明な膜に包まれてる! これもネスの力なの?」
「素晴らしい! ネスサン、ますますアナタが欲しくなりましたよぉ?」
謎の男はニタニタと笑っている!
やはり危険だ。 こんなだだっ広い砂漠でテレポートでもしてきたかのように、それもタイミング良く突然現れたのも、色々と謎が多い。
PKスターストームΩでも使ってくるかも。
取り敢えず、目前のは敵だ。
そうなると、ユメを守りながら戦うのは厳しくなるかも知れない。 今になって、カブトムシみたいな仲間のブンブーンや、大人達の気持ちが少し分かった気がした。
「ね、ネス……!」
ユメはネスの背後に隠れた。
無意識にきゅっ、とネスの裾を掴む。
「大丈夫だよ」
ネスは敵から目を逸らさず言った刹那、手から別の、温かくも強い光を放つ!
「PK.ヒーロー!」
瞬間、強い衝撃波が黒服を吹き飛ばした!
「なんと力強い!? ネスサンは、あとどれだけの神秘をお持ちなのでしょうかねぇ! これはアビドス最高の神秘をお持ちの方よりも、余程価値があるかも知れません。 クククッ……!」
(えええええ!? 何が起きたのおおお!?)
黒服もユメも何が起きたかも分からず、遂に黒服はかき消えた!
暫く来ないハズ……その間にネスはユメの手をとり、より光の当たる世界へと導いた。
「今のうちに!」
その手は温かく、どこまでも優しかった。
(不思議な男の子ネス……ホシノちゃんみたいに何度も助けてくれて……本当にありがとう)
この後、偶然進んだ先が町に繋がり、ユメは無事に母校のアビドス高等学校へと生きて帰って来れた。
後輩のホシノに散々説教されたが、命の危機を救ってくれた少年ネスに感謝をし、同時に行く当ての無いネスは、そのままお世話になる事となる。
そうして想像だにしなかった大人達の陰謀や各学校の問題に巻き込まれていくのだが、それはまた別の話である……。
(ネスは大きくなったら入学してくれるかな?)
「はぁ、ネスはキヴォトスの外から来たという事ですか。 ヘイローがありませんし」
「ボクは無事にオネットに帰れるのかな?」
はてさて、どうなることやら。
続かず羞恥心で削除かも(PK.サヨナラ)
ネス:MOTHER2の主人公。最初は田舎に住む普通の少年だったが、裏山に隕石が落ちてきた事をキッカケに、世界を救う冒険に出た
当作ではラスボスギーグを倒した後。またスマブラ風に他の仲間が使用していたPSIを使用。普通のシールドは張れたと思うけど、サイコシールドは本来ポーラだったかな…恐らく教えて貰ったのだろう(曖昧/ご都合主義
ユメ:Blue archiveの登場人物。本編約2年前、砂漠で遭難し故人となる。主人公先生が最初に訪れる学校「アビドス高等学校」の生徒会長だった
PSI:サイと読む。超能力の事。他RPGでいうところの魔法。攻撃・回復・バフ/デバフ付与等がある。ゲームではネスだけでなく仲間、敵も使う
攻撃系の名前は「PK○○」とつくが「サイコキネシス (psychokinesis)」の略