MOTHER×BLUE   作:ハヤモ

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ネス視点。相変わらず短め


悪い移動術と妖しい大砲

砂漠でカイザーに目を付けられたネス。

以降、砂漠を警邏するオートマトンが増えてしまった。 だがホシノは連中の跡をつける事で最寄りの基地の位置や戦力、連中が何故、衰退した砂漠地帯の土地を欲しがっているのか情報を集めていった。

すると連中は、こそこそと発掘作業をしているときた。 何を探しているのか分からないが、宝探しをしているように見える。

 

 

「アビドス砂漠には石油とか鉱物資源は無い筈だけどね。 やっぱり何かを探してます」

 

「カイザーの人達も、お宝探し?」

 

「金に困ってなさそうな大企業が、わざわざする事ですからね。 お偉方の趣味、という可能性もあるかも知れませんが、もっと特別な何かなのかと」

 

「なんだろう? 世界征服できる古代兵器とか!」

 

「漫画の読み過ぎでは?」

 

「ひぃん、そんなに読んでないよぉ……」

 

 

ホシノはいつも通りユメに厳しく当たるも、実はほぼその通りだったとは、この時のホシノ達に分かるはずもなかった。

 

一方のネス。

広大な砂漠で宝探しをする過程で、効率化の為にPSIを使用していた。

その能力とは本来の使い方ではなくて……。

 

 

「ん? 砂嵐が接近してくる!」

 

「いや待てアレは人間だぞ!?」

 

「待て待て止まれ! グハァッ!?」

 

 

目にも止まらぬ速度で接近してきた物体は、なんと人間だった。

そのまま警邏中のオートマタに衝突、吹き飛ばすやドゴンと双方で爆発。

衝突地点では黒焦げになった少年が起立。 暫し硬直のち、頭をブンブンと振っては焦げを犬のように振り払う。

すると忽ち鮮やかな赤い帽子に黄色と青色のストライプの服、黄色のリュックとはみ出たバットと壊れたライフルが姿を現した。

 

そう。 ネスだ。

ネスは長い高速助走を必要とするテレポートαを悪用、じゃなかった、有効活用して広大な砂漠を往来していたのだった!

 

 

「ふぅ。 近くに障害物となるロボットがいてくれて良かった。 走り過ぎると本当にテレポートしちゃうからね。 ありがとう」

 

「ふざけるなああああ!? ナニがありがとうだクソガキイイィ!」

 

「ここであったが百年目、理事への手柄にその首を頂いてやるぞゴルワァ!」

 

「ごめん、また前みたいに時間取ると勿体無いから……それじゃ!」

 

「くそ待て! 早過ぎる!?」

 

「逃げ足が早いガキめぇ……!」

 

 

エンカウントする前、しても即逃げるネス。

PPを大して消費しないテレポートαだからこそ、連続使用に耐えられる。 それに何かに衝突しても黒焦げになるだけで、HPが減る訳じゃない。

前の冒険でも多用した。 砂漠のような広大な場所では、ウッカリテレポートしてしまう危険性が高いが、それとなく障害物のあるフィールドを強行突破する時は重宝したものだ。

それは水の中を歩いてるだけでダメージを喰らう魔境だったり、冒険の終盤でオネットの隕石を守るモンスターの群れを掻い潜る時だったり。

そしてテレポートは周囲から見て早過ぎた。

ネスから見れば時が止まって見えるほど。

だから使用中に敵に攻撃される事は皆無であり、それは今回も通用したのだった。

 

なお、この能力でキヴォトスの何処かに行けても、故郷のオネットがあるイーグルランドなどには戻れなかった。

キヴォトスが特殊過ぎる環境下故か。 取り敢えず家に帰るには、この方法は使えそうになかった。

 

 

「自転車があれば、それを使う手もあるけれど。 今は持ってないからなぁ」

 

 

ツーソンの自転車屋"パンク"を思い出す。

店主の気前が良くて、無料で貸し出してくれた。

ただアレも欠点があって、狭い場所では乗れなくて、洞窟のような場所でも駄目。

ポーラが仲間になると、2人乗りは駄目だといよいよ乗れなくなった。

仲間が気絶して1人になっても、店主は何か不穏な気配を感じてか貸してくれなかったような記憶がある。

似たような展開はオネットのフランクリンとのやり取りだろうか……。

再び乗れたのは、家に帰る道中。 ポーラを家に帰して、久し振りに1人になって漸くだ。

短足だからサドルを低くするも、魔境のような場所で走れる脚力を持つネスだ。 砂塗れの砂漠でも余裕だろう。 そして鼻歌混じりにチャリンチャリンとベルまで鳴らすのである。

 

そして、そんな自転車は1年後、アビドスに入学してくる新入生が好んで使用するようになるが、これまた今のネスには分からない話だった。

 

 

「でもなぁ、お宝なんて簡単に見つからないよなぁ。 町の地図があればヒントが書いてあるかもだけど、それも無いし。 ヒント屋さんも……あるわけないよなぁ」

 

 

つらつらと思い出されるアレコレの記憶。

大人になるとは、こういう事なのだろうか。

いやいや、いけない。 ぼくはまだ子供だし、これからなんだ。 ユメとホシノの役に立って、そして帰る方法を探さないと。

 

そんな想いが通じたのか。

やがては砂漠の奥、渓谷へとやってきた。

古いが、まだ使えそうな線路に沿って移動していくと、そこには……。

 

 

「これは……巨大な大砲だ!?」

 

 

周囲の崖、遺跡に隠されたように、巨大な列車砲と思われる大砲を見つけてしまった。

ただ、ネスにはサッパリだ。 ジェフがいれば何か判ったかも知れないが。

 

 

「これが大人達が探すお宝? いや違うような気がする……でもコレは……なんだか良くない物のような気がする」

 

 

◇大砲は陽を浴びて妖しく輝いている……。

 

 

「帰ってユメ達に話そう。 何か知ってるかも知れない」

 

 

取り敢えず帰る事にしたネス。

勿論、テレポートαで。 それも今度は衝突しないようにして。

 

そして十分な助走がつくや、一瞬でアビドス高等学校の校庭に瞬間移動するのだった。

 

 

「えっ! 今ネスが何処からともなく校庭にやってきたように見えたよ!?」

 

「疲れてるんじゃないですか?」

 

「きっと超能力だよ!」

 

「そんなに超能力が便利になれる訳ないでしょ」

 

 

と、まだまだネスが理解されない部分はあるが。

それは元の世界の大半の大人達もそうか。

 

ネス達の真のチカラ、真の勇気を知っているのは、きっとほんのひと握りだ。

でも、そのチカラで救った命は計り知れない。

 

今回もそうなる……のかも知れない。




テレポートαの悪用?をしたプレイヤーは、どれくらいいたのでしょうか……
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