MOTHER×BLUE   作:ハヤモ

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前書き
通常、先生としか話せないアロナ
地下生活者とプラナのような例外あれども
生徒会長との関連性が疑われていますが、謎が多いOSです


シッテムの箱/アロナと苺豆腐

学園都市キヴォトスを統括管理する連邦生徒会、そのトップである会長により組織された連邦捜査部シャーレ。

その先生の助けとなるよう用意されたとされるオーパーツ、シッテムの箱。

見た目はタブレットだが、先生以外アクセス権がなく、それでいて未知で高度な力を秘めている謎多き端末。

そんなシッテムの箱に常駐しているシステム管理者兼、メインOSがアロナである。

壊れた教室のような景色の中にいて、人格と自我を疑う余地の無い、青空や海を思わす水色髪の幼女の見た目をした姿。

傘型の銃を持ち、先生の秘書を自称。

OSなのに昼寝をしたり、苺やカステラといった甘味が好きな発言をしたり。

非情事態では現実に干渉、先生を物理的な攻撃から守るなど、得体の知れ無さを発揮しても見せる。

そんな不思議幼女OSアロナだが。

その容姿は、行方不明の連邦生徒会長にどこか似ており、関連性が疑われている。

その関係性が判明する時、ブルーアーカイブの世界観、正体、本質が見えてくる……のかも知れない。

だが今は……。

 

 

「いちごとうふ!」

 

 

とあるビル、シャーレの部室にて。

目を輝かせて、先生とネスにせがむ娘であった。

先生としては可愛い我が子のような身近な存在だし、ネスとしても、近い年に見えるアロナに迫られるのは悪い気はしない。

 

 

「アロナは機械の中に住んでるんだね」

「はい! シッテムの箱の管理者ですから!」

「それじゃ、どうやって食べるの?」

「細かい事を気にしちゃ大きくなれませんよ」

「それはアロナもだよ」

 

 

機械に詳しくないネスは、アロナがOSだと言われても分からないけど、こうして"はなす"ができるのは嬉しかった。

"お前の場所"のチカラを引き出せるのはネスだけだったように、PSIが普及している世界となったキヴォトスでも、ネスは特別枠なようだった。

 

 

「ネス。 誰に話しているのだ」

「ジェフにはアロナが分からないの?」

「先生の持つ端末の事か。 テレパシーでも感じ取っているのか? ぼくには分からないが」

「じゃ、ぼくが代わりに通訳するよ。 アロナはね、苺豆腐が欲しいんだって」

「苺豆腐? グルメ豆腐マシンで出来るヤツか」

 

 

グルメ豆腐マシン。

アップルキッドの発明品。 グルメ豆腐というが、今のところ苺豆腐しか作れない。 何故こんな物を作ったのか不明。

ゲーム的には戦闘中に使用でき、苺豆腐ができると敵に勢い良く飛び出して相手にダメージを与えるネタ武器。

豆腐の角にぶつかる、といった言葉があるが、苺豆腐は痛いのかそうじゃないのか。 コレに当たる奴は愚かだというのか。

そんな豆腐だが、マシンで作り放題作って無限回復なんて事はできなかった。 なんでや。

ある人に渡す事で先に進めるキーアイテムであり、渡すと無くなってしまう期間限定アイテムでもある。

同時に進んだ先で貰える苺豆腐も1点もののレアアイテムだ。 都会で流行しているらしいが店で買えなかった記憶が。 勿体無くて食べれなかった人はどれくらいいただろう。

 

 

「そうそれ」

「構わないが、アロナは機械では? どうやって食べるというのだ」

「細かい事を気にしてはいけないって」

「……気になるが、まあ良いか」

 

 

ジェスは了解すると、グッズからグルメ豆腐マシンを取り出して稼働する。

◇ジェフはグルメ豆腐マシンを使った!

◇苺豆腐が出来上がった!

 

 

「いちごとうふ!」

 

 

◇アロナは目を輝かせている。

苺豆腐……苺ペーストが練り込まれているのか、丸い豆腐はピンク色。

その上に赤い苺ソースと、真ん中に飾りのミント的な緑の葉が載せられている。

見た目だけならフルー◯ェっぽいが、美味いのだろうか?

 

 

「ありがとうジェフ。 アロナは喜んでるよ」

「さて、どう食べるのか見ものだな」

 

 

タブレット端末が、どう物理的な存在を消費してくれるのか。

苺豆腐の皿をシッテムの箱の前にお供えするように置くと、ジェフは好奇心のまま眼鏡を光らせ、チェックし続けた。

瞬きした刹那───。

 

 

「なっ!?!?」

 

 

苺豆腐が跡形も無く消えた!

そこには綺麗な皿だけが残されている!

ネスも驚きながら、画面を見やった。 そこにはほんわか顔で苺豆腐をスプーンで掬って食べているアロナが映る。

 

 

「もぐもぐもぐ……ごくん。 おお、滑らかな質感でいて、しっかり苺味で固められた豆腐です。 そこを濃厚な苺ソースで更に強調してきます。 ありがとうごさいますジェフ君! 美味しかったです!」

「……って、アロナは言ってるよ」

「馬鹿な馬鹿な馬鹿な!?」

 

 

驚きのままに眼鏡を外し、目を擦るジェフ。

非科学的な、オカルトな現象を目撃してしまい、我が近視な目を疑ってしまう。

 

 

「何が起きたんだ!? 消えた!? 手品か何かか!? 端末の中に? いやどうやって!」

「ジェフ君、細かい事をしてはいけない」

「って、アロナは言ってるよ」

「細かくないだろうコレは!?」

 

 

暫く騒ぎ立て続けるジェフ。

PSIやかつての冒険で戦ってきた怪物や宇宙人、グッズの数々も謎が多かったが、キヴォトスにきて1番驚いた瞬間は、今日この日だったかも知れない……。




後書き
短編は偶に書くかも?
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