MOTHER×BLUE   作:ハヤモ

27 / 28
詐欺師だけど根からの悪ではない風のミライ
警察から逃走しながらも商魂逞しく……?


擬似科学部/吾妻ミライ

ミレニアムサイエンススクールは、科学を信奉する学校である。

だが科学的根拠の無い似非科学を提唱し、人を騙し、詐欺同然な活動で金銭を稼ぐ悪どい生徒もいる。

その代表の集団が擬似科学部だ。

迷信や証明が曖昧な物事を、さも効果があるように誇大広告、宣伝し、大人も子供もお姉さんも関係なく商品を売りつけて活動費を得ようとする詐欺同然の者共だ。

例えば次のような物が擬似科学にあたるか。

装備すれば運気が良くなるというような、オカルト紛いのゲルマニウムブレスレットとか。

思考盗聴防止用のアルミホイルの帽子とか。

日常的に潜む怪しい物としては、飲み食いするだけで痩せる系とか、水素水とか、マコモ湯などが挙げられるだろうか。

疑い深い人や知識人が見聞する分には鼻で笑ったり、指摘して取り下げさせる事もあろう。

ところが「科学的に証明されていて」という売り文句や、それっぽいグラフ、イニシャルや数字を添えればあら不思議。 「なんか凄そう」という曖昧な判断で買ってしまう人が少なくない。

故にこの手は無くならないし、昔から今、そして未来でも続いていくだろう詐欺の手法となっている。

そんな詐欺師集団、擬似科学部の部長である吾妻ミライは、超能力少年ネスと接触した!

白銀に純白のミレニアムの制服が眩く、豊満な胸が服を虐待している。

襟が立っていて、どこか未来的なデザインを思わせる。 そんな彼女の表情は喜怒哀楽がハッキリするほど豊かだ。

だが見ず知らずの人間が突然近寄ってきて、笑顔を向けてくれば、懐疑的な者は警戒心を抱いても仕方ない。

 

 

「初めまして! ネスとジェフでお間違いないでしょうか?」

「お姉さんは?」

「申し遅れました、私、擬似科学部のミライと申します! この度は超能力少年とアシスタントの少年のお役に立つ商品をご紹介したく……」

 

 

そう言って、アタッシュケースを開くミライ。

その様子に、どこか魔境にいたガッツある商社マンを思い出した。

 

 

「この装置があれば、どんな不良も得体の知れない怪物だって倒せるかも知れない! その名もグレオレマシン!」

 

 

グレオレマシン

→説明

発明家オレンジキッドの発明品。

出資すると貰える。 これがあれば怪物だって倒せるかも知れない、みたいな事を言われた気がするが、実際にはオレンジキッドを讃える歌を歌うだけ歌って壊れてしまうネタアイテム。

ハッキリ言えば役に立たないが、コレクションしたい人はエスカルゴ運送に頼んで妹のトレーシーに預けたかも知れない。

なぜコレをミライが持っているのか不明だが、細かい事を気にしてはいけない。

 

 

「よしネス、行こう」

「うん」

「ちょ、ちょちょっと待って下さいよぉ!?」

 

 

ジェフは察し、ネス共々後にしようとした。

それをミライは呼び止める。

 

 

「必ずお役に立てます! きっと! たぶん! おそらくは!」

「怪しい……邪悪な気配もするし」

「その手は間に合ってる。 それを買うくらいならタコ消しマシンや、こけし消しマシンの方が有用だ」

「な、なら此方はどうです!? 私を助けると思って!」

 

 

ミライは別のアタッシュケースを開いた。

そこには店でも売ってそうな物品もある。

 

(しなもの)

スーパースプレー(何度も使える殺虫剤)

さびのもと(金属の敵にダメージ)

さびのもとスーパー(上記の上位互換)

こわれたきかい(アンチPSIマシン?)

こわれたアイロン(ねばねばマシン?)

こわれたラッパ(デフェンスシャワー?)

ペンシルロケット(単発のペンシル)

ペンシルロケット5(5発束のペンシル)

アストロマシンガン(玩具ではない)

ムーンビーム(月の名を冠するビーム砲)

にじいろビーム(ビームが虹色?)

全自動茹で卵作り器(オリジナル)

フーセンガム(食べても腹の足しにならない)

サイコキャラメル(PPが回復するキャラメル)

ゲルマニウムブレスレット(詐欺商品)

 

しょっぱい品揃えだったが、茹で卵を作れるという機械に興味を持ったジェフ。

 

 

「じゃ、この全自動茹で卵器を」

「お買い上げありがとうございます! お目が高い、それは我が擬似科学部の独自の構造でして、市販のをパク……着想を得て改造、じゃなかった、開発されました!」

「うん。 お姉さんは怪しいけど、根からの悪い人じゃないのは何となく伝わるよ……よくわからないけど、頑張ってね」

「では! また機会があればお会いしましょう!」

 

 

そうしてミライは風のように去っていった。

なんだったんだろうと思っていると、遅れてやって来たはヴァルキューレ警察の生徒達。

 

 

「はぁはぁ……君たち! 白い服をきた詐欺師に合わなかったかい? 擬似科学部の部長でミライって言うんだけど」

「え? さっきの人かな?」

「逃げられたか! 皆、追うぞ!」

 

 

そうして警察も追うように去っていった。

ふとオネット警察を思い出したネスだったが、あの人たちは何かあると直ぐ道路封鎖をする。

ヴァルキューレはそこまでやる人員や予算がないのかも知れない。 地形的にもオネットのような田舎町じゃないし厳しいのだろう。

 

 

「やはりさっきの人は悪い奴だったか。 通りで急いでいた訳だ。 それでも商売をするとは、逃走資金を得る為だろうな。 或いは次の詐欺商品を作る為だ」

「そんな人から買い物して良かったの?」

「ああ。 純粋に機械の構造が気になった。 それに産み立て卵を屋外で楽に茹で卵に出来るなら良いなと思ってね」

 

 

そういってジェフは全自動茹で卵器を使った!

◇卵はあっという間にヒヨコになった!

茹で卵器ではなく孵化機だった!

 

 

「……まあ、これはこれで使えるさ」

 

 

ジェフの引き攣った笑顔に、ネスは苦笑するのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。